このたびURLを下記に変更しました。
お気に入り等に登録されている方は、新URLへの変更をお願いします。
新URL http://blog.drnagao.com
慢性心不全を知ろう
2019年04月15日(月)
高齢化が進む中、慢性心不全が増えている。
外来や在宅に、実に沢山の患者さんがいる。
その割には、医師も患者も関心がまだ低い。
外来や在宅に、実に沢山の患者さんがいる。
その割には、医師も患者も関心がまだ低い。
死因の第1位は、がん。
これは有名。
2位は心筋梗塞となっているが、
実は慢性心不全のほうが問題だ。
心不全は1000万人だが、2035年まで増え続ける。
心筋梗塞の数倍あることは、あまり知られていない。
がんは、壮年期の死因であり、特に
後期高齢者では、がん<心不全となる。
1)心不全は治らない
歩行時の息切れなどの諸症状は薬で戻れる。
しかし心不全自体は治らないと認識すべき。
だから、NYHA分類ではだめでステージで評価すべき。
NYHAは戻れても、ステージは戻れない。
だから心不全の終末期医療が問題になっている。
どこまで入院加療するのかが大きな課題である。
2)糖尿病治療薬であるSGLT2阻害薬は、心不全にも有効。
私の症例でも、慢性心不全合併糖尿病の人にSGLT2阻害薬を使ったら、
死にかけていたのに、驚くくらい良くなった人がいる。
病院の循環器の先生もビックリ。
終末期から復活し、生きている。
しかも元気になっている。
治らない病気が、治った?
BNPがそう高くない、心臓が大きくない心不全(ヘフペフ)
にも有効だし、ヘフペフの予防効果も充分に期待されている。
もしかしたらSGLT2阻害薬は、心不全の薬?
さすがに糖尿病のない人には、使えないが。
糖尿病薬のファーストチョイスはメトホルミン。
しかし腎機能が悪い高齢者には、使いにくい。
近々、SGLT2阻害薬はメトホルミンに並ぶ予感。
膀胱がんの予防効果など期待できる報告もある。
脱水は、そんなに気にしなくていいが、
性器感染症(女性はカンジダ)はある。
3)予防と早期診断が重要
心不全の予防はできる。
高血圧や糖尿病の管理につきる。
国会では「脳卒中・循環器病対策基本法」が昨年
12月10日に衆議院で可決し今年から施行されている。
糖尿病は包括的管理が重要な疾患、と認識すべし。
膵臓がんもそのひとつだが、心不全も同じく重要。
SGLT2阻害薬の評価が年々高まっている。
順天堂の河盛先生などまだ懐疑的な重鎮もおられるが、
多くの糖尿病専門医や開業医の評価は、きわめて高い。
当院でも、上手に使いたい。
PS)
老体にムチ打って、歌の練習も続けている。
歌詞を覚えるのが難しいが、今回は覚える。
今日、東京から来てくれるという人がいた。
とっても嬉しかった。
生きるうえで、なにか目標があるほうがいい。
このたびURLを下記に変更しました。
お気に入り等に登録されている方は、新URLへの変更をお願いします。
新URL http://blog.drnagao.com
この記事へのコメント
つい先日「慢性心不全の終末期をどう看取る」というテーマで、母校の大学病院循環器内科と当院スタッフとで合同カンファレンス開催しました。「心不全パンデミック」は既に現実化しており、現に病院の循環器病棟は看取りの場所が確保出来ない高齢者心不全患者で満員!ステージC→Dをいかに見極め、心臓人生終末期をいかに伝えて行くか、今回の合同カンファレンスでは「病院循環器専門医との密な連携が必須」との結論に達しましたが、まだまだ問題山積!、近日中に第2回カンファレンスも開催予定です。それから、昨日、認知症治療研究会関東支部会で中坂先生が「長尾チルドレン」を名乗り、とても為になる良い話をしてくれました。
Posted by 松原アーバンの小澤です at 2019年04月15日 09:40 | 返信
今朝一番に来局された患者さんが 中川先生に色々と話しを伺えてとても良かった 知らないことをいくつも教えて貰えて良かったと喜んでおられました。
Posted by 薬剤師 井澤康夫 at 2019年04月16日 09:31 | 返信
父が心筋梗塞を起こしたので、もっと勉強しなければいけないのに、やってないです。
20年ほど前に米山先生と違う鍼灸のお師匠さんに弟子入りした若い子が、飲み会でいきなり「貴方は、心タンポナーデって知ってますか?」と聞いて来ました。
私は全く知らなかった。せっかく飲み会に参加した途端、知らないだろうとばかりに聞かれたので腹が立って「知らん!それがどうした?」と聞くと「最近、紹介で心タンポナーデの患者がきているのです」と言いました。私は「フーン」としか言いようがありませんでした。
まさか十数年後、私自身の母親が、大動脈解離による心タンポナーデで突然死ぬとは、思いも寄りませんでした。
漢方で「陽明大腸経」とか「陽明胃経」等は、一病息災で、未だ治りやすいが、「太陽」「少陽」「陽明」「太陰」「少陰」と来て最後が「厥陰心包経」「厥陰肝経」と代田文彦先生との「東洋医学.学研出版」の証候分類法の六経(三陰三陽)p219に、ざっとそのようなことが書いてありました。
少陰心経、少陰腎経も治りにくい病だったようです。
心不全とググると多くのブログが出てきます。
看護師さん用のブログが良いなあと「右心不全、左不全」と言う言葉があったのでコピーしようとしたら、二重に印刷して出て来てコピペできないようになっていました。自分で勉強しろということらしい。私は服はコープのバーゲンのメイドインチャイナしか購入しないのですけど、医学関係の本は、高いです。3千円~1万円くらいします。Dr.和の町医者日記を読んで、ググって、どうしても必要な本だけ購入する事にしています。
鍼灸学会会員の証明書があれば、大学図書館の入れてくれた時もありましたけど、殆ど英語ですし、自分でパソコンで検索しなければいけないので、吹田の阪大図書館では学生さんに頼んだ事でした。
京都の宇治に国立国会図書館の関西館ができたらしいですけど、行った事はありません。コピペと言われてもパソコンが使いやすいです。不勉強なもんです。
Posted by にゃんにゃん at 2019年04月16日 08:48 | 返信
脳梗塞2年目に入りました。介護保険「要支援」の認定を受けていましたが、
今日「非該当」の通知があり、週1のホームヘルプ打ち切りとなりました。
「リハビリ」の効果があったということでしょうか。
「脳卒中・循環器病対策法」施行で、健康寿命延伸、医療費・介護費削減に貢献できたということでしょうか。
今朝も、棒と扇をもって、片道1時間半の仕事に出かけます。
途中の、道端や公園で、棒と扇を振り回します。
Posted by 鍵山いさお at 2019年04月17日 07:01 | 返信
鍵山様、非該当おめでとうございます
これからも介護保険を利用しなくて済むようリハビリ頑張ってくださいね
Posted by 匿名 at 2019年04月18日 11:54 | 返信
コメントする
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL: