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そもそも医師法21条とは
2019年04月21日(日)
残念ながら、今でも多くの医師が医師法20条を知らない。
また医師法21条と混同して理解している先生が実に多い。
それに追い打ちをかける通達が厚労省から出たのだが・・・
また医師法21条と混同して理解している先生が実に多い。
それに追い打ちをかける通達が厚労省から出たのだが・・・
2月8日に、唐突に変な通達が出された。
「こりゃ大変や」と思ったので日本医事新報3月号jに
「医師法21条課長通達の撤回を求める」、と書いた。→こちら
その後、下記の記事にあるように、
国会議論を経て事実上撤回された。
是非、誤解が広まらないことを願う。
それにしても難しい医師法20条と21条。
要はグレゾーンが広いのだ。
そもそもそれが出来た年代を知っておきたい。
医師法20条 昭和24年施行
医師法21条 明治 7年施行
人口減少社会とは、昭和に戻ること。
あるいは明治に戻ること。
だから間違った解釈をすると医療は疲弊する。
無用な警察介入では、家族はPTSD に陥る。
しかし立法府である国会の議員さんで、これらに興味がある
議員さんは、おそらくゼロであろう。残念だがそれが現実だ。
そもそも医師法21条とは・・・
このブログで共有しておきたい。
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医師法21条は何ら異状なし ~医師法21条に関する医政局長答弁~
この原稿はMMJ4月号の原稿(4月15日発売)からの転載です。
弁護士 井上清成
2019年4月22日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 http://medg.jp
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1.衆議院厚生労働委員会での局長答弁
2019年3月13日、衆議院厚生労働委員会において、医師法第21条に関する質問と答弁がなされた。質問者は橋本岳衆議院議員(元厚生労働副大臣。医療事故調査制度の施行時は厚生労働大臣政務官として担当)で、政府参考人は吉田学厚生労働省医政局長である。この質疑によって、医師法第21条が以前からの厚生労働省見解と何も変わっていないことが明らかにされた。
これにより、つい先日、2月8日付けで発出された医師法21条に関する医政局医事課長通知のために、何ら慌てることもないことがクリアーになったと言えよう。大切なのは、特に田原医事課長発言(2012年10月26日の「医療事故に係る調査の仕組み等のあり方に関する検討部会」における当時の医政局医事課長であった田原克志氏の口頭説明)の理解とそれに沿った現場での冷静な対処であることが明らかになったのである。次に詳しく述べよう。
2.橋本岳衆議院議員による質問と局長回答
(1)質問をする意図
冒頭、橋本議員によって、質問をする意図の説明があった。
平成6年に、法医学会が異状死についてのガイドラインというのを出しました。あるいは、平成16年に都立広尾病院事件の最高裁判決などが出まして、医療の中での予期せぬ死亡みたいなことについてのこの医師法21条のかかわり方というのはずっと議論になっておりましたし、また、医療事故調査制度、今動いておりますけれども、その議論のそもそもはそこから始まったのであって、それも紆余曲折を経て今に至っている、こういう経緯がございます。
その紆余曲折の中で、厚労省の方のいろいろな発言だとか答弁だとかによって、医師法21条については、これでいいかという納得だとか安心みたいなものがあって落ちついたという面があったと思っているんですが、その中でこの2月8日の通知というものが出たものですから、医療関係者の中で、ややびっくりした方とかざわついた方が多かったんじゃないかと思っております。
ですので、ただ、もしそれが誤解なのであれば解いた方がよいという観点から、今日はちょっと幾つかご質問したいと思っております。」
(2)医事課長発言・大臣答弁と同趣旨との局長回答
〈橋本議員〉
「平成24年10月26日、医療事故に係る調査の仕組み等のあり方に関する検討部会というものがございまして、そこで当時の田原医事課長がご発言をされたこと、あるいは、平成26年6月に参議院厚生労働委員会で田村厚生労働大臣が小池晃議員の質疑に対して答えた答弁等がありますが、その答弁というものをこの通知によって変えようとするものなのか、それとも、いや、答弁や発言というのはそのまま維持をされるものなのか、そこについてまずご確認をお願いします。」
〈吉田医政局長〉
「ご指摘いただきました2点、1つ目の2012年10月26日の検討部会における当時の医事課長、これは事実関係をご報告しますと、『基本的には外表を見て判断するということですけれども、外表を見るときに、そのドクターはいろんな情報を知っている場合もありますので、それを考慮に入れて外表を見られると思います。』と発言してございます。
あとは2点目、2014年6月10日の参議院厚生労働委員会において当時の田村厚生労働大臣が答弁をされておりますが、この医事課長発言を引用する形で、『我が省の担当課長からこのような話がありました。死体の外表を検査し、異状があると医師が判断した場合には、これは警察署長に届ける必要がある』とご答弁をいただいております。
今回の通知、いずれの発言とも、同趣旨の内容ということで私ども位置づけてございます。」
(3)診療関連死・医療事故等々への認識
〈橋本議員〉
「実は、その発言の前に、有賀構成員からやはりこの医師法21条についての問いがあって、田原医事課長が答えておられます。そこで、『厚生労働省が診療関連死について届け出るべきだというようなことを申し上げたことはないと思っております。』という答弁をしております。それから、これは田村大臣の方でも実は同旨のご発言がありまして、『医師法21条は、医療事故等々を想定しているわけではないわけでありまして、これは法律制定時より変わっておりません。』さっき局長がお話しになった答弁の前に、そういう話があります。
