新型コロナウイルスに感染したときの臨床像は、2つのパターンに分けられます。まず、風邪症状が1週間ぐらい続いて、そのまま軽快するというもの。この経過をとる人が大半です。新型コロナウイルスといっても、重めに発症するわけではありません。ほんとに風邪です。ただ、普通の風邪は2、3日で治りますが、新型コロナウイルスだと長引くのが特徴です。

 次に、風邪症状が1週間ぐらい続いて、倦怠(けんたい)感と息苦しさが出てくるもの。体がむくんだり、下痢が重なる人もいるようです。高齢者基礎疾患のある方において、この経過をとる人が多いのですが、健康な壮年層にも見られることがあります。一方、この経過を子どもがとることは極めてまれとされています。

 感染してから発症するまでの潜伏期間は5日(1~11日)ぐらいで、入院を要するほどに重症化するのは、さらに10日(9.1~12.5日)たった頃だと見積もられています。感染力が強いのは、発症から3~4日目ぐらいだと考えられていますが、重症化すると感染力も維持されて院内感染を引き起こしやすくなっています。

若者と高齢者で臨床経過が異なるので、重症化率と致命率についても世代別に考えた方がよいと思います。いまだ、世代別の疫学報告はありませんが、私個人のざっくりとした印象で言うと、若者の重症化率と致命率は、統計的に見れば、ほぼゼロでしょう。一方、感染した高齢者の約1割が重症化して、1%程度が死亡するのではないかと感じています。これは、やや甘めの見積もりであって、要介護高齢者や入院患者では、さらにリスクが高まるものと考えてください。

 

今後必要となる院内感染対策

 新型コロナウイルスに感染後、死亡する人を減らすには、高齢者や基礎疾患のある人に感染させないようにして、院内感染を防ぐのが重要です。基礎疾患のある人とは、糖尿病高血圧腎臓病など慢性疾患があって、定期の内服薬を要する人だと考えてください。以下、これらの方々をハイリスク者と呼びます。

 流行期には、ハイリスク者の方々が人混みを避け、なるべく自宅で過ごしていただくことも大切です。感染リスクのある医療機関を受診する回数を減らすためにも、1カ月おきの外来受診を3カ月おきなど、長期処方にすると共に、予約を延長するようにすることも必要でしょう。
 
 また、高齢者施設や病院での感染管理は極めて重要です。例えば、100人の高齢者が入院する施設で新型コロナウイルスがアウトブレイクした場合、30人以上が発症し、10人以上が救急搬送を要して、数人がお亡くなりになるというイメージが必要です。このような事態を避けるためにも、全力で感染管理に取り組みましょう。まず、外から持ち込ませないこと。流行期にあっては、原則として面会はすべて中止。物品の搬入なども玄関先で行います。どうしても施設内に入らなければならないのなら、玄関先でアルコールによる手指衛生を行って、トイレも含め共用の場所には立ち入らないように求めます。

 職員についても、当然ながら玄関先で手指衛生。そして、毎朝の検温と症状確認を自己申告ではなく、管理者による指差し確認を行います。もし、軽微であっても症状があれば、絶対に休ませてください。絶対にです。勤務中であっても症状を認めたら、絶対に休ませてください。もう一度言います。絶対にです。

 なお、流行期においては、出勤できる職員数が半減することも想定しなければなりません。このとき、すべての業務を継続させようとしたり、現場の判断で場当たり的に仕事をさせるのではなく、優先的に継続させるべき中核業務を決定しておくことが必要です。入院患者の協力のもと、どこまで業務をスリム化できるかが勝負です。

通院者やその家族にどのように指導すべき?

 ハイリスク者がいる家庭では、ウイルスを外から持ち込まないように、玄関先にアルコールを置いて帰宅時の手指衛生を徹底するよう指導してください。アルコールが手に入らないなら、おしぼりでもいいです(やらないよりはマシ)。とにかく、ドアノブなどあちこちを触ってから、洗面台に行っても手遅れだということです。

 同居する家族が風邪をひいたら、ハイリスク者と接触しないよう症状が治まるまで家庭内で隔離してください。そして、風邪をひいている人が部屋を出るときは、マスクを着用させて、アルコールで手指衛生をしてください。部屋の外では、できるだけ余計なものは触らないこと。トイレに行った後は、触った場所に対してアルコールを染みこませたペーパータオルで拭うこと。お風呂は最後に入ること。バスタオルは絶対に共用しないこと。
 
こうした対応を発症してから7日間は頑張ってください。それが困難であるなら、一時的にハイリスク者を親族の家などに疎開させることも考えるよう指導してください。

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新型コロナは風邪やインフルと同じ、と言われている。

だいたい正しい。

しかし高齢者に限っては命に関わるので、その分、死亡率が高い。

だから、インフル以上、SARS以下、という意見に賛成だ。

ペストやコレラのようなイメージは間違いだ。
そこまで厳しくないし、若年者はほぼ軽症だ。

だから、北海道の20代女性の重体報道が気になる。
どんな背景があり、どんな経過でそうなったのか。

いずれにせよ、過熱報道は気にしないほうがいい。
感染経路なんて言葉は、もはや意味がないことだ。

自己犠牲の医療従事者を「バイ菌」扱いしないで欲しい。
クルーズ船乗客・乗員は犠牲者であり、加害者ではない。

これから1ケ月間の日本は、「自粛」期間だ。
本当は中国などとの往来も禁止して「鎖国」すべきである。

しかし政府は「決断」ができない。
だから個々人が決断しるしかない。

これは感染性胃腸炎の時に、1日間、絶食するようなもので
時にはそんなこともあるのさ、と前向きに捉えることが大切。

私は講演がいくつかキャンセルになった分、時間ができた。
分刻みで動いている中、ポカンと空く時間はまさにご褒美。

今日は、丸尾多重子さんのお手伝い。
夜は、同級生のお通夜。悲しい・・・


PS)
天皇陛下が還暦を迎えられたことをお祝い申し上げる。
いつも日本国民のことを気にかけて頂く姿は清々しい。

還暦というと庶民は定年を迎える年代であるが、
陛下はこれから頑張らないといけないので大変。

陛下の健康こそが、国民共通の幸せである。