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首都封鎖でもパニックになるなかれ

2020年03月24日(火)

五輪延期案に続き首都封鎖案が飛び出した。
たった1日でこれだけの動きがあることは、
「アウトブレイク」が近いのではないか。
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アウトブレイクはどのように起きるのか →こちら

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いずれも。PCRと並んで今年の流行語大賞候補だ。


怖い英語が並ぶ中、「首都封鎖」と。
まるで映画のシーンのように感じた。


クラスターではなく孤発例が増えているのは
極めて危険な兆候である、と私も思う。

クラスター→ オーバーシュート、となると
もはやお手上げ状態なのでなんとか避けたい。

でも、避けられないのでは、と予想する。

しかし、死ななければいい、と思ってる。


死者を少なくするためには、あらゆる知恵を絞る。

3つの「密」を意識するしかない。
だから首都封鎖も想定しておこう。


北海道は封鎖されて飛行機は減便中。
大阪ー兵庫間の移動も制限されたし。


死者数を比較してみよう。
そして冷静に考えてみよう。




世界での死者数    肺炎  1500万人
(年間)         飢餓   900万人
           結核   150万人 
           インフル 30万人
           コロナ  8000人


日本での死者数    がん   40万人
(年間)       肺炎   12万人
           自殺   2万人
           インフル  1万人
           交通事故 3000人
           コロナ   41人



 

日本国内の2019年の総死者数は、137万6000人。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/suikei19/dl/2019suikei.pdf
 
インフルエンザの死者数は3000人程度で総死者数の約0.2%。
https://president.jp/articles/-/33053?page=2
 
日本のコロナによる死者数は41人でインフルエンザの1%程度。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html#kokunaihassei
 
 
イタリアが2000人超、外出禁止令のフランスで130人程度。
人口はどちらも6000万人程度なので、日本の約半分。
2国を合計して日本と同等の人口と考えたとして、日本のインフル死者数とほぼ同じ。

イタリアが突出しているのは医療機関に短期間に負荷がかかったため。
https://toyokeizai.net/articles/-/337033
 
 
日本の交通事故の死者数が、3200人でインフルと同等程度。
https://www.npa.go.jp/news/release/2020/20200106001jiko.html
 
 

「パニックにならない」ためには、まずは”心づもり”をすること。

心づもり(=ACP)とは、死ぬ話だけではない。
コロナに感染することも、大きな心づもり、だ。

欧米は、明らかにパニック、だ。
私たちは、冷静に粛々といよう。


オーバーシュートは少し先の第二波の時かもしれない。
入国制限を簡単に緩めないほうがいい、と強く願うが。

日本は島国なので「鎖国」に慣れている。
一方、欧州はパニックから急変を起こす。

パニックは結構、短期間に起きる。
スペインからも、学んでおきたい。



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スペインでの新型コロナウイルス騒動体験
 
帝京大学医学部医学科3年生
川崎千春
 
2020年3月23日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp
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2月19日から3月15日までスペイン・マドリードに語学留学し、マドリードのピソ(シェアアパート)を借りて、スペイン人と生活した。その過程で、新型コロナウイルス感染症の拡大による街の変化を経験した。
 
私が到着した頃は、危機感はなく、アジア人差別も受けず、ルームメイトや友人と、ハグとドスベソス(両頬にキス)で挨拶を交わしていた。2月20日から3月1日までは、マドリードからトレド、セゴビアなどスペイン各地を訪れた。世界各地から観光客が訪れていましたし、日本人もよく見かけ、プラド美術館も混雑していた。ただし、2月25日にテネリフェでイタリア人医師の感染が確認されてから、街中でCOVID-19の話題をよく耳にするようになった。
 
3月1週目から語学学校が始まった。毎クラスのはじめにCOVID-19の話はするものの、生徒の出身各国の話ばかりで、はまだ緊張感はなかった。3月5日、中心街にあるバルでスタンドアップコメディを見た後、インテルカンビオ(言語交流会)に参加した。そのときマドリードに来たばかりというイタリア人もいたのを覚えている。
 
3月8日、スペイン南部を訪れた。英国領ジブラルタルがあるためか、イギリスからの観光客をよく目にした。英国領ジブラルタルには、日本、中国、韓国、香港等に過去2週間以内に滞在歴がある人は入国できず、私も入ることができなかった。アフリカ大陸にあるスペイン領セウタからのフェリーの中で、前に座っていた男性が電話で「なぜスペイン政府が何の措置もとっていないのか」「病院で働いているならリスクが高いだろうから気を付けて」と電話で話しているのを聞いた。病院で働く家族か友人と話していたのかも知れない。タリファという町ではお祭りが開かれていて、通りもバルも人で溢れていた。
 
3月9日、マドリードの学校は、保育園から大学まですべて11日から休校する、と発表された。この週、語学学校はまだ対応が定まらず、私は金曜日まで通常どおり通い続けた。在宅勤務が推奨され、ルームメイト達は、それぞれ10日、11日から在宅勤務になった。この日行ったスーパーでは、パスタや缶詰の棚は空で、卵すら買うことができなかった。みんなが石鹸、マスク、サニタイザー、トイレットペーパーを買い求めていた。ただし夜になればみんなバルやレストランに集い、いつもと変わらない生活を送っているようだった。休校が決まったこの日から #quedateencasa(家にいて) #yomequedoencasa (わたしは家にいます)といったハッシュタグをニュースでも町の広告でもバス停でも見かけるようになった。
 
