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子供世代のための在宅医療基礎知識

2019年10月27日(日)

最近、産業保健の場や飲み屋などで親の介護の相談を受ける。
超高齢社会とは、子供世代にとっては、超介護時代でもある。
月刊公論11月号は子供世代のための基礎知識を書いた。→こちら

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公論2019年11月号  在宅医療・介護の基礎知識
           子供世代こそ知っておきたい
 

自力で通院できなければ在宅医療の対象
 超高齢・多死社会が進行している。この流れはいつまで続くのだろうか。少なくとも2040年までは続くことは明らかだ。団塊の世代が後期高齢者になるのが2025年で、死亡のピークは2040年だ。ではその後は死亡者数はどうなるのだろうか?おそらく2040年以降は緩徐に減っていく。しかし現在よりも多死社会が20年以上続くという。人口自体が減少するのである。後期高齢者になると「老い」という要因が大きくなるので「治す医療」から「治し支える医療」への転換が謳われている。しかしそれを受け入れられない子供世代が延命治療を望み、親の穏やかな最期を奪っているという現実がある。親孝行の勘違いである。50~60代は死を見ていない世代なので親の「老い」を受け入れることが難しい人が多い。

国は超高齢・多死社会の進行を見越して1990年台から在宅医療制度を整備してきた。2000年に介護保険制度を創設するとともに2006年からは24時間365日対応を義務づけた在宅療養支援診療所制度を創設し推進してきた。その結果、在宅医療に取り組み医師が少しずつは増えているが伸び悩んでいる。その要因は24時間365日対応という縛りである。世間は働き方改革一色であるが一人でやっている開業医(自営業者であるが)は通常の労働者の何倍もの長時間労働を強いられる。しかし、患者さんの笑顔を見ると大きなやり甲斐を感じるので筆者は還暦を過ぎても深夜も働き続けている。そんな在宅医も高齢化が全国的な傾向である。

 「どんな患者が在宅医療の対象なのか?」とよく聞かれる。自力で通院できなければ在宅医療の対象になる。がんで体力が低下した方、高齢で足腰が弱った方、認知機能の低下で道に迷う方など一人で通院できない方が対象でなる。介護認定を持っていないといけないと思っている方が多いが医療保険なので基本的に年齢や介護認定とは別物である。40歳以下の若年者や0歳の医療的ケア児も在宅医療の対象になる。筆者は0歳児から105歳まで診ている。
 
 
在宅医は自由に選べる
 「どうやって在宅医を探せばいいのか」とよく聞かれる。一番手っ取り早いのはどの地域にもある「地域包括支援センター」に聞くことだ。地域の医師会や訪問看護ステーションに聞いてもいいし近所の口コミも悪くない。筆者が監修している週刊朝日のムック本「さいごまで自宅でみてくれるいいお医者さん」を書店やネットで入手するのも大変お勧めだ。この冊子には全国約2600の医療機関の実績や在宅療養に必要な情報がたいへん分かり易く書かれている。大切なことは患者さんが自由に医者を選べることである。現在の「かかりつけ医」がそのまま引き続き在宅医療を担ってくれたら理想的かもしれない。しかし貴方の現在の「かかりつけ医」に在宅医療を頼めるかどうかは直接聞いてみないと分からない。

 全国に約10万もの医療機関があり、そのうち1割強が在宅療養支援診療所(在支診)に登録している。しかし実績のある在支診はそのうち2割程度と言われている。一方、24時間体制や患者さんの自己負担を考えて、在支診の看板をあげずに自院に通院中の患者さんにだけ在宅医療を提供している開業医も多くいる。だから直接聞いてみないと分からない。あと200床以下の地域密着型の病院も在宅療養支援病院(在支病)の届け出をして在宅医療を提供している。今、在支病が増えていることを知っておきたい。ただし医療機関から16km以内しか訪問できない。だから自宅から近ければ近いほどお互いにいい。いずれにせよ、患者さんは自由に在宅医を選べることを知っておきたい。相性が悪いと感じたら遠慮なく変更して構わない。
 
介護認定とケアマネ選び
 65歳になると自動的に介護保険証が届く。しかし介護認定を受けないとサービスは使えない。認定を受けるにはまずは役所の介護保険課に「介護認定をお願いします」と申し出る。すると主治医の名前を聞かれる。その時は病院の医師ではなく、生活状況を知っている在宅主治医(まだ決まっていないならかかりつけ医)の名前を告げて欲しい。すると2週間後の行政から調査員さんが自宅に来られてあれこれ質問される。その時に決して背伸びをせずにありのままの姿で対応して欲しい。主治医の元にも主治医意見書が届く。これを書く時に大変役に立つのが予め本人か家族に書いて頂く黄色い予診用紙である。いずれにせよ介護保険は介護認定が無ければ使えない。

 在宅療養を成功させる鍵はケアマネ選びだ。介護保険下のケアププランに本人と家族の希望を上手に反映するのがケアマネの仕事。デイサービスやショートステイの利用時にケアマネの力量が問われる。話をよく聞いてくれて親切でケア会議に熱心な人を探して欲しい。よく分からなければ地域の「地域包括支援センター」で相談してみよう。またもし在宅医が決まっているなら在宅医が連携を取り易いケアマネを紹介してもらうのもいい。

 人生の最終段階に向けて本人・家族の意向を尊重すべく、医療・介護スタッフが集まって対話を重ねる「人生会議」が国を挙げて謳われている。ケアマネはケアプランの検証を行うケア会議を招集するが、その際に人生会議も行いたい。この人生会議にも積極的なケアマネを選んで欲しい。施設か在宅かの二者択一ではない。介護保険を上手に使えば両者を行ったりきたりできることを知っておきたい。大切なことは子供世代が介護を抱え込まないことだ。
 

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この記事へのコメント

ほんとに…
いろんなクリニック、ケアマネさん、ヘルパー事業所さん、デイサービスさん、デイケアさん、訪問看護さん…があります

これもご縁です
結局 人間対人間が作っていくものだから 自分の想いを叶えてくださるいい方に出逢えるといいですね

Posted by 宮ちゃん at 2019年10月28日 11:37 | 返信

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