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エンドオフライフケア協会設立4周年シンポジウム

2019年03月31日(日)

エンドオブライフケア研究会は4年の誕生日を迎える。
4月14日(日)に設立4周年シンポジウムがある。
興味のある人は来てください。

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協会設立4周年シンポジウム(4/14)

いま、生涯かけて学び続ける力とは?
~主体的・対話的で深い学びを促す~いのちの教育を考える
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 団塊の世代がすべて後期高齢者になる2025年まであと6年を切りました。
生産年齢人口の減少、グローバル化の進展、絶え間ない技術革新等により、
社会の変化はめまぐるしく、今の子どもたちが成人して社会で活躍する頃
には、先を予測することがますます困難な時代となっていくことでしょう。
 
  そのような変化の時代において、持続可能な社会の担い手として、子ども
から大人まで、様々な困難と直面しながらも、しなやかにこれからを生きて
いくためには、どのような力が求められているのでしょうか。
 
 実践者を交えてみなさんと一緒に考える機会としたいと思います。
 みなさんも、ご自身の地域で、実践していきませんか?
 
 
◆日時:2019年4月14日(日)13:00-17:00(12:30開場)
◆場所:大妻女子大学千代田キャンパス 大妻講堂(東京都千代田区)
◆定員:300名
◆申込:以下ページをご参照の上、お申し込み・お支払いをお願いいたします。
    https://endoflifecare.or.jp/event/20190414/
 
 
<第一部>
・公開授業「いのちの授業~解決困難な苦しみから学ぶこと~」
 当協会理事・めぐみ在宅クリニック院長 小澤 竹俊
 
<第二部>
・エンドオブライフ・ケア協会 活動報告
 
・講演①「“赤鼻のセンセイ”の院内学級:涙も笑いも、力になる」 
(副島 賢和・昭和大学大学院保健医療学研究科 准教授)
 
 院内学級の教師であり、ドラマ「赤鼻のセンセイ」のモデルになった
副島先生から、院内学級の子どもたちが病気を抱えながらも強く生きよう
とする姿や、そのかかわりの中で子どもたちに教えてもらった大切なこと
について伺います。
 
・講演②「最終学歴ではなく、“最新学習歴”を更新する社会へ」
(本間 正人・京都造形芸術大学 副学長、らーのろじー株式会社 代表取締役)
 
 「教育学」を超える「学習学」の提唱者である京都造形芸術大学副学長
の本間正人先生から、「最終学歴」よりも「最新学習歴を更新し続ける社会」
において、学び続けることの大切さとその力についてお話いただきます。
 
・進行
(館野 峻・一般社団法人Teacher's Lab./東京都内公立小学校主任教諭)
 
 社会と学校を結ぶ教育活動として、学校外で活躍する大人と子供たちとの
出会いや学びのきっかけづくりを行ってきた館野先生。社会全体で子供を
育てる方法を、学校外の勉強会やセミナーに積極的に参加することで模索中。
地域団体「いたばし対話プラス」ファシリテーター、edcamp ITABASHI
実行委員長。
 



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今日は、終日、会議と取材だった。
2つの会議と2つの取材で8時間。

朝一、神戸空港で声をかけられた。
なじみの患者さんの息子さんだった。

ゴルフ部の合宿の引率で鹿児島に行くという。
私は東京で別々だが、久々のごフル談義に。

機内でも必死で原稿を書きまくった。
帰りの新幹線でもずっと書きまくり。

毎日が原稿執筆との闘いだ。
国語力は小学生程度なのに。

さて、「地域緩和ケア」という言葉をご存じか。
蘆野先生からそのーメールが流れてきたので紹介。

エンドオブライフケアと地域緩和ケアはセットである。

自分の今後のミッションは、総合診療であるが、
その柱のひとつがこれであるので、精進したい。


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地域緩和ケアの資質(日本版)
   
