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「嘔吐したら救急搬送」が規則だという介護施設

2018年08月17日(金)

「食べさせた後に嘔吐しました」という電話が、よくかかってくる。
ほとんどがグループホームか老人ホームの介護スタッフからである。
上層部から「嘔吐したら必ず救急搬送」という厳しい指示があると。
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救急搬送が必要かどうかの判断は、主治医の責務である。
でも主治医に相談せずに119番するのがそうした施設。

何度か「それはおかしい。まず医師に連絡して」と
説明するのだが、管理者や経営者は、聞く耳が無い。


そうした介護スタッフは、医療保険の規則を知らない。
「なんでも119番すればいい」と素直に信じている。

搬送するほどの状態であるのかを、考えないので
「なぜ嘔吐したのか?」を考えることを知らない。

多くは、「無理やり詰め込んだ」からだろう。
彼らは、「完食しなくてもいい」を知らない。

心配なら119番。
それで全てが免責される世界、それが介護施設。

そう信じてう疑わないような素人が施設を経営している。
「臭いものには蓋をしろ」、的な発想しかできないのか。


「どの病院に搬送したのですか?」

「分かりません。施設の方針ですから」

「搬送は誰がどう判断するのですか?」

「分かりません。何かあったら救急車です。
 私は職員なので上からの指示に従うだけ」

「勝手にそんなことをするのは法律違反ですよ」

「分かりません。まあ、上司に伝えておきます」


それにしても、こんな施設運営で通るのだろうか。
「それで良し」とする在宅医がいるのだろうか?

もし本人や家族があとで「誰の判断で搬送したんや?」
と文句を言ってきたら、私はなんと答えればいいのか?

「入院なんか希望していなかったのに。お前が入院代払え!」
となったら、どうするつもり?


正直、午前3時の不要なバイタル報告電話も
嘔吐=救急搬送ルールも私には理解できない。

医療と介護の連携は、在宅では可能だろうが、
施設では難しいと言わざるをえないのが現状。

国立認知症大学で一生懸命に教えても、必ず言われるのは
「長尾先生が言うのは分かるけど本部の指示は逆だから」。

本部とは、東京に本社がある一部上場している株式会社だ。
上司とは、医療も介護も知らないどこからか来た天下りだ。

私が本当に教えなければならないのは、本部のトップである。
この国の高齢者介護を担うのであれば少しは勉強して欲しい。

いくら介護訴訟が怖いからと言っても、尊重すべきは
患者さんの意志や尊厳と、ご家族の意向ではないのか。

介護の世界に、無条件で(893でもOK!)、営利企業を
参入させたことが今、大きなツケとなり跳ね返ってきている。

そのような「自分の利益しか考えない」サ高住や老人ホームなどの
「なんちゃって介護ビジネス」は早晩、自然淘汰されると予想する。

なんの世界でもそうだが、生き残るのは本物だけだ。
利益しか考えない企業には、必ず何かが起こるはず。


そんななか、この春、救世主候補が現れた。

「介護医療院」である。


少しずつ増えていて、5年後には主役になっていることだろう。
上記の現状からは、「これしかない」という気がしてならない。

介護施設でありながら夜中も医師や看護師がいる。
前述のような「不要な119番」が激減するはず。

ちなみに尼崎は、救急車一台あたりの稼働率は
全国ワースト1位、という不名誉な記録の街だ。

がんの訂正死亡率は全国1700のじ自治体のワーストワン。
メタボの有病率も兵庫県下ワーストワン。
従って、認知症の有病率もかなり上位。
おまけに不要な救急搬送も一位?


さて、介護医療院では「リビングウイルが活かされる」、
そんな願いを日慢協雑誌8月号の巻頭に書かせて頂いた。→こちら

青い理想論、と言われるかもしれない。
しかし私にとっては、「光明」に映る。

危機的状況であると思うので、一見よさげな施設
の裏側と、在宅主治医としての憤りを、書いみた。

お盆もヒマ無し。
それでいいのだ。


PS)
でも本当は、国のガバナンスの問題だと思う。
厚労省内の連携ができない、する気も無いことが本質か。

課題をしらない政治家や問題意識が無い政府の責任である。
しかしそれを選んでいるのは私たち国民だから仕方が無い。

還暦過ぎての、みっともない愚痴。
こんな状況、いつまでも続かない。

最近、You Tubeで80年代音楽を聞くことが
すっかり「習慣」にになってしまった。

死が近いのか。
お盆なんか。

亡くなった人の夢ばかり見ている。























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この記事へのコメント

私も失敗しました。父が在宅で闘病している時、お昼ご飯にお好み焼きを沢山食べたとおもたったら、ゲッと吐いたので、びっくりして在宅の若い女医さんに電話したら「救急病院に行ってください」との事で、救急車で、病院に行ってしまいました。
病院のO先生は「K先生は、自分に自信が無いから、なんでも病院に送り込んで自分で責任をとろうとしないんだ」と怒られました。でも1週間入院して、検査して異常なしで退院しました。
後から考えたら、その前に、便秘状態だったのです。在宅の若い女医さんに,そのことも言っていなかったなあと自分を反省しています。
施設で不穏になるお年寄りも、よく便秘が原因だと施設の人が言っていました。便秘を解消したら、穏やかになることが多いそうです。

Posted by にゃんにゃん at 2018年08月17日 09:42 | 返信

あの~老健でも特養でもちゃんとできてると思います。ただし、老健はお薬代が医療保険使えないため、一日の薬代300円超えると運営上きついのがネック。特に最近、心不全の薬サムスカが使用されていて、一錠が施設の一日の食費を越えるくらいの高額。そのため、老健では入所受け入れできず、ショートステイでしか対応できません。医療保険使うと高額な薬でも安くなるため、医療機関では薬代のことなんて考える医者もいないのだと思います。老健はそうはいかないので、アリセプトなんて最初からださないでokですという方しか入所していませんでした。薬代の問題がクリアできれば老健と介護医療院の差はなんなのか、よくわかりません。今や老健も特養も介護度3から5の方奪い合いの状況で入所者探しに苦労しています。介護医療院が増えたら老健や特養は少しずつ潰れていくかもしれません。介護度低い方の入所は経営上厳しくなるように設定されています。介護度1,2の方は増える一方で、在宅困難な介護度1-2の方の受け皿こそ必要だと思います。介護度は一人で暮らせるかを反映していないのに、さらにルーレットみたいないいかげんな数値なのに、介護度1-2は在宅と決めつけられて、行き場のないお金もない方はどこに行けばいいのでしょうか。介護度3-5になるのを待つしかないのでしょうか。しかし、老健にいたら、介護度は低くなる一方でますますどこいも行けなくなる理不尽さを感じます。在宅で家族が受け入れてくれるというケースは、ただそれだけでご本人はとても恵まれていらっしゃると思います。

Posted by 遠い声 at 2018年08月17日 10:22 | 返信

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