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看多機(カンタキ)というお花畑

2019年05月09日(木)

今日は、新宿で「糖尿病と膵臓がん」の講演をした。
熱心に聞いて頂いた皆様に、心から感謝申し上げる。
私も120%の力を出した、令和初の講演であった。
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在宅患者さんがいるので多少の無理をしてでも日帰りである。
しかし上京したら、常に3つ以上の仕事をすると決めている。

講演と勉強会と懇親会で3つで、あとは取材と打ちあわせ。
講演中でもバンバン電話やメールが入るので気が抜けない。

東京の滞在時間は、ちょうど6時間。
往復3X2=6時間で合計12時間。


切ない移動の日々、である。
今、最終の新幹線で帰阪中。

ちなみに明後日も東京。
これも10個くらいの仕事が待っている。


さて、今夜は、「看護小規模多機能」の勉強会だった。
通称「カンタキ」。

日本看護協会の齋藤副会長が素晴らしい講演をされた。
ところで、「カンタキ」と聞いて、それを知っている人がどれくらいいるのか。

今日の研究会には、20数人の委員の先生が参加されていたが、現場は少なそう。


もしかしたら制度を創設したり、研究対象として知っている先生はいても
カンタキの現場でで仕事をしている人は、私だけだった、のかもしれない。


学者の先生はみな、素晴らしい話をされた。
私は、黙っておられおられず、発言をした。


・訪問診療ができないし
・24時間体制加算は算定できないし
・リハビリは皆無だし
・ケアマネは必ず交代するし
・行ったり来たりしていないし
・病院での看取りになり易いし
・在宅を全く知らない訪問看護師もいるし
・病院の地域連携室は「なんでもカンタキ」だし・・・


別にカンタキの悪口を言いたいたわけではない。
私が知っている現実と課題を述べただけである。


しかし残念ながら、私の言葉は通じない。
見事に全部スルーされた。


理解してもらえないのは、本当に辛い事だ。
なんのために意見を述べたのか虚しいだけ。


「おかしいな、訪問診療ができないはずはないよ」
「いっぺんに何人も診る悪い在宅医がいそうだね」・・・


ちょっと待って、そうじゃない。基本的なことができない、というだけ。
いかに現場を知らないエライ先生方が造っている制度か、よく分かった。


日本にまだ460ケ所しかなく、なかなか増えない、という。
「こんなに素晴らしい制度があるのに」という話しに、なる。

しかし「そもそもカンタキなんて知らないし」という人が99%だろう。
需要が無い、必要とされないものは増えないことは、世の常識であろう。


1時間の議論をしながら、お伽話か、お花畑のように感じていた。
もちろん素晴らしい「カンタキ」も知っているが、その逆もある。

「ある成功モデル」をもとに作られる施策が多い。
そのひとつが、今夜の「カンタキ」ではないのか。


私は熱心な看護師さんが夜も診てくれる「お泊りデイ」の方が100倍いい。
あるいは、「小規模多機能(ショータキ)」のほうが、正直、断然助かるし。

ビジネスよりも。地域密着や生活支援に熱心な人がやってくれれば助かる。
要は看護師さんの熱意と技量次第で、いいものにも悪いものにもなるのだ。

要は、看護教育や医学教育を根底から180度変えないと、変わらない。
小手先の政策や診療報酬ではなくマインドが変わらないと改善できない。


私は最近、無力感だけが強くなる。
実際、腰も膝も痛いのだが(笑)。

どれだけ頑張ってやっても、世の中、変わらない。

きっと政治家になってもなにも変わらない。
総理大臣になっても変えられないニッポン。


週刊誌などは、令和を嘆いているが、そのとおりだと思う。
これから20年間、本当に大変な時代になると案じている。

しかし成るようにしか成らない。

嘆く暇があるなら、笑っていたい。
還暦過ぎたオッサンらしくいたい。

というわけで、今日も無事終了。
良かった、良かった。

生かして頂き、ありがとうございます。



PS)

クリック数が、久々に5000を突破した。
嬉しい。 ありがとうございます!

