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介護施設からの深夜電話で死にそう

2018年10月03日(水)

介護施設は、どこも人手不足だ。
少しの発熱でも素人は不安から電話を鳴らす。
深夜の電話が連日続いているので、弱っている。


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数年前まで、介護施設とはなんの御縁も無かった。
当時は、老舗のクリニックが在宅を担っていよう。

しかし診療報酬が4分の1に減額されてから、チラホラ依頼が舞い込んだ。
旨みが無くなった(?)と撤退した在宅専門クリニックの後釜を頼まれた。

あと、看取りを一度もしたことが無いグループホームやサ高住からも依頼が。
さらに、有料老人ホームに入居されている高齢者からもチラホラ依頼が来た。

あれやこれやで、現在、10軒以上もの「介護施設」と御縁を頂くことに。
各施設で「風習」が全く違うので「郷に入らば」で、そこに合わせている。


私は24時間365日、すべてのファーストコールを受けている。
24時間X365日X23年間、働き続けている自営業者である。

それが在宅療養支援診療所の義務である。
23時に帰宅しても午前3時にまた出る。



深夜帯の電話は、8割が介護施設からである。

そして電話の8割が「発熱」関連である。


午前3時に「あのー、Aさんが37.5度、発熱したのですが・・・」
「では、氷で冷やして、カロナールを飲ませてください」

するとその30分後に、また電話が鳴る。
「先生、確認ですが、本当に飲ませていいですか?」
「はあ、飲ませてください」
「でも、寝ているのでいるのですが」
「じゃあ、そのままでいいです」


そしてまた30分後に、また電話が鳴る。
「先生、意識が無いようですが」
「それは寝てるんと違うかな。まだ夜やしね。起こしてみて」
「はい、呼びかたらちゃんと起きました」
「それは良かったね」

こんな会話を知らない介護士と毎晩のように繰り返している。
その間に本当の緊急電話や深夜往診や看取りも混じるので休む時間が無い。

要は夜中じゅう、介護施設からの電話を受けて走り回っているのだが、
「このままではもうあかん。死ぬわ・・・」と感じる時が、よくある。

今、何の資格も無い人がすぐに介護施設で働ける。これが現実。
フリーターと掛け持ちでバイト感覚で当直している若者もいる。

全くの素人と一緒に看取りをすることが「医療と介護の連携」で
「地域包括ケアである」と国は旗を振るが、まさに絵餅だと思う。


「介護離職ゼロ」という言葉を聴くたびに、我が耳を疑う。

「介護職・離職ゼロ」の間違いじゃないのか?大丈夫かい?と思う。

介護の現場は大変な人手不足で、完全な悪循環に陥っている。
多くの介護士が不規則勤務から生活習慣病になり、外来で診ている。

長い目で見れば介護職員が過労から要介護状態になり、
生活保護になったり、介護施設でお世話になっている。


介護保険制度は、国民を本当に幸せにしているのか?
本当に良かったのかなあ、なんて思う時がよくある。

介護職員のための私塾「国立認知症大学」を作って、頑張って教えている。
国に代わって立つ、という意味での「国立(こくりゅう)」だが冗談ではない。

しかし多くの介護スタッフはこう言う。
「忙しくて、行けない」
「勉強する余裕が無い」

要は、私のような町医者が少しくらい頑張っても、たいした効果は無い。
現実に、深夜に電話で起こしてくれるスタッフに受講を勧めても来てくれない。

高齢者のは、医療よりもケアの時代だと思う。
まさに、看護師や介護士の出番だと思う。

社会保障の土台は、「教育」だと思う。
市民も学生も、そして介護職も「教育」。

教育に投資しない国家は、滅びる運命にあると思う。
目先の利益に囚われずに、今こそ教育に投資すべき。

しかし現実には、「不安→深夜でも平気で発熱毎に医師に電話」である。

介護施設によっては「発熱=医師に電話」や「発熱=119番」と決めている所もある。
彼らはそれが最善のケアだと信じているので「それは違う」と説明しても理解できない。


そんな中での在宅医療推進という国策。(施設も在宅である)

なんかおかしい。
いや、おかしいだらけ。

介護施設からの深夜の電話攻撃に殺されないためには、気合いしかない。
在宅医療の最大のネックは、このような深夜対応に耐えられないことだ。

だから今春からできた「介護医療院」にとても期待している。
夜に医師も看護師もいる介護施設なら、私には電話がかかってこない。

昼間だけ私が診て、深夜帯は介護医療院に電話対応を含めてお願いできれば・・・
そんな時代が来るのかどうか分からないが、それまで死なないように頑張る。


























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この記事へのコメント

代田文彦先生も、胆管癌で亡くなったし、米山栄先生も膵臓癌で亡くなったし、心細いです。
頑張るお医者さんが、倒れるみたいです。
心電図をEKGと言うらしいですけど、なんでもイーカゲンにしてくださいね。

