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国は控訴断念し二審確定、今日はリビングウイル記念日
2019年11月14日(木)
今日は特別な日である。
43年ぶリにリビングウイルの意義が東京高裁で認められた日。
当たり前のことが当たり前でない、生命倫理のガラパゴス、ニッポン。
43年ぶリにリビングウイルの意義が東京高裁で認められた日。
当たり前のことが当たり前でない、生命倫理のガラパゴス、ニッポン。
リビングウイル(患者が自分の意思を紙に書く)と、医師の訴訟リスクは、
・高まる?
・低まる?
たったこれだけの単純な命題の是非を問う「リビングウイル裁判」。
民事でも刑事でもない行政裁判。
2月に東京地裁は、私たちの判断を認めた。
しかし控訴期限の2週間後の深夜、国は控訴した。
そして10月30日、東京高裁は一審判決をさらに強く支持した。
その控訴期限が11月13日であったが、国は控訴を断念、今日、勝訴が確定した。
かくして私たちの主張が、司法の場で認められた日。
当たり前のことを認めてもらうまで3年もかかった。
今、ACP(人生会議)の本や学会や講座が全国で広がっている。
有識者の教科書には版で押したようにこう書いてある。
「人の意思は常に揺れ動くのでリビングウイルは無意味、
だからこれからはACPで意思決定していくべきだ」と。
これは間違っていることが、今回の判決文で明らかになった。
リビングウイルとACPは決して別物ではない。
別物どころか、ACPの核はリビングウイル(本人意思)なのだ。
リビングウイルがあったほうが人生会議がやりやすい。
当たり前のことがやっと認められたのが、今日である。
メデイアで伏字にされている「リビングウイル」という文字が、復活するだろう。
本人意思尊重は、ヒポクラテスの時代から医療の基本である。
日本のそんな概念が入ってきたのは、43年前の1976年である。
そして今日は、43年目のリビングウイル記念日。
でもリビングウイルが法的担保される日は、来ない。
それを諦めた結果が「ACP推進政策」、なのである。
これを分かっている有識者がこの国に何人いるのかな?
その辺の事情は、直近では12月14日(土)に山梨で話す。→こちら
それまでに再度、中央で記者会見をするかも。
桜を見る会よりも100倍重要な、「患者の意思の是非」を報じるメデイアは
悲しいかな今のところ、ゼロだ。メデイアの貧困。
リビングウイル裁判を知っているのは、このブログの読者しかいない。
まあ仕方がない。
尊厳死も安楽死も、そしてその土台となるリビングウイルも
まったく知らないどころか、関心がないのが日本のメデイア。
「デイープインパクト、安楽死」なんて間違った見出しを平気で書いている。
「デイープインパクト、ト殺」である。
とりあえず、国が控訴を断念し、ホッとした。
闘いは終わった。
あとは、ACP(人生会議)を土台から作り変える作業になる。
それをするのが、11月30日’人生会議の日)に開催される
第8回日本リビングウイル研究会、である。→こちら
多くの皆様のご参加をお待ちしています!
PS)
裁判資料を精読したい人は、以下を参照してください。
『 東京高裁判決 概要』
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この記事へのコメント
不認定処分を取り消しせよ=認定せよ、なのでしょうか?
不認定は世の趨勢から鑑みて妥当ではないが、認定を義務付けることはできない、と、読めましたが・・・
法律文書はややこしいです。
どちらにしても「お国のお墨付き」にこだわる必要はないと思います。
公平無私であるはずの判決文面から受け取れる内容は、「リヴィングウィルが役立っている」と認めていると受け取れます。
しかし「認定を義務付けることはできない」???と読めるけど。
Posted by 匿名 at 2019年11月15日 03:26 | 返信
匿名さんがおっしゃるとおり、
東京高裁は、国の「不認定処分」を取り消したが、
協会の「認定処分の義務付け」も棄却した。
「法」によれば、「不認定は間違い。だが認定もできない。」
庶民の常識と司法の非常識!
司法が行政に追随する、日本の三権分立の「伝統」を如実に示している。
わが「行政府の長」は、「立法府の長」も自認しており、公私の区別もない。
また権力に不都合な事実や記録は「遅滞なく廃棄」。
「なかった」ことにする日本的「伝統」。
大凶、惨状をかえりみない「皇位継承」。「怪しげな秘儀」の国事化。
「エンドレス万歳」の馬鹿騒ぎ。日本的無責任大系の「伝統」。
「象徴」ってなに? 「総意」ってなに?
すべてスルーして、天皇も政治も「男系世襲」が進む。
Posted by 鍵山いさお at 2019年11月17日 04:02 | 返信
先生よかったス!
俺たちマジ嬉しいっス!
泣けるっス!
俺たちは先生の後ろ姿をずっと見てきた。
雨の日も風の日も・・・
東京の大勢の人に見守られた講演も
遠い地方の講演も
俺たちはずっと見てきた。
一人黄昏に染まる夕日をどんな風に感じているのかと・・・。
先生は殺されなんかしねえ。
少なくとも俺たちが守ってやるさ。
だから心配なんかしなくていい。
この世の中が間違っているのに
みんな見て見ぬふりしているだけさ。
医者も製薬会社も悪くねえ。
みんな良くしようと必死で頑張っている。
未病なら歩行で防げるが
病気にかかっちまったら薬が必要さ。
医者も薬も切っても切れない関係。
悪いのは多剤投与。
患者をモルモットにして儲けてどうする?
たまにはモルモットにされる身にもなってみたらどうだい?
世界のお医者さんたちよ
もう一度、処方箋を出す前に
それが愛する人に出す処方箋だったら
くらいのつもりで処方したらどうだい?
俺たちはいつもそう願っているよ。
先生は殺されなんかしねえ。
だから安心して今までどおり困っている人達を
助けてやってくほしいんだ。
たとえ天地がひっくりかえっても
俺たちが先生を必ず守るから。
Posted by 喜志團 at 2019年11月18日 12:53 | 返信
LW に、一抹の不安。喜ぶ事も有るでしょう。然し、私が
LW を、呈示しても病院、医師からLW は受けてもらえなかった。過剰医療ばかりでした。在宅でないとLW は、認めて貰えないのか? 現在私は、LWは勿論、最終的にはエンディングノートを、作成するようにと訪問看護しに言われています。延命の為なら、腸ロウも有ると聞いて、ゾッとしました。命の期限は、まだまだ自分の意思で決めたいって思う事には、変わりがありません。
Posted by ひろっち at 2019年11月19日 06:10 | 返信
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