領域1 地域緩和ケアの原則
緩和ケアはホスピスケアから発展してきた人間尊重のケアであり、近年において人権運動として発展し、現在、世界的には、緩和ケアを受けることが国家の保障する人権の一つとして認められつつあります。
緩和ケアは身体的症状の治療・ケアのみに限らず心理的、社会的そしてスピリチュアルなニーズに対応することで、生命を脅かす疾患と診断された、あるいは生命予後の限られた状態にある人々とその家族の人生および生活の質(quality of life)の向上を目指しています。
緩和ケアはどのような年齢(小児から高齢者まで)であっても適応され、病気の全経過において(診断から死別まで、継続的に)統合的、包括的にかかわります。
地域緩和ケアは、地域社会に暮らす人々およびその家族をケアの中核に据え、地域社会全体として提供されるケアであり、本人および家族の選択した場所で、必要に応じてその環境を整備し、提供されるべき支援です。しかし、もし、本人および家族の選択した場所が提供できない場合には、可能な限り代案(その環境に近い場所)が提示されるべきです。
多くの場合、緩和ケアは一般医/非専門的な支援体制下(プライマリ緩和ケア)で実施することができますが、複雑なニーズを持った人あるいは家族に対しては、時に専門的な支援体制(専門的緩和ケア)が必要となります。
【地域緩和ケアの実践者に求められる資質】
●生命予後の限られている状況にある人とその家族は、病気の全経過にわたり、身体的、心理的、社会的、スピリチュアルな面で、様々な苦悩をもち、その苦悩は人生や生活に重大な影響を及ぼしていることを理解できること。(全人的苦悩の理解)
・失うこと(喪失)による心理的反応、社会的ストレス、スピリチュアルな変化がメンタルヘルスや意思決定に与える影響を理解し、ケアプラン策定時に念頭に置くことができる。(プライマリ緩和ケア医療者)
・失うこと(喪失)による影響を理解し、認識しマメジメントできる(専門的緩和ケア医療者)
●生命予後の限られている状況にある人とその家族は、身体的症状の治療・ケアへの対応を含め、様々な心理的、社会的、そしてスピリチュアルなニーズを持っていることを理解できる。(全人的なニーズの評価と理解)
●生命予後の限られている状況にある人々とその家族の人生を肯定し、様々なニーズに対応し、可能な限り、死が訪れるまで最適な人生の質および生活の質を維持し、積極的に生きることができるよう、また、病気の全過程にわたり家族が対応できるよう支援することができる。(病気の全経過における全人的支援)
・生命予後の限定されている状況の一般的な自然経過を理解し、病状の進行に伴って出現する可能性のある症状や問題について認識できる(プライマリ緩和ケア)
・全経過に関してより深く理解し、説明することができる(専門的緩和ケア)
・生命予後の限定された病状の予後予測因子を知っている(プライマリ緩和ケア:医師)
・身体的、心理的、社会的、あるいは文化、スピリチュアリティにかかわる問題に対応することは医療に関わる職種の役割であることを認識できる。(プライマリ緩和ケア医療者)
・緩和ケアアプローチを用いる時には、必要に応じて専門的緩和ケアチームに相談することができる。(プライマリ緩和ケア)
●生命予後の限られている状況にある人々とその家族のもつ価値観、目標、信念、文化を認めることができる。(価値観、信念、文化の尊重)
●生命予後の限られている状況にあると診断がついた時点から、できるだけ早く適切な時期に、緩和ケアアプローチを提供することができる。
・複雑で悩ましい利用者のニーズに対し適切な時期に専門的緩和ケアを提供できる(専門的緩和ケア看護師)
●生命予後の限られている状況にある人とその家族に対し、それぞれの人間としての個別性を、敬意を持って認め、共感的なケアを提供できる。(人間性の尊重)
・病気の全経過において、個々人の信念、プライバシー、自己決定を尊重することができる。
・個々人の客観的な経験や一連の病気の経験を評価できる。
・死を迎えることは自然なことだと認めることができる。
●生命予後の限られている状況にある人とその家族に対するケアを改善するために、自己の専門性を継続的に伸ばし、学習し、他の人の学習や発展を促すことができる。(自己啓発)
●セルフケア能力を伸ばし、生命予後の限られている状況に直面している人々とその家族との関わりにより生ずる影響に対応できる。(セルフケア能力)
●適切な時期に、円滑に地域緩和ケアを提供するためには、地域住民に対し、健康な時からの緩和ケアの啓発が必要であることを理解できる(地域住民への教育、啓発)。
●調査研究に参加、協力できる(専門的緩和ケア)
・緩和ケア領域の調査への参加(保健師)
・所属する地域の中での調査研究に参加、指導的役割、促進する(医師)
・現場での実践に研究の結果を適応できる(看護師、保健師)
・効果的な臨床実践につながる調査研究に従事できる(作業療法士、理学療法士、言語聴覚士)
●教育(専門的緩和ケア)
・所属する地域の中での緩和ケア教育において指導的役割をはたす。
・所属する地域の中での医療ネットワークに緩和ケアの視点を導入できる。
・所属する地域の中での医療ネットワークにおいて緩和ケア教育ができる。
・それぞれの職種の役割に緩和ケアの視点を導入するための指導的役割を果たす
●リーダーシップ・指導(専門的緩和ケアチーム)
・緩和ケア的アプローチの提供においてリーダーシップを発揮する
・所属する地域の中でプライマリ緩和ケアの提供において指導的役割を果たす(専門的緩和ケア:医師)


