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小多機 私の改革案

2020年01月11日(土)

前頭側頭型認知症は療養のが少なく彷徨う。
行き場がなく、最後に行きつくのは小多機。
でも法的な制約が多すぎていき詰まる(悲)
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昔、阪神の江本投手がこう言って辞めた。

「ベンチがアホらから辞めるわ」

それを思い出して、ひらめいた。

「医者がアホらから、介護もアホやねん」

あれ? ちょっと違うなあ。

「医者もアホなら介護もアホ。
 同じアホなら長尾の悪口!」

これも違う。

さて、
「前頭側頭葉変性症」を知らない医者が多すぎる。

そもそも前頭側頭葉変性症とは
・前頭葉の萎縮(ピック病)
・側頭葉の萎縮(意味性認知)、などなど、認知症の10人に1人はいる。


アリセプトは禁忌が大原則中の原則。
せめてこれだけでも覚えて欲しいのだが、バンバン処方するエラい専門医。


酔っ払いにさらに酒を飲ます行為が、医療という名の下で横行。

その結果は、当然の帰結が待っている。
・暴力
・多動
・興奮
・など周辺症状の増悪・・・・

アリセプト炎上であるが医者が気が付かないので
家族も気が付かないまま、精神病院に措置入院に。



しかし、いい医者に変わって、アリセプトから離脱できたとしよう。
そこで問われるのが介護職員の「ユマニチュード度」であるのだが。

まあ、多くの場合、「この人は他の利用者が嫌がるので」とか
「この施設には合いません」で、実質、追い出し工作にかかる。

それもダメな場合は、同じような施設を転々とする。
しかしどこに行っても、お荷物として追い出される。



前置きが長くなった。



そんな前頭側頭型認知症にこそ、ウインタミンの少量投与はまさに魔法。
しかし仕事が忙しい家族は、在宅では診たくても診れない、という事も。

・要介護2や3では、特養は無理。
・老健にも、「迷惑」と断られた。
・グループホームの18万円は無理。
・サ高住には置いてももらえない。
・精神病院は、家族がイヤだと・・・



そこで頭に浮かぶのが、小規模多機能。
国が推奨して長いが、まだ多くはない。

しかし、いくつかの問題が立ちはだかる。

1)ケアマネのチェンジ  
  まあ、これはいいけど、義務にしなくてもいいのではないか。
  また変わるかもしれないので。関係性の継続を優先させるべき。

2)住民票の移動
  本人の住民票はA市にあったけど、流れ流れてB市のサ高住にいた場合、
  その近くにいい小多機があっても、住民票をA市に移さないといけない。

3)ダミーの住民票って?
  小多機は施設ではなく、あくまでショートステイ。
  自宅があってこそのショウタキ。
  でも家に帰れないから、仮でも「自宅」が必要。
  つまり「ダミー自宅」が無いと住民登録できない。
  それを貸す闇ビジネスもあると聞く。
  しかし家族がそれに払うお金も無い。
  家族の住むB市には、小多機は無い。
  ほなら、どないしたらええねん? 
  答えは無い・・・・

4)「医者は訪問診療できない」規則を全面撤廃する。
   サ高住と同様に、医療は集合住宅の規則に合わせるべきだ。
   これで在宅医療機関が当局の取り締まりを気にせず入れる。
   現状では、医療難民になってしまう。


でも現状には結局、精神病院しかないという現実が横たわる。

ショウタキ、惜しい!!!


ここで小多機の超個人的改革案。

1)「小多機」の規制を緩和をする。
   ケアマネチェンジ制は柔軟に。
  
2)介護医療院は入所型で、小多機は行ったり来たり型で、
  お互いの機能を分ける。

3)小多機が増えないので、中小病院には小多機の併設を義務づけて増やしては。

4)小多機に限っては市町村という枠を外したほうが、患者ファーストでは。
  A市とB市の境界近くが生活圏である人には便宜を図るべきではないか。
 

そもそも小多機も看多機も現場を知らない
エラい役人や政治家が造った、理想概念だ。

悪くはないが、現実からかなり遊離している部分がある。

だから、現実に即した改革が必要だ。

やろうと思えば、1日でできる改革。

今言えることは、小多機はあまりにもモッタイナイ。

やる気になればすぐに可能な「長尾の小多機改革」!




