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抗認知症薬が効く人は40人に一人

2018年10月24日(水)

「抗認知症薬が効く人は40人に一人」というニュースが流れてきた。→こちら
フランスでは、9月から4種類の抗認知症薬が実質、発売中止になった。
そして日本も遅ればせながら、私たちの意見に同調する人が出てきた。
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その医療 ホントに要りますか?

高齢化とともに増え続ける認知症。治療には複数の薬が開発され、世界中の医療現場で使われています。
ところが、フランス政府は今年8月、これらの治療薬を全て公的医療保険の対象から外しました。
いったいなぜ保険が利かなくなったのでしょうか。


当初は高評価 35%の自己負担で使えたが


これらの薬は、ドネペジル(商品名アリセプト)、ガランタミン(同レミニール)、リバスチグミン(同イクセロン)、
メマンチン(同エビクサ)の4種類で、日本でもアルツハイマー型認知症の薬として使われています(メマンチンは日本では「メマリー」の名称で販売)。

フランスは、日本と同様に公的医療保険制度が行き渡っており、患者は低い自己負担で医療を受けることができます。
日本との違いは、薬によって患者の負担割合が異なることです。

日本の医療保険では、医薬品として承認されると、患者は原則として一律3割負担となります。
一方、フランスでは、薬を重要度によって「主要」から「(有用性が)不十分」まで5段階に分類し、
患者の自己負担割合に0%から100%まで差をつけています。例えば、最重要の「主要」に分類され、高額で不可欠な薬なら、
患者は自己負担なしで使えますが、「不十分」だと保険が使えず全額自己負担になります。

アリセプトなどの4剤は当初、「重要」という評価を受け、患者は35%の自己負担で使うことができました。
日本の3割負担に近い水準です。

効果は限定的 生活の質改善には疑問視

ところが、その後の再評価で、これら4剤は、有用性が限定的で、短期間の認知機能の改善にとどまると判定されました。
「患者が介護施設に入るのを遅らせる(家庭生活が長く送れる)」「QOL(生活の質)を改善する」「寿命を延ばす」
といった長期の効果については明らかではない、との判断でした。

QOLは、歩ける、身のまわりのことができる、といった身体機能と、不安や不快感などの精神状態の双方を含む「生活の質」を指します。
患者や家族にとって重要な要素に対する効果が疑問視されたわけです。

さらに、これらの薬による消化器や循環器、精神神経系への副作用も問題視されました。認知症は高齢者に多いうえ、
ほかにも何種類もの薬を服用している場合が多く、副作用が表れやすいためです。

このため、有用性の評価が2度にわたって引き下げられ、2016年に最も低い「不十分」となって、
今年8月から保険の対象外になりました。
薬の承認が取り消されたわけではありませんが、使う場合は全額自己負担になりました。

フランスでは「薬物療法が認知症ケアに果たすべき役割は失われた」とまで判定されました。
フランスの新しい治療指針では、薬物療法に代わって、介助者への支援を含めた包括的なケアを勧めています。

東京大学大学院薬学系研究科の五十嵐中(あたる)特任准教授(医薬政策学)は「薬の承認後に何年たっても、
QOLなど患者にとって重要な効果のエビデンス(科学的根拠)が得られなかったために保険適用から外された。
副作用に比べて有効性が乏しい、という判断で、日本でも真の有効性と安全性のバランスを再評価すべきではないか」と言います。


@@@@@@@@@@@@@@@@


私は、この問題に正面から取り組んできた。

抗認知症薬の増量規定の撤廃や
隠蔽された副作用の啓発などだ。

しかし、ムラ社会で正義を振りかざすと
とんでもない報復が待っているのは当然。


多くの矢が飛んできて、大きな傷を負った。
しかし多くの認知症の人を救うことができた。

医者なので、患者さんが助かるならそれでいい。
医者は患者のためにあるとの想いでやってきた。

フランス政府の行動は、私が間違っていないことを証明した。
私に圧力をかけてきた認知症医療界の重鎮は困っているはず。

お金のたために、多くの薬害認知症を作り、命をも奪ってきた
カルマは消えないし謝罪して改心すべきだと思うが、無理かな。


そんな想いを日本医事新報の連載記事に込めた。→こちら

製薬会社も少しは反省して欲しい。

薬害は繰り返す。。

歴史の教科書に書いてあるとおり。

どうか賢い患者さんになって欲しい。



PS)
抗認知症薬の適量処方を考える会の講演会です。
岡山ですが、興味のある方はいらしてください。


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※本ブログは転載・引用を固くお断りいたします。

この記事へのコメント

『我が国の認知症施策を眺めたとき、不可解なこと が多い。例えば各地で開催されている市民フォーラ ムでは「認知症、早期発見・早期投薬」が定番である。 本来は予防法や非薬物治療を説くべきだろうが、薬物療法に偏りすぎていると感じる。その結果、今も医原性の認知症が増え続けている。 上記の“薬剤起因性認知症”のほかにも“多剤投薬起因性認知症”や高齢者には推奨されない薬剤投与による認知症もある。また認知症ガイドラインでは、認知症診断をする上で甲状腺機能検査の実施を推奨しているが、抗認知症薬を投与されている人の 7 割で検査が 未実施だ。こうした現実を考えると、本物の認知症 よりも医原性認知症のほうが多いのではないかとさえ思う時がある。』