領域2 コミュニケーション
効果的なコミュニケーションは緩和ケアの原則の適応や実践に必要不可欠です。
悪い知らせを話さなければならない時、治療の継続あるいは差し控えの難しい意思決定を下さなければならない時、状況が多義的であったり、または不確かな時、および強い感情や苦悩が生じる時にはコミュニケーション技能が特に重要になります。
また、多職種チームで関わる場合にも、それぞれの職種間、他職種間、および各職種と患者・家族間におけるコミュニケ―ションが重要となります。
さらに、心理的次元、社会的次元、そして、スピリチュアルな次元への対応についてもコミュニケーション技能が必要不可欠です。
【地域緩和ケアの実践者に求められる資質】
●緩和ケアにおいてはコミュニケーションが基本的な役割をもっていることを理解できる(緩和ケアにおけるコミュニケーションの重要性の認識)
・治療およびケアに際しての関係性を作り、維持し、確立するためには、生命予後の限られている人や家族そして他職種と効果的なコミュニケ―ションを行うことが重要であることを理解できる。
●コミュニケーションの仕方には様々な形(言語的、非言語的、視覚的、記述的)があることが理解できる。
●積極的に相手の言葉を傾聴し、わかりやすい言葉(できるだけ医学用語を避ける)を用い、適切な口調で、意味が明確な表現、質問しやすい体制つくり等、効果的なコミュニケーションを行う技能の重要性が理解できる。
●生命予後の限られている状況にある人とその家族が話を聞いてもらったと感じられるような傾聴の能力を発揮できる。
●生命予後の限られている状況にある人と家族介護人の意向や認知レベルに沿って情報を調整する。
●生命予後の限られている状況にある人と大切に思ってくれる人々との偏見のない繊細なコミュニケーションができ、多様な文化的背景をもった人々を含めて、緩和ケアやエンド・オブ・ライフケアに特別なニーズを持つ人々がそのニーズを発言しやすくすることができる。
・生命予後の限られている状況にある人と大切に思ってくれる人々と複雑な会話ができ、多様な文化をもつ人々および特別なニーズをもつ人々のニーズを表出しやすくするために、治療における信頼関係を持つことができる(専門的緩和ケア)。
●多職種協働チームにおいて効果的なコミュニケーションを行うことができる。
●悪い知らせを伝える際、あるいは人生の最終段階における意思決定支援を行う際には、出来るだけガイドライン(SPIKES、PREPARED)を用いて行う。
●適切なコミュニケ―ション技能を用いて、以下のことができる。
・生命予後の限られている状況にある人が現状での自分の健康状態(身体的機能、嚥下機能、等)をどのように理解しているかを評価できる。
・診断や予後についての効果的なコミュニケーションを実践できる。
・診断名や予後等を共感的な態度で、その人のニーズや希望に応じた形で話合うことができる。(プライマリ緩和ケア)
・緩和ケアの必要な状況における意思決定場面での戸惑い、葛藤にすぐに気が付き対応できる。(プライマリ緩和ケア)
・特殊な状況(認知機能低下、知的障害、小児等)における診断や予後についての効果的なコミュニケーションを実践できる(専門的緩和ケア)
・現在の状況を根本的に変え、意思決定に影響を及ぼす、計画に影響を及ぼす可能性のある情報についての話し合いのしかたを理解している。(プライマリ緩和ケア)
・コミュニケーションの戦略を使いこなせる(専門的緩和ケア看護師)
・複雑な内容のコミュニケーションを行うことができる(専門的緩和ケア)
・進行した病状での意思決定支援を行うことができる(専門的緩和ケア)
・生命予後の限られている状況にある人(子供や未成年者の場合はその両親)が必要とする情報と家族と共有を希望する情報に基づいた意思決定を支援できる。


