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施設は「報告」で「責任転嫁」

2018年10月08日(月)

昨日も2件の看取り往診など、数件の訪問や往診があった。
遊んでいると思われているようだが、誰よりも働いている。
そして今朝も午前3時と4時に施設職員から、あの電話が・・・・
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私は、だいたい午前1時か2時まで起きている。
それ以降の看取り往診は翌朝になることが多い。

しかし、午前3時、4時、5時、といろんな施設の
初心者ヘルパーさん(?)から、必ず電話がかかる。


「トイレ誘導していたら転倒しましたが、怪我は無いですが」
「はあ」

「微熱があるので、氷枕していますが」
「はあ」

「血圧が150ありますが、経過観察でいいですか?」
「はあ」

「SPO2が95%以外、特に症状はありませんが」
「はあ」

「下痢便が出ましたが、血便はありません」
「はあ」


電話してくる相手は、毎晩、違う。
10件の施設と関わっているから、向こう(ヘルパー)は一期一会だろう。

そんな電話をしてくるくらいだろうから、ド素人ヘルパーなのだろう。
「夜分にスミマセン」なんてことを言う人は皆無で、まるでコンビニに入る様だ。

しかしこちらは、24時間365日、死ぬまで一人で
そんな素人さん連合と「格闘」しなければいけない身。


きっと、素人ヘルパーは、なにを見ても「不安」でたまらないのだろう。

先輩ヘルパーから「医者に電話で報告さえしとけばいいのよ」
と教わり、それを真に受けて、真面目に実行しているのかも。


介護職員は医師に「逐一報告」することで、すべてを
医師に「責任転嫁」しているのではないか、と感じる。

いや、「報告」することで、「免責」?
いや、「報告」することが、「仕事」?


