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デイオバン事件から学ぶもの

2019年05月28日(火)

なぜ医者はお薬が大好きなのか。
「デイオバン事件から学ぶもの」→こちら
現在も、同じような構図にある。
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まとめ
 

ディオバン事件を機に臨床研究法が成立、医療界・製薬業界に変化。

・薬品会社から50人の医師に多額の金が流れていた。

・今、製薬会社と医師に求められているのは「透明なプロセス」。










「この研究をするのは、当初、気が進みませんでした。無用な敵を作るからです。ただ、研究不正は患者さんの健康に直接関わります。また、ディオバン事件は母校の千葉大学が関与していました。事件の後、どうなったのか、はっきりさせたいと考え、決心しました」

こう語るのは澤野豊明医師である。南相馬市立総合病院に勤務する外科医だ。5月17日、アメリカ医師会が発行する“JAMA Network Open”誌に製薬マネー研究の論文を発表した。

この研究は、2012年に発覚した降圧剤の臨床研究不正であるディオバン事件に関わった医師が、その後、製薬企業とどのように付き合っているかを調べたものだ。

ディオバン事件の舞台は、京都府立医大、慈恵医科大、滋賀医科大、千葉大、名古屋大だ。ノバルティスファーマ社(ノ社)が販売する降圧剤バルサルタン(商品名ディオバン)の臨床研究で、その効果を高めるようにデータが改竄され、その結果が英文医学誌や学術集会で発表されていた。一連の臨床研究ではノ社の社員が統計解析を担当し、論文ではそのことを隠していた。

ノ社は研究成果を販促に使い、最盛期には国内で年間に1400億円超を売り上げた。ノ社からは臨床研究を遂行した教授や彼らが主宰する講座に巨額の資金が渡っていたことが分かっている。

2014年6月、元社員は薬事法の誇大広告違反容疑で逮捕され、7月にはノ社とともに起訴された。現在、係争中である。

5つの大学が発表した一連の論文は撤回され、慈恵医科大、滋賀医科大、京都府立医大の関係者は引責辞任した。

さらに、2017年4月には臨床研究法が成立し、翌年4月から施行された。この結果、製薬企業の資金提供を受けて実施する医薬品の臨床研究は「特定臨床研究」と位置付けられ、モニタリング・監査などが義務付けられた。

製薬業界も動いた。日本製薬工業協会(製薬協)に加入する製薬企業は、2013年度分から医師や医療機関に支払ったカネを公開するようになった。

ディオバン事件を反省し、医療界・製薬業界は変わった。特に製薬企業から医療界へのカネの流れが開示されたことは大きい。どの企業とどの医師が連んでいるか第三者が検証できるようになった。

私が主宰するNPO法人医療ガバナンス研究所はワセダクロニクルと共同で、2016年度支払分から製薬マネーをデータベース化して、無料で公開した。

澤野医師たちは、このデータベースを用いて、ディオバン事件に係わった50名の医師たちが、2016年度にどの程度製薬企業から個人的にカネを受け取っていたか調査した。この調査には大学などに支払われた寄付金や共同研究費は含まれない。

その結果は衝撃的だった。論文著者50名中、29名(58%)が製薬企業からカネを受け取っていた。その総額は6418万円で、内訳は講演料5418万円、コンサルタント料673万円、原稿料243万円だった。

受け取った金額の平均は128万円で、5名が500万円以上、3名が1000万円以上を受け取っていた。その3名とは、室原豊明・名古屋大学教授(1433万2156円)、前川聡・滋賀医科大学教授(1132万2051円)、小室一成・東京大学教授(1051万494円)だった。小室教授の前職は千葉大学教授で、ディオバンの臨床研究のトップだった。

問題を指摘された5つの臨床研究では、小室教授と室原教授を除く3名は引責辞任などの形で責任をとっている。教授職に留まったのは小室教授、室原教授だけだ。

ディオバン事件発覚後も、彼らは地位に固執しつづけた。例えば、小室教授の場合、2014年7月に千葉大学が公表した調査報告書では、「虚偽の説明をし続け、調査を混乱させ、長期化させた」と糾弾されている。千葉大学は、小室教授が在籍する東京大学に「しかるべき処分の検討を要請」した。私が知る限り、前代未聞の対応だ。ところが、小室教授はその地位に留まった。記者会見などを開き、自ら説明することもなかった。