 
領域3 安楽さやQOL(人生の質、生活の質)の最善化
生命予後の限られた人やその家族は身体のみならず、心理的、社会的そしてスピリュアルな側面で影響を受けます。それぞれの側面で生活や人生に及ぼす悪い影響を可能な限り取り去り、最期の瞬間まで生ききれるように支援することが関わっている専門職の責務です。
生命予後の限られた状態にある人とその家族の安楽と生活の質の最適化とは、広範囲にわたる症状(苦悩)とニーズの予知、認知、評価そして積極的な時宜を得た対応により、苦悩を防ぎ、和らげる、あるいはニーズを満たすなど、病気の全経過において精力的な対応を継続することです。
【地域緩和ケアの実践者に求められる資質】
●生命予後の限られた状態にある人とその家族のニーズ(例 身体的、心理的、社会的、スピリチュアル)に積極的且つタイミングよく対応することの重要性を理解できる。
●生命予後の限られた状態にある人とその家族の広範囲にわたる症状(苦悩)とニーズの全人的、包括的評価を多職種協働で行うことの重要性を理解できる。
●生命予後の限られた人とその家族のQOLを高め、適切な安楽さを得るためには、多職種協働することが重要でありその利益も大きいことを理解することができる。
●日常的な臨床実践の中で、身体的症状の評価と幸福度(well-being)の評価ができる。
●情報収集するための一連のアセスメントツールを利用できる。
●経験のレベルにかかわらず、苦悩の予防につなげる臨床実践を示す。
・標準とされるガイドラインやケアのプロトコールを用いて複雑でない症状を評価しマネジメントできる(プライマリ緩和ケア)
・入手できる最善のエビデンスに基づいて、痛み、および他の身体的症状やそれらによる影響を評価しマネジメントを行うことができる。
・病状を悪化させる要因として可逆的な要因があればそれを認識することができる。
・緊急対応の必要な症状を認識し、迅速に対応できる。
・生命を脅かす疾患の一般的な症状の評価とマネジメントができる。
・複雑な症状を評価しマネジメントできる(専門的緩和ケア医療者)
●簡単な介入で評価し、適切な対応法が他にあると見なされば提案する事ができる。
●生命予後の限られている状況にある人の幸福(well-being)、生活の質、尊厳を積極的にサポートする能力を示す。
・延命治療の継続・差し控えの適切な意思決定支援ができる(専門的緩和ケア医療者)
●苦悩を増強させる可能性のある合併症を予知でき、それに対するケアプランを計画することができる。
●どのような場面でも、最善のケアを提供できる。
・自分自身の専門知識の限界を知り、より適切な職種や代理機関に紹介する基準を持っている(専門的緩和ケア)。
●生命予後の限られている人々とその家族がそれぞれの置かれている状況下で自己管理できる方法を知っている。
●適宜、適切な時に専門的緩和ケアサービスに支援を求めることの利益を認知できる。
●よき死とはそれぞれ独自のものであることに気付き、可能な限り実現できるよう促すことができる。
3-1 身体的ニーズへの対応
生命予後の限られた人々とその家族にとって、身体的につらくないことは、QOLの基本的な要素です。個別のケアプランには、病気の全経過にわたって生ずる身体的症状を予測し、評価し、治療を行い、その効果を再評価することを含める必要があります。
このためには、適切で、有効性が証明されている評価票を用いて身体症状のアセスメントを行い、できるだけエビデンスのある治療を行うことが重要となります。
すぐれた痛みと症状マネジメントは、緩和ケアの基礎となり、心理的、社会的、スピリチュアルなQOLを向上します。
【地域緩和ケアの実践者に求められる資質】
●症状の評価と管理を向上させるためには緩和ケア的アプローチが重要であることを理解できる。
●症状緩和治療に用いる薬剤を適切に、安全に使うことができる(プライマリ緩和ケア:医師)
・生命予後の限られている状況にある人の複雑な症状に直面した時に、その場で、薬物的および非薬物的マネジメントを行うための適切は臨床判断ができる(専門的緩和ケア)
3-2 心理的ニーズへの対応
すべての専門職は自分たちの職能と技能に応じて、生命予後の限られている状況にある人の心理的ニーズを理解し、支持的介入を行うことができるべきです。すぐれた心理的ケアには、症例を適切に評価する技能と繊細なコミュニケーション技能及び判断力(例えば、生命予後の限られている状況にある人が心理学的サービスの照会が必要な場合)などが必要とされます。しかし、すべての生命予後の限られている状況にある人とその家族が、心理的介入を必要としているわけではないことも認識すべきです。また、いつ、だれが関わればいいのかを知っていることも基本能力とされています。
【地域緩和ケアの実践者に求められる資質】
●生命予後の限られている状況にある人の感情を認め、それらに敏感に対応する。(感情に対応することの重要性の理解)
●良好なコミュニケーションは、心理的ニーズに対応するために必要不可欠であることを認識できる。(心理的ニーズにおけるコミュニケーションの重要性)
●生命予後の限られている状況にある人の対応方法を培うことができる。
●診断を行い、ケアプランを立て、本人の心理的状況を評価しながら、本人の予後、個人的な希望、生活環境を念頭に置きながら、適切な時期に体系的で巧みな介入を行うことが重要であることを理解できる。
・延命治療から緩和ケアへの移行時でのサポートができる(プライマリ緩和ケア)
・治療の継続/差し控えに関する適切な意思決定支援ができる(専門的緩和ケア)
・在宅移行時でのサポートができる(プライマリ緩和ケア)
●生命予後の限られている状況にある人とその家族の対応と、人生の質を最大限に高めるために入手できる最善と思われるエビデンスに基づいて、ケアの心理的側面を評価し、多職種協働の形で対応することの必要性を理解できる。
・適切な評価と心理的介入ができる(専門的緩和ケア)
3-3 社会的ニーズへの対応
生命予後の限られた病気は、病気をもった人と家族の人間関係に大きな影響を与え、良好なQOLを維持するためには、追加資源(内的ないし外的)が必要となります。
人間関係、資産、住宅、私的な事情などに関する本人の心配事は、臨床の場において最善のケアを提供する実践家に課題となって立ちはだかります。
この場合も、何時どのように生命予後の限られた状況にある人を専門家に照会するかを知ることが鍵となりますが、多職種の参入と本人、家族等との協力などが重要であり、この領域では、ソーシャルワークやケアマネージャーの役割を認識することが解決の鍵となります。
【地域緩和ケアの実践者に求められる資質】
●生命予後の限られている状況にある人とその家族の社会的背景と緩和ケアを受けるという経験が影響を与えることを認識できる。
●それぞれの患者と家族は独自の社会構造を持っていること、本人と家族の社会的つながりを理解することで社会的ニーズへの対応が促進されることを理解できる。
●生命予後の限られている状況にある人とその家族のニーズを満たし、本人家族のニーズに沿い、本人家族のめざす目標を推進し、本人家族の力や満足度(well-being)を最大化にするためには、多職種によるケアの社会的面の評価と対応が必要であることを認識できる。(多職種による社会的ニーズの評価と対応の必要性)
●包括的な全人的な多職種による評価により、本人および家族それぞれの社会的な力、ニーズ、目標を確認することができることを認識できる。
●利用できる補助や社会保険などの給付金及び公的ケアに関する情報を生命予後の限られている状況にある人に提供できる。
●必要に応じて生命予後の限られている状況にある人が私的な事柄に対応できるようにすることができる。
3-4 スピリチュアルなニーズへの対応
生命を脅かす病気に罹る、重篤な病気や生命予後の限られた病気を持つということは、深い実存に関わる問い、例えば、人生の意味のような質問を誘発し、本人やその家族にとってQOL(人生の質、生活の質)にかかわる根本的な問題です。したがって、スピリチュアルケアは緩和ケアの提供に不可欠な要素です。
スピリチュアルニーズは、宗教的行為を通して対応できる場合もありますが、日本ではそうでない場合の方がむしろ多いと思います。
すべてのチームメンバーは、敬意をもって、スピリチュアルなケアにかかわる責務があります。
なお、最善で、包括的な癒しの環境を提供するため、緩和ケアチームメンバーの一人一人が自身のスピリチュアリティと他のメンバー及び本人とその家族等のそれとどのように違うかを自覚する必要があります。
【地域緩和ケアの実践者に求められる資質】
●生命を脅かす病気、重篤な病気や生命予後の限られた病気を持つことによりスピリチュアルな苦悩が惹起されることを理解することができる。
●スピリチュアルケアは緩和ケアの提供において不可欠な要素であることを理解することができる。
●多職種協働によりスピリチュアルな側面、宗教、および生きる意味等の次元を評価し、対応することの重要性が理解できる。
●生命予後の限られている状況にある人とその人を大切にしている人々のスピリチュアルな、そして宗教的なニーズおよび対応方法を同定することができる。
●スピリチュアルケアとして傾聴と共感が重要であることを認識することができる。
●生命予後の限られている状況にある人とその人を大切にしている人々のスピリチュアルな、実存的、宗教的なニーズをケアプランの中に取り入れることができる。もし、彼らがこの側面には焦点をあてないことを望むならば、彼らの選択に応じることができる。
・生命予後の限られている状況にある人およびその人を大切に思っている人々の複雑なスピリチュアルニーズおよび宗教的ニーズを評価し、対応できる幅広い技能を実践できる(専門的緩和ケア)
●生命予後の限られている状況にある人とその人を大切に思っている人々に、スピリチュアルな実存的な人生の側面について、発言する機会を励ましと尊敬の態度で提供することができる。
●文化的タブーと言われること、価値観や選択肢について、尊重する必要がある境界を意識することができる。


