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訪問リハビリ制度という欺瞞

2018年08月02日(木)

「在宅でも充分なリハビリが受けられますよ」
と思っている人がいるなら、全く間違っている。
訪問リハビリ制度は複雑怪奇で「欺瞞」に思える。
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すべては2000年に遡る。
介護保険制度ができた年だ。

この年、訪問看護は医療保険と介護保険に分断された。
同様に、訪問リハビリも、2つの制度に分断された。

「介護保険優先の法則」といルールがある。
医療保険が苦しいので造られた競うだろう。

2000年から、慢性期リハビリは、2つの方法しか無くなった。
・介護保険下の訪問リハビリ
・通所リハビリ(デイケア)

そして現在、訪問リハビリは訪問看護と同様な扱いをされている。
ステーションから行く場合は、訪問看護と同じ扱いになっている。

違う法人の訪問看護ステーションに訪問リハビリを依頼した場合、
そのステーションの法人の医師が3ケ月に1回診回りに行かなければならない。

なんのために?
私は知らない。


・介護保険認定者→介護保険での訪問リハビリ
・介護保険非認定者→医療保険での訪問リハビリ

 
・介護保険⇒40分を3回/週を限度に入れる。  その際、医師、看護師と同日に訪問可能
・医療保険⇒医師の訪問診療を行っていることが必須。 ※医師、看護師とは同日訪問不可
 

この4月から、訪問リハ単独ができなくなり、看護師の訪問も必要となった。
 
※主治医が他のクリニックで自分のクリニックへ訪問リハビリの依頼があった場合、
 診療情報をもらった上で医師が初回診察をし、訪リハへ指示書を出して開始する。
 (クリニック医師から主治医へ、最低3か月に1回は、情報提供する必要あり)
 
※逆に主治医が他のクリニックへ依頼する場合、当該医師が定められた研修を
 履修していることが必須になっている。(来年3月までは猶予期間)

@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

要は、訪問リハビリが受けられないように、様々な制限が設けられている。
訪問看護を受けようにもそれを邪魔するケアマネがいることは既に書いた。

しかし訪問リハビリは訪問看護以上に高いハードルが設けられている。
しかも訪問看護同様に、医療保険と介護保険に分断されたままである。

これはなんのためか。
良く言えば財政難のためであり、悪く言えば「いやがらせ」のレベルだ。

慢性期医療においてもリハビリテーションが大切であることは論を待たない。
しかしそれはあくまで綺麗ごとであり、実態はズバリ「いやがらせ」なのだ。

行政は超縦割りで、医療保険と介護保険の連携は出来ないし、実際、無いに等しい。
両者を連携させることができるのは唯一政治だけだだが、以上を理解できる人は皆無?

こんなお寒いリハビリ事情の中、多くの国民が在宅療養を勧められる。
善良なケアマネさんさんたちは、制度の狭間で、もがき苦しんでいる。

いや、一番の被害者は患者さんである。
しかし誰も言わないし気づかない。(だから書いている)

訪問リハビリ制度は、訪問看護以上に「欺瞞」に満ちていると感じる。
是正すべきだと考えるが、皆さまの中で異論があれば是非書き込んで欲しい。

逆に「そのとおり」だと思うなら、「いいね」」クリックで賛意を示して欲しい。

やれ、2025年問題だ、やれ、多職種連携だ、と囃したてるのであれば
まずは身近な制度の欠陥に多くの人が気が付くべきだと思うのだが。


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この記事へのコメント

訪問リハビリには大変お世話になっています。回復期病院のリハビリの質を上げて、訪リハ不要に出来るのに。法改正しても良いと思いますが何に無駄遣いしているかも考えてよいのでは?

Posted by 匿名 at 2018年08月03日 03:53 | 返信

目下のところ、「通院リハビリ」に、励んでいる。
「急性期リハビリ」は、早期退院により中断し、また
「慢性期リハビリ入院」ではなく、「通院リハビリ」を選択した。

長尾先生のお話しでは、「訪問リハビリ」も、複雑怪奇のようだ。
しかも「医療保険のリハビリ」には、6か月という上限があるらしい。
6か月を経過すると、「介護保険のリハビリ」に移行するらしい。
当方の自己負担は、「医療1割」から「介護3割」になる。
「医療保険」と「介護保険」で、保険料も自己負担割合も、毎年「所得」の算定根拠が変わる。
「介護保険の訪問リハビリ」になるまえに、決着!を迫られる。ご同輩!

それにしても、日本大学アメフト部は、近大ボクシング部にならい、なぜ解散しないのか。
ボクシング連盟は、なぜ「一社」なのか、なぜ「会長が終身天皇」なのか。
東京なんとか大学は、なぜ女性受験者の下駄を脱がしてきたのか。
小学生諸君の疑問に、だれも応えられない。
なんとも「アヘな社会」の腐臭に、みな、慣れっこ!

