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人工呼吸器患者さんを停電から救え

2018年09月05日(水)

停電は、人工呼吸器を装着している患者さんには致命的だ。
非常用バッテリーを搭載しているが、時間に、限りがある。
刻々とその時間が近づいた時、私達はどうすればいいのか。

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当院には人工呼吸器装着中の人が、常に数人以上いる。
ALSなどの神経難病や遺伝誌異常の子供たちである。

”停電”が最も厄介なのは、いつ回復するか全く分からない、ことだ。
一部の地域で電気がついていたら「もうすぐ回復かな」と期待する。

しかしー非常用バッテリーの耐久時間はたいてい8時間程度である。
それを超えて停電が回復しなければ、それは命に関わる自体となる。

今回、14~15時の間に停電が起きたので、タイムリミットは20時頃。
夜中のことを考えなくてはいけないのが、台風が通過して6時間経った時。

トリロジーという呼吸器はバッテリーが機械の中のあるためそれだけ
充電できないので、もう一台呼吸器が必要であるが、そうはいかない。

災害下では車が全く動かないので機械屋さんが運ぶまでに何時間もかかる。
結局、当院か大きな病院に運び、電源を確保して停電の回復を待つしない。

停電時に何が起きるか、知っておいたほうがいい。

・家の中が真っ暗で不安になるし、夏は蒸し暑い
・携帯電話が懐中電灯になるが時間に限りがある
・だから普段から充電器を持っておくべし
・オール電化だとお湯も沸かせないことに
・車庫の電動シャッターが上がらないので車を出せない
・タクシーを呼べども来ないし、そもそも走ってない


