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【速報】リビングウイル裁判に勝訴判決

2019年01月18日(金)

国はこれまで「患者がリビングウイルを書くな。書くと医師の
訴訟リスクが高まる」と主張していたがその是非を問うLW裁判
という行政訴訟であるが今日、東京高裁で判決が言い渡された。

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13:25分、東京地裁522号法廷に行った。

原告、日本尊厳死協会
被告、国、安倍晋三

裁判官は「国の判断を取り消す」と述べた。

完全勝訴である。

LWの普及啓発活動に公益性を認めない、
という政府の見解を、司法は否定した。

2年余に渡る裁判は今日、決着した。
2月2日までに国が控訴しなければ勝訴が確定し報道されるだろう。

内閣府公益認定員会が訴えられることはおそらくはじめてのこと。
まして、国が敗訴することは、とても珍しいことと聞いて驚いた。


ACP(人生会議)を掲げて「本人意思尊重」と大々的に言いながら、その裏では
「リビングウイルを書くな。終末期医療は医者が決める」と言っていた国は負けた。

当たり前と言えば、当たり前の判決。
司法はまっとうな、判断を下した。

「医療に関して自分の意見を言うな」なんてことを言っていた国は世界中で日本だけ。
日本はこれまで世界の笑いものであったが、これでまずは原点回帰することができた。

でも日本はこの程度の国。
世界最低レベルが現状だ。

若者はそんなことも知らずに無邪気に「安楽死を」と発信するが
「LWと尊厳死」という基本的な知識を得てから発言して欲しい。

これで日本尊厳死協会は公益法人になるだろう。
これからも胸を張ってLWの普及啓発に努めたい。




PS)
夕方は、全国の国保診療所の研修会で平穏死の講演。

国保診療所や国保病院の医師たちは、一年中働いている。
無医村に一人だったら、当然そうなる。

もし働き方改革が適応されれば日本中の国保診療所
の大半は無くなり、そこに住む市民は困るとのこと。

一方、過労死が出ている勤務医は一般市民の2倍まで
働いてもいいか悪いかという議論が、進んでいるいる。

つまり、医師に働き方改革を適応すれば、日本中の
多くの医療機関が無くなってしまうという現実が露呈。

まさにパンドラの箱が開いた。

夜は「在宅医療を推進する会」に出席。
在宅医こそ究極のブラック領域だ。

1人の在宅患者さんを24時間365日管理するためには
単純計算すると、最低4人の医師が必要なのである。

つまり一人の医師は、通常の労働者の4倍働いている。
まあ私は35年前は休みゼロで、10倍働いていたが。


介護福祉士会のトップが講演した。
日本には160万人もいるという。

今後、認定・社会福祉士ができるという。
主任ケアマネのような上級資格である。

しかし今、介護福祉士を目指す人は減っている。
実は看護学校に入る人も減っている。

しかし2040年には医療は1.3倍に
介護は2.3倍に成長させたいという。

日本はどうなるのか、大きな不安がある。

私は国民皆保険制度の破綻は近いと思う。



















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この記事へのコメント

凄いですね。勝訴おめでとうございます。
>まさにパンドラの箱が開いた。
ホントに、劇的な歴史のいちページに立ち合わせて頂いているみたいです。

Posted by もも at 2019年01月20日 11:29 | 返信

いつも拝見していますが初コメントです。かつての鉄道事故の勝訴や抗認知症薬の適量処方のニュース同様、この速報もあまりに嬉しくて何かしたいと思い書き込みました。長尾先生はじめ日々頑張っておられる諸先生方の論が間違っていないと、1つずつですが確実に認められてきているのだと思います。長尾先生、河野先生、どうぞご自愛いただき無理のない範囲で、これからも長く広く深く一般市民を啓蒙し続けてください。私もしっかり勉強し続けます。

Posted by あん at 2019年01月20日 11:51 | 返信

一般財団法人日本尊厳死協会が「公益財団法人」になるためには、「リビング・ウイル(宣言書)の登録管理事業」が「公益目的事業」として行政府(国または知事)の認定を受けなければならない。
国は、「認定すれば国が事業に積極的評価を与えたと認識され、医療判断に大きな影響を与える」として不認定処分を行ったが、東京地裁は、これを違法であるとして取り消した。
国は、「遺憾である」とし、控訴する可能性が高い。

沖縄では県との訴訟にそなえて、早くから計画的に、地裁、高裁支部の人事を牛耳ってきたのは他ならぬアヘ政権である。「唯一の選択肢」として、辺野古新基地建設には当初予算の10倍以上の税金が投入され、沈下を約束されている。

「公益性を判断するのはクニ」! 「外交・防衛はクニの専権事項」! というわけだ。
国民は、すべてクニ任せ。対ロ外交も、「真実」を知らされないまま、クニまかせ。
思考停止。なにごともスルーにつぐスルー。

国際日本文化研究センター教授はいう。
「自分が使う時間を自ら決められないのは、時間に関する主権がないということ。それは、国民主権といいながら、天皇を押し戴いたクニのかたちと密接に結びついている。」
「30年前と違い、今回は天皇制をめぐる議論がほぼありません。皇室からは今回、生前退位や大嘗祭の費用など新しい問題提起がありました。しかし日本社会の側は、それにも反応できず、なし崩しで物事を進めています。天皇制や元号の問題なんてもうどうでもいい、とスルーされているのです。」
「元号を使うということは本来、天皇制や戦争との関わりといった歴史性をもつ行為です。しかしその歴史の地層が忘れられ、失われていく。平成の2文字が別の2文字に変換されるだけ。何事もないかのように新しい元号に慣れていく風景は見たくありません。」(坪井秀人)

まったく同感です。
毎月勤労統計の「500人以上企業の抽出」問題も、もう何年もまえから新聞に報道されていた。
日本国民は、みんなスルーしてきたのだ。

Posted by 鍵山いさお at 2019年01月24日 09:34 | 返信

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