 
領域4 ケアプランの立案と協働による実践
緩和ケアにおけるケアプランは、生命予後の限られた状況にある人およびその家族のQOLを高めるために、協働され、統合された人間中心のケアであると特徴づけられます。
ケアプラン策定においては、緩和ケアあるいはエンド・オブ・ライフケアのニーズを持つ人々および彼らが大切と思っている人々の生活の質を構成する身体的、心理的で、社会的そしてスピリチュアルな領域を促進することに焦点をあてます。
ケアプラン策定においては、多職種によるニーズの評価、選択肢の維持と促進、起こり得る問題の予知と今後来るべき病状の変化と悪化に対する計画が盛り込まれます。
ケアプランは生命予後の限られている人とその家族の価値、意向、および希望を重んじた安全な環境で提供されます。
ケアプランは、多職種や関係機関が利用でき、必要とされる適時に参照できるものでなければなりません。
生命予後の限られた状態にある人々は可能であれば、そして関わることを希望する範囲でケアプランに関わり援助を受ける事が出来るようにすべきです。
緩和ケアプログラムは質の評価及び業務の向上を含む最善の活動を目指して努力します。
4-1 多職種協働による実践
多職種協働チームはケアプランに従い、生命予後の限られた状況にいる人とその家族にサービスを提供します。このチームに属する専門職種としては、医科医師、歯科医師、看護師、薬剤師、歯科衛生士、栄養士、作業療法士、理学療法士、言語療法士、臨床心理士、ケアマネージャー、ホームヘルパー、マッサージ士、芸術療法士、音楽療法士、牧師、臨床宗教師、等の他に、可能な限り適切な訓練を受けたボランティアを活用することが奨励されます。
また、これらの専門職への教育(自己啓発)、研修体制の整備も必要不可欠です。
【地域緩和ケアの実践者に求められる資質】
●地域資源を利用することにより、ケア全体にわたって質の高い緩和ケアを継続的に提供できることを理解できる。
●多職種チームの個々のメンバーの役割、責任、専門領域を理解することができる。 
●生命予後の限られている状況にある人、専門医療職、家族、そしてケアに参加するすべての人(本人とその家族を含む)との協力関係を認識し、本人と家族が現実的な目標や結果にたどりつけるよう支援することができる。
●多職種のメンバーとして、あるいはリーダーとして効果的に他のメンバーと協調することができる。
・特殊な状況(小児、認知症、精神疾患、知的障害等)におけるケアでのリーダーシップを発揮できる(専門的緩和ケア)
●カンファレンスの重要性について認識することができる。
●生死に関わる重篤な病気を抱える人とその家族にケアを提供することによるチームメンバーへの情緒面での影響が及ぶ可能性を認識することができる。
●生命予後の限られている状況にある人およびその家族の支持的ケアにおいて、できるかぎりボランティアの役割を強化することの意味を理解できる。
4-2 ケアプランの策定
【地域緩和ケアの実践者に求められる資質】
●ケアプランは基本的には、生命予後の限られている状況にある人とその家族の包括的で、適切な、多職種による評価に基づいて作成されることを理解できる。
●ケアプランは、生命予後の限られている状況にある人やその家族の、確認され、表出された意向、価値観、目標、ニーズに基づいたものであり、本人・家族の意思決定を支援する専門家の指導と支援で作成されることを理解できる。
●生命予後の限られた状況の及ぼす本人やその家族にとっての重圧を認識し、本人がその状態に伴う変化に順応できるように支援することができる。
●それぞれの対応の仕方、本人が自分の診断をどう受け止めているのかを念頭に置き、生命予後の限られた人とその介護者の優先することや関心事を同定することができる。
●実践家として専門職にあるという視点で、すでに確立された標準的ケアやガイドラインにはずれた介入の結果を批判的に評価することができる。
●ケアプランの策定においては、短期、中期、長期の目標をあらかじめ定めるとともに、生命予後が限られた人の状況の変化に応じた本人家族のニーズに即した迅速なケアプランの変更を行うことができる。
・複雑なニーズを満たすためのエビデンスに基づいた実践活動を盛り込んだケアプランをたて、実施し評価することができる(専門的緩和ケア)。
●生命予後の限られている状況にある人およびその家族介護者に、現在の緩和ケアニーズに関して最も適切なケアモデルを提供することができる。
・複雑なニーズのある場合には専門的緩和ケアと相談・連携する(プライマリ緩和ケア)
・複雑なニーズのある場合にも適切に対応できる(専門的緩和ケア)
 