3月10日、中国人の友人と中華系スーパーに行った。レジ係はマスクに手袋を着用、レジ前には消毒用アルコールがおいてあり、かごから台に移す前に、客が手を消毒していた。新型コロナウイルス感染症の流行が始まったのが中国だったため、中国人のほうが対応も早く情報にも敏感だったと思われた。その友人は、休校が始まる前からスペインの状況を把握していて、私の帰国を心配して毎日情報を送ってくれていた。
 
3月11日、この日からマドリードでは休校措置がはじまった。可能な限り在宅勤務するよう推奨も始まった。天気のいい日で、レティーロ公園ではグループで集まって日光浴やパーティーをしている若者をたくさん見かけ、通りのテラスは満席で年齢を問わず多くのマドリード市民がお茶したり、ワインを飲んだり太陽を楽しんでいた。
 
3月12日、感染拡大を防ぐため、プラド美術館をはじめとするマドリード内のすべての美術館が閉館となった。11日は多くの市民が外出していたため、なぜこうした措置をとっているのか理解し、責任ある行動を取ってほしいとスペイン政府やマドリード政府が呼びかけていた。ニュースでは医療従事者が「医療崩壊を引き起こさないため家にいてください。」「#quedateencasa(家にいて) 」と呼びかける映像が頻繁に流れていました。インスタグラムでも「#yomequedoencasa(わたしは家にいます) 」というハッシュタグつきの投稿が一気に増えたように感じた。
 
3月13日、まだバルやレストランは営業していたが、犬の散歩をする人以外の人影はほとんどなく、とても静かな金曜日だった。
 
3月14日、非常事態が宣言された。この日からすべてのバルとレストランが閉まり、生活必需品を扱う店以外のすべての店が休業となった。パンを売っているカフェでは、レジ前以外に人が入らないよう、椅子が積み上げられていた。翌日からの原則外出禁止も発表された。夜10時、スペイン全土で人々が一斉にバルコニーやテラスに出て医療従事者たちへ感謝と激励の拍手を送っていた。鳴り止まぬ拍手と口笛やクラクション、流れる国歌に 「ビバ・エスパーニャ」と叫ぶ声が聞こえ、映画の中にいるようだった。この出来事から自宅待機の14日間に向けて一体感が出てきたような気がした。
 
3月15日、空港までタクシーで移動した。スペインでタクシー運転手が手袋をしているのをはじめて見た。通りも道路も閑散としていたが、到着してみると、空港には思いのほかたくさん人がいた。飛行機は、イタリア行きを除いては欠航になっていなかった。他人と1メートル以上距離を取るように放送がながれ、職員はほぼ全員フィルター式の粉塵マスクをしており、物々しい雰囲気だった。
 
3月16日、成田空港に到着した。中国、韓国、イタリア、イランからの帰国者は申告するよう呼び掛けがなされていたが、スペインからの帰国者・入国者には呼びかけはなく、まっすぐ帰宅できた。
 
滞在の最後の一週間で刻一刻と街の様相が変化していくのを目の当たりにした。ハグとキスで挨拶すること、家でゆっくりするより外出を楽しむ文化、イタリアとの文化的・地理的近さから多くのイタリア人がスペインを訪れること、ピソ(シェアアパート)での共同生活が一般的であること、週末にはほとんど必ず地元に帰って家族で集まることなど、がスペインで加速度的に感染が拡大した理由かもしれない。
2020年3月17日現在、スペイン全土ですでに1万人近くのCOVID-19感染が確認されており、300名以上が死亡している。スペインで出会い、親切にしてくれた人々が安全であることを願っている。
 
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ご覧になる環境により、文字化けを起こすことがあります。その際はHPより原稿をご覧いただけますのでご確認ください。
MRIC by 医療ガバナンス学会 http://medg.jp
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この記事へのコメント

兵糧米を蓄えねば。

地震、台風時と違いライフラインが崩れていないのが救い。

Posted by ロボちゃん at 2020年03月24日 07:52 | 返信

中国は早期に上海や広州などの大都市をロックダウンしました。その結果、武漢以外の都市でアウトブレイクは起こらずに済んだようです。タイミングが遅れるとイタリア北部のようにアウトブレイクして医療崩壊・社会崩壊しますね。何度も言われているように2週間先を見据えて動かなければいけない。
最近の東京の増加は、欧州からの旅行者などの逆輸入の影響でしょう。
しばらくは鎖国。航空便をすべて止めるようにするしかないですね。
東京にアウトブレイクの兆しが吸少しでも見られれば、首都圏全体~全国への拡散防止、被害を最小限にするためには、一刻も早い、ロックダウン処置が必要だと思います。
これまで、入国制限などの政府や厚労省の対応は非常に鈍かったがために、感染拡大を許容してしまいましたが、東京都の対応がそうでない事を祈るばかりです。
欧州諸国のように短期間のオーバーシュート、アウトブレイクだけは極力避けたいものです。

Posted by マッドネス at 2020年03月24日 09:34 | 返信

とりあえず知り合いの高齢女性にマスクを数枚ずつ渡しました。
とても感謝して下さいました。
一枚も持っていない人や、2~3枚を洗っては干して使っている人もいました。
そういう私は、洗いもしないで、同じマスク使ってますけど。
サーズの流行が終わった時に、町の薬局の女性薬剤師に「今の内に購入しておいた方が良いわよ」と言われて、買っておいたのですけど、残り10枚はあるから一年持つかなあ?。

Posted by にゃんにゃん at 2020年03月25日 09:08 | 返信

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