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抗がん剤治療後のLOH症候群

2018年08月21日(火)

がんの手術の後に、再発予防のための抗がん剤治療がある。
しかしその副作用で、「うつ」状態になることがよくある。
男性の場合男性ホルモンが低下するLOH症候群になり得る。
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がんは治ったのに、会社に行く気力が湧かない。
社会生活が営めない。

こんな患者さんは、抗がん剤治療の副作用ではなく
「抗がん剤によるPTSD」であると診断している。

男性の場合、私は必ずフリーテストステロンを測定する。
すると多くの場合、LOH症候群であることが判明する。


大学病院の医師は「おかしいなあ、治したはずなのに」だけだ。
しかし町医者は「それはPTSDによるLOH症候群」を疑う。


案の状、2週間毎のテストステロン補充療法により
うつ症状は、ウソのように改善して社会復帰できる。

数ケ月間、悩み続けてきた本人や家族は大喜びされる。
町医者が「医者冥利」を感じるのはこんな瞬間である。


男性はそれでいいけど、女性の場合はどうなの?
そんな質問が飛んできそうだ。

私の経験では、これは怒られるかもしれないが
「抗がん剤治療によるPTSD」は男性に多い。

男性のほうが、デリケートなのか。
なんて書くと、矢が飛んできそううだが、そのとおり。

抗がん剤治療後のうつ症状も、性差医学の対象にして欲しい。
LOH症候群を学んだことで、患者さんを幸せにできるのだ。

この数年、『男性医学(メンズヘルス)」を勉強してきて良かった。
なによりも、目の前にいる「うつ病的な患者さん」を劇的に治せる。

抗がん剤の副作用で苦しむ人は、抗がん剤専門医が
想像するよりも一ケタ多いのではないか、と感じる。

抗がん剤をやめたら元気になった。 ならいいのだけど、
「やめても元気にならない」男子は参考にして欲しい。



PS)
病院で抗がん剤を受けていた患者さんが、在宅復帰する予定で
あったのだが、今日病院で亡くなられたとの連絡があった。

やっぱり。よくあること。
帰るのなら思い立った時がいい。

「退院支援や退院調整って」という文を書いたら
多くの「いいね」クリックを頂いたばかりである。→こちら

「訪問リハビリ制度という欺瞞」(→こちら
には及ばないが、そう思う人が多いようだ。

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