このたびURLを下記に変更しました。
お気に入り等に登録されている方は、新URLへの変更をお願いします。
新URL http://blog.drnagao.com

まだやっているの?PCR議論

2020年03月18日(水)

テレビでまだPCR検査をやるかやらないか、
専門家が議論していたので笑ってしまった・
「まだやってんの?本質見えてないな」と。
2つの応援
クリックお願いします!
   →   人気ブログランキングへ    →   にほんブログ村 病気ブログ 医者・医師へ
 
 

第一にコロナのPCR検査は、検陰性が多く、陽性に意味がある。

第二に、簡単に言うけどとってもとっても大変な検査だ。
やる人は自分が感染するかもしれないし、簡単な検査ではない。

第三に、(これが一番重要だが)
どんな法律のもとで、検査をするか、である。

現在の感染症法2類の元でやると
陽性=強制隔離=就業できない=廃業の危機、となる。


第三の理由が抜けていることが最大の問題。

私は早くから、インフルの5類と同様にするように書いている。
言論誌にも3冊書いたが、残念ながら声が届かない。


感染者は犯罪者じゃない!

感染者や施設や医療機関のプライバシーを守れ!

軽症なら自宅待機でいい!

かかりつけ医がオンライン診療すれば、医者も捕まらないで済む。


これは5類に落とすだけで可能。

ただそれだけなんだどなあ・・・

みなさん、どう思います?



********************************************************************************************
新型コロナ、検査で陽性だと軽症でも入院・隔離されてしまう法律の矛盾、至急改正を
 
わだ内科クリニック
和田眞紀夫
 
2020年3月17日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp
---------------------------------------------------------------------
1.軽症者の扱いに関する矛盾
 
新型コロナウイルスに感染した可能性があっても、風邪症状が軽い人は自宅療養で経過を追うようにという指示が出されています。
 
ところが一方で、新型コロナウイルスの検査で陽性に出てしまったひとは、たとえ症状が軽くても入院・隔離されてしまいます。
 
どうしてこのような矛盾した対応がとられているかというと、その原因は「感染症法」という法律の規則にあります。この法律で規定している二類感染症に対しては、全症例を把握して、対象者を隔離しなければいけないと決められているのです。そして、新型コロナウイルスもまさにこの「二類」に相当する感染症に指定されたからなのです(指定感染症)。
 
今、国や地方自治体が行っている防疫・医療上の対応、すなわちクラスターと呼ばれる感染集団を徹底的に調べ上げて、濃厚接触者といわれる人たちすべてに検査を行って、陽性ならば入院・隔離するのは、もちろんこの新興感染症を拡大させないためなのですが、一方で感染症法という法律を守るためでもあるのです。検査をするときに防護服を着たり、検体の運搬を厳重にしなければいけないのも同様です。
 
この法律の対象者はあくまで「コロナウイルス罹患者と確定したひと」つまり検査で陽性だったひとだけですから、同じ軽症者であっても片や検査を受けていない人は自宅療養、片や検査で陽性だった人は入院・隔離という真逆な対応がとられるという矛盾がおきているのです。
 
2.感染が広がった蔓延期では対応を変えるべき
 
新興感染症の防御にはいくつかのフェーズが想定されていて、流入期ではネズミ一匹逃さないような徹底した監視体制がとられ、したがって法律的には「二類」相当の管理が適当です。でも、感染源が特定できないような感染者があちらこちらで出現してくるような状況はすでに次のフェーズの蔓延期です。このフェーズに入ったとたんに180度方向転換した対策に切り替えられなければなりません。ここが重要なポイントです。すまわち、軽症者の隔離はやめて、重症者の管理に集中し、軽症者は一般の診療所を受診して治療を受けます。そうなれば当然、防護服を着てはいられませんし、検査も同様です(診察のときは防護服を着ていないのに検査のときだけ防護服を着るのは矛盾しています)。
 