Posted by 鍵山いさお at 2018年08月03日 06:41 | 返信

こんにちは。初めてまして。以前訪問リハビリテーション所属の作業療法士でした。
突然のコメントお許しください。
先生の意見と全く同じ意見です。訪問リハビリテーションこそ、本当のリハビリテーションなのに、中々普及しない、しにくい印象です。包括ケアシステムを普及させたいのに、何故こんなにも介入しにくいのだろうか。謎です。
アピールがしていない私達リハビリテーションスタッフにも、問題があるのでしょう。
また訪問リハビリテーションに携わっていきたいと思っていますが、複雑な法律がいい方向に変わることを願うばかりです。

Posted by 根本卓 at 2018年08月04日 11:51 | 返信

デイサービス勤務しています。やはり財政難なんでしょうか。
通所リハビリはデイケアだけではなく、通常型のデイサービスに機能訓練という形でさせようとしています。
デイサービスは4月の改正で介護報酬下げられただけでなく、次の改正では本気でリハビリに取り組まなければならなくなるんじゃないか(利益が出せない)と考えています。単価の安いデイサービスに何でもかんでもやらせようという国の魂胆かも?!
地域福祉に関わるものとしては訪問リハビリは在宅生活に必須だと思います。もっとリハビリ専門職が地域で活躍して身近な存在になってほしいです。

Posted by 尼崎の社会福祉士 at 2018年08月04日 07:22 | 返信

最近の、政府の作る法律、政治家の作る法律には、ほとほと、嫌になっている。
およそ誰もオムツも替えたことの無いであろう、男性高齢者が多くを占める国会議員、政治家たちは、自分たちが儲けることしか考えていない。
製薬会社に設けさせ、医師に儲けさせ、そして、社会法消費が足りないと国民全員に一括で税金を負担させようとする。
何を信じていいのかわからないけれど、世の中、理不尽と矛盾だらけ。
目の前の自分の仕事をこつこつとするしかないけれど、泣いている多くの人たちが、どうしたらよりよいケアをうけられるんだろうか。

Posted by sue at 2018年08月04日 11:39 | 返信

訪問看護Ⅰ5の訪問リハビリと訪問リハビリテーションが、混ざって説明されているようで、さらにややこしく感じました。
訪問でリハビリテーションを受ける方法が2通りあって、訪問看護ステーションから受けるのか、医療機関から受けるかの違いだけだと思います。ただ、それぞれで医者、看護師の関わりかたや、難病でも医療保険で受けられるのか受けられないのかも変わってくるので、ややこしいのはまちがいないですが。

Posted by とある訪問理学療法士 at 2018年08月05日 03:33 | 返信

いずれ、「慢性期リハビリ」卒業で自立、となるか、
介護保険・要支援の「訪問リハビリ」となるか、が迫られる。

被災地では、「訪問リハビリ」は、どうなっているのか。
被災すれば、「トイレ問題」も深刻だ。
非常時・非日常の「トイレ・ストレス」が、深刻な「健康被害」をもたらしているという。

当地でも、「災害時のトイレ問題」をテーマに、有志があつまった。
呼びかけ人の資料によると、
熊本地震での「災害関連死」(2017年12月現在)の主な原因は、
①呼吸器系疾患、②循環器系疾患、③内因性の急死、④自殺、⑤感染症、だという。
一方、「全国・平時」(2015年度)の主な死因は、
①悪性新生物、②心疾患、③肺炎、④脳血管障害、⑤老衰。

避難所生活またはインフラ途絶のもとで、
「飲まない」「出さない」という「トイレ・ストレス」に、体の防衛反応が限界を超え、
「医学的介入」むなしく、「災害関連死」におちいりやすいという。

「リハビリ」もそうだが、「トイレも問題」も、
他人任せにしないで、自分流の工夫が必要だ。

Posted by 鍵山いさお at 2018年08月05日 05:36 | 返信

月2回の訪問診療と週1の訪問看護を、某在宅診療所から受けています。
又、別のクリニックから訪問リハビリを週3回(各40分)受けています。
これまでは、よかったのですが、この4月からの改正で、
訪問リハビリを受けているクリニックの医者も3か月毎に来るようになりました。
はっきり言って迷惑です!
月2回の訪問診療を受けている主治医がいて、健康状態はこちらで把握されているのに、
普段の様子を全く知らない別の医者が、3か月に1回来る事に何の意味があるのか、
どうしてもリハビリクリニックの医者が書類を作りたいなら、
訪問診療を受けている在宅医師と連携すればよいこと、
形だけ来たって無駄だし、こちらが医者の応対をせねばならないので非常に迷惑、
医者は上から目線の態度だし、こっちはもうわかってるから何も説明いらないのですが、
医者が色々きいてくるから一から容体を説明せねばならないし、
根ほり葉ほり聞いても3か月に1回見に来るだけでは何もできないでしょ、
医者二人もいらない、二重に来るな!
すぐにやめてほしい事の一つです。
その他、無駄な書類が多過ぎると思います!
わざとどうでもいい書類ばかり作って仕事作って料金とってるんでは、
と思ってしまう。

Posted by ありが at 2018年08月15日 11:01 | 返信

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