「なんで深夜3時に血圧やSPO2を測るんや!」と
キレたいところだが、寝入りばなにそんな元気は無い。

ショームナイ報告をしないように、たいした用事も無いのに
夜中にたたき起こさないで、と叫びたいが、叫ぶ先が無い。

医療と介護は、あまりにも世界が違うし、僕はそれには無力。
今夜当直のヘルパーがバイタルを測らないでね!と祈るだけ。



「介護施設がバイタル依存症になっている!」

数年前から何度もこう書いてきたが、事態は年々悪化する一方だ。

結局、いつ寝ているのか全く分からない日々が続いている。

施設の責任者や経営者に何度も説明しても、理解が得られない。
「報告」が「連携」だと、完全に勘違いしているので平行線だ。

一生懸命にいくら説明しても、「理解」してもらえない世界だ。
現場は決して美談だけで運ばないことを、役人に知って欲しい。


毎日、「今日死ぬかも」と思いながら、生きている。
まあ死ぬまでには、こんな生活に見切りをつけたい。


先日、ある特養の嘱託医を打診されたが、丁重に、お断りした。
今の嘱託医が夜間対応してくれないそうだが、当たり前だと思う。


介護施設はすべて、病院の医師や看護師が診るべきだ。
早く「介護医療院」に転換して欲しい、と本気で思う。

もし私が大臣だったら、すぐにそんな政策転換をする。
介護医療院で、LWとACPをしっかり行い、平穏死。

でも、介護スタッフが悪いわけではない。
これは政策の問題なのだ。


介護スタッフにちゃんとした現場教育をすればいいだけ。
大きな誤解を解消するには介護士の教育方法と医療政策。

でも、それを決めるのは国会議員。
それを選ぶのは私たちだから、文句を言っても仕方が無いのか。

でも・・・
こんな電話に殺されたくない。
こんな意味の無い電話対応のために僕はこの世に生まれてきたのではない。


そんな想いも、今週、鹿児島で2日に渡り講演する。

10月11日(木) 日本慢性期医療学会 →こちら
10月12日(金) 野の花会の講演会  →こちら

11日の夜は、鹿児島の五反田先生の仲間と宴会だ。


そして週末は、北関東でも。

10月13日(土) 群馬県館林市 →こちら
10月14日(日) 茨城県古河市 →こちら

なんとか死なずに、大阪に戻ってきたい。
敵は、あの無意味な電話だけ。




PS)
今日は祝日だけど、夜もいつもどおりに仕事。
在宅患者さんに休みはない。











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※本ブログは転載・引用を固くお断りいたします。

この記事へのコメント

私もそうでしたが、核家族化が進んでまともに高齢者と話もしたことのない、講習と少しばかりの実習を受けただけの素人が、入職2~3か月で夜勤業務を行うのが介護業界です。
今まで経験のある傷病は、風邪、腹痛、すり傷、切り傷くらいという人が、他人の命を預かるという責任重大な仕事に、安い賃金と最低の福利厚生のなかで従事しています。
介護施設の夜勤者は、昼間に他の職員がいる時ならいざ知らず、夜間の通常ならざる事態(平均から少しでも外れたバイタル、低い酸素飽和度、軽く転倒した、など)にはマニュアルに従う以外の術を持っていません。
孤独と不安と責任に押しつぶされそうになりながら、藁にもすがる思いで嘱託医に「こんな夜間にきっと迷惑だろうな」と思いながらも、マニュアル通りに電話をかけるしかないのです。
施設側は、もちろんド素人などまったく信用していないので、何かあったら嘱託医に連絡するようにというマニュアルを準備しています。
バイタルが乱れたら施設長に電話するように、とは書いてありません。介護施設は看護職員以外、全員が素人だからです。
医療者にとっては「それが何?」程度の発熱、バイタルの乱れ、転倒が、介護職員には些細なことなのか、それとも高齢者なのでこれで死んでしまうのか、その判別がつきません。
もし外部に連絡しないまま、翌朝、利用者の容態が急変した場合、その夜勤者はマニュアルの手順に従わなかったと責められ、素人の独断行為で利用者を危険な目に合わせたその「無責任さ」を追求されるでしょう。
それに、利用者家族からの糾弾や訴訟を起こされた場合に、施設はその夜勤者をまったく守ってくれないだろうな、という確信めいたものも職員はうっすらと感じ取っています。

介護職員は医師に「逐一報告」することで、すべてを
医師に「責任転嫁」しているのではないか、と感じる。

いや、「報告」することで、「免責」?
いや、「報告」することが、「仕事」?

先生は素人たちの保身のために夜中に何度も起こされる羽目になっています。
しかし施設も職員も、先生を不眠にしたくて電話攻勢を行っているわけではありません。
中途半端な制度、知識、責任の中で、みんながもがいています。

Posted by 素人介護職員 at 2018年10月09日 10:34 | 返信

高齢者が夜間に熱出したり転んだりして、翌日医者に診てもらう対応に納得いかないという家族はいないのではないでしょうか。認知症だったり、いつも意識が曖昧だったりするかたは、色々なリスクを持ち合わせていることを、予め家族に説明しておいてはどうでしょうか。家庭でも、施設でも同じです。中にはたちの悪い家族もいるかもしれませんが、きちんとした対応とっていれば大丈夫です。信頼関係の中で、生きていくしかないです。救急車をタクシー代わりに使うことと同じことをしているんじゃ、駄目です。みんな自分のことばかり考えないで、思いやりや常識を学びましょうね。医者に気を使うことはないけれど、医者も高齢化していますので、皆様どうかよろしくお願い致します。

Posted by 遠い声 at 2018年10月10日 01:01 | 返信

介護業界に入ってくる人はその程度しか持ち合わせていないということです。
看護師しかり、介護員しかりです
でも、看護師はきちんと養成課程を経ているので急変時の対応ができるわけです
看護師は卒後の生涯学習や研究・認定看護師制度などで勉強の機会があります。
ヘルパーしか資格がないような人は全く養成されていないわけですから、誰かに頼るほかないのです。
長尾先生の始めた国立認知症大学とかそういうのを受ければいいと思うのですが、最初から意識が低い方たちなので、参加は期待できないでしょう
長尾先生は自分の仕事量を減らそうとして学ぶ機会を作るが、学んでほしい人たちは参加してくれない こんな状況にあると思います
主任がついた私も施設内勉強会の講師をしますが、いつも出席される方は同じですし、進歩のない職員だらけです
出席したからと言って進歩するとは限りません 

Posted by 匿名 at 2018年10月10日 05:34 | 返信

素人介護職の疑問ですが、長尾先生への連絡の前にナースさんへのオンコールはできないのですか?
ナースさんならば夜間に起こされても構わないとは思いませんが、当番制できるので。
夜間に介護職に起こされるという記事を読む度に心が痛みます。
自虐かもしれませんが、医師の健康的な生活の為なら私の保身は最低限にしたいです。
全ての介護施設で家族さんへの入所前の説明を完璧にし、社会全体が介護施設に預けるとリスクもあるのだと理解してもらえるようになってほしいです。リスクを防止する努力は必須ですが。

Posted by グルホ職員 at 2018年10月11日 09:28 | 返信

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