PS)
以上は超個人的な感想なので、当然、反論も多いだろう。

でも「そうだ!」と思う人は、2つのクリックをお願い。
もしすごく少なければ、以後、小多機の話題は慎みます。

ごめんなさい。











































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この記事へのコメント

「前頭側頭葉変性症」を検索すると「難病情報センター」に詳しく載っていた。指定難病127。
https://www.nanbyou.or.jp/entry/4841
自己中心的な極端趣味の暴君、亭主関白の極端なヒト、みたい。
昭和なオトコたちは女房子供に対してはオレ様自分本位、それこそ具合悪くて寝込んでいる妻に「メシはまだか!!」と怒鳴る。それを見ず知らずの他人に対してもやってしまうところが、ビョーキなのだ。しかしこういったビョーキは、そのヒトを抱え込んで耐え忍んでくれる「家族」がいる間は表面化しない。「家族」が支えきれなくなって逃げ出したり死んでしまったら、そういったビョーキのヒトはビョーキが表面化する。

周囲の人間を不快にさせるから居所がない厄介なヒトは、ビョーキというよりは、そういうヒトでもカネさえ稼げれば良かった時代や文化や教育の問題ではないかと思う。

Posted by 匿名 at 2020年01月11日 02:56 | 返信

前頭側頭型認知症という病名はよほどのことがないと付きません。そもそも70歳以上で発症する例はまれ、とされているので高齢者にはその病名は付けないという医師もいます。

そしてアルツハイマーと前頭側頭型認知症、どっち?、ってことになったら、なかなか後者は選べないですね。私だったら明らかに物忘れがない場合に限ってそのような診断にします。

なのでもっとシンプルに「前頭葉障害があるかないか」でいいんじゃないかと思います。これならアルツハイマー+前頭葉障害、レビー+前頭葉障害という記載もできます。そうすればもっともっと医師や介護スタッフの方にもその知識は広がっていくと思います。アリセプトを控えるというのも同様に。

小規模多機能については長期滞在を一つの形として認めるしかないような気がします。当然訪問診療は解禁で、ケアマネさんの柔軟な配置も賛成です。

Posted by 広島のAnonymous at 2020年01月11日 08:28 | 返信

前頭葉型を無理に介護しようとすると、介護者のメンタルがやられてしまうし、グループホームや施設に入れると、この1人に振り回されて他の仕事ができなくなる。
精神科の病院ではない介護医療院のような若年性認知症専門の施設を作るしかないと思います。
前頭葉型は若年性、アルツハイマーも若年性は前頭葉症状が強いので若年性認知症の棲み分けが必要ではあるが、手のかかる認知症の患者が精神病院へ幽閉されるというのは、さすがに時代遅れではないかと感じます。

Posted by マッドネス at 2020年01月11日 11:39 | 返信

そうなんですよね…

毎年、年末年始はたいへんなんですが
今年も例年に上回り さらにたいへんでした

救急搬送されても入院ができずに帰宅された方…
(主治医は お休み中、何かあれば救急搬送の指示です)
ケアマネさまも年末年始はお休みです
ヘルパーさんもお休みです
どうにもこうにもお手上げです
何にもできない自分に腹が立つ

ヘルパーさんが来ないからお洗濯もしてもらえない…お着替えがない…
バイタル測りながら洗濯機を回して、ケア後に洗濯物を干してから帰る。
食べるご飯がない…
コンビニへ買い行く。

「ヘルパーさんが まだ来ないんだけど…」と電話がくる…また、かかってくる…認知症ですもの…かかってきます

わたしたちが関わっているから まだマシな方なんでしょうか
もしかしたら
世の中には もっとたくさんいるのかもしれないです
「男の孤独死」
長尾先生の本だな…と思っちゃいました

このような方々との関わりと
さらには
年末に末期がんで病院から脱出された方もたいへんです
在宅医の先生が細かく指示してくださるといいですが…
ほんとにダメダメだと痛みで苦しむことになります
助けて〜と私も叫びたいです

地域包括ケアシステム…
なんとかしたいですね

Posted by 宮ちゃん at 2020年01月11日 11:54 | 返信

従前の「託老所」を介護保険に無理やり組み入れてしまったのが「小多機」なので、厚労省に改革は無理です。
定額制なので、より良いサービスを提供すると施設が赤字になるか、職員さんが過労死します。
意味性認知症(SD)の母に小多機は合わず解約しました。

前頭側頭葉変性症(FTLD)は、家族に時間・お金・労力・知識が無い場合、寿命まで生きずに精神病院で合併症で死ぬだけです。
岡山県に前頭側頭型認知症(FTD)(ほぼピック病)専門のグループホームがあります。
アリセプト(ドネペジル)をやめただけでは、暴走臨界点を超えるとユマニチュードが効かなくなります。
純粋な前頭葉型(FTD)は名医ならさほど誤診しませんが、実は側頭葉型(SDやPNFA)の方が遥かに多く、殆どがアルツハイマー型(ATD)と誤診されています。