しかしこのような対応に切り替えるためには、法律上「二類」相当のままではおかしなことになってしまいます。季節性のインフルエンザなどが含まれる「五類」に鞍替えさせなければいけないのです。そうなると、検査で陽性の軽症者を入院させておく義務はなくなり、自宅療養に切り替えられます。しかし、今の日本の現状は蔓延期に入っているのに初期の流入期の対応を続けている状態なので矛盾が生じています。もちろん蔓延期に入ってもクラスターの追跡は感染拡大の防ぐための有効な手段であるのは変わりないですが、少なくとも冒頭の矛盾は解消されて不必要な隔離をしなくてもよくなり、患者さん自身が解放されるばかりでなく病院側の負担も大きく減少します。さらには、検査体制の整備も格段に進むものと思われます。早急に「二類」から「五類」へ変更することが望まれます。
 
3.検査を拡大させると重症者が増えるのか、それとも逆に減るのか
 
今一番大切なことは重症患者さんを減らすことです。しかし、治療法がないという現状では、感染したひとの一定の割合が重症に移行することは避けようがありません。となると重症者を減らす唯一の手段は感染者を減らすことで、そのためには少しでも感染の拡大を抑えることが重要なのです。すでに感染しているひとがほかの人にうつすことで感染が広がっていくわけですから、感染してしまった人が自宅療養など行動を自制することが最も大切なわけです。無症状だったり症状が軽いとどうしても動き回ってしまうけれども、検査で陽性と診断されれば誰しも行動を自制します。このことがとても重要なのですが、残念ながら「検査を多くすると重症者が増える」という仮説が支持されていて、検査をしない方向へ世論が大きく動いています。
 
「検査を多くすると感染者が増えて、重症者の増大で医療崩壊する」というシナリオです。重症者が増大して病院のキャパシティーを超えれば病院は機能しなくなります。でもよく考えるとそれは検査とは全く関係がないことがわかります。検査をすることで感染者が増えるのではなくて、すでに感染しているひとが明らかになるだけだからです。つまり感染者が増えていくのは検査を多くしたからではないのです。ここが誰もが錯覚してしまうところです。むしろ検査を多くして陽性者がほかの人にうつすことを抑えることで感染者が少しでも減ってくれれば、重症者も減るのです(海外の多くの国ではそれを目指しています。)。
 
もう一つ考えなければいけないことは、検査をして陽性とわかった軽症者の扱いです。今の法律に乗っ取って病院に入院・隔離にすると、どんどん軽症の入院患者さんが増えていってそのために病院が満杯になり、重症患者さんの入院が滞ったり、入院中の患者さんのケアも十分できなくなりなどの影響がでるのです。これを避けるためには法律を改正するか、法律の解釈を変えて、自宅療養での隔離に切り替えれる必要があります。
 
4.検査を多くすると国民が安心する理由
 
私が考える「検査を多くすると国民が安心する」理由は、「個々人が陰性だということがわかる」からではないのです。今、我々の周りにどれぐらい感染者がいるのか、それがわからないから不安なのです。今は既に感染したひとの周辺だけ調べて(クラスター追跡)感染者数が増えたとか減ったとか意外と少ないとか評価していますが、クラスター追跡とは別にどのぐらい社会に広がっているのかを調べなければ本当の実態がわからないでしょう。だからそれを調べて、例えば意外と少ないというのがわかったら安心できるし、厳しい行動制限措置(大きな集会の禁止など)も緩めることもできるのです。逆に意外と感染者多かった場合であっても、実態がわからないよりわかったほうが安心できませんか。どういうところに注意したらいいかももっと明らかになるからです。
 
5.さらに検査体制を充実させなければいけない理由
 
検査をする必要のある人達がいっぱいいるということをお話しておきたいと思います。それはリスクが高いとされる高齢者や合併症のある人と接する機会の多い職業の人達です。感染しても診断されないでいると、ウイルスをばらまいてしまいます。これだけは極力避けなければなりません。具体的に挙げればきりがないですが、医療従事者(医療従事者の感染例は海外でも数多く報告されています)。福祉や介護に従事されている方、役所や警察、消防の方々など。感染拡大防止の観点からは、保育士や学校の先生も含まれるでしょう。
 
