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核の傘の下の共犯者

2019年08月10日(土)

今日も早朝から終日、映画の撮影に張り付いていた。
劇場映画「痛くない死に方」は、クランクイン2日目。
撮影の合間に、73年前のあの日の空に想いを馳せた。


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映画撮影のロケバス集合は6時台と早い。
ロケ場所までの交通渋滞を避けるだめだ。

映画って、牛歩の歩みのように粘り強く造っていく物。
まだプレスリリースされてないので俳優名は書けない。

有名な女優さんと2日間一緒にいると勝手に親近感がわいてくる。
それにしても、映画って、これだけ沢山のスタッフで造るんだ。

なにもかもが初体験だ。
それも在宅医療の映画。

医療と似て完全なチームプレイだ。
チームワークが命、と思い知った。

ところで
今週は、広島、そして長崎の記念日。

あの日のことを扱うTV番組を観ながら
部屋で、あの日のことを想像している。


しかし、現実は、「核の下の共犯者」だ。
私自身も共犯者でることを、恥じている。

長崎市長は、今日、はっきり言ってくれた。
そう日本は、ハッキリ、ものを言うべきだ。

今日は、あの森友学園事件が「無罪」で終結した日。
公文書を改ざんした官僚が、お咎め無しになった日。

日本は核兵器廃絶国だ、と。


鹿屋と知覧から飛び立ち旅立った兵士にどんな顔を向けるのか、
台湾からも特攻隊が旅立ったことを日本人は忘れてはいけない。


映画の撮影が順調に進んでいるため日曜は休養日に。
わーい、やったあ。

土曜日の撮影が終了次第、帰阪して、日曜日の
障害者芸術団のコンサートに参加できることに。


8月11日、尼崎ピッコロシアター。
未来への輝きコンサート。→こちら

私は、名誉団長として「蛍」を歌う事を、今、決めた。
その前にしっかり「回診」をして、留守を詫びてから。

よろしければ、尼崎まで来てね。
でも歌ったらすぐに上京するが。

月曜日は、なんと午前6時集合だ。
来週は完全にお盆と台風と重なる。



IMG_3063.jpgIMG_3065.jpgIMG_3051.jpg





今日は、長崎原爆記念日ですね。
1945年8月9日、午前11時02分。人類史上、実戦で最後
の核兵器が落とされた日です。あえてそう書きます。いつまで
もこの日が最後であってほしいから。
 
人類史上、実戦で最初に核兵器が使用されあのが、その3日前。
1945年8月6日、午前8時15分。広島でした。
広島の原爆死没者は、31万4118人
長崎の原爆死没者は、18万2601人
先の大戦による日本人の死没者は、民間・軍人合わせて310
万人と言われています。世界全体でみると、4000万人とも
5000万人とも言われています。令和元年。時代が変わって
も、「戦前」ではなくいつまでも私は「戦後」と言いたい。
「戦後」という言葉が古いなんて、誰にも言わせたくないし、
言ってはいけない。「戦後」でなければ、またもや「戦前」に
なってしまうのか。310万人の戦火に消えた命に、どうどう
とそう言えるのか。310万人の怒りと悲しみを忘れずに。
 
「尊厳死」や「安楽死」の話をこうしてできるのも、今の日本
が平和だからである。死に方の話ができるのは、豊かな証拠だ。
先日、「存在のない子供たち」というレバノンの映画を観た。
数々の戦争、紛争によって住むところを奪われた大人たちが、
不法移民となってしまった人達が、出生届を出さずに子供を産
み育て、労働させる。出生届を出してしまったら子を奪われ、
強制送還されるのだ。つまり、(法的に)存在しない子供たち。
学校に行くことも、病院に行くことも、結婚することもできな
い子どもたち。そんな「存在しない子供」のまま12歳になった
主人公のセインは、あまりにも希望のない絶望の日々のなか、
ある日裁判を起こす──誰を訴えたのか? 両親を訴えたのだ。
裁判長は訊いた。「何の罪で?」。ゼインはすべて絶望した瞳
でこう答えた。「自分を生んだ罪がある」と。悪いのは、親で
はなく、この社会であるのはゼインだってわかっているはずだ。
それでも、それでも……誰を憎んでいいのかわからない、辛す
ぎる映画であった。しかしこれが今、中東で現実に起きている
ことなのである。この主人公を演じた少年ゼインの演技が本当
に素晴らしかった。なんとこの子はプロの俳優ではなく、実際
にストリートチルドレンだった子を監督が見つけてスカウトし
たと知り、その事実にしばし涙が止まらなかった。
「死に方は選べる」なんて、講演会などで私は偉そうに言って
いるけれど、とてもとても小さな世界の話。
本当は、人間なんて、何かを選んでいるつもりで何も選んでは
いないのではないか。
人間は、性別を選べない。生まれる時代も選べない。生まれる
国を選べない。親だって選べない。職業だって自由に選べる人
などごくわずか。いつ死ぬかも、何で死ぬかも、選べないのだ。
それが理。選べない死の中で、いかに本人も家族も「悔いのな
いもの」を選べるか。それを模索しているのが私の仕事でもある。
 
「存在のない子供たち」の12歳のゼインは、「自分を生んだ罪」
で両親を訴えたのだが、映画「痛くない死に方」のヒロイン・
トモミは「父親を苦しませた罪」で在宅医を訴えようとした…
生きている国で、苦悩の質も色合いも違ってくる。日本は平和
だ。だけど平和の中でそれぞれ苦悩を抱えている。生きづらさ、
 









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この記事へのコメント

映画の題を「痛い在宅医」から、「痛くない死に方」に変えられたのですね。とても良かったと思います。「痛い在宅医」から、想像するのは、在宅医というものがひどいか、ひどい在宅医がいるかで、現在、在宅医に関係のない人にとっては、他人事で、興味があまりわかないと思います。「痛くない死に方」だと、多くの人は心のどこかで興味があるのではないでしょうか。

協賛金を払わせていただいたので、試写会に招かれることを楽しみにしています!!暑い中、大変でしょうが、頑張ってください。

Posted by 井上 at 2019年08月10日 08:54 | 返信

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