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100歳時代をどう生きる
2018年10月16日(火)
人生100年と言われるが、100寿者は7万人以上いて増えているという。
私は逆立ちしても100歳なんて縁が無いが、100歳時代をどう生きるか。
現役で活躍する100歳の様子を知ることで、相当な元気を分けてもらえる。
私は逆立ちしても100歳なんて縁が無いが、100歳時代をどう生きるか。
現役で活躍する100歳の様子を知ることで、相当な元気を分けてもらえる。
私は到底、100歳まで生きられない。
しかし百寿者を100人以上診てきた。
欲の無い、のんびりした人ばかりだった。
生き急いでいるようでは60歳が関の山。
人生は長さではない、と言いつつも、長く生きたいのが人間。
一緒にテレビに出たこともある、きみまろさんの生き方から。
私は彼の大ファン。
一緒に100歳を語りたい。
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「老婆は1日してならず」
100歳時代の生き方、綾小路きみまろさんに聞いた。
朝日新聞GLOBE+ →こちら
お客さんの家庭で、今起こっていることを話しているからね。作り話ではだめなんですよ。来られるお客様は8割が女性。女性の心をえぐったような話が多いですね。みんな、心の中に不満なんかがあるんだけど、それを外に出せない。「私が言いたいことを、きみまろさんが言ってくれた!」みたいな、奥様の代弁者ですね。
それと、ほめてあげることですね。「きれいですね」「若い頃、きれいだったんでしょ」「きれいだったんだと思います」ってね。
――ほめてないじゃないですか。
愛情を込めれば、伝わるんです。中高年の人たちは、自分でも認めているんですよ。年をとったということを。老婆は1日にしてならず。80歳のおばあちゃんをこの世に1人誕生させるのに、80年かかる。80年。猫とか犬は死んじゃう。女の人は長生きなんですよ。
今の社会、お年寄りの間に貧富の差がすごくある。お金持ちは本当に一握りで、年を取っても働き続けないといけない人がほとんど。そんな人たちにも、私の漫談で少しでも笑顔になってほしいですね。
――「人生80年」でも長いのに、近い将来に「100歳時代」がやって来ます。老いていくことは、元気を失ったり、親しい人を失ったりと、やはり「苦しい」のでしょうか。
だから「『オイル』マッサージしたり、「『オイル』ケア」をして自分を慰めてるの。女の人の人生はいいことが半分、悪いことが半分。いいことは若い頃、ほとんどやりつくしてしまうのかもしれない。前半は、恋愛の繰り返し。ここから先は、入退院の繰り返し。つらいですよ。
――だからこそ、笑いを必要としているんでしょうか。
みんな、腹の底から笑いたい。あまり長生きするとね、友達いなくなっちゃうからね。笑うことってそんなにないですよ。だから死ぬまでに1回ぐらいきみまろを見てみようかと。私が観光名所みたいになっている。あの人を見てきたよ、って。
目も悪く、耳も悪く、顔も悪くなってくる。あ、顔は余計ですね。それで、私と目が合ったとか、いじられたとかね。でもショーが終わった後の「出待ち」はいない。午後3時半ごろ終わったら、お父さんが家で待ってるから、スーパーの特売に行かないといけない。ポテトサラダとか買って帰るんですよ。
ショーでは1時間ちょっとしゃべりますから、去年、同じ場所で何を話したのか忘れちゃう。それで、録音したテープを聴くと、今年も同じような話をしている。でもお客さんは、同じように笑う。最近は、初めて来ている人が多いんです。毎年毎年、中高年は「養殖」されて、どんどん増える一方ですから。
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視力は落ちる、髪の毛は落ちる
――中高年を題材にブレークしてから、もう15年。きみまろさん自身も67歳になりました。最初、ブレークした時には「一発屋だ」とか「あの人はいま」とか言われましたけれど、消えずに15年続いているんです。私も高齢化社会に乗っかって、運をつかんだというのかな。
私は若い頃、キャバレーで司会者として働いていた時に、ホステスさんについての話をしていました。それを、中高年に置き換えたら、ブレークした。全く同じ発想だったんだけど、30年もかかった。中高年は私の宝ですよ。