神奈川県に母のSDを診れる病院・診療所はありません。
唯一診れるとすれば新横浜フォレストクリニックさんですが、コウノメソッドですら改善が難しいので行きませんでした。
レビー小体型(DLB)が6割、FTLDが3割、ATDの患者さんは1割しか居ないという、東京の専門のクリニックに通って治療しています。
抑肝散とメマリーが著効しても暴走を抑制しきれず、ウインタミンの極少量で頭痛と興奮が出て詰みかと思いましたが、抗うつ薬のSSRIのレクサプロ(少量)で静穏になりました。
ガーデンアンゼリカが入っていないフェルガードFが効いてきて更に静穏になり、発語を期待しタキシフォリン(カラマツエキス)とグルタチオン点滴を試します。

コウノメソッドは体系化された確率論としては素晴らしいですが、合わない患者さんも居ます。
最大の弱点は抗うつ薬を殆ど使わない事です。
河野先生は発達障害と認知症の関連に気付き、コンサータ登録医になりました。
もう1つの抗多動薬のストラテラも使うそうですが、ストラテラはSNRIなので抗うつ薬の一種です。
SSRIは読んで字の如く選択的セロトニン再取り込み阻害薬で、レクサプロは最もセロトニンに選択的に作用します。
どんなに脳が萎縮しても、血流が低下しても、セロトニン・ノルアドレナリン・ドーパミンのバランスを取れば、最低限穏やかにはなります。
そこで身体症状治療・サプリメント・自費点滴・環境調整・ケア・リハビリ・生活習慣(食事・排泄・入浴・睡眠・運動)改善・ユマニチュード等を的確にやり更に薬を微調整すれば、まるで治ったように快復します。
愛情・技術・知識がある家族がマンツーマンでやる必要があります。
これを共助や公助でやるのは現状では厳しいです。
ドクター主導では難しいので、家族会や保健所等の専門職から広げていくしかないと思います。

Posted by 男 at 2020年01月12日 12:28 | 返信

〉「この施設には合いません」で、実質、
追い出し工作にかかる

これ小多機でもやってます!!
いとも簡単に!

Posted by ぽて at 2020年01月12日 05:46 | 返信

長尾先生、そこで老健の出番なんです。
民営老健では追い出し工作にかかりますが、自治体が母体の老健は民営よりは追い出し工作は少ないでしょう。特に地域密着などとうたっている老健は追い出し工作できないんです。
特養化している自治体の老健が一番よいでしょう
弱点は、「施設医が認知症に詳しいかどうか」「施設ケアマネが認知症に詳しいかどうか」です

病院からすぐ戻るのには不安がある・便のコントロールが難しくなってきた・褥瘡ができちゃった
家の風呂に入るのが難しくなった
こういうのは全て老健へ行けばいいと思うのです
老健が特養化するのは、利用者が集まらないからで、利用者確保も大変なのです
ケアマネ・リハビリ・介護職員に家へ帰す共通のイメージができていないから特養化するのですけれど、、

Posted by 老健職員 at 2020年01月13日 08:37 | 返信

小多機の市町村管轄私も反対。居住地が境界の方もいらっしゃるし、施設を選択できないんです。どんなに評判が悪くてもそこに行くしかないなんておかしい。色々柔軟に対応出来るようにして欲しいですね。

Posted by 小林 at 2020年01月13日 11:28 | 返信

前頭側頭型認知症のお婆様がかつていらした時、卑猥な言葉を連発したりしたので、私たちはあわてふためき周囲の方々に、「こんなこと本人は言うつもりないのに言ってしまう病気だから気にせずに許してあげてね」などと言いながらどうしたものだろうかと悩んでおりましたが、そのうち周囲の人々は呆れながらも慣れてしまい、笑って許してくれる状況?にもなって、ご本人もふつうに日常生活をおくっておりました。最期はやはりとっても穏やかでした。様々なケースにふりまわされながら、面白がりながら、悩みながら、対応困難な方々に心を鍛えてもらっているのが、介護の現場です。介護は人間の心の鍛え場所ともなりますが、予想外の日々に翻弄されながらも、ぷっと笑ってしまう面白い場面にもたくさん出会えます。介護イコール悲惨、ではないことをお伝えしたいです。人生大変じゃなかったら、生きている意味がないのでは?と私は思っています。死ぬその時まで生きることは、いろんな意味で大変ですものね。

Posted by 遠い声 at 2020年01月13日 01:03 | 返信

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