東大や医学会にも当事者意識はなかった。千葉大から処分を求められた東大は、前職での問題で自らに処分権限はないとして動かなかった。医学会については、2016年6月、小室教授は日本循環器学会の代表理事選挙に選出された。

トップがこれでは組織は緩む。ツケは患者が払うことになる。その典型は医療事故だ。昨年11月、東大病院で医療事故隠蔽疑惑が指摘され、国会でも議論された(参考「選択」記事)。舞台となったのは小室教授が率いる循環器内科だった。これについても、医療機器メーカーとの関係が指摘されている(参考「Forbes Japan」記事)。知人の東大病院の内科医は「ディオバン事件で小室教授が引責して、やり直していたら、このような事故は起こらなかったと思う」という。

では、彼らにカネを支払っている製薬企業はどこだろう。前出の3人の教授に対し、年間に100万円以上を支払っている製薬企業は以下だ。

室原教授: 第一三共(163万7143円)、田辺三菱(128万762円)、バイエル薬品(111万3704円)、MSD(106万805円)、アストラゼネカ(105万8018円)、日本べーリンガーインゲルハイム(100万2332円)

前川教授: 日本べーリンガーインゲルハイム(172万6242円)、アステラス製薬(145万円)、田辺三菱(144万7818円)、武田薬品(125万8924円)、第一三共(100万2334円)

小室教授: 日本べーリンガーインゲルハイム(336万3388円)、武田薬品(137万4632円)

この結果をみて、私はさらに失望した。結局、ディオバン事件を経て変わったのは、ノ社だけだったからだ。現在、ノ社は影響力のある医師にカネを払って、処方を増やそうという戦略をきっぱりと止めている。
 

これはスイス本社の方針が影響している。私の個人的な経験をご紹介したい。

2013年10月、不祥事を受けて、スイス本社のデビッド・エプステイン社長が来日し、謝罪の記者会見を開いた。

その前日、彼は東京大学医科学研究所に私を訪ねてきてくれた。私との面談の最中、彼は日本法人の幹部の名前を挙げ、「どのように思うか」と問うた。私は自分の感想を率直に述べた。彼も概ね同じように考えていたようで、「信頼を取り戻すためにはどんなことでもする」と語った。その後、多くの幹部が更迭され、ノ社は販促の方針を一変した。

さらに「不正にカネを得たのが問題なら、返還せねばならない。どうしたらいいかわからないので協力してほしい」と言われた。私は総理官邸の知人に紹介した。ただ、その後、ノ社からカネが戻されたとの話は聞かない。どこで止まったかわからない。

この事件で変わったのは、ノ社だけだったようだ。私が、今回の調査結果をみて、もっとも驚いたのは日本べーリンガーインゲルハイム社が多額のカネを支払っていたことだ。小室教授にいたっては年間に336万3388円だ。

実は同社の青野吉晃社長は、かつてノ社に勤めていた。営業本部長・執行役員としてディオバンの販促に関わった。ディオバン事件のキーパーソンだ。彼は移籍したところでも、同じことを繰り返していたことになる。

日本べーリンガーインゲルハイム社にとって青野氏は有難い存在だったろう。降圧剤の販促のノウハウとネットワークがあるからだ。

同社が保有する降圧剤はテルミサルタン(商品名ミカルディス)だ。バルサルタンと同じくアンギオテンシン受容体拮抗薬(ARB)に分類される薬剤だ。日本べーリンガーインゲルハイム社が製造し、アステラス製薬が販売し、両社で共同販促している。

青野氏が移籍後、ミカルディスの売上は右肩上がりを続けてきた。2010年に約1000億円だった売上は、2015年には1684億円に達する。ミカルディスは2017年に特許が切れて、ジェネリックが発売されるが、それまでドル箱として同社の経営を支えた。ちなみに、その間、ノ社のディオバンの売上は右肩下がりだ。