それでも、40代、50代で中高年をネタに漫談をやったころは「年寄りをばかにしているんじゃないか」と言われたこともあります。お客さんが60、70代で私の方が少し若かったからかな。それでもかたくなにやっていたら、自分が60になったころから、言われなくなった。
――ご自身も年を取って、なにか変わりましたか。
中高年の気持ちが、より分かるようになってきた。私自身も体力、気力の衰えは甚だしいんだから。毎日調子が違うんだから。「何だこれは?」と。実際にある話だから、前より自信をもって話せるし、説得力がある。
時がたつのは早い、早すぎます。ずっとこの形で生きているんじゃないかと錯覚しているけど、もう落ちるものばっかりです。視力は落ちる、髪の毛は落ちる、体力は落ちる。歩いていてね、なんかぐらぐらする時があるんですよ。あれ、地震なのかなと思うと、揺れているのは自分なのね。もう「おい、大丈夫か」って言っていくしかないでしょ。
――100歳まで生きる人が増えてくる時代になりました。どのように年を重ねていきたいですか。
タレントは元気じゃないといけない。夢があって元気をあげられないといけない。だから、よろよろ舞台に出てきて、お客さんに「頑張ってね」って言われるようになったら、やめた方がいい。それでフェードアウトしていく。「最近出てないけど、どうしたの? なんか死んだらしいよ」みたいにね。谷間に咲いている野菊のように、可憐に咲いて静かに消えていく。美しいじゃない。
100歳まで生きている人を尊敬しますよ。100歳の人をインタビューするような番組をやりたいね。100歳を見て「あぁ、すごい」とか、でも顔を見て「あぁ、あそこまでは生きたくない」とか。心の中で自問自答してね。でも、人間には、そういう人から「命を分けてもらいたい」みたいな欲もあるわけね。
車に乗って突っ込まないように
――お客さんは、きみまろさんに自分を重ねているところもあるのでは。
同じ頃に学校に行って、がんばって子育てして、子育てが終わって、孫ができてという世代だから、共通するものがあるんじゃないですか。あの人が67でがんばっているから、私も明日からがんばれる、みたいな。私も年上のタケシさんとかタモリさんが活躍しているのを見ていて、おれも負けてはいられない、がんばろうと思えますから。
この前、黒柳徹子さんの番組に出たのですが、84歳になって、あれだけの本数の収録をしているというのは、本当にすごい。番組の中で私が「あと3年は続けたい」と言ったら、「何言ってるんですか、もっとできるでしょ」ってあきれられてね。黒柳さんは、なんであんなにお元気なんでしょうね。
――最近は、30代、40代のお客さんも増えてきたとか。
自分のお母さんやおばあちゃんがあまりにも笑っているんで、何なんだろうと興味を持つのかな。それとも、よっぽど行くところがないのか。若い人にとって私は「おばあちゃん、お母さんを笑わせてくれるおじさん芸人」みたいなくくりになってるの。お母さんの誕生日に漫談CDをプレゼントしたとか、寝たきりのおじいちゃんにテープを聴かしたら元気になったとか、そういう話や手紙がいっぱいきます。
――中高年に何かアドバイスは。
よく聞かれるんだけど、すごく難しい。体に気を付けて。もう、健康しかないの。命の尊さは、「元気」であることなの。病気するなというのは難しいでしょう。病気で死んでいくんだから。あとは、車に乗って突っ込まないように。
――お金よりも健康ですか。
うん。でも健康を維持するのにはお金がかかる。難しいね、世の中。
1950年鹿児島生まれ。司会者を目指し上京。キャバレーの司会者、演歌歌手の専属司会者をへて、2002年、自作した漫談テープがきっかけとなり中高年を題材とした毒舌漫談CDを発売。直後からブレークした。これまで、漫談CDやDVDなどを計520万枚売り、年間、全国約100カ所で公演を開催している。著書に『しょせん幸せなんて、自己申告。』(朝日新聞出版)など。
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この記事へのコメント
目と歯が、大切だと、最近つくづく思います。
インプラントは、老人にはかなり問題あり。
レーシックも大大問題。
長尾先生、やっちゃったんだっけ?
