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自殺は犯罪じゃないのに「手助けしたら有罪」

2018年08月20日(月)

自殺は犯罪じゃないのに「手助けしたら有罪」になってしまう。
西部暹さんの自殺ほう助裁判が東京地裁429号法廷であった。
たった30人しか傍聴できない特別室に大勢の人がつめかけた。
 


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評論家・西部暹さん
自殺は犯罪じゃないのに「手助けしたら有罪」 どうして?  弁護士ドットコム →こちら


評論家・西部邁さん(当時78)の自殺を手助けしたとして、自殺幇助の罪に問われていた知人の
男性会社員に(56)に対し東京地裁は7月30日、懲役2年、執行猶予3年の有罪判決を言い渡した。

報道によると、男性は今年1月21日、同罪で公判中の別の男性会社員(41)と共謀し、
西部さんを車で運ぶなどして、多摩川で入水自殺するのを手助けしたと認定された。
41歳の男性についても8月17日、検察が懲役2年を求刑して結審。
9月14日に判決が言い渡される。

たとえば、殺人幇助罪なら、殺人を犯した人も裁かれる。
一方、自殺の場合、亡くなった本人は罪に問われず、
処分をされるのは手助けをした人だけだ。

誰に迷惑をかけたわけではないのに、どうして自殺幇助は犯罪なのだろうか。
どういう目的で置かれた刑罰なのか、松岡義久弁護士に聞いた。


●自殺幇助は「他人の生命の否定」という発想

ーー自殺幇助はどうして犯罪なんでしょうか?

自殺幇助とは、既に「自殺の決意を有する者」に対して、自殺行為を援助して自殺を遂行させることです。
たとえば、自殺の方法を指示する、器具を提供するなどがあります。西部邁さんの事件はまさにこれにあたります。

自殺行為自体は、犯罪ではありません。
一方で、自殺幇助については、6カ月以上7年以下の懲役または禁錮に処せられます(刑法第202条前段)。

これは、一般的には、生きる希望を失った者が自ら生命を絶つ行為については刑法上、
不問に付してもよいが、自殺に関与する行為は他人の生命を否定する行為の一種であり、
違法で罰せられるべきであるとの考えに基づくものと言われています。

ーー自分はともかく、他人の生命の否定はダメということなんですね。
自殺幇助罪が規定された刑法202条には、自殺教唆罪や同意殺人罪(嘱託殺人罪・承諾殺人罪)もあります。
どんな違いがあるんでしょうか?

自殺教唆罪は、「自殺の決意を有しない者」に対して自殺を決意させ、自殺を遂行させる罪です。

嘱託殺人罪は、殺された人(被殺者)の嘱託(依頼)を受け、その者を殺害する犯罪、
承諾殺人罪は被殺者の承諾を得て、その者を殺害する犯罪です。
どちらが持ちかけたかで変わります。

法律上はいずれも刑は6カ月以上7年以下の懲役又は禁錮ですが、
自殺幇助、教唆と違い自ら殺害行為をしているということなどから
同意殺人罪の方が刑は重い傾向にあると思われます。

なお、合意によって心中をした場合には、その態様に応じて上記犯罪のいずれかが成立することになります。
一方、いわゆる無理心中は、同意などがない以上、通常の殺人罪としてより重い刑罰が科されます。

【取材協力弁護士】
松岡 義久(まつおか・よしひさ)弁護士
横須賀市内(京急横須賀中央駅徒歩5分、裁判所徒歩2分)で事務所を共同経営するパートナー弁護士。
京都大学法学部卒、警察庁(国家Ⅰ種)を退職後、2回目で司法試験合格。相続、交通事故、
債務、離婚、中小企業、行政のトラブル、顧問など幅広い分野を専門に扱う。
事務所名:宮島綜合法律事務所
事務所URL:http://www.miyajimasougou.com/

弁護士ドットコムニュース編集部

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西部さん自殺ほう助  MX子会社社員に求刑2年    8月17日読売新聞 → こちら


東京都大田区の多摩川で1月、評論家の西部邁(すすむ)さん(当時78歳)の入水自殺を手伝ったとして、
自殺ほう助罪に問われた東京メトロポリタンテレビジョン(MXテレビ)の子会社社員・
窪田哲学被告(45)の公判が17日、東京地裁(守下実裁判官)であり、検察側は懲役2年を求刑した。
弁護側は無罪を主張し、公判は結審した。判決は9月14日。