不可解なこと が多い。ではなくて「不可解なことだらけだ。」が本当。( ̄^ ̄)
・・・と感じる、・・・とさえ思う時がある、ではなくて、
「薬物療法に偏りすぎている。」「本物の認知症 よりも医原性認知症のほうが多い。」と言い切ってしまえばいいのに!!! (● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾ 
本当のことなんだから。
(u_u) でもそうすると、長尾先生の命がもっと短くなるかも。
後ろからブスッ・・・(´༎ຶོρ༎ຶོ`)

Posted by 匿名 at 2018年10月26日 06:52 | 返信

プラセボと比較して明らかに要介護度の低下や施設入所時期を遅らせる効果が統計的に有意差がないわけですから、それは効果なしと判定されますよね。これまで、あれだけマスメディアなども使って抗認知症薬の有効性ばかりをを喧伝してきた、日本の認知症関連の学会っていったい何なのか?言い訳もできないでしょう。そもそも高血圧とか糖尿病の薬と違って、認知症の評価は客観的な数値データで示されず、医者や患者の主観的評価(テスト)に左右されるので、いくらでも都合のいいように「効果がある」と解釈できる。高齢者にも年齢制限なく使われまくった結果として、有害事象の山。それでも半ば強制的に続けられるという理不尽な現実。「抗認知症薬を止めたら認知症が進行するぞ」という恫喝、ドクハラ。
未だに施設入所して寝たきり状態で動けなくなってまでも抗認知症薬が無意味に続行され続けている悲惨な現実。医学会の指導者は何らかの責任をとらないと普通は収まらないですね。

Posted by マッドネス at 2018年10月27日 11:56 | 返信

長尾先生の仰っている事のすべては理解できないのですけど、「抗認知症の適量処方を考える会」を立ち上げて頂いたことは、凄いなあと驚きますし、深く感謝しています。
母が「アルツハイマーだ」と診断されて、アリセプト3mmを飲ますと「胃が痛い」と言うのでハサミで割って9年間飲ませてしまいました。始めは1/3のつもりでしたが、1/2になったかもしれません。
今津の協立西宮病院の三宅祐治先生(当時の神経外科部長で現在は病院長)に「91歳になっても、自分の生年月日が正確に言えるのだからアルツハイマーではないね」と仰って頂いたのに、その後もアリセプトを割って飲ませていたので薬害性パーキンソン症候群になっていたのに、それに気が付きませんでした。「お母さんは、なんで口が効けないの?何で一歩も歩けないの?なんで右手でお箸でご飯を掴んで食べられないの?」となじってしまいました。母が死んで直後に参加した横浜の認知症治療研究会で、中坂義邦先生のCBS(大脳皮質基底核変性症候群)とPSPS(進行性核上性麻痺症候群)--ピック複合関連疾患の神経症候学的検討)-を拝聴しまして、「私の母も薬剤性パーキンソン症候群だったかもしれない」と気が付きました。母を9年間介護したとは言え、何故症状が段々悪くなっていったのか疑問でした。犯人は私だったんだとの思いで愕然としました。アリセプトが、そのようにきつい薬とは知らなかった。母は9年目にアルツハイマーでは無いと言われたのだから、その時点で服用を止めたら良かった。レビー小体型だったとしても1mmg以下にするか、1/週か1/月にすれば良かった。いやそもそもアリセプトなんか飲ませなきゃ良かったと、位牌に向かって謝っている毎日です。脳梗塞からアルツハイマーになられては困るという心理もありました。
ググると、時事ドットコムで「認知症薬」撤退相次ぐ==研究成果乏しくーーアメリカ製薬大手と言う記事がありました。
マイクロソフト「ニューヨーク時事」米国の大手製薬会社が「認知症」の研究開発から相次ぎ撤退している。巨額の費用が掛かる一方治療につながる十分な成果が得られず、継続は困難と判断した。ただ、人口の高齢化に伴い患者の増加が予想される中、新薬開発への期待は高まるばかりだ。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018052600387&g=int
で見る事が出来るはずなんですけど、これ以上長く書くと、サッと消去してしまうので止めます。

Posted by nyannyan at 2018年10月27日 12:07 | 返信

時事ドットコムの「認知症薬」撤退相次ぐ=研究成果乏しくー米製薬大手の記事の続きです。
「製薬開発や科学的知見で最も強みのある領域に集中する」。ファイザーは1月、認知症患者の6割以上を占めるアルツハイマー病の治療薬などの研究開発を打ち切ると発表した。関連業務に就く約300人を削減。浮いた資金は他分野の研究開発に充てる。
メルクは、も2月、期待した効果が得られないとして、アルツハイマー病患者の脳に蓄積する異常なたんぱく質の生成を抑える薬の臨床試験を中止すると表明。同種の薬をめぐっては、先にイーライリリーも新薬の申請を断念したほか、ジョンソン.エンド.ジョンソン(j&j)も今月、安全上の問題が確認されたとして臨床試験を打ち切った。
米アルツハイマー協会によると、米国のアルツハイマー患者は570万人に上り、2050年までに約1400万人に増える見通し。米食品医薬品局(FDA)はこれまでに6種類の薬を承認したが、根本的な治療薬は開発されていない。
大手の撤退が相次ぐ一方、ベンチャー企業に期待する動きもある。マイクロソフト創業者のビル.ゲイツ氏は、アルツハイマー病研究に取り組むファンドや新興企業に計1億ドル(約109億円)を出資。フェイスブックのザッカーバーグ最高経責任者(CEO)も神経科学分野の研究に資金を提供して新薬開発を支援している。(2018/15/26-15:43)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018052600387&g=int
2018/10/25

Posted by nyannyan at 2018年11月07日 02:02 | 返信

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