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在宅医療の診療報酬に考える事

2019年07月13日(土)

明日から第1回日本在宅医療連合学会が、東京新宿で始まる。
今日は同じく新宿で保険診療委員会があり、ミニ講演をした。
複雑化する一方の診療診療規則をなんとか変えたいと思うが。

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「連合学会評議員を命じる」という辞令を頂いた。
「そうか、2年間頑張って仕事しよう」と思った。


かねてから考えていた事を20名くらいの保険診療委員
の先生方の前で、プレゼンテーションさせていただいた。

加算がつくばかりで複雑怪奇化する一方の診療規則を
なんとか改革し在宅医療を前進させたいという気持ち。

・簡素化(包括化)
・見える化、に要約される私見。


在宅25年目の61歳の私が今、考えていることとして
以下、スライドの一部をマイブログに張り付けておこう。

というのも、

おそらく誰も一生、振り向かない意味のない資料だろうから。
そして、おそらく私自身も。


@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

 

第1回在宅医療連合学会 保険委員会  7月13日

在宅医療の保険診療への提言

長尾クリニック 長尾和宏



要旨

・ひっ迫する社会保障費
 (国家予算とほぼ同等)

・医療保険・介護保険が危機的状況
 (参議院選挙の争点)

・地域包括ケアの2つの側面を意識
 (患者幸福と医療・介護費削減)

・保険制度の見直しで持続可能へ
 (簡素化と見える化の二本立てで)




複雑すぎる保険規則が在宅医療推進の障壁に

1) 集合住宅の4分の1問題(患者に説明不能)
2) 加算が多すぎる、持ち出しは包括制で清算
3) 介護保険との整合性(訪問看護・リハビリ)
4) 居宅療養管理料への個別指導が増加
5) 在宅=悪 →個別指導、という悪しき慣例


包括制という方向性は避けられない

1)急性期病院  DPC
2)慢性期病院  医療区分
3)在宅医療   出来高→包括制
4)外来診療   複雑なため最後
5)遠隔診療   ??



在宅医療の質の評価システム

1)看取り数(厚労省、マスコミ)
2)病態別(がん、臓器不全、認知症、神経難病)
3)クリニカルインデイケーター(日漫協)
4)ICF(医療機関?患者会?)
5)連合学会が質の高い医療機関を認定する


在宅看取りの評価

1)看取り加算=死亡診断書に対する評価
2)訪看ステーションとケアマネにも加算
3)がんと非がんで、差をつけるべきでは
4)介護3施設での看取りと差をつける?


包括化(簡素化)の推進


1)末期がんはすでに包括化されている
2)非がん疾患の慢性期にも拡大すべき
3)現時点で要介護度以外の指標はない
4)包括化で、医療費の見える化も実現
5)医療機関別の平均重症度が可視化
6)ケアマネとの連携促進材料にもなる


「在宅診療科」の創設を

1)在宅=高点数=悪、
  という悪循環を断ち切る
2)「在宅診療科」の創設は必至
3)連合学会が標榜基準を決める
4)レセプトは外来と別枠で扱う
5)在宅療養支援病院も同様に
6)在宅診療科の平均点数を公表



本連合学会の保険診療に関するミッション

1)在宅診療科の認定基準の作成
2)在宅医療の適応を明確化する
3)地域性に配慮すべく地区会を
4)個別指導には地域の委員同伴
5)激増する独居者の在宅の広報
6)医療界全体を俯瞰しての活動


医学会としてやるべきこと

1)総合診療の中での在宅医療であるべき
  プライマリ連合学会との連携強化
2)緩和医療学会との連携強化
  「在宅緩和ケア学」の確立
3)社会的処方ができる医師を増やす
4)在宅診療科の創設は政治マター
  在宅医療政治連盟、議員連盟との連携
5)歯科・薬科・看護との連携強化
6)保険制度や医療費の国民啓発
  マスメデイアのさらなる活用
7)専門医制度をJ1に昇格させる
8)医学教育:役員は地域の医学部の教員に


@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

果たして、委員の先生方の反応は・・・・

ほぼゼロ、  だった。

ガック・・・


どうやら、骨格ではなく、枝葉末節を議論する会、のようだった。

新たな「加算」を見つける会で、正反対のことを話していたのだ。

診療報酬議論は枝葉末節に向かう一方で、立ち向かうのは困難だ。
思わず、「エントロピー増大の法則」という言葉が頭をよぎった。


私のような基本骨格から考える人は、
どうも、お呼びじゃなかいようだ。

でも本当にそれでええんかいな?
良くない方向にしか行っていない、としか私には思えない。

これじゃあ、政治のほうがまだ熱い・・・・

今、渋谷で大演説をしている山本太郎は凄いなあ、と心底思う。


私はそろそろ、引退かな。

大切な患者さんをほったらかして、講演や委員会や学会に
うつつを抜かしている在宅医なんて、ニセモノだ、と思う。

無意味なことに一日を費やした。
まあ、そんな日もあっていいか。


でも明日からが学会の本番だ。

スタッフ15人も新宿に来る。

さて今夜も雨の中、また新宿を彷徨おうか。

自分はどうやらそっちのほうの人間、、のようだ。

暗くなったら、玉ちゃんに会いたくなった。





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