このように検査が必要なひとの「希望者全員」が検査を受けられる体制作りが必要なのです。これらを実行するだけでも今の検査体制では到底できません。将来、キャパシティーが十分になれば、それ以外の希望者にも検査が拡大できるでしょう。いろいろな問題が解決されれば「検査をしてはいけない」理由はあまりないのです(検査を受けたくないという人は当然「受けない」という選択をすればよいわけです)。
 
6.検査をあまりしないほうがいいと考えるほかの理由
 
検査をあまりしないほうがいいと考えるほかの理由についても一つ一つ考えてみましょう。
 
1)若い人の多くは軽症で済む場合が多い。
2)治療法がないのだから検査で陽性と分かっても何のメリットもない。
3)検査の感度が悪いから、偽陰性(罹っているの陰性にでる)だと安心して動いてしまって逆効果だし、擬陽性(罹っていないのに陽性となる)なら罹ってもいないのに隔離や行動自粛をもとめられてしまう。
4)病院というところには罹患者がいる可能性がある危険な場所で、検査のために病院に行って逆にうつされてしまうリスクがある。
5)検査のために病院に多くの人が訪れて、病院が疲弊する。
6)日本の現状はまずまず大きな感染の拡大を抑えられていて、比較的コントロールされているのだから何も変える必要はなく、現状維持でよい。
7)検査のキャパシティーがない。
 
どれもなるほどと納得するような説得力のある理由と思われますが、少しずつ議論の余地があるように思われます。
1)2)多くの人にとっては本人のメリットはあまりないのですが、検査をする意義は人にうつさないため、つまり自分ではなくほかの人のために検査をするということです。そのために無駄な労力やお金を使いたくないというのは理解できますが、自分のおじいちゃんやおばあちゃんの安全のためと思えたら、検査をしてもいいのではないでしょうか。
3)検査の感度が低いとしても今はこの方法しか診断する方法がないのですから、この検査の特性を理解したうえで検査結果を解釈するしかありません(重症者の確定診断もこの検査で行っているのだから状況はお同じです)。検査を受けないという選択の自由は当然ありますが、検査を受けたいというほかの人の権利まで奪わなくてもいいのではないですか。
4)5)この問題があるから、海外においては屋外(屋内より安全)の検査専用の施設とか、ドライブスルー検査という方法が工夫されているのだと思います(韓国、アメリカ、オーストラリア、ドイツなど)。
6)この問いかけが最も説得力があるように感じます。まさにその通りかもしれません。ただし、ある程度、日本全体にどのくらい感染者がいるかを検査で明らかにしなければ、本当にうまくコントロールされているかはわかりません。「重症者や亡くなられた方の数が少ない」という事実がそのことを裏付けているのは確かですが、行政の行っている感染動向調査数はあまりにも少ないと言わざるを得ません。
 
7)もうこれを言われたらすべての議論が吹き飛んでしまいます。であるならば、至急キャパシティーを増やす努力をしてほしいということです。大事なことであるならば、公費で機械を購入して民間にも無償で供給してもいいし、法律も整備して検査方法を工夫していけばいくらでもキャパシティーを増やすことは可能です。諸外国でできていることができないわけはありません。
 
7.まとめ
 
最後にもう一度、重要なポイントをまとめます。
 
「検査を(多く)すると亡くなる人が増える」は間違い。」
(影響力の大きい橋下徹氏もそうおっしゃって検査を増やさないように主張されています)
https://news.livedoor.com/article/detail/17967636/
検査陽性でも軽症なら隔離されないように法律を改正しないと、検査は増やしたくでも増やせない。(今の法律のままで検査を広げたら、病院の隔離枠はすぐに満杯になる)
https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=14225
https://blogos.com/article/442888/
最低限、検査をする必要があるひとがいて、その人たち全員が検査できることが重要。
(群馬県の医師が感染したまま1週間診療していました)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200314-00000595-san-hlth
 
 
何とか感染の拡大を最小限に抑えてこのやっかいな新興感染症を乗り切りましょう。
 
 
------------------------------------------------------------------------
ご覧になる環境により、文字化けを起こすことがあります。その際はHPより原稿をご覧いただけますのでご確認ください。
MRIC by 医療ガバナンス学会 http://medg.jp
---------------------------------------------------------------------------







