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本気で本物の総合診療を

2019年04月10日(水)

私のライフワークは総合診療である。
総合診療の中に在宅も平穏死もある。
もっとメジャーにしたい。したい。
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総合診療専門医とヒューマニズム
 
日経メディカル 2019年3月29日 色平哲郎
 
https://medical.nikkeibp.co.jp/inc/mem/pub/blog/irohira/201903/560392.html
 
新専門医制度がスタートして、もうすぐ1年が経つ。
制度改定の目玉の一つで、19番目の基本領域に位置づけられた
「総合診療専門医」の滑り出しはどうだろうか。

過去に例のない新領域なのだから、じっくり育てていかなければならないのは
承知しているが、初年度に登録した専攻医が約180人というのは寂しい気がする。
4月からの新年度の応募者数(一次)も158人という数字だ。
 
高齢化の進展で、複数の慢性疾患の医学的管理を必要とする高齢患者は
急増していて、「特定の臓器や疾患の専門家」だけでは対応しきれない。
患者を総合的に診られる医師は渇望されている。
医療と介護の垣根を取り払った「地域包括ケア」の構築に際しても、
多様な疾患や健康問題への対処のみならず、多職種の連携、
予防医学的なアプローチを含む領域横断的な総合力が求められている。
総合診療へのニーズは高まる一方だ。
 
にもかかわらず、医療界は十分に受けとめ切れていない。
へき地では、総合診療への期待が高いのだが、相変わらずの医師不足。
大学医局が新専門医制度で息を吹き返し、以前よりも人事権を
強めているように見えるけれど、地方に若い医師は来たがらない。
そもそも医学生は都会出身者が多く、卒業すると都会へ帰りたがる。
「職業選択の自由」よりも「公共の責任」を重んじる施策が必要
なのではないかとさえ感じる今日この頃だ。
 
 
理事長の言葉に胸のすく思い
 
と、やや鬱屈しながら総合診療専門医の少なさを眺めていて、
胸のすく意見に出合った。
日本プライマリ・ケア連合学会の丸山泉理事長の発言である。
総合診療専門医の登録者数の少なさを問われ、丸山理事長は、こう答えている。
 
「(プライマリ・ケア)連合学会の家庭医療専門医のプログラムに登録していた
のは年200人くらいだったので、あまり変化はありません。
あまり多すぎても指導体制や質の維持に不安がありますが、
個人的には今の倍の400人くらいが登録すると思っていました。
躊躇させた原因は、日本専門医機構の総合診療に対する乏しい理解、
分かりにくい説明だと思います。
専攻医たちは、こんなに混乱している領域を選んで
キャリアが積めるのだろうかと不安になったと思います」
(兵庫保険医新聞、2018年9月5日)。
 
組織運営などで何かと物議を醸した日本専門医機構の認識不足を、
歯に衣を着せずに指摘している。
丸山理事長の正論は痛快だ。
 
「医学界の頂点にある大学病院は選ばれた患者しか診ていません。
確かに高度・先進医療はすばらしいですし、絶対に必要です。
しかし、そうした患者ばかり診ていては、
地域の人の生活は見えなくなってしまいます。
今、将来どのような医師が必要で、
医療界をどういう方向に進めていくのか真剣に考えなければなりません。
この問題を提示し解決することにこそ、
19番目の新領域の意義があると思います」
(同前)
 
福岡県ご出身の丸山理事長のお父上、豊氏は、医師で詩人でもあったと伺っている。
ご自宅は別名「丸山塾」と称され、多様な思想の持ち主が大勢集まり、
口角泡を飛ばして議論をしていたとも。
 
医療を支えているのはヒューマニズムだ。
丸山理事長の言葉やお父上のエピソードからは、それが総合診療専門医
にまず求められる資質であることに改めて気付かされる。


@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@




毎日、毎日、医師たちに総合診療を教えている。

常勤医、研修医、見学医、医学生、看護師、看護学生に・・・

自分では勝手に「長尾総合診療学校」だと思っている。
しかし、診療よりも教育のほうが格段に労力を要する。

自分の時間を犠牲にして教えているが、まさに焼け石に水だろう。
しかし散っていった特攻隊員のように、やり続けるしかない人生。


在宅医療、なんて言葉は、ホントは死語にしたい。

総合診療の場が、たまたま在宅だったり、施設だったりするだけ。
医療の本流であるはずなのになんで特別扱いするのかが解せない。


そんな気持ちで60代を過ごすのだろう。
諦めないことが大切か。

8月24日(土)のイベント(→こちら)もそんな意気込みで取り組む。
今から、とっても楽しみであるである。

総合診療に興味のある医師にたくさん来て欲しい。


PS)
4月26日(土)の大阪難波でのイベント(→こちら
に申し込んでくれる人が増えてきて嬉しい。

・誰でも参加可能、車椅子もOK
・デイナーを食べながら、飲みながら
・先着100名に平成臨終図鑑」をプレゼント


 

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この記事へのコメント

 総合的診断、総合的判断って、現場のヘルパーさんや、ケアマネジャーも欲しい力ですね。
ベテランの看護師さんは、持っていらっしゃるような気がします。

Posted by にゃんにゃん at 2019年04月10日 08:00 | 返信

がんばってください

Posted by 尾崎 友宏 at 2019年04月11日 01:23 | 返信

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