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身体拘束する看護師や介護士は悪くない

2019年10月22日(火)

NHKが放映した身体拘束の実態と
その検証番組を、じっくり観たぞ。
自分の大きな誤りに気が付いた・・・・
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9割の病院が拘束をしている。
高齢者の44%が拘束の経験あり。

認知症だけでなく、一般の高齢者でも入院すれば拘束される。




NHKの番組の見出しやサマリーしか観ていなかった。
以前から指摘されていた同じ話かと思い込んでいた。

しかし今回、医療・介護の現場の声をしっかり拾っていた。
私はこれまで大きな間違いを書いていたことに気が付いた。

私と同様に「見逃した」という方にVTRを用意した。
すぐに消されるかもしれいので、早めに観て欲しい。

時間が無い人は、1、3、2、の順番で観て欲しい。
もっと時間が無い人は、3だけでもいい。


①190911_クロ現+身近な病院でも_なぜ減らない「身体拘束」
https://youtu.be/6p_luAQrYxk
  
②191003_クロ現_相次ぐ老人ホーム閉鎖
https://youtu.be/BIA6F_QzfY4
 
③191016_クロ現+一般病院の身体拘束
https://youtu.be/vRBCf9iAHQ8
 


1の放映のあと、NHKには現場からのクレームが殺到した。
「NHKの主張は現場を知らない理想論だ!」との声だ。

内田病院や宮地病院など知っている病院の取り組みが紹介されていた。
抑制廃止への取り組みで、抑制率が3分の1、4分の1に減ったという。

たしかに、スタッフの抑制体験は一定の効果があった。
しかし、掛け声やユマニチュードだけでは限界もある。


そこで、現場の介護士・看護師・医師を招いて、3が収録された。

【身体拘束はやむを得ないという現場の意見】
・夜は別人格になり、大変なことになる
・もし事故が起きれば看護師が始末書を書かされる
・患者さん安全や生命を考えて泣く泣くやっている・・・


では、「大変なこと」とは何なのか?
・大声を出すしてあば暴れる
・胃ろうや鼻からチューブを抜く
・点滴や酸素を外してしまう・・・・


なるほど、医療処置が継続できなくなるので、
「拘束」するのか!!


ならば、
ならば、
ならば、

点滴も胃ろうも鼻からチューブも酸素も、やらなければいいのでは?

ちなみに在宅医療では、どれもやらない。

「平穏生という思考」を家族に説き、管もの(くだもの)は、極力避ける。
病院からついてきた「くだもの」はとりあえず踏襲するが、無しの方向に。

在宅では、ベッドではなく、床に布団もある。
とりあえずは、ベッドからの転落は無くなる。

ウンチもオシッコも、その辺にあってもいいじゃない。
個室じゃなくても、雑魚寝でもいいじゃないのか・・・


数年前、関東のある有名病院を見学した時を思い出した。
その大病院では、各病棟に広い「プレイルーム」がある。

看護師詰め所から見られるように、すべての壁は透明。
いくら叩いても割れない透明ガラスで囲まれた部屋だ。

夜中にワイワイ騒ぐ人はその豪華プレイルームにそっと
連れて行くと、しばし大騒ぎして、そのまま寝るという。

理事長と院長は、この病院の認知症対応をこう言われた。
「認知症?ああみんな入院したらそうなるものだから」

話を戻そう。


現場で一生懸命に頑張っている介護士や看護師に、罪は無い!
彼らは身を削って患者さんのために一生懸命に指示を守ってる。

では誰が悪いのか?


1 医療が悪い! 
  高齢者を管だらけにする罪。 私の「平穏死」の本を一冊でも読んで欲しいな。
  私は嫌われてもいいので(もう嫌われているだろうが)、医師に平穏死を説く。

  丸尾多重子氏との共著「ばあちゃん、介護施設を間違えたらもっとボケるで!」
  この本を病院や施設の管理者に読んで欲しい。


2 厚労省が悪い!
  点滴や酸素など「管をつけたら儲かる仕組み」を造った役所は悪い。
  個室やベッドだけに拘り、個別性を認めないからこんなことになる。

  在宅では拘束はないのに病院は拘束だらけの実態にもっと切るこむべき。
  尊厳とリスクは両立しないことを、国が市民に啓発すべき。
  

3 政治家が悪い!
  1や2について、現場の意見を聞かず、介護崩壊を見て見ぬふりをしている
  政治家に最終責任があるように思えてならない。しっかりこの番組を観よ!