 
領域5:家族のケア
ここにおける家族とは生命予後の限られている状況にある人を大切に思っている人、生命予後が限られている状況にある人が大切に思っている人々と定義されます。家族介護者を含む家族は、ケアチームの一員であると同時にケアを受ける対象者となります。
家族介護者はしばしばケア提供者として生命予後の限られている状況にある人と専門職の間をつなぐ役目を果たします。彼らの役割を支援し、可能な限り強化することは基本的なことであり、ケアすることによる課題や潜在的な葛藤があるときには、必要に応じて専門職に照会できるなど、認知され、対応されることも基本的なことです。この支援は死別の早い時期にも延長されるべきです。専門職のアドバイスを求める能力は必要不可欠です。
平穏で、尊厳が保たれ、威厳と敬意に満ちた死を迎えるためには、多職種協働チームが生命予後の限られた状況にある人と家族の価値、意向、信条(信念)、文化、および宗教に留意することは基本的なことです。また、看取りにおいては、生命予後の限られている状況にある人、家族、および他のすべての関係する医療従事者、介護従事者のケアチームにおけるコミュニケーション、痛みやその他の症状の詳細な評価とマネジメント、死に至る過程と死後の期間において予測されることについての家族指導等が重要となります。さらに、実際の死以前の予期悲嘆で始まる死別のサポートはグリーフケアの一貫として実際の死まで継続され、死別プランは死の直後に実践されます。
5-1 家族のケア
【地域緩和ケアの実践者に求められる資質】
●多職種協働チームの一員として、生命予後の限られている状況にある人とその家族の身体的、心理社会的、スピリチュアルな、社会的、文化的なニーズを満たすために、人生の最終段階における患者の兆候と症状を確認し、連絡し、マネジメントすることができる(再掲)。
●多職種協働チームの一員として、評価を行い、生命予後の限られている状況にある人・家族の協力を得て、実在しているあるいは潜在的な症状に対する予防的あるいは緊急処置について、療養の場に関する本人・家族の意向、ベッドサイドへの家族および/または地域住民の同席、および他の治療と処置に対する希望など関してのケアプランを作成し、文書化し、実行することができる(再掲)。
●家族介護者は過度の苦悩や負担を感じることがあり、専門職はその危険にある人を見分け、ケア提供者として認めて支援することができる。
●家族介護者には、ほかの役割や要望(例えば、子供や他の人々の面倒を見なければならないかもしれない)もあることを認めることができる。
●必要に応じ、生命予後の限られている状況にある人に提供される支援とは別の心理的、感情的な支援を家族ケア者に提供することができる。
●異なる医療専門職と交流する能力を家族ケア者に培うことができる。
●家族の葛藤をマネジメントする方法をケアチームの中で発展させることができる。
●短期間の死別カウンセリングが適切と思われた場合はそれを推進することができる。
●複雑な死別のニーズを察し、適切な形で関与することができる。
●生命予後の限られた状態にある人とその家族の精神的健康状態と対応能力への影響を認識し、その家族が死別と喪失に適応できるよう手助けと支援を提供することができる。
●死別ケアを、尊厳を重視し、生命予後の限られている状況にある人や家族のもつ文化や宗教儀式に敬意を払った礼儀正しい方法で行うことができる。
●看取りについての家族指導を行うことができる。
●臨終期および臨死期の家族ケアはグリーフケアの一環であることを認識することができる。
5-2 人生の最終段階におけるケア(本人のケアも含む)
平穏で、尊厳が保たれ、威厳と敬意に満ちた死を迎えるためには、多職種協働チームが、生命予後が限られている状況にある人とその家族の価値、意向、信条(信念)、文化、および宗教に留意することは基本的なことです。また、看取りにおいては、本人、家族、および他のすべての関係する医療従事者、介護従事者のケアチームにおけるコミュニケーション、痛みやその他の症状の詳細な評価とマネジメント、死に至る過程と死後の期間において予測されることについての家族指導等が重要となります。さらに、実際の死以前の予期悲嘆で始まる死別のサポートはグリーフケアの一貫として実際の死まで継続され、死別プランは死の直後に実践されます。
【地域緩和ケアの実践者に求められる資質】
●多職種協働チームの一員として、生命予後の限られている状況にある人と家族の身体的、心理社会的、スピリチュアルな、社会的、文化的なニーズを満たすために、人生の最終段階における本人の兆候と症状を確認し、連絡し、マネジメントすることができる。
●多職種協働チームの一員として、評価を行い、生命予後の限られている状況にある人・家族の協力を得て、実在しているあるいは潜在的な症状に対する予防的あるいは緊急処置について、療養の場に関する本人・家族の意向、ベッドサイドへの家族および/または地域住民の同席、および他の治療と処置に対する希望など関してのケアプランを作成し、文書化し、実行することができる。
●死別ケアを、尊厳を重視し、生命予後の限られている状況にある人やその家族のもつ文化や宗教儀式に敬意を払った礼儀正しい方法で行うことができる。
 