************************************************************************
新型コロナウイルス陽性者の過少計上とクラスター対策について
 
匿名 技術者S
 
2020年3月20日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp
---------------------------------------------------------------------
1. 感染症対策において重要な陽性者数が過少に計上されている懸念があります。
 
根拠は2点です。
 
・陽性者数が上位の他国と比べ、陽性者数増加の傾きが小さい
陽性者数が上位の国の陽性者数は、傾きは変わりますが、いずれも指数関数的に急激に増えています。その傾きは、多くの国では3日以内で2倍に増えるハイペースです。
しかし日本では緩やかに増加しており、他の多くの国と傾向が異なります。
強力な感染症の拡大初期には、通常は陽性者数は指数関数的に急増するため、他国と比べて低い増加傾向は、防疫の強さまたは検査の不備を示唆します。
https://ourworldindata.org/coronavirus
 
日本については、感染症対策で最も重要な検査と隔離の徹底が、他国に比べて実施できていないため、防疫の強さがあるとはいえません。手洗いなどで今年はインフルエンザの予防ができているという話もありますが、その効果は限定的であると考えられます。
https://jp.quora.com/shingata-korona-shokku-de-kono-fuyu-no-infuruenza-kansen-ga-gekigen-shi-te-masu-ga-fuyu-no-teiban-noro-uirusu-kansen-ha-henka-ga-aru-node-shou-ka/answers/202403852?ch=10
 
一方で、日本の検査枠の少なさはかねてより指摘されています。日本同様に検査できていなかった米国は、3月以降は検査数を増強しています。
https://www.vox.com/science-and-health/2020/3/12/21175034/coronavirus-covid-19-testing-usa
 
仮に日本でも他国同様に陽性者が指数関数的かつ急激に増加していたとしても、毎日の検査数が少ないままで変わらなければ、一日の陽性者も少ない枠内での陽性者の数しか増えないため、見かけの陽性者増加が抑えられます。つまり、検査に至るまでの基準を他国と比べて高く設定し、少数の疑似症例のみを検査することにより、多数の陽性者が排除され、実際の陽性者の増加の傾向が過少に見えている懸念があります。実際に、最近報道されている陽性者の多くは、複数の医療機関を受診した後でようやく検査を受けて陽性が発覚しています。
 
・検査数が少なく、横ばい
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
 
・国内における新型コロナウイルスに係るPCR検査の実施状況
検査数もほぼ増加していません。
 
・帰国者・接触者相談センターの相談件数等(都道府県別)
3/14迄だと相談184,982件に対して7,961件、4.3%しか医療機関を紹介されていません。
 
https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/
3/4以前の検査数(新規)を参考にすると、疑似症サーベイランスの都道府県単位の検査数は一日数件から数十件に留まると思われます。
3/4は検査数が増加していますが、濃厚接触者に対する検査数を含めたためで、疑似症サーベイランスの検査数が増えたわけではありません。
3/4以降も陽性者数に大きな変化が見られないことから、疑似症サーベイランスの検査数はほぼ拡充されていない懸念があります。一方でクラスター対策のため積極的疫学調査に注力する方針は維持されています。 
 
なお、感染者が指数関数的に増加する場合でも、初期には感染率は大きくは増加しないため、陽性率の変化は微増にとどまります。また、検査の枠が少ない場合、サンプルの選択方針による影響を受けやすいです。つまり検査数が十分でない状態が続くかぎり、信頼できる陽性者数を得ることは困難です。
全ての人にPCR検査を実施するべきとは言っていません。帰国者・接触者相談センターや保健所が、他国に準じない基準で、ごく一部の検査だけを許可し、医師が検査したい疑似症であってもほとんど検査が許可されない状態が問題です。都道府県によっては相談者の1%未満しか検査していない所もあるようです。この体制では、指数関数的かつ急激に増加することが懸念される感染症の陽性者数の動向把握が困難です。
したがって、人員や検査の流通量が限られる帰国者・接触者相談センターや保健所がボトルネックとならないよう、病院から検査機関にPCR検査を依頼できるようにすることが必要と考えられます。
ただし、厚労省の退院基準では軽症者で病院が埋まります。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_09346.html
今後は軽症者は病院で隔離するのではなく、病院判断で自宅療養できるような仕組みが必要と思われます。
 
