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老年精神医学会
2019年06月26日(水)
認知症の学会は認知症学会以外にもいくつかある。
老年医学会や老年精神医学会や脳外科学会などか。
いずれにせよ抗認知症薬以外で、頑張ってほしい。
老年医学会や老年精神医学会や脳外科学会などか。
いずれにせよ抗認知症薬以外で、頑張ってほしい。
かなり遠方から、一家総出で認知症の方が相談に来られる。
「主治医がアリセプトの処方をやめてくれない」という、いつもの相談。
「アリセプト3ミリでも怒って暴れる」と。
そして、「家族の判断で中止すれば穏やかに戻る」、と。
それを主治医に告げると、主治医が「怒る」という、何十回と聞いた相談。
主治医は、アリセプトを増やしたくてしかたないようだ。
認知症の重鎮らしいが、そのエライ先生の思考回路のほうが心配でなる。
抗認知症薬に関しては、医者より家族の見立てのほうが正しい。
この大原則だけでも分かってくれていたら、どの医学会の先生でもいいんだけどな。
と思いながら、CTを撮ると、正常圧水頭症のようだった。慌てて脳外科に紹介状を書く。
そう、「治る認知症」を見極めるのも、お医者さんのお仕事だ。
今月の老年精神医学会のレポートが、大熊由紀子さんから届いたので、以下に転載。
当事者の意見を聞くような医学会に変容したのは、とても嬉しい知らせである。
ほかの学会も見習ってほしいな。
◆◇老年精神医学会in 仙台についての内田直樹doctorの報告の抜粹◆*
朝から夕方まで見所が満載の1日でした。
大会長である粟田主一先生のご講演では、地域ベースでの認知症支援に長年取り組まれてきた活動のご紹介があり、「希望と尊厳をもって暮らせる社会をめざして」という今回の大会テーマに至った経緯を知りました。
次に、藤田和子さん、丹野智文さん、渡邊康平さんという三人の認知症当事者のお話を中心とした「希望と尊厳をもって生きる」シンポジウム。
丹野さんから「認知症の人になにができるかではなく、認知症の人となにができるかを考えてほしい」、
渡邊さんから「認知症患者には未来があることを理解してほしい」、
藤田さんから「はじめに認知症の診断を受けるのは医師からであり、最初にどう伝えられるかがとても重要」という話があり、会場の精神科医たちに対して「認知症とはどういう人間なんだ、どういう力を持っているのか、について医師から認知症当事者に対して話してもらうのがどれほど力になるか」とのメッセージがあった。
座長をされた永田久美子先生が、「本人とともに、というのはメニューの一つではなく根本」「単なる活動報告ではなく、変えていこうという呼びかけ」とおっしゃっていました。
特別シンポジウムでは樋口直美さんから「認知症の診断をされ本人が衝撃を受けるときに、本でもインターネットのサイトの紹介でもいいので希望を伝えてほしい」と希望を伝える重要性が語られた。
これまで体験した当事者の語りを超えた力強さがありました。
認知症の診断を行うと同時に、希望を伝え共に歩む姿勢を伝えることの重要性を改めて考える機会となり、会場に参加した認知症を専門とする精神科医たちの心にも大いに響いたシンポジウムとなったと感じた。
ランチョンセミナーは、副大会長でもある山崎英樹先生から「Living well with dementia」として、
認知症が市場化され優生思想が潜む予防ビジネスが広がっていく懸念や、医学モデルを超えた権利ベースのアプローチが必要であること、認知症フレンドリー社会は寛容によって与えられるものではなく権利として享受されるものであると講演された。
松下正明先生の特別講演では「老年精神医学の歴史と未来」と題して、現代の精神医学も老年精神医学もクレペリンの「精神医学第五版」から始まったと考えられ、老年精神医学は当時の人口構成を反映して初老期の疾患を中心に取り組まれていたが、これからは超高齢者が老年精神医学の対象となり新しい疾患概念が生まれていくと考えること、超高齢者の多くは施設に入所しており施設の根本的改善を伴った施設における精神医療の充実が必須となるとして、訪問診療の重要性について語られた。
老年精神医学の巨星である松下先生から、訪問診療が老年精神医学において今後重要になるとおっしゃられたことには大変力づけられた。
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
最後の一行を呼んで、「何をいまさら」と呆れた。
今や、在宅患者さんの大半が認知症の人だ。
そんなことも知らない人たちがやっている会なのか。
しかしよく考えると、これ以上、抗認知症薬の被害者を増やさないためには、
エライ先生は病院の外に出ずにいてくれたほうがいいのでは、と思ったりも。
いずれにせよ、抗認知症薬に関しては
・増量規定はとっくに撤廃された
・少量投与はとっくに認められた
・副作用があれば、減量か中止に
・外国ではもう使われていない
ことくらいは、みなさま知っておこう。
これだけでも、エライ先生よりも賢くなれる。
ps)
丹野さん、永田さん、頑張って!
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この記事へのコメント
先日ある学会で白澤先生の認知症の講演を聴きました。
Posted by 薬剤師 井澤康夫 at 2019年06月27日 11:08 | 返信
中等症以上の認知機能が低下する、アルツハイマーその他の変性疾患の患者さんには、前頭葉と側頭葉の
機能が失われており、自分の意志を言語化したり行動化することすらままらないですからね。
重度の方は普通のコミュニケーションもできず、日常生活動作も自分の意志でできない。
そういう重度の方に希望を与えるのいうのは簡単ではない。薬を処方するだけの医者にはできない仕事。
自ら発信できる社会活動できる軽度の方の意見も大事ですが、学会は自ら発信することもできない重度の方の介護家族の意見をぜひ訊いてほしいですね。マスコミとか学会で表に出てくるのは軽度の方の話ばかりなので、重度の方と同一レベルでは語れない。重度の方の実態は闇に葬られてるような気がします。
Posted by マッドネス at 2019年06月28日 10:54 | 返信
「認知症予防」というわけではないが、
「脳脊髄液の循環」や「筋膜滑り・脳トレ」をかねて、
「平円スワイショウ」というのを、年寄り仲間でやっている。
今日6.28。サニブラウンが日本陸上100で、10.02秒。
決勝進出した8人全員が、「膝あげ・湧泉着地」だった。
ここにも、われら年寄りに、「躓かない」ヒントが隠されている。
今日6.28。「香港人は戦う」という新聞全面広告を見た。
「200万人の香港人は今、自分の街の未来のために戦っています。」
在日ウイグル人がデモに立ち上がり、日本人とG20に訴えた。
大陸中国では、囚われの人権派弁護士との面会を、家族が捥ぎ取ったとか。
6.28。熊本地裁は、ハンセン病家族への国家的差別、社会的差別を断罪した。
6.23。沖縄戦慰霊の日に、「令和」天皇の姿はなかった。
アヘの言う「新しい時代」!
Posted by 鍵山いさお at 2019年06月28日 10:45 | 返信
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