結局、基幹病院の講堂に停電が回復するまでの間、
「電源確保のため置いて頂く」しか、方法はない。

これは救急診療でも入院でもなく、単に置いてもらうだけ。

しかしコンセント数やスペースにも当然限りがある。
ある基幹病院は、同様の依頼が殺到してパニックに。


だから「予約制」しか受け入れられない、という。
私は、今夜、4人をゴリ押しで、予約して入れた。

助かった。
これで今夜は寝られる。


世の中には
・人工呼吸器や
・大量の酸素吸入、などで生きている人が沢山いる。

そしてこれらの機械は、「電気」の力で動いている。
停電すると呼吸器や酸素が無くなり、死んでしまう。


「災害時には災害弱者のことを一番に考えろ!」

3.11の時に心に刻んだ言葉を、改めて思い出した。

とにかく、台風や地震が起きて停電してから6時間後辺りに
タイムリミットがやってくることを気に留めないといけない。

「呼吸器患者さん専用の避難所」

という発想で、普段から備えたい。

しかし、エイヤと、寝たきりの人を家から出そうにも
電動リフトも停電なら使えないことを知っておくべき。

そこは背負うなりの男手みたいな腕力が必要だ。
救急車は動けないので、期待しないほうがいい。

雨と風のなか、当院の看護師たちは、当院の福祉車両まで
運び出す作業を雨に濡れながらも当たり前のように、やる。

停電していない家は、いい。
そうではない人をみつ見つけ出して、安全な場所に避難させる力は「愛」。



停電の時、電気で動く医療機器を使う在宅療養中の人はどうしたらいいのか
   
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過去の経験が、未来の役に立つ。

生存学研究センター報告「震災と停電をどう生き延びたか~
福島の在宅難病患者・人工呼吸器ユーザーらを招いて」
権藤眞由美・野崎泰伸編

http://www.arsvi.com/b2010/1203gm.htm



すべての作業を終えた時に、一息つける。
しかしもはや、コンビニには食べ物無し。

私自身も大きな被害にあっているし当院のスタッフ達もみな被災者。
しかし自分のことは放っておいて、人のために尽くせる人は偉いな。

災害時には、災害弱者を探して、最優先で安全を確保する。
そんな当たり前のことを思い出させてくれた「夜の部」だ。


もう、40時間連続で仕事をしている。
今夜往診をしていて倒れるかと思った。

でもその前に医者である限り、いい判断で指示を出したいな。
いいスタッフと、患者さんに喜ばれる仕事をもうひと頑張り。


PS)
台風も備えることが一番。
みんな、どこかで怯えて。

































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※本ブログは転載・引用を固くお断りいたします。

この記事へのコメント

大変なお仕事をなさっていらっしゃるのですね。看護師さんも凄いですね。
私にはとてもできないと思います。尊敬します。
ところで、私の家は、太陽光発電機と蓄電器を付けてあるので、多少の停電であれば電気がつくと業者が言ったけれど、実際はどうなのか私も知らないのです。
でも長期に渡って電気が必要となると、大工さんや、ペンキ塗装の時のように、ガソリンで発電する発電機も。個人のお宅で用意する必要があるかもしれません。物凄い音が大きいし値段は幾らぐらいするのか分かりません。救急救命室ERでも「突然停電した!地下室の発電機を作動してくれ!」と叫ぶ場面がありました。
でも自治会で「ケアマネジャーの資格を持っていると、噂で聞いたけど、福祉委員と防災委員を兼ねて受けてくれないか?」と言われると、考えてしまいます。
お医者さんや看護師さんは登録していらっしゃいますけど、私は登録していません。
県の社会福祉協議会に、御伺いしたら「どこにも所属してないし、傷害保険に入って居ないのなら、係は止めた方がよいのでは?」と言われました。
傷害保険に入っていないと、事件が起きた時、訴えられるそうです。

Posted by にゃんにゃん at 2018年09月05日 11:49 | 返信

 停電に予防する処置がなかなかないのが ダメなんですね 医療機関用の停電の時のための蓄電池発電機(何十時間も大丈夫のような電池の開発が無いとは・・・)などの設備が意外と無いのが不思議です。

 がれき撤去のお手伝いいただきありがとうございます 市役所に連絡して無料で取りに来ていただけました。感謝です 

Posted by 薬剤師 井澤康夫 at 2018年09月05日 09:29 | 返信


うめちゃん曰く、爪痕を残して来たとの事です。
私達は足跡を残して来たの間違いなのではないかと
一同首をかしげています。
綾小路(きみまろではありません。)

Posted by 綾小路(きみまろではありません。) at 2018年09月05日 11:57 | 返信

阪神大震災の時は、水道とガスが復帰するのに1ヶ月くらいかかりました。
電気は確か30分くらいで復帰してくれました。
台風の時は、ガス発電機の方が良いかもしれません。
アメリカのハリケーンでは人間も発電機も地下倉庫に保存して置くらしい。そのことが、福島の原発に発電機には仇になってしまったらしい。
女川原発は発電機を高台に設置したので、原発事故は無かったので、人々は女川原発に避難したと聞いています。
だから地震災害と台風災害ではインフラ整備の注意点が異なるのでしょう。

Posted by にゃんにゃん at 2018年09月06日 04:40 | 返信

うちの地域のことです
道路1本挟んで北側が停電、南側は電気がついているという状態になりました

我が家は北側にあるので 16時から 突然 電気が切れました
翌日に復旧しました
台風が過ぎ去り 雨もやみ 電気が来ないのでクーラーもつかず 暑さで20時40分頃 家の周りを散歩してみて
この地域だけが停電している現実を見て 驚きました
主要の信号には警察官が立って 交通整理していて 小さな交差点では なかなか 車が渡れず 渋滞になっていました
日本沈没という映画を思い出してしました

iPadも携帯も 仕事で使っているので 電池切れが怖くて 使うのを控えました
こんなことは 始めてでした
緊急で呼ばれて 何ができるのかと不安になり
早速 蓄電池を楽天で購入しました

大きな災害を経験したことがないこの地方…
日頃から備えなくては…ですよね

Posted by 宮ちゃん at 2018年09月08日 10:25 | 返信

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