他国の基準としては中国武漢におけるトリアージのチャートが参考になるかもしれません。
https://www.thelancet.com/pdfs/journals/lanres/PIIS2213-2600(20)30071-0.pdf  Therapeutic and triage strategies for 2019 novel coronavirus disease in fever clinics
東京GIGOさんによる日本語訳: https://twitter.com/ekb90377/status/1234519643043221507
 
 
2. 陽性者数の増加が抑制されているため、以下の懸念があります。
 
・感染症の感染力(1人の患者が何人に移すかを示す基本再生産数R0や、
 どれだけ短期に陽性者が2倍になるかを示す倍加時間)の脅威が過小に見積もられます。
 
・疑似例の確定ができず、適切な感染防止措置が取れないことにより、院内感染の危険性が高くなります。
 
・重症者でもめったに医療機関が紹介されないことにより、症状の悪化や、複数の医療機関をはしごすることによる院内感染の危険が増加します。出勤も続けられる場合もあるでしょう。また重症化したあとに通常の診察や救急搬送のルートで、病院に運ばれることになります。日本では、検査も診察もしないという形で、医療崩壊が始まっています。
 
・見かけ上は、陽性数の増加が抑えられているように見えるため、医療や国民の準備が遅れます。このため、患者数が急増する時期を予測したり、それを遅らせることが困難となります。あるときから急に病院に重症者が複数来て、しかも日々その増え方が増すように見えます。それが、指数関数的増加の性質だからです。
 
 
3. 新型コロナウイルスの感染力は、従来想定されているより強い可能性があります。
 
・WHOの当初発表では、基本再生産数1.4-2.5、倍加時間7.4日とされており、インフルエンザ相当であるとの発言もありました。しかし通常のインフルエンザでは複数国で病院があふれたり、多数の緊急事態宣言が出されることはありません。インフルエンザと同じ対処だけで対応可能であるとするのは時期尚早です。
 
・個別の国の陽性数増加をグラフにすると、多くの国では4日以内で倍増するペースで増加しています。7.4日で倍増するという当初の想定に比べて、急激な増加です。余程のことが無い限り、この勢いを減じることは難しいことを前提とするべきです。現に、国内でも複数地域で医療が切迫しつつあります。
 
・院内感染を防げる形の検査と隔離の体制を、他国に倣った形で迅速に構築することが重要と思われます。なぜなら、検査してもしなくても軽症者や重症者は指数関数的に増え続けることが他国の先例より予期されるため、検査と隔離の徹底は、院内感染や市中感染拡大や医療崩壊を防ぐために不可欠であると考えられるためです。
 
 
4. クラスター調査ではなく疑似症サーベイランスに注力する方が医療崩壊抑止に役立ちます。
 
・専門家会議で、症状の軽い人がクラスターにより多数の感染者を増やしている可能性が示唆されました。
 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/newpage_00011.html
しかし現在の検査基準では、感染者との接触がなければ、ほぼ検査が許可されません。このため経路不明の感染者の多くは、今の検査基準ではそもそも検査対象外となり、見逃されることとなります。したがって、市中に広がった軽症者による感染拡大を考慮すると、実際の基本再生産数が現在の想定より大きくなる懸念があります。また、軽症や無症状の患者が8割いると思われることを考慮すると、追跡による全体像把握は今後も困難で、総数も急速に倍増していくものと考えられます。
つまり、軽症者による不顕性感染やクラスター発生の多くは今の審査基準では検査対象外となるため追いきれておらず、今後も改善されない可能性が高いのです。また、この性質により、正確な基本再生産数の算出が困難であることも想定されます。現在複数出ている論文でも、推定される基本再生産数のばらつきが大きい原因の一つであるように思われます。
したがって、防疫の観点では、特に新型コロナウイルスについては、基本再生産数より、陽性者数の推移を見て、倍加時間や傾きを指標とすることが妥当であるものと考えられます。
粗い推定ですが、陽性者増加の傾きを、退院数増加の傾きにまで伸ばすことが、患者が溢れる事態の回避の目安になるかもしれません。
 
