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医療保険と介護保険は統合したほうがいい!?
2018年11月05日(月)
介護認定審査をやっていると、介護保険の矛盾の多さに驚く。
あるいは在宅医療をやっていると医療保険の矛盾が嫌になる。
僕は制度に縛られるために医者になったのではない、なんて。
あるいは在宅医療をやっていると医療保険の矛盾が嫌になる。
僕は制度に縛られるために医者になったのではない、なんて。
介護認定審査の矛盾例
・独居か大家族かは無関係
・末期乳がんは非該当になる
・パーキンソン病で全介助でも認知症が無ければ要介護5にならない
・うつなどの陰性症状や異食などはまったく考慮されない・・・
医療保険の矛盾例
・訪問看護師への特別指示書は医師の訪問日でないと書けない
・施設では、1人診ることと4人診ることが同等である
・そこに住まれている小規模多機能への訪問診療ができない
・訪問看護が医療と介護に分断されている・・・・
とにかく文書が多すぎる。
下手をすると患者さんを診るより、文書にかかるエネルギーのほうが大きい。
これ以上、複雑にしないで簡素化をすべき。
しかしお役所仕事では、それは無理だろう。
先週、「2050年の在宅医療」という講演をしたが、そもそも
日本国が存続しているかどうかかなり怪しい、と内心思っている。
存続していた時、医療費と介護費は、40兆円同士になっているのでは。
そうなると消費税は20%を越えているだろうし、大変な世の中になる。
混合介護が容認されているが医療保険においても規制緩和も進めるべき。
そして両者を早く統合したほうがいいと思うのは、私だけなのだろうか。
これから医者になる人は、ほんとうに大変だろうなと思う。
書類と規則に右往左往するだけの医者人生など面白くない。
キーワードは
・統合
・総合性
・簡素化
・包括性、であろう。
少なくとも、在宅医療においては両者は統合したほうがいい。
でも誰がそれをするのか?
政治家しかいない!
だからいい政治家を選ばないと、この国の社会保障の未来はない。
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この記事へのコメント
「2050年の在宅医療」という講演をした・・・・・・スゲェ〜〜〜
あと32年先。
長尾先生は92歳。確実に死んでます。
私は97歳。一心寺から(父の)33回忌まで毎年の命日に「お経をあげに来なさいよハガキ」が来る最後の年。生きていたいと思ってるけど、たぶん無理。
日本の医療保険制度は確実に崩壊している。現役世代の一部負担割合は確実に5割を超えてると思う。民間の医療保険が主流になってる。
低所得者、生保受給者、高齢者の医療費は上げるわけにはいかないだろうけど、なんらかの制限や負担をつけるのでは? ジェネリックは当然。医療を受けることができる疾病を限定する、感染症だけ、とか。あるいはモルモット代わり。新薬の実験台。
日本尊厳死協会は安楽死部門を作っているかも。
Posted by 匿名 at 2018年11月05日 01:51 | 返信
与えられた寿命は生き抜かねばならないと思います。不自然な手でその命を絶つことは、とても悲しいこと。rockerでもないのに27歳で自分は死ぬんだと思いこんでいたのに、気づけばなんと長尾先生と同い年。ただ成り行きまかせでここまで生きてきた私ですが、人間は生きている限りは、今を大事にしながらも常に100年後のことまで考えていくべきだと思います。自分たちが生きている間だけ良ければという考えではあまりにも無責任。地球も同じように生き抜いてほしいと思っています。未来の人類にちゃんと豊かな自然を手渡せますように、祈ります。う
Posted by 遠い声 at 2018年11月06日 01:02 | 返信
追伸。何故か、コメントの終わりに「う」の文字が~。心筋梗塞おこして倒れたわけではありません。まだ、私生きています。ではまた、長尾先生もお元気で。
Posted by 遠い声 at 2018年11月07日 11:26 | 返信
Web 朝日にて連載されていたDr.和の「街医者だから言いたい!」で
初めて長尾先生を知ったのですが、鮮烈な印象でした。
2010年開始の連載でしたでしょうか。(初回は書籍で読みました)
介護保険法が制定されていましたが、「介護」が、まだヨチヨチ歩きな
時勢の頃だったような気がします。その頃、長尾先生は独居老人のお宅を
訪ねては、鍵の苦労や足元の汚さを如実に語っておられていて、その
リアルさに面白可笑しく読み、そしてまた「凄いな、このお医者さん」と
感じていたものです。にわかには「ホントかなぁ」と疑っていたものですが、
後の経過を読み続けたり、講演を拝聴したりして、「ホント!」を確信し
今に至っています。
記憶では、ついこの間のことですが、実際の月日が経つのは早いものです。
文言として、高齢化社会⇒超高齢化社会⇒超々高齢化社会⇒多死社会 へと
変遷を遂げていくまでのハイスピードな、老い・死 をテーマにした取り組みで
おられます。
2050年に自分が生きている可能性は低いですが、時と時代は今以上に早く過ぎて
「その時」が脈々と続いているのでしょうと想像します。
Posted by もも at 2018年11月07日 08:40 | 返信
保険制度の改革もそうですが、
時を経て現場での問題点解消は実現するのでしょうか?
