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たった5日間の緩和ケア
2018年11月03日(土)
最近、「ギリギリ在宅」がさらに増えてきたような気がする。
病院から「在宅希望」という情報提供の半数は帰ってこない。
「早期からの緩和ケア」と言うが、ゼロのまま帰ってくるよ。
病院から「在宅希望」という情報提供の半数は帰ってこない。
「早期からの緩和ケア」と言うが、ゼロのまま帰ってくるよ。
ステージⅣの胃がんの患者さん。
がん性腹膜炎でがん性悪液質と。
余命1ケ月であると思うが、初回訪問で驚くことは
病院からの緩和ケアがほとんど無い、人がいること。
たった数日だけでもいいから、痛みを取って
食べて笑ってもらうのが、私達の仕事である。
オプチーボがノーベル賞を取ってから、さらにギリギリまで
抗がん剤治療をする医者、諦めない患者さんとご家族たち。
それは自由であるが、一番大切な緩和ケアが無い患者さんと
出会うたびに、なんとも言えない気持ちになる。
人生の最終章、というが、もう少し早く出会いたかったなあ。
3ケ月もあればきっと「素敵な物語」ができたのではないか。
家族が医者や看護師である場合この傾向が強くなる気がする。
がん治療の情報量が多いほど、緩和ケアを忘れる傾向がある。
たった5日間の緩和ケア。
無いよりもマシであろう。
おまけに・・・
研修医にとっても下手なACPをやられて、落ち込んで帰ってくる。
下手なACPならやらないほうがマシ、だと思うがトレンドである。
緩和ケアやACPを医学教育の土台にしないと。
片手間ですましている現状に手が入るのは平成31年度から。
すみません・・・
町医者の呟きなど、なんの意味もないことを知っている。
知っているからこそ、同じことを何度も書いてしまう。
秋の連休。
穏やかな日差しの中、散歩もいいし、BBQもいい。
仲間たちと笑って過ごした本当に穏やかな1日だ。
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この記事へのコメント
緩和ケアとかこういう記事を読んでも
昔は遠い世界の話だったけど
やっぱり長尾先生には私が死ぬまで生きていてほしい
いざとなったら尼崎へって、心の支えになるから
Posted by 匿名 at 2018年11月06日 03:09 | 返信
長尾先生の様な方が、手伝って下さる「人生の物語」ならいいのですが、最近の、がん患者の治療や緩和ケアについて言っている医師の中には、自分の理想の「患者の物語、それを手伝う医師」という物語に酔っておられる人もいそうです。
「患者の物語」ではなく、「患者を導く医師の物語」を見ている気がします。
世間に知られていない、「長尾先生」が、長尾先生の様に、夜の道を患者さんの家まで出かけているのでしょう。
「長尾先生」に出会うのは、難しいです。
Posted by 樫の木 at 2018年11月06日 04:55 | 返信
樫の木さんが書いておられること、わかるような気がします。
医療介護福祉業界で働いている人たちの大半は、自分たちは世のため人のために働いている、自分たちはとても立派な仕事をしている、と思い込んでいると、常々感じてます。
どの業界もそれなりの閉塞性はあるのだけれど、医療介護福祉でメシ食ってる人達と接する時、私は心に鎧を着せます。争わない、けれども、騙されない、支配下に入らない、合わないと感じたら無難に逃げる。
Posted by 匿名 at 2018年11月07日 03:15 | 返信
そうですね。上手く逃げるというか、自分を逃がすのも大事だと、私も思います。
「長尾先生」を探してという感じです。
「患者の物語」を、患者の横に座って、「僕にもはっきりしたことはわからへんねんで。」と手伝って下さるお医者さん。各地の「長尾先生」も、疲労困憊状態かもしれませんね。
樫の木から匿名への返信 at 2018年11月08日 05:20 | 返信
大きな病院の先生は なかなか在宅に繋げていただけません
要介護5の方が 熱が出て 動けなくて困ったら どうしたらいいですか?と尋ねると 介護タクシーで近医に受診してくださいと言われてしまう
病気しかみていない…
患者さんの生活 人生を丸ごとみて欲しいです
Posted by 宮ちゃん at 2018年11月10日 08:09 | 返信
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