Posted by にゃんにゃん at 2018年10月04日 03:45 | 返信

長尾先生のように、「それは寝てるんと違うかな、まだ夜やしね。起こしてみて。」
「それは良かったね」
と、大きな心で優しく言ってくださる方は、そうそう居ないと思うな〜!
涙出そうです!
医療職の方が、自分の身体を犠牲にしないですむ働き方ができる社会に、早くなってほしいです。

Posted by 小梅ちゃん at 2018年10月04日 02:52 | 返信

「施設訪問診療」は正確には「在宅訪問診療」ではないですね。「個人宅」へ訪問するのが本来の「在宅医療」ではないかと思います。個人宅と違って医者と患者家族との直接対話の機会もなく、信頼関係も構築できないので、トラブルがあったときに揉めやすいのと、施設職員からの頻回のコール(本来は緊急性も必要性もない)などなど、ただでさえ個人宅よりもはるかに面倒でストレスの多い仕事なのに、その上、個人宅よりも診療報酬の減算では、施設中心の訪問診療で荒稼ぎしていた診療所が撤退するのもやむなしでしょうね。施設は訪問看護・訪問リハビリなど、個人宅と同じサービスが受けれるようにしてほしいですね。今のシステムだとあまりにも無駄で無理な医者の負担が多すぎるますね。
個人開業医にとっては「施設訪問診療」はデメリットばかりなので、一番やりたくない仕事ではないかと思います。本来の在宅医療とかなり乖離しているのではないかという印象を受けます。

Posted by マッドネス at 2018年10月04日 06:24 | 返信

彼らはそれ(発熱=医師に電話」や「発熱=119番」)が最善のケアだと信じている。。。。。。。のではなく、「それ」が自分たち(介護施設の労働者および経営者)が責任を問われずに済む方法だからです。

こういった発熱時の対応についても、38度以下ならカロナールで様子見、カロナールを6時間おきに2回服用してもなお熱が下がらず3度目の服用となった場合には医師に連絡する、など、手順を事前に話し合って、本人および家族と施設側と、医師、看護師が同席してお互いの共通認識に基づいて行動するしか、良策はないと思います。
長尾先生は、末端の介護職員ではなく施設経営者と、発熱時の対応について話し合うべきと思います。

「高齢者の発熱」でググると多くの情報が出てきますが、基本的には、高齢者は口腔ケアをきちんとやらなくなり嚥下機能も減退するので、誤嚥性肺炎の確率が徐々に高くなっていくようです。ある意味、ゆるやかに衰えていく過程であるという認識が必要なのではないかと、私は思います。

また、睡眠薬や抗認知症薬、向精神薬は、嚥下能力を減衰させます。若い人でも、精神安定剤や向精神薬を服用している人は嚥下機能が衰えます。最期まで自分で食べて飲み込むためには、こういったクスリを服用しないことです。

Posted by 匿名 at 2018年10月05日 01:47 | 返信

長尾先生初めまして。
私は介護士の教育、初任者研修の講師をしております蔵垣ともうします。
長尾先生のブログをいつも拝見させて頂き、いつも共感しながら長尾先生の存在に涙しております。
私が講師をするきっかけになったのは、介護士の無資格の多さ、虐待、知識の無さからの利用者さんの酷い対応を目の当たりにしてでした。
少しでも介護士の地位を上げたい❗️それには介護士のレベルを上げる❗️と心に誓い生徒さんの役に立てるように教科書以外のことも伝えながら介護とは…をお伝えさせて頂いています。
厚生労働省に何故?「訪問介護では資格が要り、施設では資格が要らないのか?」
問い合わせしましたが…答えれませんでした。この国大丈夫?なんの支援?誰の支援?など⁇だらけです。
まだ長尾先生の講演を行かせて頂けずに(悲し)ブログを拝見させて頂いてます。
長尾先生にお会いしてお話し伺うのが私の夢です。
今日も頑張ろう❗️と励みになります。ありがとうございます。

Posted by 蔵垣佐代美 at 2018年10月05日 07:34 | 返信

どうしてみんな、発熱を悪者扱いするのかさっぱりわかりません。感染症のとき、体が熱をだして細菌やウイルスと一生懸命に自ら闘っているのですから~。熱で辛いなら頭と腋下と鼠径部をクーリングし、さらに脱水にならないようにポカリスウェットなど飲んでもらって、日中になったら医師に診てもらえば良いだけです。熱以外に腹痛などの症状があり苦しがっているとか、明らかにおかしいといったときにはためらわずに連絡すればよいのです。長尾先生、そんな電話に怒らないからご立派です。私がそんな電話うけたら、あきれ果て、うんざりし、さらにひとをなんだと思ってるんだ~と思い悔しくて、そのあと確実に眠れなくなり、そんな自分が嫌になります。怒ると、大事な時にも連絡もらえなくなるから、めったやたらには怒れませんが、ある程度決まり事をマニュアル化して伝えておかれてはどうでしょう。スタッフの個人差はしかたないと思いますが~。もうされていてこんなんだったら、やっぱり上に言うべきだと思います。先生、死なないで~。

Posted by 遠い声 at 2018年10月07日 10:34 | 返信

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