ディオバン事件の医学的な教訓は、ARBと言う新規降圧薬の効果は、カルシウム拮抗剤という古くて安い降圧剤と変わらないということだった。ところが、多くの臨床医はディオバンの処方は止めたものの、カルシウム拮抗剤やACE阻害剤(ARBと似た古い薬)などのジェネリックには切り替えず、新薬であるミカルディスを処方したことになる。これは純粋に医学的な理由だけでは説明できない。製薬企業の販促が医師の処方に影響したと考えるのが妥当だ。

もっとも、この件について製薬企業や医師がやっていることは違法ではない。製薬企業が医師に講演を依頼し、謝金を支払うのは合法的な営業活動だ。年間に1000万円以上のカネを製薬企業から受け取っている教授たちも、彼らは大学と裁量労働契約を結んでいるので、年間に本俸と同額までしか兼業を認めないなどの医学部などの部局の内規には抵触するものの、大学との契約上はなんら問題はない。

ただ、これは製薬企業と医師の内輪の理屈だ。これでは国民から信頼されない。規制で守られ、税金や保険料で食っている製薬企業や大学教授たちのとるべき態度ではない。

どうすればいいのだろうか。製薬協や大学・学会に多くは期待できない。だからといって、政府による規制強化には賛同できない。大学における学問の自由は先人たちが築き上げてきた財産だ。大学教授たちの振る舞いを縛ることは、学問の国家統制に繋がりかねない。

我々がやるべきことは、情報公開を進め、公で議論することだろう。澤野医師たちの仕事は、その萌芽だ。そのためには、多くの関係者の協力が必要だ。今回の場合、製薬協が情報開示を進め、ワセダクロニクルと我々でデータベースを作成した。そして、それを澤野医師たちが解析し、その結果を米国医師会が掲載した。

これはオープンなやり方だ。澤野医師たちの主張に賛成できない医師や研究者は米国医師会に反論を送ればいい。編集部が意義があると判断すれば誌面やサイトに掲載し、反論を多くの読者が読むことができる。さらに議論が拡がる。こうやって議論を積み重ねれば、やがてコンセンサスが形成される。このような透明なプロセスを経ることは、社会の信頼感を勝ち得る上でも有用だ。製薬企業と医師の関係については、地道に公の場で議論を積み重ねていくしかない。

上昌広(医療ガバナンス研究所 理事長)

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上昌広先生はさらに書いている。


 

1月15日、「マネーデータベース『製薬企業と医師』」が公開となった。これはワセダクロニクルと、私が主宰する医療ガバナンス研究所が共同で立ち上げたものだ。2019年1月23日現在、アクセスは90万件を超える。

このデータベースを使えば、2016年度に医師(医者)個人が、どのような製薬会社から、どのような名目で、どれだけの資金を受け取っていたかがわかる。

例えば、2016年当時に日本内科学会理事長を務めていた門脇孝(かどわき たかし)/東京大学糖尿病・代謝内科教授(当時)の場合、86回の講演会謝金などの名目で15社から総額1163万6265円を受け取っていた。会社別で最も多かったのは武田薬品工業で255万7076円だった。

異常に低い日本の製薬市場の成長率

このデータベースを公開するに先立ち、われわれはいくつかの調査研究を行い、その結果をトップページに掲載した。

「全製薬会社別 支払額ランキング」だ。多い順に挙げていこう。

第一三共 20億1500万円
中外製薬 11億8282万円
田辺三菱製薬 11億7100万円
武田薬品 11億6160万円
大塚製薬 11億4541万円

とくにトップ3は国内での売り上げ比率が高い。2016年度の連結売上高に占める国内の医療用医薬品の割合は、第一三共60%、中外製薬77%、田辺三菱製薬74%だ。

高齢化が進む先進国で、製薬業は成長が期待できる有望分野だ。その例外が日本である。日本の製薬市場の成長率は約2%。アメリカの7.3%はもちろん、先進国平均の6.2%を大きく下回る。