私は単細胞そのもの。
応援されたら頑張る。



「天皇と軍隊」や「主戦場」を観た方々から感謝の言葉を頂く毎日。
もし機会があるなら、観られるうちに観ておいたほうがいいと思う。

というのも、日々、報道管制が強化されているからだ。

「安倍首相、NHKに圧力…慰安婦関連番組の放送を阻止」(中央日報日本語版) - Yahoo!ニュース
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190508-00000005-cnippou-kr



でも勇気がある人もいるニッポン。
それにしても、凄いね、産経新聞。

元NHK・永田浩三氏「安倍君、憲法をいじるのはやめろ」 - 産経ニュース
https://www.sankei.com/politics/news/190503/plt1905030028-n1.html


今や、右も左もない。
大切なことは、自分自身の頭でよく考えること。

自分の国は自分で護る。
僕は自衛隊員の息子だ。

















 

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※本ブログは転載・引用を固くお断りいたします。

この記事へのコメント

「カンタキ」
とっても 憧れる響きです

訪問看護をやっています
ご本人の…最期までおうちで過ごしたいという望みを叶えてあげたいと応援したいと関わっています
でも
お一人暮らしだったり ご家族の介護力が乏しかったり…さまざまな理由でおうちで過ごすことができない選択をするしかない場合があって とても残念に思うケースが多々あります
借金してまでも 箱物を作ろうかと考えた時期もありました
だけど
結局のところ その箱物「カンタキ」にも限界があり
選ばれし者しか利用ができなかったり 制約が多かったりします
長尾先生が「町全体が病院であり 道路が病院の廊下で電話がナースコール…
町っていう病院は 大きいので電話のナースコールを鳴らして すぐ行けないかもしれないけど 必ず 来てくれる…」というようなことを書いてくださった本があります
「カンタキ」に憧れても 限界があるなら
町っていう病院作りをしていく以外にないかと考えます

Posted by 宮ちゃん at 2019年05月10日 08:58 | 返信

長尾先生、連日本当にお疲れさまです。ブログ継続もありがとうございます。
私は介護家族の立場で毎月ケアカフェを開催しています。先生がご紹介下さる記事をプリントしてケアカフェでも配布しています。
介護家族は研修など受ける機会はありません。本来一番学ばなければならない家族に情報が届いていないことを懸念しています。
福生病院の件も、慢性腎臓病の親の延命をせずに2年前に在宅で看取った家族として考えさせられました。親の晩年、小規模多機能も看護小規模多機能も利用しましたが、看護師の方や介護スタッフの方にお世話になった反面、訪問医には積極的に方針の確認等はせず、家族の体調にも寄り添うという姿勢が感じられず、チームとしての満足のいく看取りにはなりませんでした。まだ終末期手前の段階のことです。真夏に水分補給を本人が受け付けないからとそのままにされ、熱中症の危険を考え最低限の輸液を家族が訪問医にお願いし、その日の水分補給の状態で輸液の量を現場判断(看護師)で臨機応変にしてよいと訪問医に許可を得たにもかかわらず、指示書に書いていないからと無理に輸液を行っていたことが後で判明しました。看護師の立場で医師には言えないそうです。唖然としました。今度は最近になって、デイサービス等の施設でも、薬の副作用を疑っても積極的には家族には言わないし、ましてや「医師に聞いてみたらどうでしょう?」という家族への投げかけもしない方が圧倒的に多いということも耳にしました。何か言うと責任を負わされるという、過剰なガードが現場のスタンダードになっているとしたら、利用している家族は施設利用時に看護師の方がいても決して安心できるわけではないのだと、そういう心づもりでいなければならないのかと非常に残念な思いです。現場で働いている方にいつも頭が下がる思いでしたが、異変を感じた時や薬の副作用を疑った時などは家族に伝えて頂けることが非常に大事なことだと思っています。

Posted by あんこ at 2019年05月10日 04:48 | 返信

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