 
領域6:喪失、悲嘆、死別のケア
生命予後の限られている状況にある人自身やその家族およびそのケアに関わっている専門職にとっての喪失、悲嘆、死別を扱うことは緩和ケアに本質的に含まれるものです。大抵の人は自己の力と家族や友人の支援などの総合力で喪失感に対処できます。しかし、少数の人は悲嘆の中で困難や合併症を生じる危険があります。
 緩和ケアアプローチを用いる専門職は、情報を提供し、全ての死別した家族を支援し、死別のケアやカウンセリングの必要な人を識別するなど、重要な役割を担っています。
【地域緩和ケアの実践者に求められる資質】
●悲嘆は喪失に対する正常で適切な反応で、経験の仕方で、身体的、心理的、スピリチュアルな次元、感情的、社会的な側面に影響を及ぼすものであることを理解できる。
・死別、悲嘆に関する理論をしっている(プライマリ緩和ケア:ケースワーカー)
●喪失や悲嘆に対する、個人の身体的、心理的、スピリチュアルな次元、感情的、社会的反応には幅があることを認識している。
・診断や予後に対する悲嘆の正常反応や病的な反応を理解し、すぐにその反応に対応できる(プライマリ緩和ケア)
・悲嘆反応の範囲を識別でき、複雑な悲嘆を含めて、喪失と死別に関する適切な評価と支援ができる(専門的緩和ケア)。
・家族や多職種と連携しリスクマネジメントができる(専門的緩和ケア:ケースワーカー)
●悲嘆の過程を困難にさせる危険因子があることを認識でき、と同時に、本人および家族がそれぞれもっている順応性や回復力(レジリエンス)を認めることができる。
●専門職としての実務あるいは役割を背景として、喪失を経験する人と関わる能力を示すことができる。
・公認されない悲嘆への支援ができる(専門的緩和ケア)
・支援のためのリソースを利用できる(専門的緩和ケア:ソーシャルワーカー)
●家族が死別に関する情報を入手できるよう支援し、家族のニーズに沿ったレベルでの支援を行うことができる。
・看取りの前中後にわたり継続的に支援ができる
●増幅するストレスに弱い人の、看取ることの心理的衝撃を認知できる。
●喪失、悲しみ、死別の個人的な影響を理解し、自己の喪失反応を認識し、継続的に回復力を維持する活動に参加することの必要性を認めることができる。
●自身で経験した喪失が生命予後の限られた状態にある患者とその家族に否定的な影響を及ぼさないよう一定の自覚を保有することができる。


