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8050,7040現象と親の介護

2019年06月13日(木)

80歳代の親の年金で暮らす50歳代や、
70歳代の親の年金で暮らす40歳代達。
一方、「引きこもり」という言葉も。
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世の中には、8050も7040も、たくさんいる。


気が付いたら、いつしか親の介護を一生懸命、している。
まさに「自然な成り行き」でそうなるケースを沢山見てきた。

兄弟がいても自然に役割分担ができる。
介護の役が回ってくるのは同居の子供。

一見、世間から「ひきこもり」に見えても、彼らは
しっかり「在宅介護」という仕事をしていることも。

在宅療養は、家族介護があれば助かる。
実の息子・娘であれば、もっと嬉しい。

気が付いたら究極の親孝行をしていた・・・・


不思議だなあ、と思う。

8050現象は、高齢者介護と密接な関係にあると思う。
それは自然なことで、他の兄弟たちも助かっているのだ。

一種の、ワークシェアリング。


8050をとやかく言う人がいるが、要は考え方ではないのか。
日本は、それだけ豊かで、平和で、余裕がある象徴だと思うが。

私も8050に憧れる。
しかしもう親はいない。

あとは、自分が7040の、70の方を目指すだけだ。
あと数年もすればそうなるのか。

長生きの代償として自然発生したのが、8050現象。
しかし「親の介護」という課題への回答にもなるはず。

世の中、慌てなくていい。
スローエイジング、でいい。


以下、「まぐまぐ」で配信したメルマガの4月18日号からの転載です。

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孤独死予備軍の中年ひきこもりは、罪なのでしょうか?
 
Q)
はじめまして。以前介護士をしていたことから長尾先生と丸尾さんの本から先生のことを知り、それから何冊か読んでいます。『男の孤独死』も読みました。
 わたしは、はっきり言って中年男の「ひきこもり」です。45歳になります。1年半前に介護施設をやめてから、大阪のアパートを引き払って滋賀県の親の実家で暮らしています。妹が7年前に結婚して出て行ったので、両親は私が戻ってきたことは嬉しそうで、「働け」とは言いません。
 持ち家で、父親が結構いい会社にいたこともあって、老いた両親もわたしも生活には困っていません。つつましく暮らせば、なんとかなりそうです。
 
 介護士の仕事を20年続けたのですが、限界が訪れました。心が壊れました。
 もう、あのブラックな介護業界に戻る気はありません。かといって、ほかに何も資格がないため、これからまともな給料で働くのはむずかしそうですし、やめてからというものまったく労働意欲がわかないのです。
 今は昼頃起きて、テレビを見ながらごはんを食べ、あとは部屋にこもって本を読んだり、映画を見て過ごしてています。ごはんは母親が作ってくれます。
 トイレ掃除と風呂掃除とかは毎日やっています。
 週に2、3回はTSUTAYAまで行かないといけないので外に出ます。
 太るのは嫌なので、ついでに2時間くらい歩きます。
 
 『男の孤独死』は面白かったです。きっと両親が死んだら、僕もこの家で孤独死をするんだろうと思います。でも僕は、「すぐに見つけてもらいたい」とも思いません。誰にも見つからなくても別にいいです。
死んだらわかんないわけだし。清掃業の人は大変かもしんないけれど。
 自分は昔から、生きる気力が薄い人間でした。やる気がないといつも言われていました。
 もし今すぐ「がん」と言われても、「ああ、これで死ねるんだ」と安堵するかもしれません。自殺願望は今のところないですが(読みたい本がまだまだあるので)、なんで皆さん、そんなに「生きたい」のか不思議でなりません。
 積極的に生きたくない人間がいたって、いいじゃないですか。
 
だけど世間は、そんなんじゃダメだとか、中年ひきこもりを最近は犯罪者みたいに扱います。僕は大学中退してから20年以上働いてきました。幸いお金も困っていません。   それに、生活保護になる前に、死ぬくらいの考えはあります。
 それでも。生きる気力の薄い、中年ひきこもりの僕を、長尾先生も叱るのですかね。教えてください。

 
A)
ご質問ありがとうございます。叱るなんてとんでもない。「これが貴方のリビングウイルなんだ」と思いながら読ませて頂きました。私の想像ですが、同じような考え、同じような状況の方が日本にはたくさんおられるのではないでしょうか。私自身も今まで懸命に働いてきましたが、なにかの拍子にプツンと糸が切れたら貴方と同じように考えるかもしれないです。「生き辛い」と呟く人がたくさんいますが、たしかにそうかもしれません。しかし誰に迷惑をかけるわけでもなく生きておられるのだから、別にいいのではないでしょうか。
 
