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遠隔診療に思う

2018年10月01日(月)

昨夜は、10本の電話が鳴り、3回往診をしたので眠い。
そんな時、「在宅も遠隔診療ができればなあ」と、思う。
そんな想いを「医療タイムス10月号」に書いた。→こちら
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医療タイムス10月号   遠隔診療に思う
 
 18年4月から正式に遠隔診療が認められた。善は急げと、とりあえず届け出はした。禁煙外来が一番ハードルが低そうなのでまずはこれから始めてみようかと考えた。しかしなかなか適当な患者さんが見つからないのでまだ1件も実施できていない。現行の遠隔診療は、保険診療の縛りがきつすぎて、第一歩が踏み出せていない。

 しかし遠隔診療の可能性は限りなく大きい、と感じる。日本医師会は「かかりつけ医」制度を推進している。高齢者への総合診療推進は投薬の一元化のみならず医療と介護の連携推進などの医療経済的な背景もある。私自身、開業前から、つまり「かかりつけ医」として30年以上診ている患者さんがいる。また定期的でなくても時々来院される患者さんもいる。町医者はまさに「かかりつけ医」であるが、長く診ている患者さんにこそ時には遠隔診療でもいいようにしてあげたいと思う。せめて2回のうちは1回は遠隔診療でもいいとか、遠隔地への出張中は遠隔診療でも構わないと思う時がある。厳しすぎる遠隔診療の条件を緩和して欲しい。スマホが上手く使えない高齢者はどうするのかという疑問があがるだろうが、孫や若者が助けてあげればいいだけではないか。

 一方、国を挙げて在宅医療が推進されている。状態が落ち着いている患者さんへの訪問診療は隔週ないし月1回という開業医が多い。しかしその間に薬が必要になることが時々ある。風邪をひいたとか痒みがあるとか、小さな変化がある。しかし診察をしないで薬を処方すると医師法20条が定める「無診投薬」とみなされる。九州地区の開業医が医師法20条違反で保険医停止という厳しい裁定が下されたと聞く。従って患者さんから臨時の投薬希望があればその毎に往診をするしかない。電話再診では投薬はできない。訪問看護師が先回りしてくれていれば、もはや往診の意義は少ないが、法律違反はできないので患者さんの家に行くしかない。だから無駄だと思っても往診する。在宅医療において往診機能は大切であるが、なかにはそんな「処方のためだけの往診」もある。在宅患者さんにも遠隔診療による処方が可能になれば私たちだけでなく患者さんもすごく助かるはずだ。

 また外来診療と在宅医療の狭間にある患者さんも少なくない。フレイルで通院が困難になり家族だけが受診する場合がある。2~3回なら仕方が無いかもしれない。しかし要介護5であっても家族受診だけで年単位で投薬だけを続けている大病院もみかける。諸事情で在宅医療に踏み切れない患者さんに「つなぎ」として遠隔診療が相応しいと思うケースもある。他人が家に来ることを極端に嫌がる患者さんがいるが、遠隔診療は相性がいい。

 遠隔読影や遠隔手術指導や遠隔看取りなどかなりのところまで実用化されている。しかし肝心の一番身近な慢性疾患診療や在宅医療には高いハードルが設定されていることが残念である。遠隔診療と言いながらも実際は、30分程度で来院できる距離の患者さんでないと利用できない。スマホとスマホで会議ができるという時代だがその恩恵が医療にはあまり活かされていない。遠隔診療できる信頼関係こそが「かかりつけ医」の条件でもあろう。次回の診療報酬改定において、ITという武器がさらに活用できることと期待している。

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この記事へのコメント

長尾先生は医師が直接診察せず処方できる薬剤はそもそも「処方薬」である意味が無く、スイッチOTC薬にどんどん切り替えるべきと思われますか。
私はそれはありと思いますが、医師の最大の既得権益「処方権」を手放すとは医師会が認めるはずはないと思いますが。

Posted by フナ氏 at 2018年10月02日 09:31 | 返信

インターンみたいな若い研修医に診てもらうより、遠隔診療で診断してもらう方が私は良いと思います。
でも先生の代わりに夜中に訪問医療に携わるのは看護師さんですか?
訪問看護師さんは大変なんですね。
患者さんも、できるだけ真夜中の往診は避けて欲しいですね。
遠隔操作でタブレットを診ているお医者さんも眠そうだし。
でもIT医療機器や、AIが活躍する世の中になりそうです。

Posted by にゃんにゃん at 2018年10月03日 04:55 | 返信

フナ氏さんが書いておられますように、『医師の最大の既得権益』は、クスリの「処方権」であります。
この「処方権」ゆえに、製薬企業は、あちこちの医師に自社のクスリ、特に「売り込みたいクスリ」を使ってもらおうと必死になる。
MRと呼ばれる製薬企業の個別医師担当営業は、バリッとしたスーツを着込んで緊張した面持ちで医院・診療所に張り付いている。一般の患者とは雰囲気が異なるから、この人、MRだな、と直感でわかります。

ほとんどの医師は、自分でクスリのお勉強をしてないですよ。していたとしても、医師自身の信念がよっぽと強くない限り、MRの言うことと自分の考えが異なっていたら、MRの言うことに基づいて処方する。なぜなら、そのクスリを使って問題が生じたとしても「MR=製薬企業」に責任転嫁できるから。

医師の最大の既得権益であるクスリの「処方権」は、医者のドル箱であり、医者が投薬依存に陥る最大原因です。「医者=クスリ処方」という公式が出来上がっている。


Posted by 匿名 at 2018年10月03日 04:42 | 返信

そのMRが今、生存競争が厳しくて、成績が悪いとすぐ馘になるのだと、週刊誌のテーマになっていました。エコノミスト誌か、ダイヤモンド誌だったと思います。

Posted by にゃんにゃん at 2018年10月04日 03:29 | 返信

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