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個人の利益と社会の利益の両立

2020年04月06日(月)

世の中には、実にいろんな人々がいる。
たとえば自粛を守る人、守らない人だ。
そうした多様性が人間の本質なのだが。
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個人の利益しか考えていない人はこう言う。

・私だけは感染を免れたい
・自分の家族だけは守りたい
・もし私にうつしたら、どうしてくれるんだ
・咳エチケットが無い人は、けしからん!



社会の利益を考える人はこう言う。

・私は社会のために外出を控えている
・医療者に、私のマスクをお譲りします
・肺炎になっても人工呼吸器は若い人に譲ります。



遅すぎる感がある緊急事態宣言を直前にして
いろんな人がいろんなことを言い出している。

コロナ騒動への価値観は、超超多様である。
非常時にこそ、その人の本性が前面に出る。


自分の利益しか考えない人は分かりやすい。
他人はどうでもいいくせに他人を気にする。

社会の利益という人も、実はそうではない場合、もある。
社会のためを口実にしながら自分のため、だったりする。


個人の利益と社会の利益の両立、
というタイトルもかなり怪しい。

「命と経済」という命題も疑ってかかったほうがいい。
磯野さんは、「命と命の問題」だと説いておられる。


「問われているのは『命と経済』ではなく、『命と命』の問題」
医療人類学者が疑問を投げかける新型コロナ対策  →こちら



個人か、集団か。

自由か、制限か。

命か、経済か。



今起きている現実を素直に受け入れながら
専門家の意見を聞き、自分の頭で考えたい。



PS)

長年診ている100歳を超えた在宅患者さんを
今夜訪問したら、 泣かれていて、大変驚いた。


一部上場している大手介護会社のヘルパーさんたちが、
在宅希望の本人を、無理やり入院させようとしていた。


ヘルパーたちは「独居老人を家で診ることは虐待だ」と決めつけ。
患者さんに「強制入院だー!」と騒いでいたので、ビックリした。


1)本人の意思を無視しての強制入院は、医療法違反、医師法違反、憲法違反。
2)ましてやこの時期に「入院、入院」と騒ぐ神経って、どんな人たちなの?


患者さんは、長尾先生からヘルパーにそうしないように頼んで欲しい、と泣く。
明日、必ず社長さんに伝えるからね、と約束して立ち去ったが、なんなのか?

その株式会社は普段からクレームが多く、介護職の教育が全く無いようだ。
一人暮らしの方の希望を叶えるために自分たちがいる、ことを忘れている。

そうそう。

胸の腫瘍のため咳が絶えない患者さんは、この時節、外に出れない。
コロナ患者さんと間違われ、白い目で見られるのが怖い、と訴える。

「私はコロナではない」というTシャツを着ていた。
日本語のほうがいいかもと意見したが、大変な時期。


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この記事へのコメント

psの内容に、ショックうけました この手ことはざらにあってはこまるのですが、ありそう。
本気で在宅死を望んでいる一人なのでこういう時はどうしたらいいのか?長尾先生、これらの内容の本、待ってます。
119番と平穏死を本屋に注文しました。

Posted by 匿名 at 2020年04月08日 08:54 | 返信

いつもありがとうございます。
先日マスクを送らせて頂いた大分県のNです。

「個人の利益と社会の利益の両立」と云う言葉が心に引っ掛かり、
初めてコメントさせて頂きます。

私がマスクを送るまでの心の動きを掘り下げてみました。

・某大手キャリアの方が、米国に大量の医療用マスクを寄付との情報が。
 (もちろん善い事なのですが、日本には??との違和感が・・)

・しかし、その事により「私も防災用に購入したマスクを持っていた事」に気づく。

・備えた物を送ってしまう事、地元以外に送る事(冒頭の件と同じ事をするのか・・)
について二日ほど迷う。

・そして、結果的には 「送らなかった事を後悔したくない」 と云う気持ちに気づく。

いつかの自分達よりも、いま実際に困っている方に用立てて欲しい。
しかし、確かに活用して下さる信頼のおける方に送りたい・・等々。

掘り下げてみますと、もしかすると今回の行動は「個人の利益(欲)」に基づくもの
なのかも知れません。

しかし、個人の利益(欲)が、結果的には社会の利益につながっていた事
にも気づきました。

意図せずとも双方が同期する。

それが、本来あるべき健全な世の中なのかも知れません

Posted by かえる at 2020年04月11日 01:41 | 返信

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