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平川亘先生のかんたん認知症診療
2018年12月09日(日)
私は平川先生の講演を聞いているので
介護職の皆様に、おすそ分けしている。
平川先生の人間性も素晴らしく、いつも感心している。
尊敬する平川先生の講義をメモしてくれた先生がいる。
フランスでは発売中止になった抗認知症薬を知り尽くしている。
患者によってはこの劇薬を適量処方すれば、有益なことがある。
抗認知症薬は平川先生の講義をしっかり聞いて
テストに合格した医師だけに許可して欲しいな。
抗がん剤も抗認知症薬も、要は「使い方」なのだ。
鋭い包丁と一緒で、許された人だけの使用に限定すべき。
3月17日(日)東京での第5回認知症治療研究会がお勧めだ。→こちら
平川先生の話も河野先生の話も聞ける年一度のチャンスである。
以下、聴講された奥平先生のレポート。(FBより転載)
【認知症治療】平川亘先生講義
★軽度認知障害(MCI)の かんたん 未来予測
①将来 アルツハイマーになるMCI・・自分は全く正常だと思っている。自分は家族より上であるという雰囲気。
②アルツハイマー(AD)になりにくいMCI・・物忘れを自覚している。家族に申し訳ないという家族より下の雰囲気。
③将来 レビー(DLB)になるMCI・・寝言・夜中の大声がある。便秘がある。
④将来 血管性認知症(VaD)になるMCI・・切迫性尿失禁・日中眠気(昼も夜も寝る)・歩行障害・遂行機能障害がある
⑤若年性アルツハイマーになるMCI・・一生懸命メモを取っている。(時系列の障害がある) ※要注意
★高齢者の認知症は併存している・・高齢になればなるほど症状はレビー化、ピック化していく。
超高齢者では記憶障害を主とするアルツハイマー症状は徐々に目立たなくなり、レビーやピックの症状が目立って来る。
①アルツハイマーっぽい・・アリセプト少量、レミニール、リバスチグミン少量
②ピックっぽい・・コリンエステラーゼ阻害薬は使わない
③レビーっぽい・・リバスチグミン少量
④脳血管性っぽい・・レミニール
⑤プレタールはすべての症状に使用可能
★徘徊するようになった、性的問題行動を起こす・・コリンエステラーゼ阻害薬を止めるか、減らす。
★マイネルト基底核の変性によりアセチルコリンの産生が低下する。認知症に対する多くの薬物治療は、低下したマイネルト基底核の機能でアセチルコリンレベルを増加させ代償することに焦点が当てられている。効きすぎてアセチルコリンが過剰にならないように。
★コリンエステラーゼ阻害薬のイメージは、
①アリセプトは斧で紙を切るようなもの
②リバスチグミンは髪をナイフで切るイメージ・・少量でちょうどよい
③レミニールは紙をはさみで切るイメージ・・優しい効果
★簡単治療:減量・中止すべきタイミング(特に気をつけるべきポイント)
①アリセプト・・・易怒性、興奮、徘徊、脚が弱くなる(数カ月後)
②リバスチグミン(リバスタッチ・イクセロン)・・脚が弱くなる(数日後)、易怒性・血清ChEの異常低下
③レミニール・・傾眠・体重減少、尿・便失禁、易怒性・妄想もあり
④メマリー・・・過鎮静・めまい・歩行障害
★認知症の治療成功率を上げるコツは、レビーを見逃さないこと!
レバスチグミンをレビーの状態に合わせて使いこなす!
75歳以下はレミニールが第一選択。第二選択はアリセプト。
リバスチグミンは75歳以上、特に85歳以上の超高齢者で第一選択。
+プレタールを使う!
★グルタチオン注+シチコリン注点滴はほとんどの高齢者に効果的
今あるその症状がアセチルコリンやドパミンなど、神経伝達物質不足が原因なのか、そうではないのかの鑑別が、15分で出来る。・・診断的使用
歩けない患者さん、食べられない患者さん、うつ(アパシー)の患者さん、肺炎、脱水症、なんでも効果的!
グルタチオン⇔セロトニン、ドパミン
リバスチグミン⇔アセチルコリン
★よく経験する薬に注意
高齢者に使ってはいけないお薬・・トラマドール (トラマール、ワントラム)
注意すべきお薬・・抗ヒスタミン薬 (風邪薬)、H2ブロッカー(PPIも注意)、プリンぺラン、頻尿治療薬(抗コリン薬)、抗うつ薬、リリカ、オピオイド(使い方次第)、降圧剤・スタチン
認知症・せん妄の誘因として多い・・ベンゾジアゼピン系薬剤
運動障害の原因・・ドグマチール
★おすすめ治療
物忘れのみで困っていない→治療しない
物忘れがあり認知症化が心配→プレタールを使う
副作用の頭痛がある→ぜったい良くなる!
脈拍数が増える→頭がよくなる期待
脈拍数さえも増えない→効かない人
もし、認知症治療薬を使うとすれば→レミニール少量
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この記事へのコメント
③将来 レビー(DLB)になるMCI・・寝言・夜中の大声がある。便秘がある。
ようやく活字になった。
私は10年前に医者に言った。
母はアルツではない。レビーだ。理由は数年前から「夜驚症」のような症状がある。夜中に夢でうなされて大声を出す。便秘はずっと昔から。
その医者は聞く耳持たなかった。
「夜驚症」のような症状がレビーの前駆症状だってことは、10年前にネット記事に載っていました。
Posted by 匿名 at 2018年12月11日 01:28 | 返信
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