このたびURLを下記に変更しました。
お気に入り等に登録されている方は、新URLへの変更をお願いします。
新URL http://blog.drnagao.com

チンチロリン

2019年05月18日(土)

先日、知人と通りすがりの一見普通の焼き鳥屋に入った。
すると可愛い店員さんが来て、いきなりこう聞いてきた。
「チンチロリンやりますか?やりませんか?」ときた。
2つの応援
クリックお願いします!
   →   人気ブログランキングへ    →   にほんブログ村 病気ブログ 医者・医師へ
 
 

「チンチロリンって,、サイコロ2つ転がすやつでしょう?」
「そうですよ。 やるんですか? やらないんですか?」

いきなりそんなこと聞かれても・・・
こっちはただ、焼き鳥屋に入っただけなのに。


でも、ここって、そんな店?
もしかして、ボッタクリ店?


どう見ても普通の居酒屋さんにしか見えない。
どうやらそのチンチロリンとが、ウリのよう。


「2つのサイコロを振って同じ目が出たら、飲み物は無料です。
 違う目ならそのままで、もし1が入っていたら値段は3倍です」

要は、自分で2つのサイコロを2つ同時に振って
その目で値段が変わるというシステム、らしい。

普段なら、そんな冒険はしない。
胴元が勝つに決まっている。

しかし店員さんの勢いに気持ちが揺れた。
ただチューハイを飲みたいだけなのだが。

しかし酔った連れが「やってみませんか?」と言ったので
酔ったで勢いで「じゃあやります」と、言ってしまった・・・


果たしてサイコロを振ると、6と6のゾロ目が出た。
その瞬間に若い店員さんは、ベルを大きく鳴らした。

「大当たりー! 無料でーす!」

ラッキー!?

