安定狭心症で心筋に中等度以上の虚血があっても、経皮的冠動脈インターベンション治療(PCI)などを行った血行再建群と薬物治療のみの保存的治療群で長期予後に差はなかった──。
2019年11月の米国心臓協会学術集会(AHA2019)で発表されたISCHEMIA試験の結果が、
PCIに携わる循環器医に今、大きな衝撃をもたらしている。 ・・・・・・
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血管と水道管の老朽化 ー循環器専門医に不都合な真実ー
2020年01月24日(金)
心臓の血管が詰まると心臓カテーテルでステントを挿入する。
年々、症例は増え、専門医はこぞってその症例数を競い合う。
しかし「不都合な真実」がどんどん明らかになってきている。
年々、症例は増え、専門医はこぞってその症例数を競い合う。
しかし「不都合な真実」がどんどん明らかになってきている。
AHA2019報告
◎安定狭心症に対するPCI論争再燃か?
◎安定狭心症に対するPCI論争再燃か?
「虚血あっても血行再建は無効」の結論に衝撃
ISCHEMIA試験の結果に多くの循環器内科医は困惑隠せず
2019/12/19 中西 亜美=日経メディカル
実は、数年前からそんなことが言われてきた。
「朝から晩まで心臓カテーテルをしても
患者の寿命には貢献していないのでは?」
25年前、私も消化器内視鏡医として同じ疑問を持っていた。
「毎日、一生けん命に大腸ポリープを切除しても
大腸がんの死亡率は減らないのではないかな?」
心臓は血管だけではない。
筋肉や電気回路、もある。
人の寿命には当然、限りがある。
老化には、100%勝てない。
医療にも、当然、限界がある。
カテーテルだけで物事は解決しない。
カテーテルしかできない医師は僕に密かにこう愚痴る。
「僕はなんのために医者になったのか?」と落ち込む。
結局、一生懸命にカテーテル治療をやっても
あまり意味がないことが明らかになりつある。
循環器専門医にとっては、まさに不都合な真実。
医学常識とは、20~30年で真反対に変わるもの。
話を変えよう。
心臓カテーテルを水道管に例えてみよう。
先日、和歌山市の予定断水で大騒ぎになったばかりだが、
全国各地で、水道管の破裂などのトラブルが増えている。
果たして故障場所だけの問題か?
水道管の老朽化が本質的な問題だ。
水道管の寿命は40年と、人間の血管の半分の寿命である。
年間2万件の故障があるが、修理すべき水道管は地球4周分に及ぶ。
全部交換しなければならないが、すぐにはできない。
だからとりあえず応急処置しかできないのが現状だ。
そこで問題になるのが、工事の人手不足と工事のお金である。
水道料金を4割くらいは値上げしないと、工事はできないと。
そのために浄水場の集約化とAIでの故障予測が検討されている。
当たり前のように思っている水道管にも当然寿命があるわけで。
水道管は交換がまあ効く。
しかし人間は限界がある。
水道補修の知恵を人間の血管治療にも応用できるのではないか。
一見、無関係に見えるかもしれないが、学ぶべき点が沢山ある。
AIによる予測と、治療対象のトリアージ。
そして市民の理解と、情報の共有化など。
ちなみにガス管も大変なの、知ってる?
今、ガス管の職人が不足している。
一部は修理してもそれで終わらない。
ガス管職人に詳しく聞いてみると
「恐ろしくて言えない」とのこと。
水道管は水が噴出して破損に気が付くが、
ガス管は、ガス漏れの臭いだけが頼りだ。
認知症になるとニンニクの次にガス臭に鈍感になるらしい。
まあいい、水道、ガス、電気にも老朽化の波が襲っている。
人間の血管には寿命がある。
高齢者は老化の側面もある。
伊集院静氏がクモ膜下出血で倒れた。
ファンなのでとてもショックである。
さすがの強者も、血管の劣化に襲われた。
破裂してから分かるのが脳の血管の異常。
自然の摂理に関しては、あがいても仕方ない部分がある。
現代医学の恩恵に預かる人もいるわけでそれは「運」だ。
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この記事へのコメント
心臓カテーテルは「クサイ医療だな」と感じている。
亡父生存中、心臓カテーテル検査を何度か勧められたが「なんでそんなことせんならん!!イヤヤ」と本人が断った。
同年代の友人が心臓カテーテル検査をしたそうだ。特に何かがわかったわけでも変わったわけでもない・・・単に「あなたは心臓に問題があるようだからまた検査しましょう」んんん??? もうその病院には行かないことにした、と言っていた。
心臓血管にしても脳血管にしても、納豆を毎日食べるのが一番手軽で安全な「詰まり予防法」ではないかしら。
Posted by 匿名 at 2020年01月24日 02:18 | 返信
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