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本人の望みを叶えてあげた部下たち。

天国の西部さんは満足死だったはず。

しかし家族は「止めて欲しかった」と。

そして司法は、懲役2年を求刑した。

もし「部下」が「医師」で、「手助け」が「薬剤」だったら。
それを、「安楽死」と呼ぶ。



 

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この記事へのコメント

三島事件の場合は、嘱託殺人罪に問われた。
西部事件の場合は、自殺ほう助罪に問われた。
三島は、一人目の介錯人を「付き人死」させている。
西部は、「自裁」というが、明らかな「他裁」である。
いずれも、「自死」を自己完結できず、「部下」を犯罪に巻き込んだ。
いずれの「死」も、「美化」するには無理がある。

古今東西、「死支度」は、いろいろ。
佐伯啓思によれば、
「西部さんは、『死んだらおしまいだよ。後には何もないんだよ。』とおっしゃっていた。」
だから、西部じしんにとって「天国」などあろうはずもなく、「満足死だったはず」もない。
佐伯は、西部に対して、
「しかし、それは『ある』に対する相対的な『ない』ではなく、
もっと根本的に知りえないという壮大な『無』であり、『絶対的な無』というほかありません。」と批判する。
毎日直面する「人身事故」。「自裁」するひとに、「巻き添えご免」と非難するひとは、いない。

Posted by 鍵山いさお at 2018年08月21日 03:06 | 返信

「高瀬舟」ですね。

Posted by 匿名 at 2018年08月22日 08:37 | 返信

西部事件について、お二人の方が『高瀬舟』に言及されています。
鴎外の原文は読んでいないのですが、地域で、格調高い全文朗読に接したことを思いだしました。
お二人とも、今でいう「安楽死」問題を、鴎外が提起したものと捉えられておられるのでしょうか?
立川昭二によれば、鴎外は執筆の8年前、百日咳で二男が死亡、一女も危篤だったとか。
医師がモルヒネ注射での安楽死を勧めたが、妻の父が反対。その後、一女は回復したという。

鴎外は、なぜ『高瀬舟』を書いたのか。
昔から、中学生の夏休み読書感想文の定番だという。
中学生はどう書こうとしているのだろう。
教員は何を期待しているのだろう。
匿名さんの「・・・」は。

「老老介護」の時代。一方の「自裁」願望に、相方の「ほう助」もしくは「介錯」。
「高瀬舟」102年。鴎外が生きていたら、続編に何か付け加えたであろうか。
西部の入水に足枷? 高瀬舟の「罪人」の晴れやかさに通ずるとは、おもへない。

鍵山いさおから匿名への返信 at 2018年08月25日 06:26 | 返信

以前、高瀬舟についてコメントした匿名です。
鍵山さんへ
高瀬舟は青空文庫で原文を読めます。短編なので読むのに10分もかかりません。
https://www.aozora.gr.jp/cards/000129/files/691_15352.html

『高瀬舟の「罪人」の晴れやかさ』は、「回復の見込みは皆無、とどめを刺さなければ耐え難い死の苦痛が長引くだけ」、しかもその苦しんでいる当人は、自分がずっと面倒を看てきた弟、を、救うための「殺人」であるゆえ、と読みました。
もし見ず知らずの他人であれば、あるいは隣家の住人であれば、・・・・あるいは傷の深さが異なっていれば・・・

一厘の狂いもなく、鷗外は、究極の「慈悲」を描いたと思います。

安楽死が、慈悲になり得るのでしょうか?

匿名から鍵山いさおへの返信 at 2018年08月26日 01:41 | 返信

鍵山いさお様、
“「高瀬舟」ですね”のコメントを書いた者です。名前を記入するのを忘れて匿名になってしまいました。私はアメリカで20年、在宅ホスピスナースをしています。小児のケースもあり、新生児から100歳を超える方まで、毎日長尾先生のおっしゃるところの“平穏死”と向き合っています。私の住んでいるペンシルベニア州では医師による終末期における自殺ほう助は合法ではありませんが、合法化されている州でもホスピス緩和看護協会としては“サポートしない”スタンスをとっています。理想としては、“安楽死させてほしい”と思わないですむように、精神的、身体的、社会的、そしてスピリチュアルな面からサポートできれば、本人も周りの人間も苦しみから解放されるのだと思います。ホスピスの目指すところは、そこなのです。「高瀬舟」を読んだ中3の娘は、「喜助さんの気持ちもわかる気がするけど、自分の犬が年を取った時に安楽死させるかって言われたら、私はできない」と言っていました。“正解”はないのだと思います。

ラプレツィオーサ伸子から鍵山いさおへの返信 at 2018年08月28日 01:13 | 返信

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