このたびURLを下記に変更しました。
お気に入り等に登録されている方は、新URLへの変更をお願いします。
新URL http://blog.drnagao.com

雨の円山町の相合傘

2019年10月25日(金)

オトナのための死の授業vol7も楽しかった。
来て頂いた皆様、ありがとうございました!
ちなみに第8回は、12月28日(土)尼崎です。→こちら
2つの応援
クリックお願いします!
   →   人気ブログランキングへ    →   にほんブログ村 病気ブログ 医者・医師へ
 
 


おかげさまで、昨晩は「オトナのための死の授業」を、初
めて渋谷で行いました。渋谷ロフト9は、ラブホテル街の
ど真ん中。そこで、高橋伴明監督のピンク映画を流すとい
うので、いつもこのイベントに来てくださっている女性の
皆さんは、大変来にくかったことだろう……いつもと違う
テーマ、場所……なんで長尾がエロを語るの?? と思っ
た方お多くいるに違いない。


それもこれも、先週お伝えした通り、『痛くない死に方』を
撮ってくださった高橋伴明監督が、ピンク映画の巨匠、嫌、
「神」と言われる人だからである。

 
サブカルチャーの発信地・渋谷ロフト9でこってこての、
30年前のピンク映画を流すということ・・・これってやっ
ぱり企画に無理があったのかな? 誰もお客さんが来なか
ったらどうしよう??? 正直、前日は不安であまり眠れ
なかった。しかも、お相手は巨匠・高橋監督。失礼があっ
てはならない。いつも西宮からわざわざ来てくれる友達も
今回は不幸があってこられないという。もしお客さんがゼ
ロだったら……しかし、スタート3分前に、会場はわりと
埋まっていた。ほっ。

 
意外だったのは、男性客よりも、女性客が多かったことだ。
若くてかわいい女性も何人か一人で来ていた。そして、時
にはケラケラと笑いながら、セックスシーンを鑑賞してい
る。こんなに明るいピンク映画観賞会が、今まであっただ
ろうか? 女性が笑いながらお酒を飲んで、昭和ピンク映
画を観る。いやはや、時代は変わったと思う。

 
そして終わった後に、若い人たちや、ロフト9のスタッフ
の皆さんにも、「ピンク映画がこんなに面白いとは思わな
かった」といわれた。そう、高橋伴明監督作品は、ピンク
であって、ピンクじゃない。エロであって、エロじゃない。
そこには青春があって、愛があって、生があって、死があ
った。だから、女も男も、この映画を観て笑って、泣く。
そして、上映会の後は、貴重なお話をたくさん伺った。
この映画のタイトルは『襲(や)られた女』というが、実
は最初に監督が考えていたタイトルは『記念写真』である。
なぜ『記念写真』になったか…観た方は、深く頷くことで
あろう。ユーミンみたいやなあ。青春映画やん、と思わず
言ってしまた。
 

そう、何が言いたいかといえば、映画のタイトルだけ見て
食わず嫌いをするのは、モッタイナイということだ。
ピンク映画のタイトルは、監督自身ではなく、配給会社が
つけるものだという。だから、監督の過去の作品にはトン
デモなくどギツイタイトルが並んでいるが、そこには上質
な昭和の青春映画の逸品が隠れているかもしれない、とい
うことだ。


伴明監督は、とてもシャイな方である。「愛」とか「友情」
とか、ストレートな表現をしない人。そして、会話をする
たびに、自分と色々似ているなと共通点を見出して、なん
だか嬉しくなる。人生で、出会うべくして出会った人。
そして、きっと、『痛くない死に方』は作られるべくして
作られた映画として羽ばたいてくれるはず。

 
トークショーの最後に、伴明監督がこんなことを仰った。
「僕は、毒の映画と、クスリの映画を交互に作ってきたつ
もり。今の若い人には、なるべく、毒の映画を観てほしい。
そして、今回の『痛くない死に方』は、毒も、薬も両方入
った映画となったと思う」

なんと嬉しい言葉だろう! 幸せを噛みしめた。
監督の人生訓それは、
「遺作が代表作だと思っていつも映画を撮っている」
カッコいいなあ。今日が最後の日だと思って生きる、とい
うことにつながると思う。

 
いやしかし……何より嬉しかったのは、監督の奥様である
あの! 大女優・高橋恵子さんが、お忍びでイベントに来
られていて、私の歌(たかじんの『やっぱ好きやねん』と、
チャゲアスの『男と女』)を褒めてくれたこと!!!