この酒がタダになるそうだ。
ついてるな、よう分からんけど。


知人もサイコロを振った。(全員が振ることが規則らしい)
すると今度は、3と3が出た。またゾロ目だ。

こんなこともあるんだ。

彼も無料、私も無料。
なってこった。

今、このまま店を出たらタダ、である。
しかし長尾は無銭飲食には抵抗がある。

そこでギョーザを2人前頼んだ。
これは1つ400円、だった。

1時間後、ジョッキが空になり、また店員さんがやってきて聞いた。
さらに酔っていたので「じゃあもう1回やりましょうか」となった。

3回目のサイコロも、なんと、前回同様、6と6のゾロ目が出た。
そして知人の2回目は6と3で、まあ「定価」との判定であった。


帰ってからゾロ目が3回続ける確率を、ゆっくり考えてみた。
36分の1X36分の1X36分の1=46656分の1である。

ええ? 5万分の1のことが、起きたの?
店員さん、だったら、ちゃんと言ってよね。


阪神甲子園球場で一人だけクジに当たるのと同じ確率である。
そんなあり得ないことが、目のまえで実際に起きてしまった。

でも、その時は気が付かなかった。
元気がなかったしそんなものかと。

でも、こんなところで運を使いたくない。

よく言われる言葉だが、「運は有限」。

実は、私はその夜、ちんけな人生のさらにどん底、にいた。
死にたい気持ちでその友人を強引にある場所に呼び出した。

交差点の角に浮浪者のようにシャガミこんでタクシーの列を眺めていた。
その中で、降りるや否や必死で走り出した男がいた。それが知人だった。

私の人生初のSOSに反応して、用事を終えてすぐ駆けつけてくれたのだ。
嬉しかった。

私のために走ってくれる姿を見ただけで生きる気力が出た。

だから店なんてどうでも良かった。
そこに汚い焼き鳥屋があっただけ。


それにしても、この5万分の1の幸運をどう解釈すればいいのか。


この幸運は、一連の不幸の代償なのか、
はたまた、明日からの日々の予言なのか。

酔った勢いで、そっと神様に聞いてみたけど、当然、答えなんかない。
確率的に一生に1回しかないだろう出来事をどう受け止めればいいのか。


子供のころのコックリさんを思い出した。
とっても怖いことがあった。

この世には人智を越えた見えない力が働いている事を
10歳くらいの時に悟ったが、60歳で再び、蘇った。

2時間ほど飲んで、会計は、たった1300円だった。
それ自体がその店に何か悪いことをしている気がした。


「家に着くまでに、死なないように気をつけよう!」
と気合いを入れて歩いていたら案の定、こけそうに。

でも今のところ、災難は起きていない。

いや、もう災難が起きたからこそ、そんな奇跡が起きたのか。


























2つのランキングに参加しています。両方クリックお願い致します。皆様の応援が日々ブログを書く原動力になっています。

お一人、一日一票有効です。

人気ブログランキングへ ← 応援クリックお願い致します!

(ブログランキング)

にほんブログ村 病気ブログ 医者・医師へ ← こちらもぜひ応援クリックお願い致します!

(日本ブログ村)

※本ブログは転載・引用を固くお断りいたします。

この記事へのコメント

先生、ありがとう!!!
焼き鳥か~、夕食焼き鳥にしようか?と考えてはた!と気付きました。
夕食にと手羽と新じゃがの煮物をレンジにかけたまま出勤したことに、、、。
職場と家はすぐ近くなので、すぐ走り火を消すことが出来ました。先生の強運を少し分けていただきました。
有難うございました。

Posted by ルナース at 2019年05月18日 08:55 | 返信

先生そんなお辛いことが・・私だって駆けつけたいです。何のお力にもなれませんが。いつも勉強させて頂き元気を貰っています。少し休んで頂きたいですが、休めませんよね・・。

Posted by 小林 at 2019年05月19日 11:21 | 返信

そのような友人を持てただけで、素晴らしい人生だと思います。

Posted by 匿名 at 2019年05月20日 02:47 | 返信

伝達方法が分りませんでしたのでここで申し上げますが、『心肺蘇生を望まない終末期患者への救急隊の対応』をfacebookで引用させて頂きました。

Posted by 桑原英眞   at 2019年05月22日 01:47 | 返信

長尾先生のブログを読みあさるも、
ピンとくる答えに出会えず。
今日はもうやめよう、と思った最後の記事がこの日のブログ。
「ちんけな人生のさらにどん底」。
そう。
自分が今生きている意味なんか何も無くて、
いっそ誰かに殺してほしいと思う時。

この日長尾先生のもとに駆け付けたご友人様と、
13年前の自分が重なりました。
「私がいるから」。
彼は自分が助けられたことよりも、
彼を助けようとした私がいた事に、
今も生きていると言います。

ちんけな人生のさらにどん底。
私は一体、何をしているのだろう。

Posted by 國本 直子 at 2023年01月10日 10:28 | 返信

コメントする

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:

このたびURLを下記に変更しました。
お気に入り等に登録されている方は、新URLへの変更をお願いします。
新URL http://blog.drnagao.com


過去の日記一覧

ひとりも、死なせへん

安楽死特区

糖尿病と膵臓がん

病気の9割は歩くだけで治るPART2

男の孤独死

痛い在宅医

歩き方で人生が変わる

薬のやめどき

痛くない死に方

医者通いせずに90歳まで元気で生きる人の7つの習慣

認知症は歩くだけで良くなる

がんは人生を二度生きられる

親の老いを受け入れる

認知症の薬をやめると認知症がよくなる人がいるって本当ですか?

病気の9割は歩くだけで治る!

その医者のかかり方は損です

長尾先生、近藤誠理論のどこが間違っているのですか

家族よ、ボケと闘うな!

ばあちゃん、介護施設を間違えたらもっとボケるで!

抗がん剤 10の「やめどき」

「平穏死」10の条件

胃ろうという選択、しない選択

  • にほんブログ村 病気ブログ 医療・医者へ