今、介護現場での人出不足は慢性的で、また人材が定着できる
環境にはなく、どの施設でも、働き手の気力・体力・心意気に
おんぶに抱っこで成り立っているのが現状でしょう。
高度成長期の日本を支えてこられた戦士と奥方の労をいたわり、
職務として、自分の身体をすり減らしながらの介護業務・介護界
であるけれど、その労働に従事した人が、果たして30年後・40年後
50年後に同様のケア・介護を受けることができるのでしょうか。
介護労働によって酷使した腰や身体は、果たしてどのような状態に
なっているのでしょうか。
日本のロボット技術は世界的に優秀なものです。製造や流通(仕訳)
現場などでは積極的にロボット技術が投入されており、コスト減に
一役買われていますが、次には、介護現場へのロボット導入を急ぐ
べきではないでしょうか。介護ロボットというと聞こえは悪いですが、
人がアーム型のロボットを背負う、または腰に巻くだけで、
重い物を持ち上げる力が(身体への負担が)軽減される、そんなロボットも
あるのです。被介護者が装着すれば、足腰の筋力を補い、自力で立ったり
座ったりできるような、そんな補助ロボットも考えられます。
技術的には、既にアリなのに、現実・現場には程遠い、アナログ式な
介護現場です。
消費税アップも現実的な御時世ですが、何兆円という軍事費を思えば、
各介護施設へのロボット導入費なんて安いものではありませんか?
生身の身体を壊していく介護従事者を救済していかなければ、
日本の未来は無いかも知れません。
Posted by もも at 2018年11月07日 09:07 | 返信
ももさんのコメントに関連して
埼玉県の秩父方面の皆野町というところに悠う湯ホーム(ゆうゆうほーむ)があります。
もうすでに介護ロボットほか、ITを導入しているようです。
写真も載ってます。
https://minano-fukushikai.jp/robotcare.shtml
両親が存命中に入所を検討したことがあります。
やはり遠いのと保証人が2人必要なので躊躇しましたがとても素敵な介護施設と思います。
秩父の満願の湯にも浸かれます。・・・なんて書くと、申込者殺到かも。
介護施設は保証人(身元引き受け人・・・死体引受人かも)が必ず必要なのですよね。何百万円も払って保証人になってもらうより、やはり私は自分の家で孤独死します。自分の家だもの。自由です。
といいつつ、悠う湯ホームはいいな、と思います。
Posted by 匿名 at 2018年11月08日 11:58 | 返信
先ほどの皆野町の悠々ホームの情報を追加修正します。
私が両親の入所を検討したのはケアハウスで、ケアハウスは当時(8年くらい前)は保証人が2人必要でした。
特養は近隣在住者でなければ申し込めなかったと記憶しています。
ケアハウスも特定施設入居者生活介護を利用して介護していただけます。
介護ロボットを活用して。
Posted by 匿名 at 2018年11月09日 12:19 | 返信
医療保険、介護保険…現場で働いている人だって 中身を熟知されている方はすくないです
先日、 たんぽぽクリニックの全国在宅医療テストを受験してみました
結果は見事に撃沈です 長尾クリニックの事務さんでしょうか…上位に入っていて さすがだと思いました
さらに 先週 在宅クリニックではないクリニックの事務さんから 訪問看護さんに点滴をやっていただいたら 点滴薬液の請求はどうしたらいいのかと問い合わせがきました その事務さんからは 知り合いのクリニックの事務さんに尋ねると薬液を患者さんに実費請求しているらしい…そんなのはおかしいと思ったから 私に聞いてきたようでした
あまりにも複雑すぎて この制度を利用者さまに説明するのは至難の技です
ほんとに きちんと請求できているのかも疑問です
介護保険は 各事業所がお国に請求して さらに ケアマネさんも間違ってませんよと各事業所の請求をチェックして報告する形で伝送しています これって お国が請求業務に監視役をつけたってことですよね それなのに ケアマネさんの報酬は低すぎます
現場で動いていると いろんなことに腹が立ってきます
Posted by 宮ちゃん at 2018年11月10日 08:02 | 返信
ケアマネジャーで、患者さんの入退院と在宅の橋渡しを、難なくこなしていると言う人がいました。
「へえ!凄いですね!」と驚きました。
なんでも彼女は、クラークと言って、病院で働いて、看護師さんの助手を何年か務めたそうです。
それで患者さんの病院内での治療やリハビリや薬について詳しいのだそうです。
私もヘルパーとして病院の中で看護師さんのお手伝いに入りたいと思いますけど、年齢が高いので嫌がられるかもしれません。
ともかくヘルパーさんが看護師の助手として病院内で働くのは、医療と介護の統合の、一歩なのでしょうか?
Posted by にゃんにゃん at 2018年11月11日 11:02 | 返信
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