私が人生において大切だと思うものは「自由」です。貴方はそれを持っています。そして親孝行もしながら生きている。ただそれだけ。宇宙時間からすれば人間の一生なんて、ほんの一瞬。わずかな時間を一生懸命に生きることにどれだけの意味があるのか、分かりませんが、なんとなく生きているのが動物だと思います。誰もが特別な意味を探しますが、生きることに特に意味などないのでは。
 
平穏死も孤独死も、ホントは嫌な言葉です。「死」に「平穏」とか「孤独」とか勝手な形容詞がついていることが気になります。誰がそう感じるのでしょうか。誰がそれを決めるのでしょうか。ほっといてくれ。死は死でしかない。なんとなくそんな違和感を覚えながらとりあえず使っている言語です。余計なお世話だ、という気持ちも当然あります。確かに万一孤独死して何ケ月も発見されなかったら清掃会社は大変でしょう。しかしそれが生業の人にとってはさして気にならないかもしれません。
 
私に質問をする元気はあるのですね。ならば貴方の意思を誰か(誰かは自分で勝手に決めてください)に託してください。せっかくの貴方のリビングウイルという自由意志を託す相手をみつけるエネルギーはあるとお見受けしました。人生の旅で出会う誰かと仲良くなることは決して悪くはないと思いますよ。
 
特にアドバイスはありません。正直、うらやましい限りです。いや、きっと私も貴方のような境地にいつかなるのでしょう。いや、絶対なりたい。とてもお答えになっていませんが、すみません。本当に特にアドバイスはありません。
 

















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この記事へのコメント

大学中退と仰っているので、私に、似ているかなと思いますけど、20年以上働いてきたと言う点は、私の労働日数より多いなあと思います。
私はセクハラを受けながら「何で私が止めなきゃいけないの?」と言う気持ちがあって働きましたけど、今は本当に働く気がしません。
本当に立派な理念を持った企業もあるのでしょうけど。
労働の喜びを貰える会社って少ないのじゃないかな。
ボランティアは阪神大震災の時しかしていないので、常時のボランティアは、どんなかなとは思っています。私の母は、視力障碍者の方の教科書(特に音楽関係のピアノの楽譜)の点訳をしていましたけど、実際の中学生の方の譜面ですから、「ノルマ」があって、無給なんだけど、大変だったみたいです。ドクターストップが掛かって、休止しました。
特に常時のボランティアは、「責任」がありますから、病気だからと言って休むわけには行かないようです。グループで共同して、割合休めるボランティアもあるのでしょうけど。
最近、あるスーパーの駐車場でフーフー言いながら、若い女性が、駐車場の生垣のトゲトゲの間から空き缶を拾い上げる仕事をしていました。「さっきなんか、自動車と自動車の間にウンチがしてあるんですよ」と言っていました。子供のウンチにしては量は多い。何で公衆トイレで排便しないでスーパーの駐車場でするんかなあと腹が立ちます。それに比べて、あのご子息を殺害なさったどこぞの政務官は週刊誌によると6億円の資産をお持ちだとか。なんだか貧富の格差が物凄いなあと感じます。
労働も、「ほんとに働いて良かった」と思える仕事が多くなれば良いのになあと思います。
年金も将来有るのか、無いのか、苦労して働いても年金が僅かだなんて働く気にもなれませんね。
この「引きこもりの方」も、仙人みたいな、長閑な老後が送れるように祈ります。

Posted by にゃんにゃん at 2019年06月14日 05:53 | 返信

素敵なQ&A ですね。お二方とも自然体で書いていらして、回答側の長尾先生は
けして上からではなく、並列でおられるし、まさしく『傾聴』の姿勢を感じました。
「なんとなく」という空気や意識・価値観が受け入れられ難くなっている時代を
厳しく、苦しい、と感じる人は年齢を問わず多いのかも知れません。
幼い子どもさんですら、スケジュールを忙しく過ごしている時代だし、返答も
とてもハッキリとしているのを見受けます。それはいいことであるかもしれないし、
けれど落ちこぼれてはいかれない、という厳しい環境を強いているようにも見えます。

メルマガ「まぐまぐ」は凄いですね。パワーを感じます。

Posted by もも at 2019年06月14日 11:10 | 返信

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