政府の薬価抑制は、今後も続く。日本の製薬会社が生き残るには、高い成長率の期待できるアメリカ、あるいは中国を含めた新興国に進出せざるをえない。そのためには新薬を独力で開発するか、外部から調達する必要に迫られる。武田薬品がアイルランドの製薬会社シャイアーを約6兆円で買収したのは、このような背景があるからだ。

ちなみに、2016年度、武田薬品の連結売上に占める日本の割合は29%で、アメリカ30%より少ない。欧州は16%、アジアは6%だ。今回の買収で、「武田はもはや日本の企業ではない」(日系製薬会社社員)というのが製薬業界の共通した見解だ。

海外で売れる新薬がない製薬会社は日本の市場を取り合うしかない。降圧剤であれ、糖尿病治療薬であれ、各社、同じような薬を売っている。売り上げに効くのは医師に対する営業だ。
 

製薬会社が売り上げを増やすためには、医師に金品を提供することは有効な策の1つだ。これはわが国だけの現象ではない。2016年8月にカリフォルニア大学サンフランシスコ校の研究者たちは、20ドル以下の弁当でも、製薬会社から受け取った医師は、その製薬会社が販売する医薬品を処方する傾向があったという研究成果を報告している。

製薬会社から医師への利益供与で、弁当は最も些細なものの1つだ。やはり、いちばん効くのは金だ。

製薬会社から、大学や病院ではなく、医師個人に金を渡す方法は3つある。まず、講演料やコンサルタント料として支払う方法、2つめが、自社の記事広告に出演などの形でメディアを介して支払う方法、そして、NPOや財団など第三者機関への寄付金だ。今回、私たちが作成したデータベースで、明らかになったのは講演料やコンサルタント料として支払った金だけで、氷山の一角である。知人の製薬会社社員は「講演料と同等か、あるいはそれ以上の金をほかの方法で支払っています」という。

このように、われわれの調査には限界がある。メディアやNPOなどを迂回させる方法は、金の流れを隠蔽させる意図があるものもあり悪質なケースの可能性が高い。ただ、それでも、今回の調査からは、さまざまなことが分かってきた。

では、製薬会社は、どのような医師に金を支払っているのだろうか。

今回、データベースを公開するにあたり、「主要20学会別 理事平均受領額ランキング」も提示した。多い順に挙げてみよう。

日本内科学会 605万6879円
日本泌尿器科学会 499万9549円
日本皮膚科学会 457万8681円
日本眼科学会 251万2485円
日本精神神経学会 198万6443円

一方、製薬会社からの金が少ないランキングも見てみよう。

日本形成外科学会 38万7741円
日本プライマリ・ケア連合学会 41万2058円
日本臨床検査学会 57万4266円
日本麻酔科学会 61万9422円
日本病理学会 62万4098円
日本救急医学会 63万4990円

製薬会社と密接な学会ほど利益提供が多い

トップの日本内科学会と最下位の日本形成外科学会では15.6倍の差がある。新薬を使う機会が多いか少ないかで、製薬会社との付き合いは学会によって随分と違う。

製薬会社との距離が近い学会は、製薬会社の影響を避けられない。例えば、学会は各種診療ガイドラインを作成する。その作成者に、これだけの金が流れている。

2012年に社会問題となったノバルティスファーマの降圧剤論文不正事件(ディオバン事件)では、日本高血圧学会の理事に同社から巨額の金が流れていたことが分かっている。彼らの中には論文データを改ざんし、ノバルティス社が販売するディオバンの使用を促していた大学教授もいる。情報開示が進んでいたとしたら、ここまで「暴走」できただろうか。

日本専門医機構の理事長は寺本民生・帝京大学特任教授。専門は高血圧や高脂血症だ。2009~2013年まで日本内科学会理事長も務めた。学会の大物でもある。2016年度、15社から76件の講演などを引き受け、総額1096万6524円を受け取っていた。日本専門医機構と製薬会社の「親密」な関係がわかる。このような分析も、今回のデータベースができて可能となった。