・一方で、陽性者の8割は他者に移さないことが示唆されました。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/newpage_00011.html
これはたいへん有用な知見ですが、濃厚接触者を追跡調査しても多くは陰性となり、追跡調査で陽性者を見つけることが困難であることを示唆します。3/4の検査の増加数を見ると、疑似症サーベイランスではなく濃厚接触者の積極的疫学調査に多くの検査枠が割かれ、また濃厚接触者の積極的疫学調査の陽性率は高くないことが推察されます。
https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/
 
また、クラスター対策のために多くの枠が使われるけれども陽性率は低い濃厚接触者の積極的疫学調査と、それ以外の少量の疑似症サーベイランスの検査数は、本来は別々に数値を出すべきです。しかし厚労省はこれらを合わせた数を検査数として発表しているため、本来は疑似症サーベイランス単独で算出するべき陽性率が、実際より低く算出されている懸念もあります。
現状で、相談者の数%といったわずかな人数しか医療機関に紹介もされず、別のルートで病院の診察を受けたとしても、医師の必要と認める疑似症すら十分に検査できない状況では、市中感染の拡大や院内感染の予防を徹底することができないのは明らかです。もはや、陽性率の低いクラスター調査に注力して良い時期ではなくなったと考えられます。
したがって、クラスター調査のために使われる濃厚接触者の積極的疫学調査用のPCR検査枠を、医師が必要と判断する疑似症を検査するために使う方が、院内感染の予防や市中感染の拡大阻止や実態把握のために有用と考えられます。
 
以上、医学的に不正確な記述も多々あるとおもいます。誤りや失礼がありましたらご容赦ください。この事態の解決に関わる皆様のご尽力に、感謝いたします。
 
帰国者・接触者相談センターの相談件数等(都道府県別)
http://expres.umin.jp/mric/mric_2020_056.pdf
 
------------------------------------------------------------------------
ご覧になる環境により、文字化けを起こすことがあります。その際はHPより原稿をご覧いただけますのでご確認ください。
MRIC by 医療ガバナンス学会 http://medg.jp
---------------------------------------------------------------------------

2つのランキングに参加しています。両方クリックお願い致します。皆様の応援が日々ブログを書く原動力になっています。

お一人、一日一票有効です。

人気ブログランキングへ ← 応援クリックお願い致します!

(ブログランキング)

にほんブログ村 病気ブログ 医者・医師へ ← こちらもぜひ応援クリックお願い致します!

(日本ブログ村)

※本ブログは転載・引用を固くお断りいたします。

この記事へのコメント

ここの読者にもPCR信者がいますが、PCR検査の是非が分かりやすいですね
偽陰性や偽陽性については仲田洋美先生が詳しく書いてくれています。
ページの中盤に、PCR検査についてがかかれています。
ttps://minerva-clinic.or.jp/blog/king-of-fake-not-studied-enough/

また、WHOのテドロフ事務局長の、「Test,Test,Test」が新たな波紋を呼んでいますね
テドロフ事務局長の言葉の前提に、新型コロナウイルスに感染が疑われる症例に対して、「Test,Test,Test」と言っているのに対し、デマノイこと山井衆議院議員は「テドロス事務局長の検査しなさい、検査しなさい、検査しなさい、というこの方針にね、今の日本の現状は反しているんじゃないかと思うんですけれど、加藤大臣いかがですか?」と質問したようです。これをワイドショーが検査されていないと騒ぐもんだから、国民が不安に陥るわけです。

結局、検査をしていない→政府の隠ぺいだーという妄想に駆り立てられて、政権批判や政府が悪いことをしているという印象をつけたいだけの勢力が必死になっているというだけでしたね