そこについても確認をしていただいていいですか。」
〈吉田医政局長〉
「私どもとしても同じように認識をしてございますが、今回の通知につきましては、従来の解釈あるいは従来の私どもの法21条について申し上げていることについて何ら変わることもなく、同趣旨を改めて確認させていただいたというふうに位置づけてございます。」
(4)今回の通知の趣旨
〈吉田医政局長〉
「厚生労働省としましては、医師法第21条に基づく届出の基準につきましては、全ての場合に適用し得る一律の基準を示すことが難しいということから、個々の状況に応じて死体を検案した医師が届出の要否を個別に判断するものというふうにまず考えてございます。
そういう意味で、今回、本年2月の医事課長通知においては、異状死体の届出の基準そのものではなくて、医師が異状を認めるか否かを判断する際に考慮すべき事項という点について改めて示させていただいているものであります。」
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医師法第21条
「医師は、死体又は妊娠4月以上の死産児を検案して異状があると認めたときは、24時間以内に所轄警察署に届け出なければならない。
田原医事課長発言(2012年10月26日)
「基本的には外表を見て判断するということですけれども、外表を見るときに、そのドクターはいろんな情報を知っている場合もありますので、それを考慮に入れて外表を見られると思います。ここで書かれているのは、あくまでも、検案をして、死体の外表を見て、異状があるという場合に警察署のほうに届け出るということでございます。」
医事課長通知(2019年2月8日付け)
「医師が死体を検案するに当たっては、死体外表面に異常所見を認めない場合であっても、死体が発見されるに至ったいきさつ、死体発見場所、状況等諸般の事情を考慮し、異状を認める場合には、医師法第21条に基づき、所轄警察署に届け出ること。」
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この記事へのコメント
医療事故調査委員の調査が不透明なものでなくなる事を望みます。現調査方法では事故を起こした病院側の都合のいいように報告書が作れる上に、返答は事故を起こした病院が行うだけで委員が作った回答書があるわけでもない。実際に調査が行われたという証拠がありません。被害者側に対して不都合極まりないものでしかありません
Posted by 三國安映 at 2019年04月22日 08:05 | 返信
問題が難しくて、私が正確に理解していないと思いますけれど、近頃週刊誌に「在宅介護で死んだ場合に起きる問題」と言うテーマで何冊かの週刊誌に書かれていたように思います。
「週刊現代」の4/27と5/4の合併号に「あの女優ヌードを憶えていますか」と一緒に「最後は自宅で大往生 それからの手続き。ぴんぴんころりは、理想だが病院で亡くなるより実はこんなに大変です。電話するのは110番?119番?遺体に触れると面倒なことになる。警察が自宅に来て事情聴取される。老親が遺体解剖をされるのを避けるには」p50
突然の事故で大混乱。アリバイを聞かれた。8人に一人が「異常死」監察医による解剖~~かかりつけ医さえ居れば、警察に連絡せずに死亡診断書をもらうことができる。~~
遺体どうすればいいか。葬儀まで頭が回らない。
p55※公益社団法人日本看護協会「在宅看取りの推進に向けた死亡診断の規制緩和について」(2015年)より作成
知っておきたい、自宅で亡くなってからの流れ~~
「自宅にて死亡」⇒①かかりつけ医がいない⇒警察に連絡⇒事情聴取⇒医師が遺体を調べる⇒警察医または監察医が遺体検案書発行
「自宅にて死亡」⇒②かかりつけ医がいる⇒かかりつけ医に連絡⇒③診療中の疾患と関連する原因で死亡⇒かかりつけ医が死亡診断書発行
「死亡確認」⇒④診療中の疾患と関連しない原因で死亡⇒医師が遺体を調べる⇒⑤異状性なし⇒かかりつけ医が遺体検案書発行。
医師が遺体を調べる⇒⑥異状性あり⇒24時間以内に警察に届け出
⇒警察医または監察医が遺体を調べ、死体検案書発行
と書かれています。
私の母の場合は「アルツハイマー」と診断されて9年間アリセプトを服用させました。西宮協立病院で「アルツハイマーではないな」と言われましたけど、CTやMRI等の検査を母が拒否したので、本当の診断はありませんでした。救急病院で母に遺体をCTスキャンに掛けて頂き「大動脈解離による心タンポナーデにより死亡」と診断書を書いて頂きましたけど、遠い地方で、CTやMRIの無い病院であれば、遺体解剖のされたかもしれないと思います。
いろいろ考えてしまいます。
兵庫医科大学の西原先生でいらっしゃいましたか、遺体解剖の先生もテレビで出演なさって、「若い他人の夫婦に介護されていた(財産に無い)高齢女性が突然亡くなって、ベッドに上で死んでいたと言われたが、背中にうっ血が無く、下肢にうっ血があり、首に柔らかい布でそっと縊死した形跡があって、西原先生が若夫婦に聞くと、高齢女性はうつ状態で縊死したので、若夫婦が仰天してベッドの上で死んでいたと嘘をついてしまったことがわかった」と言うお話でした。
兵庫医科大学の西原先生も、一応検視させて頂いた方が真相がハッキリして良いとお考えみたいでした。
介護が他人でも、家族や嫁の時も、仰天して事実と違う証言をしてしまって検視をなさるお医者さんに疑問を持たれて、事実が発覚することも、人間のやる事ですからあるかもしれません。
Posted by にゃんにゃん at 2019年04月24日 02:32 | 返信
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