- << がん精密医療の現状
- HOME
- 沖縄の民意から何を考えるか >>
このたびURLを下記に変更しました。
お気に入り等に登録されている方は、新URLへの変更をお願いします。
新URL http://blog.drnagao.com
糖尿病治療の均てん化に向けて
2019年02月25日(月)
「糖尿病治療の均てん化に向けて」という講演会に参加させて頂いた。
第一人者のお三人が講演されたが、私は糖尿病の本を書いているので、
なにか間違ってやいないかと必死で聞いたが、間違ってはいなかった。
第一人者のお三人が講演されたが、私は糖尿病の本を書いているので、
なにか間違ってやいないかと必死で聞いたが、間違ってはいなかった。
田中逸先生の「メトホルミンの作用メカニズム」と
北風政史先生の「循環器医から見たメトホルミンとDPP4阻害薬」と
能登洋先生の「糖尿病標準診療マニュアル」という、3本立てだった。
とってもいい講演会だった。
全国の医師と糖尿病患者さんにも聞いて欲しかったなあ。
結論から言えば、糖尿病に薬物治療をするならば、
ファーストチョイスは、やはり、メトホルミンだ。
ただし腎機能低下(eGFR30以下)には、使えない。
ここだけは、注意が必要だ。
当院では、500~1000mgしか使わないが、
彼らは、1500~2250mgで使うとのこと。
メトホルミン500mgでコントロール不良であれば
メトホルミンを増量してそれでダメならDPP4を併用。
ただしこのDPP4阻害薬の立ち位置は、3年先には
おそらくSGLT2阻害薬に取って替わるであろう予感。
SU剤やαGIやピオグリダゾンの出番は確実に減る。
すなわち、とてもシンプルなメニューになりそうな予感。
しかし現実には、訳がわからない糖尿病管理が横行している。
そうした問題を専門医の先生に講演しているが現実は厳しい。
詳細は毎年更新されている「糖尿病標準診療マニュアル」を参照されたい。→こちら
能登先生らが、毎年更新しているそうだが、とってもいいことだと思った。
能登先生は、「エビデンスは、批判的吟味せよ」と言われた。
「若いのにいいこという先生やな」と思った。さすが東大出。
ノーベル賞を受賞したあの本庶先生の言葉も紹介された。
「ネイチャーやサイエンスに載っている論文の9割は嘘」
いいねえ。
ネイチャーやサイエンスに1回でも名前が載る医師は
何百人に一人、くらいではないのか。
野球に例えたら、「メジャーリーグで活躍できる」レベル。
その9割が嘘だ、というのだから、あとは推して知るべしだ。
私が追加するなら、「エビデンスの99%は嘘」となる。
実際、そうだと、私はいつも思っている。
・エビデンスという宗教
・エビデンスという原理主義、だと思っている。
そんなことを堂々と言える若い医者がいることに、光明を見た。
それが分かった上で、いい標準診療マニュアルを作って欲しい。
エビデンスという言葉を知らないエライお医者さんやマスコミが
エビデンスという宗教を振りまわして患者さんを不幸にしている。
最も顕著な例が、認知症の薬であろう。
私が薬害認知症の代表を務めているが。
薬害認症で人生を台無しにされた患者さんが何十万人もいる。
まさに「薬害認知症」であるが、エライ先生は自覚症状ゼロ。
一度、世間に顔を公表すべきだと思う。
そうしないと、彼らの病気は治らない。
PS)
「糖尿病と膵臓がん」がベストセラーまで行けば(もう少し)
「糖尿病と認知症」を第二弾として書きたいなあ。
毎日、2つのクリックもよろしくお願いします。
- << がん精密医療の現状
- HOME
- 沖縄の民意から何を考えるか >>
このたびURLを下記に変更しました。
お気に入り等に登録されている方は、新URLへの変更をお願いします。
新URL http://blog.drnagao.com
この記事へのコメント
80歳以上の超高齢者には、腎機能低下が多いですからメトフォルミンは使いずらいですね。
今回の話題とは少しずれますが、高齢者の高血糖をすべて糖尿病と考えるのは危険なので、書き込ませていただきます。
高齢者で注意したほうが良いのは、一過性の高血糖が起こりやすいと言う事です。私は、施設主体の訪問診療を行っていますので、入院時に一過性の高血糖になっただけと言うケースが多いですね。
在宅で肺炎等の疾患で入院→施設入所と言う流れが多いのですが、入院時に一過性の高血糖になるケースが多い事です。肺炎や何らかの重篤な疾患や骨折等で入院になるわけです。この様な高ストレス状態の場合、抗ストレスホルモンであるカテコールアミンや副腎皮質ホルモンが多量に分泌されることが多いのです。この抗ストレスホルモンの影響で高血糖になる事があります。
糖尿病でない方でも血糖値が300~400程度の高血糖になります。このため病院のDrは、管理不良の糖尿病として治療を始めます。もともと糖尿病の方は、500~600程度の簡単になるようです。私自身の経験でも3例ほど肺炎を契機に500~600程度程度になったケースがいます。入院前のHbA1cが6%代のケースでも入院時のHbA1cは、12%程度かそれ以上に上昇していました。
病院の医師は、コントロール不良の重篤な糖尿病と判断しインスリンの強化療法を行う事が多いです。肺炎などが改善すると、徐々に高血糖状態は改善します。最近は急性期の病院の入院期間が短いため、高血糖が十分改善しないうちに退院になります。
この様なケースでインスリン療法が継続されていると、退院後インスリンの過剰投与で低血糖を容易に起こします。
病院で糖尿病として治療され施設へ入所された方の8割程度は、この抗ストレス状態による一過性高血糖です。糖尿病の治療を段階的に止めて行っても最終のHbA1cが正常化してきます。中には治療中止後5.5%程度まで低下するケースもいます。この様なケースが多いので、病院からインスリン療法を行っている患者は、本当に糖尿病と疑ってかかるようにしています。
長尾先生、この問題を取り上げていただけませんかね!
Posted by 小関 洋 at 2019年02月25日 01:47 | 返信
コメントする
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL: