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知りたいから、楽しいから、学会に行く

2019年06月14日(金)

医者が60を過ぎるとは、専門医を捨てるということ。
定められたハンコをもらいに行くだけの医学会はパス。
その一方で知りたいから、楽しいから行く学会もある。
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今日は、第19回日本抗加齢医学会総会に参加した。

専門医でもなんなんでもないが、毎年参加している。


朝から晩まで丸一日、知的好奇心を満たされた時、
ああこの道を選んで良かったなあ、といつも思う。

今日は医学会に1日全部費やしたが、それ以上の収穫があったよ。
普段疑問に思っていることを第一人者に直接質問できるチャンス。

そう、医学会はお勉強して、楽しむところ。
学びと笑いが無い学会には、足が向かない。

朝一番から、神奈川県の黒岩知事が講演された。
神奈川県は、なんと要介護認定率が低下中だと。

さまざまなアイデアを、実行に移しているのが凄い。
おひとり様や孤独死対策にも本気で取り組んでいる。

「来年5月23、24の神戸の学会に来て頂けませんか」
と言ったら、「兵庫県は私の故郷」と、微笑んで頂いた。

以下、私のメモ。


アンチエイジングのエビデンスを探そう!という
堀江重郎理事長の講演も、とても勉強になった。
 
 
 
アイスランドは国民の大半が自分の遺伝子情報を知っていると。
そんな先進国を例に出して、近未来の抗加齢医学を語られた。
 
日本人男性の3%は前立腺がんに3倍なりやすい。
そんな遺伝子も調べようと思えば、調べられる。

 寿命関連遺伝子データベースの構築が急がれる。

 
滋賀県が平均寿命が日本一なのは鮒寿司の効果かな?
岩手県や青森県が短いのも、遺伝子のせいないのか。
 
ゲノムシークエンスが10万円で分かる次代になった。
 現在、国民の10人に一人が遺伝子検査を行っている
 
ゲノムデータだけでその人の顔や声が予測できるようになった。
あるいはホルモンレベルも合わせると、かなり正確に予測可能。
 
たとえば、テストステロンが高いとおでこのひさしが高い。
予想の絵と実像はかなり似ていて、驚いた。

 テストステロンは冒険、社会性、競争に関係する性ホルモン。
8月には男性医療の研究会で、LOHの講演も依頼されている。

 
 
見た目が若い人は長生きするのはテロメアが長いから。
やはり見た目が大切。
 
細胞の老化で個体の老化が決まる。
がん細胞は、テロメアを維持する。

精子のテロメアは年を取ってもあまり短縮しないのは不思議。
 動脈硬化とテロメアも深く関与する。
 
短くさせない=テロメレースを増やす、ということ。
 そのためには、笑い、マインドフルネスが重要だ。

瞑想は、テロメレースを延ばす!!
マインドフルネス、でーす。
 
遺伝子素質にもとづく予防医療へ。
遺伝子別のアンチエイジングへ。
 
 
ジェネシスヘルスケア社との協働研究。
 何が加齢の指標なのか?を明確にする。
 
 
一方、
抗生剤の使用量が世界的に増えている。
 
先進国の子供も肥満が増えている理由は、抗生剤か?
先進国より遅れているだけで、同じ割合で増えている。
 
腸内細菌の変化が肥満の増加に関与している。
 
ピロリ菌が減り、胃がんが増えている。
一方、世界的に食道腺がんが増加傾向。
 
胃がんは減るが食道がんが増えている。
あっちをた立てれば、こっちが立たず、
 
ピロリを減らしたら、逆食、食道がんが増える。
 アメリカの若年女性の胃がんは増えている。
 
噴門部癌に関してはピロリが保護している
胃の幽門部癌と噴門部癌は、逆相関にある。
 
高齢者の大腸がんは減っているが
非高齢者のそれは増えている。
 
転換点は1950年ころ。
 
抗生剤をよく使った人の大腸ポリープは増えている。
腸内細菌叢の変化は、遅れて発現する。

抗生剤の使用は、母子感染のように遺伝する。
お母さんの抗生剤使用と子供の牛乳アレルギーは相関する。
 
ペニシリンは影響しにくいが、セファロスポリン系は影響する
生まれて初めて抗生剤に暴露する時期が有用。3年以内は危険。
 
子供のIBDも、増えている。
 抗生剤は認知症にも関与?
 
マイクロバイオームの喪失。
後進国でも下がっていると。
 
 生後2~3年は抗生剤の使用を控える。
医師が抗生剤のリスクに目覚めるべき。
 
 
6割の子供の尿に抗生剤が認められる。
これは食事や水から口に入ったのでは。
 
失われたマイクロバイオームを、回復させるのは難しい。
 帝王切開で生まれてもマイクロバイオームの回復は可能。
 
なぜ、世界で日本だけが肥満化しないのか。
マイクロバイオーターの多様性が守られた?
 
1950年頃までは、95%が自宅分娩だったそうだ。
今でも、日本の帝王切開率は欧米より低いのが幸い?
 
初乳は母乳で、という風習が日本にはまだある。
小さな要因の重なりが日本パラドックスを生じているのか。
 
「失われている我々の内なる細菌」を読んで欲しい。

懇親会は、武田双雲さんとさだまさしさんと豪華。
武田さんが、目の前で「百寿」、と書いてくれた。

さださんは、何曲か歌って場を盛り上げてくれた。
最後の「風に立つライオン」は映画を思い出した。


飲み足りないので、馬車道で、2軒ほどハシゴした。
ライブハウスで美しい歌声を聴いて、カラオケで一曲。

明日は、朝から夕方まで尊厳死協会の理事会や会議がある。
最終電車に揺られて東京に戻ると・・・そこは、雨だった。

皆様、雨に気をつけてください。
私は、朝一で傘を買うでしょう。












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この記事へのコメント

6月16日、兵庫県歯科医師会主催の「口腔機能と口腔ケアに関する研修会」が、神戸市の兵庫県歯科医師会館で開催されました。
司会は地域保健常任委員会崎山裕行先生、兵庫県歯科医師会副会長の渡部武先生のご挨拶があって、講演は「ケマネジャーに知っていただきたい口腔機能とケア」と題して兵庫県歯科医師会理事の佐治国隆先生のお話でした。口腔ケア、口腔健康管理とは①口腔機能管理と②口腔衛生管理とある。
①の口腔機能管理は、口腔治療、構音障、唾液分泌機能、摂食、咀嚼、口腔機能の向上、嚥下に関することで、②は舌の清掃、歯の清掃、義歯の清掃に当る。
①の歯周病と関係があるとされる病気は、心臓、認知症、血管、癌、糖尿病、肺疾患、肥満、手足の病気、骨の病気と深い関係があるとのことでした。
口腔乾燥をきたす可能性のある薬剤に投与状況では、①血圧降下剤ニフェジピンアダラートは歯肉肥大を起こすことがあり、これに歯垢がたまって炎症性の変化が加わると、出血しやすく不潔な状態となります。他にも消化性潰瘍剤ファモチジン、ガスター10や、ハルシオンとか12種類の薬剤が挙げられていました。
歯科衛生士さんから、歯の磨き方や、歯間ブラシやの使い方等、楽しく教えて頂きました。
歯の磨き方についてはへるぱーさんや、家族さんにも周知徹底して頂くと、一週間に一度、歯科医師と歯科衛生士が往診して、毎日三度の食事の後、ヘルパーさんか、家族に歯を磨いて貰うと利用者(高齢の患者さん)の健康管理の面で大変助かると言うお話でした。

Posted by にゃんにゃん at 2019年06月16日 10:29 | 返信

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