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糖尿病と膵臓がん
2018年09月08日(土)
今、「糖尿病と膵臓がん」という本を書いている。
糖尿病を診ていて気が付いたら膵臓がん、がある。
女性の糖尿病患者の死因第一位は「膵臓がん」だ。
糖尿病を診ていて気が付いたら膵臓がん、がある。
女性の糖尿病患者の死因第一位は「膵臓がん」だ。
とてもタイムリーな講演を拝聴した。
糖尿病とがんの危険な関係
By国立がん研究センター中央病院 大橋健先生。
HBA1cが急速に悪化した時、何を考えるか
5年間6%台の人が7.8%になれば
・正月に食べすぎた?
・SGL2阻害薬
・膵性糖尿病?
実は3cmの膵頭部がんが発見されて、膵頭十二指腸切除術。
なんてことがあり得る。
2017年に101万4000人の日本人が新たにがんになった。
30秒に一人が、新たにがんになっている。
日本人糖尿病患者の死因の第一位は1990年代から、がんである。
現在、40%の人ががんで死んでいる。脳血管疾患での死は15%。
糖尿病の人のがん
男性 1位 肺、 2位 肝臓、 3位 膵 の順
女性 1位 膵、 2位 肝臓、 3位 肺 女性は1位
糖尿病があると
・肝臓がん 2.5倍 ウイルスではない、NASH肝がん =SGLT2が抑制?
・子宮体がん 2.1
・膵臓癌 1.82
・大腸がん 1.30
・膀胱がん 1.24
・乳がん 1.20 になりやすい。
糖尿病患者はテストステロン低値→前立腺がんになりにくい
「2013年の糖尿病と癌に関する委員会報告」
すべてのがん 男性 1.19倍
女性 1.19倍 2割増し
肝 1.97倍
膵がん 1.85倍
ちなみに、タバコは1.6倍 =受動喫煙と同じリスク
肺がんは4.5倍
コーヒー=摂取量と糖尿病発症リスクの肝臓がん発症リスクを減らす、ポリフェノール?
糖尿病があるとなぜがんのリスクが上がるのか(がん罹患リスク上昇の機序)
・インスリン抵抗性と高インスリン血症が関与
・高血糖 Ⅰ型でもⅡ型糖尿病と同様に増える
FBSが100を超えるとがん死リスク増加、酸化ストレスやAGE
・慢性炎症
・アデイポネクチン低下とレプチン高値
・腸内細菌の変化
Cペプチド濃度が高まると大腸がんリスク
=男性のみ、女性は女性ホルモンが抑制?
2016年に出た第二報の論文では
厳格にコントロールをしたら、がんのリスクはどうなる? 結論は「変わらない」
ある種の薬剤?たとえばアクトスは膀胱がんを増やす?
長期間で観察しないと分からない
がんと糖尿病には共通因子がある
・肥満
・男性
・喫煙
・運動
・過度な飲酒・・・
運動は、0.87倍、男性では運動すると癌が半減させる。
糖尿患者は“がん予備軍”
・説明できない血糖コントロールの悪化
・意図しない体重減少
・低色素性貧血
・初診時
HBA1c7.3%で、BMI25の68歳女性が初診
元々、6%台で推移、体重が減少
CA19-9 770 膵体尾部がん ステージⅣ
=膵臓がんによる新規糖尿病発症
=仮面をかぶった糖尿病 (仮面糖尿病)
メイヨクリニックでは50歳以上の研究
糖尿病の0,85%に膵臓がんがいた。
つまり、100人に1人が膵臓がん。
・膵臓癌による糖尿病を見逃さない
韓国の研究では、
家族歴なし+ ・65歳以上
・2kg以上の体重減少
・BMI 25未満 のどれかひとつ
とした場合、感度80.8%、 特異度67.6%で膵臓癌が検出できるという。
がん患者の糖尿病管理をする機会が増えている
・周術期
・化学療法時のステロイド投与や一部の分子標的薬
・経管輸液、高カロリー輸液
・感染症
・胃切除後、膵全摘後
国立がんセンターには「糖尿病腫瘍外来」がある
がん治療中の糖尿病療養指導
がん患者さんは毎日がシックデイ→シックデイルールの徹底を
・脱水の予防
・予期せぬ低血糖・高血糖への対処法
シックデイ対策
・低血糖を起こしやすい薬剤 SUやインスリンは減量・中止
・脱水をおこしやすい薬剤 SGLT2阻害薬は原則中止
・メトホルミンは、腎機能・心機能低下時には中止
がん患者の糖尿病を見逃さない (薬剤性糖尿病ががん治療中に時々ある)
がん専門医は、血糖値をあまり測らないことがある。
ステロイド、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬は糖尿病を引きおこす
特に免疫チェックポイント阻害薬はT細胞を活性化=免疫関連有害事象が増える
(間質性肺炎、甲状腺炎(10~20%)、下垂体炎からの自己免疫疾患、自己免疫性肝炎、
劇症Ⅰ型糖尿病(300人に一人起きる、国立がんセンターでは24人発症)。
Ⅰ型糖尿病は年間10万人に1~2人発症なので、多い。
「糖尿病患者のがん、がん患者の糖尿病」
がん専門医と糖尿病専門医の連携
糖尿病で頑張ってきた人は、最後まで頑張る人がいるがどうするか?
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神戸大学の坂口一彦先生の講演も拝聴した。
・SGLT2阻害薬で食欲亢進がある
・ケトーシスとケトアシドーシスは違う
だから、ケトン体測定の時は尿糖も一緒に測るべき
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インスリン高値が、血糖とは無関係にがんリスクと関係してる、という報告も。
わが国の大規模前向きコホート研究(JPHC研究)より、数種類のがんにおいて、
インスリン高値が高血糖とは関係なく、糖尿病関連のがん発症に関連する可能性が示唆された。
著者らは「血漿インスリン値の検査は、糖尿病を発症していない人においても、
がんリスクを評価するうえで妥当なオプションである」としている。
International Journal of Cancer誌オンライン版2018年9月5日号
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