Posted by 匿名 at 2018年10月16日 03:17 | 返信
先だって亡くなられました樹木希林さんについてを
特集した番組を見ていましたら、最期に演じられた
映画を見なければ、と思い立ち映画館へ足を運びました。
「日日是好日」茶道を通して、日本の風情と何気ない
心の機微を描いた静かな映画でした。
どんな役柄であっても、自然体で平然とこなされる
樹木希林さんですが、この映画で演じた茶道の先生という
役柄は、優しさの中に強さと厳しさを兼ね備え、また
茶道の流儀や身のこなし方に品が漂う、その姿は本来の
樹木希林さんが如実に映し出されていたのではないか、と
思いながら静かに鑑賞しました。
「日日是好日」というテーマですが、主人公である女子が
冒頭で「どういう意味だろう?」と額を見上げながら語る
シーンがありましたが、言葉によって解説されるものでは
なくて「日日是好日」を心で味わうことができるように
なることが、同時に生きることを堪能しているという事で
あり、また心穏やかに過ごすことができる、長生きの秘訣
ではないかな、と思いました。
希林さんは既に亡くなっておられますし、また全身癌に
侵されて余命を意識しながらの役者業の頃でしたから、
ひとつひとつのセリフが希林さん御自身と重なって見え
聞こえ、「生きる」こと「生き方」を漠然と考え意識する
そんなひと時になりました。クライマックスシーンで
茶道の先生が語るセリフには、重みと温かみを感じ、また
軽やかな感じもあって涙しました。
樹木希林さん、ありがとう。
ご冥福をお祈り申し上げます。
「100歳時代をどう生きる」というテーマですが、
長尾先生が看てきた100寿者の方々を「のんびりとした
欲の無い方々」と表現されているのを読み、映画の印象と
重なって思えたのです。
Posted by もも at 2018年10月16日 09:30 | 返信
人は死ぬその時が来るまでは死なない。というのが、私の考えです。幾度となく死にかけた方々がずっと生き延びていらっしゃる姿を拝見しての実感です。人にはきっと定められた時があるのだと思います。しかしながら、百歳まで生きることは偉業です。できるならば、ぴんしゃかして生きていたいと考えるのは当然のことです。鎌田實先生は、潔く百歳まで生きる覚悟で生活していくことを、みんなにお勧めされてました。かかと落としと、歩く有酸素運動、スロースクワットの筋トレ、などの運動や、たくさんの野菜とたんぱく質を取り入れた食生活、そして、誰かのために何かをしていく生きがいなどを持った生活が、健康寿命に繋がると話されておりました。その講演会の時に、日野原先生のお写真がスクリーンに映し出されたのですが、会場がパッと明るくなったように感じました。日野原先生のお顔を見ると、とてもとても幸せな気持ちになり、お釈迦様じゃないけれど、とてもありがたい気持ちになるから不思議です。長尾先生にも百歳まで生きる覚悟をお持ちになっていただきたいと思う次第です。ではまた、お元気で。
Posted by 遠い声 at 2018年10月16日 02:28 | 返信
最期まで 愉快に生きたいです
Posted by 宮ちゃん at 2018年10月17日 10:06 | 返信
病院に情緒を!! というテーマです。
偶然の産物(思いついた事)ですが、きみまろさん
の笑いにつぃても、そうではないかな、と思うの
です。人は心が動く事=喜び からパワーを得ると
誰もが経験している、実感している事だと思います。
楽しい、嬉しい、幸せ、また明日も..と 次に喜びを
繋げるパワーは生命力を増す事に繋がるのではないで
しょうか。生きている、とは食べる・排泄する という
生理的な事以上に、『情緒』が癒される、満たされる
こういった、『心が動く』という事の方が、生命力への
寄与が増すという事を、人は理屈抜きにして、肌で感じて
いるのではないでしょうか。
病院にアートを、とノーベル賞を得た偉人も取り組んで
おられるそうです。自らの経験を元にして『心』が
落ち着く、癒される、といった感性を大事にしたい、
必要である、といった動機だそうです。
そう、人間の核は『心』なのでしょう。
Posted by もも at 2018年10月17日 10:57 | 返信
ももさんのコメントは、日野原先生の理念そのものです。鎌田先生も、同じお考えです。もちろん、長尾先生もだと思います。そんな風に考える世界が広がることを祈ります。
Posted by 遠い声 at 2018年10月18日 11:55 | 返信
追伸。美味しいものを食べると、人は幸せホルモンのセロトニンがいっぱい出るので、食べることはとても大事。(と鎌田實先生、おっしゃってます。)食べ過ぎは良くないけれど、ダイエットで我慢するのは良くありません。美味しい、と感謝しながら一口30回位噛んで食べるようにしようと、いつも思っています。
Posted by 遠い声 at 2018年10月19日 11:34 | 返信
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