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がんと共存する

2019年12月28日(土)

町医者を長くやっていると実にいろんながん患者さんと出会う。
最新の抗がん剤を患者さんから教わることも多いが、なかには
がん治療をいいところで止めて、がんと共存している人もいる。
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抗がん剤という言葉は、ちょっと罪な言葉だと思う。

がんに抗っているわけだから、抗がん剤を止めると
がんが急に大きくなると、勘違いしている人がいる。

もちろん、そんなことはない。

いいところで抗がん剤を止めて、そのあと、
嘘のように元気になる人が何人も診てきた。

まるで、抗認知症薬を止めたら認知症が改善した、
みたいな話であるが、副作用のほうが強かっただけ。

しかし抗がん剤を中止する医者は少数派。
抗認知症薬もそうかもしれない。

・家族が止めると悪化するとと信じている
・主治医もそう信じている
というケースを散見する。

しかし自らの意思で「抗がん剤を中止したい」という
相談に来る人がいて、ほとんどの場合それに賛同する。

がんを放置するわけではない。

がんとの共存を目指すのだ。

がんによっては共存できない激しいがんもある。
それは、そもそも抗がん剤が効かないタイプだ。

しかしがんが思ったよりゆっくり進行して、
なかなか弱らない人もいることは事実である。

そんな人の特徴は
・笑顔
・信仰
・感謝
・食事、などである。


要は、運を天に任しながらも、節度ある生活をしているわけだ。

なかなかできない。

不安であろう。

だから私の同伴医者がいたほうが心強いかもしれない。
私は、その人の決断をできる限り尊重する主義である。

自分自身も抗がん剤などのがん治療に疲れたら
早めに止めて、暖かい場所にこもることだろう。

温熱療法ではないが、暖かさは、がんとの共存に必要だと思う。

法律の壁があるが、ハワイにホスピスのようなものがあればいい。
日本人医師と看護師がいる住宅があれば、自分が行きたいくらい。

人生100年時代。
後期高齢者は、がんとの共存も大きな選択肢になってくると思う。



PS)
さて、今日は、ひとり紅白の本番だ。
頑張って下手な歌を一生懸命歌おう。

小説の重版がアマゾンに届いたようで、
やっと定価で購入できるようになった。

書店も売り切れ店が続出していると。
梅田紀伊国屋さんも売り切れたそう。

正直、自分には本が売れてる実感が全くない。
知り合いにもほとんど本のことは言ってない。






















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この記事へのコメント

がんによっては共存できない激しいがんもある。
それは、そもそも抗がん剤が効かないタイプだ。

しかしがんが思ったよりゆっくり進行して、
なかなか弱らない人もいることは事実である。

「長尾和宏+近藤誠」を混ぜこぜにして半分にするとちょうど良いかも。

Posted by 匿名 at 2019年12月29日 04:45 | 返信

若い人は別として、定年過ぎたらガン治療なんか適当でいいんだよ。
75歳超えたら保険証は捨てるくらいの意気込みが良いと思うね。

Posted by 匿名 at 2019年12月30日 12:07 | 返信

「75歳越えたら保険証は捨てろ!」
こういうご立派なご託を並べる御匿名さんが、ゴロゴロいらっしゃる。
幼少のころ虱と回虫に悩まさられ、片足まで骨折。
もちろん保険証などなく、医者にかかることもなかった。
国民皆保険になっても、極力「鬼門」(五木寛之)を避け、
体調悪い時は「絶食絶水」で耐え、よみがえってきた。
「後期高齢者被保険者証」をもらっても、「後期高齢者の健康モデル」として
医療機関に検査協力してきた。
健康に留意し極力保険証を使わず永らえられてきたからこそ、
「後期高齢者」として尊敬されあがめらる齢(ヨワイ)に到達したのはまちがいない。

いまこそ往年の膨大な累積、「保険料負担」という輝ける功績に感謝され、
存分に「終身被保険者」として遇され、寿命を全うされてよいであろう。
「老い」。
「老いという存在」「そこに居る」というだけで、社会的に「承認」される老い、
「長老」と呼ばれる時代もあった。

