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「平穏死」と「看取り」

2018年08月24日(金)

今年に入ってから、60名を超えるお看取りがあった。
10年以上、腹水を抜こともなく、点滴も酸素もない
穏やかな最期ばかりで、鎮静もゼロが、我が日常だ。
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そんなことを書くと、医師から
「平穏死なんて嘘だ」とか
「綺麗事だろ」とよく言われる。

あるいは
「高齢者だから鎮静が無いだけだ」とか
「簡単な症例だけ選んでいるだけ」とも。

まあ、ウチの在宅スタッフ50名と、なんといっても
家族一人一人が、その証人であるから、本当である。

当院には他の医療機関が断った人が紹介されてくる。
病院の地域連携室には、良く思われていないのかも。

当院は在宅の最後の砦なので、患者さんを選ぶはずがない。
長尾のスタッフを信頼してくれる患者さんと縁があれば、それでいい。



当院に勉強に来た医師や看護師も、何人かの平穏死を
経験してはじめて、平穏死を信じてもらえるのが現実。

正確に言えば、2~3年働いても、平穏死を経験せず、
従って理解すること無く、職場を移動する職員もいる。

綺麗な言葉は要らない、
上手なプレゼンも不要。
本人と家族が喜んでくれたら、それだけでいい。

みんなそう思って一生懸命に働いてくれる。
院長はいいかげんでも、スタッフは超一流。

だから穏やかな最期を1000例以上勉強させて頂いた。
「穏やかな最期」ばかりだが、少しばかりの知識が必要。


でも
何冊本を書いても
何百回講演しても
何度原稿を書いても、理解されないのが「平穏死」。

「たった20分で話せ」という大きな医学会や
シンポジウムによく呼ばれるが、本当に苦しい。

医療が患者をいじめていることに気がつかない医療者は
自分自身も苦しんで苦しんで苦しんで、亡くなっている。


なんだか因果応報に思う時もあるが、さすがに言えない。
いずれにせよ、エライ人ほど理解ができないのが平穏死。


毎日、毎日、終末期医療に関する相談が舞い込む。
セカンドオピニオンは受けていないのだが、聞く。

聞いているうちに、腹が立ってくることがよくある。
患者さんの顔を診ながら、涙が出てくることもある。

クリニックの近くに、引っ越してくる人もいる。
そんなことを勧めたわけではないが勝手にする。

当然、私たちが関わると「平穏死」は叶う。
両親とも看取った後に引っ越す子供もいる。


こんな医者を「看取り屋さん」と呼ぶエライ医者もいる。
「ああ、そんな風にしか思っていないのだ」と思うだけ。


最近、「平穏死」について、一般誌や医師会報に書いたものを紹介する。



1)きらめきプラス特別寄稿 「平穏死」とは →こちら

2)摂津市医師会報 「平穏死」と「看取り」 →こちら



PS)
風がボロ家に入ってきて、家が揺れている。
寝れる状況ではないのでこれを書いている。

この状況では、外に出ることはできない。
まさに「往診不能」、という珍しい夜だ。

今、停電した。
まっ暗闇の中、このパソコンの灯りだけが光。

大きな被害が出ないことを祈るだけ。
暑い夏の裏返しが、これらの台風だ。












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この記事へのコメント

特別論文 平穏死と看取り 素晴らしい論文です。これを是非とも、医学の教科書にしていただきたいと、切に願う次第です。どなたにお願いすれば良いのでしょうか。この事実を世の中の多くの方々に知っていただくべきです。病院勤めの多くの医者が、まず、学ぶべきことと思います。