厚労省は、この問題を重視している。医薬品の承認に関わる審議会の規定では、「審議品目の申請者等又は競合企業からの寄付金・契約金等の金額」について、500万円を超える年度がある場合には、「当該品目の審議又は議決中、審議会場から退室」、50万円を超え500万円以下の場合には、「分科会等への出席し意見を述べることができる。審議品目についての議決には加わらない」と規定されている。至極、妥当な基準だ。
 

もし、この基準を日本内科学会に応用すれば、学会の理事たちは、多くの診療ガイドラインの議決に参加できないことになる。

2016年当時、日本内科学会理事長を務めていた前出の門脇孝氏の場合、武田薬品、MSD、ノボノルディスクファーマ、アストラゼネカ、日本ベーリンガーインゲルハイム、アステラス製薬、田辺三菱、日本イーライリリー、小野薬品の9社から50万円以上の金を受け取っていた。

彼の専門は糖尿病だ。わが国で糖尿病治療薬を販売するのは約30社。このうち15社から金を受け取り、そのうち9社の金額は50万円以上と大きい。門脇氏の判断に、このような金が影響したかはわからない。ただ、少なくともこうした金の受け取りの情報は開示されるべきだ。そして、誰もが解析できるようにデータベースが整備されなければならない。これこそ、われわれが、データベースを作成し、公開した理由だ。

医師と製薬会社の関係についての情報開示は世界中で議論が進んでいる。わが国だけで問題となっている訳ではない。

嚆矢(こうし)は2010年にアメリカで制定されたサンシャイン法だ。アメリカ連邦政府が所管し、公的保険であるメディケア、メディケイドが管理するホームページにアクセスすれば、医師の名前を入力するだけで、製薬会社から受け取った金の総額、関連企業の株の所持といった情報を簡単に確認できる。データの二次利用も簡便で、その解析により、多くの学術論文が発表されている。

日本の製薬会社は情報公開を制限している

ところが、日本の状況は違う。ディオバン事件を受けて、日本製薬工業連合会は2013年から医師への支払いについて公開するようになった。しかしながら、それは形だけだった。というのも、一般人が利用できないように策を弄したからだ。

例えば、第一三共の場合、提供する医師名・施設名・金額の情報は「画像」情報で、テキストとして処理できない。これでは解析できない。

われわれは、このような「画像」をOCRで読み取り、1つずつ間違いがないか確認した。この作業には、のべ3000時間を要し、主にアルバイトの人件費として約400万円を費やした。

また、データを閲覧するに際しては、「本ウェブサイトに記載された内容を無断で転載・転用すること」を禁じており、違反が認められた場合には「情報提供の制限・その他の措置をとらせていただく場合があります」と警告していた。これは透明性向上の主旨に反する。この記述を知ったアメリカの医師は「アメリカではありえない。なんのための公開かわからない」とコメントした。

この状況に、われわれは問題意識を抱いた。だからこそ、データベースを作成し、公開した。まだ不十分な点もあるが、研究に資するデータベースになったと考えている。

このデータベースは無料で、誰でも利用できる。論文発表や記事作成に際して、誰の許可をとる必要もない。論文・記事を書いてもらって結構だ。

本来、このデータベースは日本製薬工業協会が音頭をとって、製薬会社自らが立ち上げるべきものだろう。ぜひ、2017年度分から始めてもらいたい。ただ、現在、そのような動きは聞こえてこない。その場合、われわれは次もやるつもりだ。蟷螂の斧かもしれないが、少しでも情報開示を進め、わが国の医療のレベルが向上することを願っている。

@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@




情けないのは、これをなんとも思っていないエライ先生方だ。

たとえば増加する認知症に関する薬だ。

毎週、全国各地で開業医に抗認知症薬の洗脳講演を繰り返している。

NHKの番組でも、それを繰り返している。(NHKは権威が大好き)