 
領域7 緩和ケアにおける専門性と倫理的、法的側面、アドバンスケアプラング
ヘルスケアの目標は、人々の幸福(well-being)の基盤である健康を維持するために支援することです。しかし、特定の治療や介入が効果なく、過度な負担となることが時にあります。
緩和ケア実践における統合(融合)とは、生命予後の限られた状況の中で、患者の価値観、ニーズ、希望を反映させることの重要性にあります。それは、すべての医療職を、人間に対するケアに関与し、必要に応じて他の専門職の寄与を求め、その関係性を反映させるように導きます。
専門性と倫理的実践とは生命予後の限られた状態にある中で医療への需要が異なる人々に対して、いかに継続的に統合されたケアを最善の形で提供できるかを考慮することに尽きます。
しかし、緩和ケアの現場においては日常的に倫理的問題が多く、そして複雑であることが確認されていますので、問題の識別と解決にあたってはチームで対応すること、チームで対応できなければ他の専門職種に相談と助言を求めることが重要です。
さらに、緩和ケアで扱う倫理的問題には国が定めた法的、規制上の問題があり、これをしっかり認識することも重要です。
また、生命を脅かす疾患や生命予後の限られた病状では、その経過において、生命や人生に重大な影響を及ぼす決断を迫られる(意思決定を行う)場面がいくつかあります。多くの場合、本人にとって、あるいは代理決定を行う家族にとって、辛い決定となりますが、本人、そして最終的に家族ができるだけ後悔しないための支援(意思決定支援)が行われるべきです。この意思決定支援において基本的に重要な項目は、現在の病状や今後の病状の推移予測に関するできるだけ正確な情報の提供、本人および家族の置かれている状況や意向、希望などについての情報の聴取、その上で、できるだけ幅広い選択肢を作るための十分な話し合いを持つことですが、基本的に重視すべきことは本人の選択(自己決定)であり、人間としての尊厳を守ることです。そして、この話し合いを進め、完成させ、事前指示の文章を記載するのは緩和ケアチームの責任として認識すべきです。
【地域緩和ケアの実践者に求められる資質】
●各専門職の行動規範内で、必要に応じて他の分野の専門職と協働して、倫理的、見識的且つ丁寧な対応ができる。
・特殊状態(小児、知的障害、精神障害等)における倫理的配慮ができる(専門的緩和ケア)
●生命予後の限られた状態にある人々とその家族の安楽と尊厳を確保するのが専門職としての責務であることを認識できる。
●生命予後の限られた人に対し、適切なケアを提供する中で、公正にリソースを利用することができる。
●専門職の実務、(あるいは)役割として、生命予後の限られた状況にある人およびその家族をケアする時に直面する倫理的問題(DNAR 治療の継続と差し控え、人工補水、人工栄養、積極的鎮静、安楽死の希望等)について対応する能力を期待し、示すことができる。  
●ケアや意向に関する患者の要望を尊重し、確立することができる。
・実現可能であれば、例えば自宅など、どこでケアを受けるのかについての人々の意向を探し、応じ、実行する。 
・情報提供された上での選択および発生した状況に関連した決定による事前指示を尊重する。 
・情報を与えられた上で、さらなる治療を拒む決定を下すことが人間としての権利であることを認識することができる。
●各専門職の行動規範内で、必要に応じて他の分野の専門職と協働して、倫理的、見識的且つ丁寧な対応ができる。
●専門家として対等の立場でパートーナーシップを築き、学生、仲間、関係者、その他との相談、教育、指導、リーダーシップ、研修等に役割を果たすことができる(専門的緩和ケア)
●アドバンスケアプランニングへの理解を示し、生命予後の限定された状況にある人とその家族と、適正な時期にケアに関する選択についての話し合いに取り組むことができる。
●本人、その家族そして一連の専門職と関係者とアドバンスケアプランを繊細、且つ明確に伝える能力を発揮できる。

 

領域8 自己啓発およびセルフマネジメント
継続的に専門性を磨いていくことは、通常、各々の職能に定義されている要件であり、臨床実践の不可欠な部分であるべきです。この学習の一部に自己啓発についての項目が含まれています(例えば、いかに安全な医療行為を行うかを知ること、自分自身の技能と能力の限界を理解すること、いつかかわると生命予後の限られた状況にある人やその家族の利益に最もかなうのかを知る)。
また、生命予後の限定された人々をケアすることの医療従事者における負担は認識されるべきで、レジリエンス(回復力)を強化する方法やバーンアウトを防止するための方法が確認されるべきです。
【地域緩和ケアの実践者に求められる資質】
●現行の専門職としての役割においては平等の関係を築き、緩和ケアにおいては学生、仲間、同僚、その他の専門職への成長を促すよう相談、教育、リーダーシップ及び指導を通して貢献する。
●自身の専門職としての資質を維持し、発展させるために、生涯教育活動に参加する。
●自身の強み、弱さそして道徳心とスピリチュアルな信念を意識しながら自己啓発を実践する。
●バーンアウトの徴候に早く気づき、適切な支援を求めることができる。
●チームの中でほかの人の助けになる。
●ケアする対象者と自身に対する影響に気付かずに窮地にいる同僚のニーズに注意を払うことができる。
 

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