Posted by 匿名 at 2020年03月19日 05:37 | 返信

これほどの正論が、どうして政府には伝わらないのでしょうか?
梅村議員が質問時に、どうして政府を糺さないのでしょうか?
5類にすることによるデメリットが大きすぎるのでしょうか?
医療崩壊にしないために5類にすれば解決?するかもしれないのに。
重症者と軽症者、あるいは無症状の陽性者も同じ扱いになることが
おかしいと思われるのに改善されないのはなぜでしょうか?
私は85歳です。もし高熱が出れば、妻に感染させたくないので、
自死を選ぼうとさえ考えています。 今の制度では、病院にも行きたく
ないからです。 慢性喘息、肺塞栓症、がん、まだまだありますが、
肺炎になるとアウトです。 ですから選ぶ道はただ一つしか思い浮かびません。
尊厳死の中に、私の考え方も入れていただきたい心境です。そう言いながら、
がんばって生きています。 やれるところまでは、自分の力で生きようと・・
しっかり生きて、しっかり死にたい・・というのは、変でしょうか?

Posted by 中原武志 at 2020年03月19日 10:57 | 返信

肺炎になったら、自死とはちょっと極端ですし、日本の医療への信頼が無いように伺えます
肺炎になる原因は様々ありますし、新型コロナ(武漢肺炎)に罹って完治した人は数多くいます
日本のメディアが日々あたらな感染者を探し、完治した人の報道がないため、不安に陥るのはわかります

日本のメディアは無知な国民に対し、不安を煽り、飯を食っています
人の不幸で飯がうまい奴らですから、メディアの言うことなど信じない方がよろしいかと思います。

匿名から中原武志への返信 at 2020年03月20日 12:26 | 返信

中原さん、発熱位で自死なんてやめてくださいね。高熱が出るということは、体が細菌とかウイルスとかと一生懸命に闘って頑張っている証拠です。体のシステムはどんな時にも生きようと働きます。高熱は悪者なんかではありません、戦う戦士。発熱時には頭やわきの下などをアイスノンで冷やして、ポカリスエットなどを飲んで脱水を防ぎ、さらに高齢者の風邪症状には漢方薬、麻黄附子細辛湯と桂枝湯がいいです。私のおすすめは、その二つを一包ずつ混ぜて二回に分けて食間や食前にお湯に溶かして飲むやり方です。しかし、漢方薬にも、副作用がでることありますから、ちゃんとかかりつけ医とご相談の上でのご使用をお願いします。またご高齢のご夫婦のどちらかが、そうなった場合にはお二人でこの漢方薬飲まれておけば安心かと思います。それも家庭医と相談の上でよろしくお願いします。しっかり生きて、しっかり死ぬのは、とてもいいことですよね。でもそれは、自分で死ななくても、そうなるようにできていると思うので、思い煩わないで今を楽しく生きてほしいです。

Posted by 遠い声 at 2020年03月20日 01:37 | 返信

長尾先生のご意見に同感です。先ほどは、中原さんのコメントに目を奪われてしまい、同感のコメントを書き忘れてしまいました!

Posted by 遠い声 at 2020年03月20日 05:22 | 返信

コメントする

                                               

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:

このたびURLを下記に変更しました。
お気に入り等に登録されている方は、新URLへの変更をお願いします。
新URL http://blog.drnagao.com


過去の日記一覧

安楽死特区

糖尿病と膵臓がん

病気の9割は歩くだけで治るPART2

男の孤独死

痛い在宅医

歩き方で人生が変わる

薬のやめどき

痛くない死に方

医者通いせずに90歳まで元気で生きる人の7つの習慣

認知症は歩くだけで良くなる

がんは人生を二度生きられる

親の老いを受け入れる

認知症の薬をやめると認知症がよくなる人がいるって本当ですか?

病気の9割は歩くだけで治る!

その医者のかかり方は損です

長尾先生、近藤誠理論のどこが間違っているのですか

家族よ、ボケと闘うな!

ばあちゃん、介護施設を間違えたらもっとボケるで!

抗がん剤 10の「やめどき」

「平穏死」10の条件

胃ろうという選択、しない選択

  • 長尾クリニック
  • Dr.和と一緒に仕事をしませんか?
  • 長尾クリニックメールマガジン まだまだ知らないDr.和情報がてんこもり!
  • にほんブログ村 病気ブログ 医療・医者へ

  • 尼崎市の訪問看護ステーション

  • ケアマネセンターながお

  • 公益財団法人日本尊厳死協会