認知症の権威とされる医師たちが認知症の人の尊厳を奪ってきた、という事実。

それに気が付いて、私が啓発活動を始めたら、彼らからずいぶん脅され処分を受けた。

「薬ムラ」という黒い巨塔。


そんなエライ先生方は、案の定、その薬の会社から莫大な資金提供を受けている。

そんな人が認知症関連の学会を主宰しているのは、もはや笑い話ではすまない。

日本の医学会は、今、「深刻な病」にかかっている。

ひとことで言うならば、「エビデンス病」だ。

それも製薬会社がお金で造ったエビデンスという名の「宗教」に洗脳されている。

情けない・・・

患者さんの自衛策としたら、まずはエライ先生を疑ってください。

自分の主治医が製薬会社からいくらもらっているのか、まずは知ってください。

多すぎるエライ先生は、避けてください。









 


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この記事へのコメント

凄い記事ですね。
このように公開される時代が到来したのですね。
「マネーデータベース『製薬企業と医師』」を開いて読みました。
名前と金額という生々しい事実を見た後の、嫌悪感と脱力感たるや甚だしいものです。
個人名と献金額を示された医師は、今どのような心境でいるのでしょうか。
凡人ではない方々だから、どうってことなく平然と過ごしておられるのでしょうか。
奇しくも、TV ドラマ 白い巨塔を見たばかりです。
個人の野望と欲のために、人(患者)の人生(命)が狂わされていく話です。
昭和の時代に田宮二郎主演ドラマを見ていたので、様々な印象と思いがあります。
ドラマ上での主役の死と俳優の自死が、オーバーラップした現実でしたので印象深く心に
残っていました。現代的に多少のリメイクがされているとは言え、話の筋は、当時と今も
同じであって、現代の人の心にも、大いに訴える力があるものでした。

製薬会社と医師に求められているのは「透明なプロセス」
このテーマを追求すべく、研究に従事なさった若い医師の存在に、新しい時代の息吹を感じます。

Posted by もも at 2019年05月28日 06:29 | 返信

現在、医師と製薬会社の癒着を強く感じるのは、骨粗しょう症の治療薬でしょうか。
特にビスホネート製剤がひどいと感じています。施設で仕事をしていると、80歳後半~90歳代の寝たきり患者に盛んに投与されています。月1回で済む製剤が、拍車をかけていると思われます。
ここ1年くらいで、ビスフォネート製剤の高齢者への使用は減ってきていると感じています。
その有害性が認識されて来たことも一因だと思っています。
私は、高齢者への副作用として「額骨融解」が一番問題だと思います。これが起きると、残された歯を失うリスクがあり、食事を摂取する機能に悪影響が起こることになります。これは高齢者にとって無視できないことだと考えております。
運動できなくなった寝たきりの高齢者の骨は、萎縮していくことを防ぐことは難しいと考えています。骨折したとしても失うものは、そう多くはないと考えています。
高齢者の骨粗しょう症の治療に使えるのは、ビタミンD製剤だけと考えています。

Posted by 小関 洋 at 2019年05月29日 05:04 | 返信

今週の本屋さんには「エコノミスト6月4日号、一兆円市場、介護の勝者」と題する週刊誌と「東洋経済6月1日号、クスリの大罪、製薬会社.医師.薬局.知られざる癒着の構図」と題する週刊誌が目を引きました。
東洋経済は
□ 講演料の名目で多くの医師が製薬マネーにどっぷり
□ 医師に対して物申せない薬剤師の機能不全
□ 注意!多剤併用が高齢者の命をむしばんでいる
□ 無視できない市販薬の依存性と濫用リスク
と言う問題を直視した良い週刊誌です。
P47には
~∼フランスが見限った抗認知症薬、過剰投与でアルツハイマー悪化
~~認知症大国日本。投薬の判断は難しいのに漫然と処方されている。
と題して在宅医療に詳しい長尾和宏医師(兵庫県尼崎市、長尾クリニック院長)は、増量投与の問題点をこれまでたびたび指摘したきた。と載っていました。
東洋経済は、自民党の良識派の石橋湛山首相が設立した週刊誌です。アメリカかどこかの書籍会社が「日本で一番事実に忠実で誠実な週刊誌」と評価していました。
エコノミストも東洋経済も、あんまり大したことは無いテーマの時もありますけど、時々「素晴らしい!」と言いたい週刊誌です。

Posted by にゃんにゃん at 2019年05月29日 08:13 | 返信

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