「上手でしたわ」と、にっこり微笑まれて…。
あの憧れの女優さんにまさか、歌を褒められる日が来るな
んて! 生きているだけでまるもうけとは、このことや、
と思った。

夜が深まり、雨が降り出した渋谷の円山町。
二次会への移動のときに、傘をもっていなかった恵子氏
に、伴明監督がそっと傘を出す。シャイな伴明監督が、
奥様と相合傘で円山町を歩いている。映画みたいやんか。
あの光景は、生涯忘れないだろう。
お二人とスタッフと、痛飲し、日が変わっても盛り上がった。、

以上、有料メルマガ(まぐまぐ)から引用。



3時間のトークショーを終え、一番感じたことは
長尾と伴明監督の共通点の多さで、とても驚いた。

・どちらも高校生の時に、父親が急死している
・その後、やさぐれたこと
・どちらも医学部志望であった
・どちらも関西の国立大学医学部を受験して失敗した
・そして関西出から上京し、東京の大学へ(監督は早稲田)
・伴明さんは修業5年目に丁稚から独立、私は12年目に独立
・その後、20から30年間、突っ走ってきた
・その原動力は、伴明さんもなんと「怒り」と答えた
・様々な活動の根源は世の中への愛である
・リビングウイルを書いている
・終活をやっている

ひとつだけ違うことは、伴明さんは学生運動で
拘束されて牢屋に入ったこと(早稲田中退に)

それは時代の差。
私の9つ上。

もし自分が9年早く生まれていたら、伴明さんと同じような道を
選んでいたに違いない。話し込むうちにそんな想いに駆られた。

伴明さんを理解するまで時間がかかる。
膝を突き合わせて飲むのは5回目かな。

沢山の映画監督に尊敬されている伴明さんの魅力が
飲むたびにジワジワ分かってくる。男の中の男だ。

・賢い
・繊細
・タフ
・寡黙
・誰にでも優しい

こう考えると、経歴は似ていても、内容は真反対かな。
伴明監督を見習わないと。人生の師として仰がないと。




PS)

渋谷は若い人が多い。
なんか自分も若返ったような気にさせる街。

私は2曲歌った渋谷ロフト9のステージでは
今夜はなんとけケミストリーが歌っている・・・・

雨の中お越しいただいた皆さん、本当にありがとう!!
 
 K191024_0079[1].jpgGOPR8991[1].jpg

2つのランキングに参加しています。両方クリックお願い致します。皆様の応援が日々ブログを書く原動力になっています。

お一人、一日一票有効です。

人気ブログランキングへ ← 応援クリックお願い致します!

(ブログランキング)

にほんブログ村 病気ブログ 医者・医師へ ← こちらもぜひ応援クリックお願い致します!

(日本ブログ村)

※本ブログは転載・引用を固くお断りいたします。

この記事へのコメント

なかなかチャンスが無いですから、見たかったな、会いたかったな、と思いますが、
場所はともかく、せめて時間設定が日中であればと感じていました。
家族に「今日はどこ行くの..?」と聞かれてしまいますから、あまり不良主婦には
なり切れません。
渋谷という街は不思議なもので、なんだか発散したくなる奔放な空気があるんだな、と
思います。銀座とか新橋とかのように、都内各々の地名に即して、何かしらのイメージが
付帯していますが、渋谷は自然発生的に何かが醸し出された、言わば「自由」を象徴する
雰囲気がある場所なのかな、と思います。自分世代が若い頃にも、やはり新文化的な感覚を
覚えたのを思い出します。折しも、ハロウィンイベントを警戒して、自警的なタイミングを
迎えている渋谷です。何かと「行き過ぎてしまう」感がある若者たちですが、日頃が如何に
抑圧されて過ごしているのか..と想像したりします。
「昭和時代」と言うと、昔に「明治・大正」と言った時に古い歴史的、といった感覚にも
なりましたが、もはや「昭和」も仲間入りした「古い」ものなのでしょう。
自分も古くなりました。
産業の世界でもそうですが、芸術的・文化的な世界でも「古き良き昭和」を思う昨今です。

Posted by もも at 2019年10月27日 06:36 | 返信

コメントする

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:

このたびURLを下記に変更しました。
お気に入り等に登録されている方は、新URLへの変更をお願いします。
新URL http://blog.drnagao.com


過去の日記一覧

ひとりも、死なせへん

安楽死特区

糖尿病と膵臓がん

病気の9割は歩くだけで治るPART2

男の孤独死

痛い在宅医

歩き方で人生が変わる

薬のやめどき

痛くない死に方

医者通いせずに90歳まで元気で生きる人の7つの習慣

認知症は歩くだけで良くなる

がんは人生を二度生きられる

親の老いを受け入れる

認知症の薬をやめると認知症がよくなる人がいるって本当ですか?

病気の9割は歩くだけで治る!

その医者のかかり方は損です

長尾先生、近藤誠理論のどこが間違っているのですか

家族よ、ボケと闘うな!

ばあちゃん、介護施設を間違えたらもっとボケるで!

抗がん剤 10の「やめどき」

「平穏死」10の条件

胃ろうという選択、しない選択

  • にほんブログ村 病気ブログ 医療・医者へ