「昭和天皇」は下血を繰り返しても、「存在するというだけでたっとい」。
「退位、譲位などまかりならぬ」「やまとまほろばの美しい伝統」だった。

片や、中曽根「大勲位」、アヘ「終身宰相」。
片や、ジジババに免許証返納、保険証返納。

「75歳越えたら保険証を捨てろ!」という御匿名さんたちのときの声。
ジジババ殺してカネ奪う、まごガキどものなたに重なる。
中東の海に海上自衛官の「殉死」を期待する為政者ども。
「令和の時代」とは、そんな時代。

Posted by 鍵山いさお at 2019年12月31日 01:51 | 返信

匿名さんの「75歳超えたら保険証は捨てるくらいの意気込み」というのはちょうどいい言い回しだと思います。「捨てろ」とは言っていないのがいいですね。

国民皆保険制度の目的としては、「貧しい人が医療を受けられなくて困らないように」のはずですが、目的に沿わない適用が増えてきました。いわゆる延命治療というのが代表的なもので、そこには高齢者のがん治療も含まれると考えられます。

老化、そして死というプログラムがされている人間ですから、それに対抗するにはお金がかかります。さすがにそれは健康保険からは外すべきでしょう。大腸癌を患って腸閉塞を起こした場合の手術は苦痛緩和としての治療ですから例外ですが、誤嚥性肺炎を起こした場合の入院・抗生剤治療はその点微妙です。

あと20年ほどで私も後期高齢者の仲間入りを果たしますが、仕事をしなくなったら癌治療は放棄します。透析の新規導入もしません。自分の手で食べられなくなったら食事介助も胃瘻も不要です。心筋梗塞を起こした場合は悩みますが、せいぜい心臓カテーテル検査とステント留置までですね。認知症になっていたらモルヒネを十分量いただければ治療しなくていいです。若い世代のための健康保険が立ちゆかなくなるのだけは阻止しないといけません。

Posted by 広島のAnonymous at 2020年01月01日 08:35 | 返信

広島Aさま

国保制度は、警察消防制度同様、貧困対策ではありません。
個人に着目すれば、生涯負担総額と生涯給付総額は釣り合っています。
個人に着目すれば、がんの罹患リスクも余命年数も釣り合っています。
年令階層別対立のトリックは、経団連が生み出した。
「国と国の約束を破った」という、アヘの嫌韓フェイクに似ている。
国民がオーム返しに、エンドレス万歳。

広島Aさまの「老化=死のプログラム」論には同感です。
地球は太陽をまわる。「エイジング」にはあらがえない。
ガウタマのいうごとく、生老病死はドゥッカ(さけがたい)。
アンチエイジングでなく、ウイズエイジングでいきたいと思います。
ウイズエイジングは、「若い世代」と「後期高齢者」の対決にはならず。
「延命治療」の是非は、「若い世代」か「後期高齢者」かを問わず。

「エイジング」の所作は、人それぞれ。
各人の死生観にかかわる領域。おしつけ、おしつけられるのはまずい。
軍拡まい進のためにも、「世代間対立」をあおり社会保障費を圧縮したい。
あおり、あおられ。あなかしこ。

鍵山いさおから広島のAnonymousへの返信 at 2020年01月01日 09:12 | 返信

鍵山さんの返信の文面に同感です。
医師という職業はいわば国家公務員。時には、反体制傾向とみなされる一般市民を「病人(特に精神病。現代では認知症含む。)」に仕立て上げ社会的に抹殺する役割を果たしてきた。
医者が「オマエは病気だから入院しなければナラナイ」という強制入院制度も、しっかり、ある。医療保護入院というなんだかヤサシイ名前がついているけど。「医者のひとこと=鶴の一声」で病人となり強制入院身体拘束薬漬け。

医師という職業は、一歩間違えば専制国家の憲兵と同じ。
「おしつけ」強い性格の医師は、憲兵の素質アリアリ。
お医者さま、先生せんせいセンセーとチヤホヤされていると何でも俺の言う通り、になるんですよ。そしてお国を背負っているような気になり国民狩りに勤しむ。認知症狩り。老人狩り。
お国の役に立たない市民は薬漬けまたは治療せず放置。

Posted by 匿名 at 2020年01月02日 03:54 | 返信

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