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誤嚥と誤嚥性肺炎は別物です!

2018年12月24日(月)

「誤嚥と誤嚥性肺炎は別物です!」
きらめきプラスの連載にそう書いた。→こちら
最期まで口から食べることを諦めないで。

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きらめきプラス1月号


今回は福井県鯖江市でご主人と一緒にクリーニング店を営んでいる62歳の女性からのご相談です。
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Q)現在、82歳になる実母と夫の三人で生活しています。
9月に実母がくも膜下出血で倒れ入院、その時脳腫瘍が見つかったのですが、病院から高齢の為手術はしないと説明がありました。
病院からは2、3週間ぐらいで退院出来ると言われて安心していたのですが、段々と言葉も喋れなくなり(話しかければ会話をすることはあります)、
身体も動かなくなり、今はチューブを使って栄養を取っています。食べることが大好きな母のために、
チューブを抜いて食事をすることが出来ないかと一度病院に相談したところ「こんな状態では無理です」と言われてしまいました。

病院からは療養病院を勧められています。
「できれば母を自宅に連れて帰りたいのですが、難しいでしようか」と病院のケースワーカーさんにも相談してみましたが
「自宅で介護するのは大変なので、やめたほうがいいですよ」と言われてしまいました。

延命措置をしたために父親が苦しんで亡くなったことを今も後悔している夫は、
「食べられなくなったらその時は自然にまかせよう、家で少しでもいいからご飯を食べて過ごすほうがお母さんは喜ぶよ」と言ってくれていますが、
自宅で介護することは病院がいうように無理なことなのでしょうか。こういう時、どうすればいいのか、ご助言をいただければ助かります。
長文になってしまいましたが、何卒、宜しくお願い申し上げます。


 
A)
一般に80歳以上の高齢者が肺炎などで1~2週間以上入院すると、寝たきりになったり、食べられなくなったり、
認知機能が低下します。これを入院関連機能障害(HAD)と呼びます。つまり入院自体が廃用症候群を造るのです。
お母さまはそのような状態の可能性があるのではと思いました。残念なことにまだ多くの医療者が入院関連機能障害を知りません。
そのような認識が無いので対策もなされていなのが実情です。
 
口から食べられないのか、家に帰れないのか、というご質問ですが、結論から申せばなんの問題も無いのではと思います。
毎日のように同じような相談が持ち込まれ、家に帰ってきますが、うそのように口からパクパク食べて元気になる人を経験します。
家族からは「じゃあ、病院での説明は何だったの?」と聞かれますが、「仕方がないです。病院とはそんなところです。
在宅現場を見たことも管を外して食べさせた経験も無いのですから仕方ありません」と説明しています。
 
ただし、条件があります。以上のことを理解してくれる在宅医を見つけないと家に帰れません。
私と同じような考えの在宅医が全国にたくさんいるので探してください。
週刊朝日のムック「さいごまで自宅でみてくれるいいお医者さん」(980円)を参考にしてください。
私が監修しました。最期まで口から食べることを諦めない地域づくりが私のライフワークなので、
お医者さんにそのような講演をするため全国を飛び回っています。
嚥下内視鏡などの嚥下機能の評価のために歯科医や耳鼻科医と連携したり、
口腔ケアや嚥下リハビリのために歯科衛生士や言語聴覚士(ST)さんたちとも連携します。

そもそも脳腫瘍は在宅療養にとても向いています。ほとんどなにも起こりませんし、
病院で告知された余命よりずっと長生きします。
時には数倍以上です。しかしそんな脳腫瘍の在宅療養の実態を脳外科医が知りません。
 
最近の例では、ある大学病院の脳外科の講師から脳腫瘍末期の患者さんの紹介を受けました。
主治医からは次の病院への転院を勧められましたが、ご本人が強く在宅療養を希望されたのです。
退院前カンファレンスに参加した時、脳外科講師はこう言い放ちました。
「脳腫瘍は在宅では絶対に無理です」と。

私が「どうしてそう思うのですか?」と聞くと、「今までそんな患者さんを見たことが無いからだ」と答えられました。
大学病院の脳外科講師というベテラン医師でもこんな状態なのです。果たしてその患者さんは在宅で半年以上、
口から食べて、本まで書かれて、自然に枯れるように穏やかに逝かれました。無理どころか真反対の経過でした。

これまで同様の経験の脳腫瘍の在宅患者さんを数人診てきました。
口から食べられるかどうかは10秒診れば大体わかります。とっても簡単です。
「食べたいですか?」と聞いて、「食べたい!」と言えたらほぼ食べられます。

大きな声で正しく発音できることと嚥下できることは見事に比例します。意識がしっかりしていることが前提です。
ですから病院での嚥下評価で「この人の嚥下機能では口から食べることは一生無理です」と言われても絶対に諦めてはいけません。
自宅に帰ってから管を抜き(病院ではなかなか抜いてくれないので)、訪問看護師や訪問栄養士と食事形態を相談・工夫しながら最初は慎重に食べてもらいます。
2~3日で全量摂取できる人が少なくありません。
 
別に病院の悪口を言いたいわけではなく、ただ私の日常を正直に申し上げているだけです。
病院は「誤嚥したら肺炎を起こし命に関わるから」と言いますが、間違いです。

誤嚥と誤嚥性肺炎は別物です。

誤嚥は私も毎日していますが肺炎にはなりません。反射的に咳をして喀出するからです。
そもそも食べ物はほぼ無菌です。誤嚥性肺炎は夜間睡眠中の唾液などの不顕性誤嚥によって起こります。

不顕性とは「反射的に咳をしない」という意味です。だから夜寝る前の口腔ケアがとても大切です。
管からの栄養や胃ろう栄養で口をまったく使わないと、口腔内の雑菌の数や悪玉菌がむしろ増加して誤嚥性肺炎のリスクがむしろ高まります。

もし口から食べられる量が少なく、どんどん痩せてくるようならば、その時点で補助的に人工栄養を使うことを検討すればいいだけです。
慌てないで大丈夫。ただ、くれぐれも鼻からの管はやめてください。
もし人工栄養をするのであれば、胃ろう以外考えられません。以上、病院での説明と真反対のお答えになってしまい申し訳ありません。
どうか悔いのない療養生活をおくってください。
 

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この記事へのコメント

もう5年前の話ですが、今は亡き母を、しばらくの間お世話くださった特養の職員さん、まだ30歳代半ばに見えましたが、すでに何人も看取っている経験者、彼はある医師から、誤嚥しやすい喉の形というのがあると聞いたとか。
のどちんこを真ん中にしてきれいな桃型が誤嚥しやすい、私の母はそのタイプで、「僕も同じだから僕もきっと誤嚥で苦しむのだろう」。。。
きれいな桃型じゃない喉ってどんなかな?
わかったようなわからないような・・・駄文ごめんなさい。

Posted by 匿名 at 2018年12月30日 01:29 | 返信

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