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末梢医療

2018年09月16日(日)

この週末は日本ホスピス在宅ケア研究会で帯広市に飛ぶ予定だった。
しかし北海道地震のた開催延期となったため3つの勉強会に参加し
様々な先進医療、先端医療を学ぶだけでなく、彼らの苦悩も知った。
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先天性心奇形に対する小児外科の進歩は凄まじいものがある。
生後まもない子供が抱える重篤な障害に難しい手術を重ねる。

小児疾患センターでは、様々な障害を持つ子供の手術に多くの
専門スタッフが試行錯誤することで飛躍的な進歩を遂げている。

同じ医療者として極小未熟児や難しい心奇形に立ち向かう姿に頭が下がる。
そして手術後の子供の精神発達に向き合う専門医がいることにも、驚いた。


別の勉強会では、心臓のステント手術の是非に関する研究成果を聞いた。
心臓カテーテルによる解剖学的評価とFFRという指標で機能評価も行う。

あるいは冠状動脈のエコーや内視鏡で、動脈硬化を目で直接観察する。
それで過剰なステント手術を減らそうという段階にさしかかってきた。

別の会では、補助人工心臓を装着した患者さんが、脳梗塞や脳出血などの
合併症を続続と起こすとどこまで入院加療すればいいのかという問題提起。


医学の発達は、凄まじいし、素晴らしい。

自分が医者になった時とは、まったく違う。
研修医の時のままだと、まさに浦嶋太郎だ。

その結果、人生100年時代になった。
たった70年で、寿命が2倍に伸びた。

その結果、人間は2倍幸せになったのか?
もしかしたら、より苦しくなったのでは?


人間はどうせ死ぬ。
千年後にどんなに医学が発達しても必ず死ぬ(人類が滅亡しなければの話だが)

長さよりも、今日一日をいかに楽しく生きるために生きているのだと思う。
動物はそれを意識できないが、人間は意識しようと思えば、かなりできる。


150年前に長崎から「西洋医学」が入ってきて爆発的に物質的医学は発達した。
世の中は「○○専門医」だらけになり、人間をまるごと診る医者など居なくなった。

そんなことを試みる医師は「頭がおかしい」「金儲け」「怪しい」「宗教」
などのレッテルを貼られて、医者仲間のなかでも異端児扱いでバカにされる。

昨日から、「医療と仏教」という本を読んでいる。

冒頭で名越康文医師が平易な言葉で医療観を語っておられるが
「まったくそのとおり」、だと思いながら、楽しく読んでいる。

2500年前、お釈迦さまは「私は医王である」と言われたと。
その意味が2500年後に、まさに時空を超えて問われている。

それも帯広大会が延期になったからであり、塞翁が馬
ではないが「それもなにかの御縁」と、感謝している。

いずれにせよ、そうした視点を持って物質的な医療を行わないと、
因果の果てに振り回されるだけでは「末梢医療」にならないのか。

より本質的な医療を目指したい。

言葉で言うなら、総合診療やプライマリケアや家庭医療になるのか。
あるいはホリステイック医学や全人的医療、であるのか。

でもどの言葉もすべて全てを表しているような気がしない。
現代医学を否定しないで、アウフヘーベンさせたいだけ。

べつに仏教でなくてもいいが、精神世界抜きで医療は語れない。
精神世界と末梢医療の両方が融合しないと幸せな医療にならない。


連休なのに、なぜこんな話をするのか。

来週、あの築地本願寺で説法をするからだ。→こちら
今、思いついたのだが「認知症と仏教」で話そうか。


















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この記事へのコメント

うちのステーションも 2年前に 小児難病の受け入れを始めました
うちのスタッフ6人が産婦人科、NICU、小児科を経験している
だから 亡くなった時の悲しみを味わったからこそ 開始当初は受け入れをやめようと決めていました

時が経ち 国の政策が変わり お年寄りだけでなく 小児も在宅へという流れになってきました
18トリソミーのベビーちゃんの依頼のお話をきっかけに うちのステーションもチャレンジ到来です

命と向き合うこの仕事、心を持っていかれちゃう時があります
それでも 同じ時、同じ空間を大事にしたいです

Posted by 宮ちゃん at 2018年09月17日 08:30 | 返信

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