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湿布の保険外しと病院再編

2019年10月04日(金)

全国424の公立病院が名指しで「再編の対象」と公表された。
医療界は、まるで蜂の巣をつついたように大騒ぎになっている。
99%の医療関係者と市民は病床削減や湿布外しに反対やろな。
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医療タイムス2019年10月号  湿布の保険外しと病院再編
 
 社会保障改革が年々、現実となっている。国家予算のひっ迫からすれば当然だろう。しかし二木立先生によると日本の医療費は対GDP比では7%台と先進国中最低レベルであるという。ちなみに本来は国民一人当たりの対GDP比で比較しないといけないそうだが。そこに花粉症薬と湿布が保険適応から外されるというニュースが流れてきた。それを聞いて「このご時世だから仕方がないのでは」と思った。さっそく読売テレビの「そこまで言って委員会」というトーク番組に私はこのニュースの解説者として呼ばれた。なんと8人のパネラー全員が「保険外しは当然」と珍しく意見が一致した。しかし、保険外しに怒っている開業医も少なくないだろう。しかし、そこは「かかりつけ医機能」をしっかり発揮することで、花粉症薬や湿布の保険外しによる減収は置き換えられるはずである。開業医の仕事は薬剤の処方から相談業務に、そして在宅医療を中心とした地域包括ケア支援事業へと徐々に移行していくはずだ。

 一方、9月26日、厚労省は、「再編が必要」と判定した全国424の公立・公的病院名を実名で公表した。これまで努力義務と言われてきた地域医療構想が、ついに20年9月という期限つきの義務に変わった。この発表に関してもメデイアから意見を求められた。もしかしたら「けしからん」という意見を期待したのだろうか。多くの地域住民や病院関係者や地方議員は反対運動を始めるのだろう。たしかに我が町から老舗病院が消えるのは心細いと受け止めるのが人情だろう。機械的ではない地域の実情に応じた検討が必要だ。私は「長期的に見ればこれも時代の流れで仕方がないのでは」と答えた。少子高齢化と多死社会の進行に加えて人口減少とくれば、国家を運営する立場からすればやむを得ないまさに苦渋の判断ではないのか。病床数は削減の方向に向かわざるを得ないのではないか。一方、介護医療院への期待があらためて膨らんだ。同時に「地域包括ケアスステムの構築」という国家スローガンにも新しいプレシャーがかかったとも受け止めた。

 というのも開業医が提供する在宅医療は国が願うほどには増えていないからだ。誤解を恐れずに言うなら、増えているのは主に地域包括ケアとは無縁の営利目的の在宅医療ビジネスのほうである。これは現時点では必要悪と容認されているようだが、長い目でみれば淘汰される方向に変わるだろう。病院再編という荒波で開いた穴を埋めるのはかかりつけ医による地域包括ケアしかないからである。それに参画しない開業医は先細りになるのは仕方がない。ちなみにこうした厚労省の大きな方向性はこの20年間、まったくブレていないことにたいへん驚かされる。

 湿布薬の保険外しと病院再編は決して無関係ではない。風が吹けば桶屋がではないが、大局的に見れば両者は確実に関係している。ある意味、2つの改革は2040年に向けてのファーストステップと受け止めるべきだろう。まずは開業医の「かかりつけ医機能」の強化が急がれる。先日、私も一日缶詰めになりかかりつけ医研修を受講したがいい勉強をさせて頂いた。日本医師会が魅力的な講師を揃えて本気で研修事業に取り組めば総合診療や地域包括ケアは必ず加速する。今回の病院再編でベッド数が減る地域こそ、時代を先取りする方策を練って欲しい。そのほうが理にかなう。以上は勝手な私見であるが、日本医師会のコメントを待ちたい。
 
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午前3時、
今、看取りから帰り着いたところ。

家族の笑顔が生きる糧。

毎日のようにお看取りがある。
老体にムチ打って働いている。

いつ死ぬのか ばかり考えている。
自分自身の死、についてである。

なるようにしかならない。
そう思いながらの、その日暮らし。

明日の午後は、九州で日帰りで講演。→こちら
ミスター人生会議の木澤先生とのダブル講演。

せっかくだから、人生会議をラップで表現するつもり。
3分間のラップ(曲名は猫も杓子もACP)を今日、作る。



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