Posted by 遠い声 at 2018年08月24日 12:14 | 返信

>こんな医者を「看取り屋さん」と呼ぶエライ医者もいる。
という箇所を読んで、どの分野でも、どこにでも、
一生懸命な人に向かって、揶揄する人は必ず居るのだなァと
思いました。お医者さんという高学歴な人であっても、
他者が気になるんですね。
いいじゃないですか、"看取り屋さん" 死亡診断書を書く事が
できるのは、唯一、医者なんですから。人生の終幕に立ち会って
頂くことができる人を選ぶ権利だってあるんです、市民には。
昔々は檀家制度が歴然としていて、頼りになる"お坊さん" に
信頼を置いて、看取りとか、"死"はけして死では無い、とかの
説法を聞いたりとか、市民の心に寄り添う存在だったのかも知れない
お坊さんであったけれど、お寺と懇意にする生活も、結構お金が掛かる
もので、その行く末=はけ口が、お医者さんになったと考えても
不思議ではない気がします。

ふと思ったのですが、というか、改めて書くのですが、
長尾先生は『医』の中にある不条理というか、自然に逆らう部分に
『疑問』をお持ちなのだと思います。「管だらけ」とかの表現を
使って、人為的な操作をハッキリと否定していらっしゃるのは
皆が承知していますが、そういった行為だけでなく、結果的に
『人』を操作する、という行為の『医』に疑念がおありなのでは
ないでしょうか。
以前、かなり昔のことですが、ヘルニアを患う息子に対して
「身体にメスを入れたらいけない。」と反対した母親が居ました。
手術をすることにより、神経を刺激するものを取り除く事ができる
なら、その方がいい、と誰もが思うでしょうけれど、
"身体を切り開く" ということを "いけない " =ダメという
その母親の心理を思います。
例えが分かりにくいかも知れませんが、その母親が言う"不自然"
には、医療の不条理が含まれていると思いました。
でも、その不条理を知った上で、必要な医療を施して下さる先生は
『人』を思うことができる温かみある先生なのだと思います。


Posted by もも at 2018年08月25日 10:41 | 返信

平穏死は、単純に、儲からない。やれる医療行為は限られてくる。つまり、医者として患者をいじくりまわすことができない。
だから、特に、お金と地位と「お医者様」とサマを付けて呼ばれる名誉にこだわる多くの医者は、平穏死を認めたくない。ただそれだけだと思う。
平穏死の方が儲かるように仕組みを変えれば、多くの医者が態度を変えるのではないでしょうか?

最近つくづく、医者って結局お金儲けなんだねって、感じることが多い。
病院や診療所、個人開業医のWebサイトを読むことが多いのですが、自費診療項目を明記しているサイトが多くなったように感じます。自費のほうが儲かるからね。
そのうち、自費で緩和ケア、自費で平穏死ってなことになるのかも。
お金持ちは自費診療自費往診で痛みなく穏やかに死ねて、
貧乏人は抗がん剤に鼻管栄養にIVH併用でぶくぶくぶよぶよになって管でぐるぐる巻きでベッドに縛り付けられて死ぬ・・・・
アホみたいな日本。
生活保護受給者を強制的に医者に通わせて、通院やめたら生活保護打ち切るよって脅かしてず〜〜っと患者にしているのですよ。現在も。
50年も精神病院で「生活している」って信じられる? 両親も兄弟もみんな無くなって帰るところがないって・・・誰が生活費入院費払ってるの? 精神科受診すると生活保護を受けられるように「取り計らって」くれるそうな。そして「永久に精神病患者でいる」。誰が金払ってるの? 誰が儲かってるの? 
アホみたいな日本。

Posted by 匿名 at 2018年08月26日 03:30 | 返信

いや!
院長先生も超一流ですよ

Posted by 尾崎 友宏 at 2018年08月26日 10:07 | 返信

長尾先生
本当にありがとうございました。昨日、八十七歳の夫が旅立ちました。このブログと先生の著書を信じて、時には涙し歯を
食いしばって頑張りました。お陰様で点滴無し、酸素無し、医療的ケアなしで干し柿のようになり眠るように逝ってくれました。
 
大勢の兄弟にはすべてかたずけてから知せる予定です。これからは二十四時間自分のためだけに使える幸せを感じています。
 
ここに書き込まれておられる皆様、特に匿名様のご意見にはとっても勇気をいただきました。心より感謝いたします

Posted by 鈴木モトエ at 2018年08月27日 03:07 | 返信

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