  介護スタッフにもっと教育の機会を与えないと介護崩壊は止まらない。
  転倒事故の免責ガイドラインを、認知症基本法などで定めて欲しい。

4 弁護士や司法が悪い
  病院や施設でなにか起これば「管理責任」を問い、賠償命令を下す
  人権派弁護士と司法が介護崩壊を招いていることを広く啓発すべき。

  司法のトップにトップにこそ、この番組を観て考えて欲しい。
  「転んだり死ねば誰かに責任がある」と考えること自体誤り。

要は、現場の職員たちには罪はない。
ジレンマやストレスを与えられている被害者ではないのか、

これまで、抑制する職員が悪い思っていた自分が恥ずかしい。
TVを観て、彼らの意見を聞き、申し訳ないことをしたと後悔。

ごめんなさい。

でも群馬県沼田市の田中病院の取り組みは学びに行こう。

10月25日(金)幕張メッセで講演(→こちら)した後、
高校と医局の後輩である梅村聡参議院議員と会う予定。

彼は、元・厚生労働政務官で、現在は厚生労働委員会の委員になった。
彼に、上記の身体拘束の諸問題を国会で議論するようにお願いしたい。

そして問題は2の「老人ホーム閉鎖」だ。
これは、予想された「必然」だが、この問題の本質が見えている人は少ない。


結論から言うなら、(以下は難しいけど、簡潔に書く)
A)出来高制の限界。 市町村単位の包括制、つまり「大規模多機能」の導入を!
B)在宅ケアを、「24時間対応型訪問看護・介護」にちゃんと点数をつけて充実。


今後は、「抑制ダメ!」なんてことは書かない。

身体拘束問題に、日本の医療の根本問題が詰まってる。
根深いので、まだまだ掘り下げていかないといけない。

ちゃんと解決策があるので、そちらを書いていきたい。




PS)
偉そうに書いているが、その前に
10月24日の、大イベントがあった。→こちら

お時間がある人は渋谷に遊びに来てください。

申し込みが少ないようで、寂しい(悲しい)。




































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この記事へのコメント

老後は独身でも厚生年金掛けて貯蓄もして死後の荼毘までお願いできると思って安心していました
nhkのビデオ見ました。老いることは反面残酷さを抱えているんですね
それと小さな町で生き残っている商店の入り口に大きな日の丸の国旗が掲げてありました
日本国の国旗、美しかったです。

Posted by あうん at 2019年10月22日 08:27 | 返信

長尾先生、初めまして。
看護師をしている松井と申します。
人生会議のイベント開催より生と死を調べる中で先生の進める「平穏死」を知り、今勤める超高齢病院に今一番必要なものではないかと心を打たれ、こちらのブログにたどり着きました。
そして、この身体拘束についての番組は見ながら現実には難しいと思っていたところです。
なぜなら、どこも内田病院のようになんでもOK!医師が責任を持つ、ではないからです。
何かが起これば看護師の責任になり責められる、これではいつまでも身体拘束は病院から無くなりません。
内田病院のある沼田市は自然豊かな美しい田舎の町ですのでぜひお越しください。
私もこの取り組みを見て内田病院を見てみたいと思いました。

先生の提案される取り組みがなされますように。。
心より願っています。
応援しております。
素晴らしい文章をありがとうございました!

Posted by 松井 英子 at 2019年10月22日 09:30 | 返信

1、回復の見込みが有る場合
2、独居などで在宅の介護者が居ない場合
はどうするのでしょうか?

Posted by 匿名 at 2019年10月22日 09:52 | 返信

介護職です
リスク委員会で「入所したからには転倒させてはいけない 」と教育されているので、リスクと尊厳の間でモヤモヤします
家族さんに、きちんと納得してもらった上での入所にしてほしいです
日々寄り添う介護をしていても、転倒すれば最悪訴訟です
寄り添う時間を省き、転倒を防ぐ対応をする方が施設としては正解なんだと思ってしまいます
介護職員の無力を感じます
家でも施設でも転ぶ時は転ぶんだと世の中に周知してほしいです

Posted by 匿名 at 2019年10月23日 05:07 | 返信

番組見ました。抑制されるナースの様子がありましたが
身体拘束の患者体験を受けたことがなかった、ということに驚きました。
学校や職場で患者体験しないんですね・・・。
これは、一番最初に受ける必要がある患者体験です。


内田病院はどのような病期の人を、夜ナース何名でみておられるのか?
急性期のOP患者を受け持ちながら、不穏の患者含む15名をナース一人でみる
(45名=3人)16時間夜勤での抑制無しの様子を見たいです。
できるんでしょうか?インシデントがあっても、主治医もインシデントレポート書いてくれるんでしょうか?

抑制なしなんて無理、と思考停止したくないです。
でも、できないよ・・とも思う自分がいます。

病院・看護師の事情がわかるので、親は病院に入れたくありません。

内田病院のこと、もっと裏も、夜勤の実情も本気で見せてほしいです。

Posted by 看護師A at 2019年10月23日 08:36 | 返信

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