このたびURLを下記に変更しました。
お気に入り等に登録されている方は、新URLへの変更をお願いします。
新URL http://blog.drnagao.com

岡江さんの経過を振り返る

2020年04月29日(水)

今週日曜日も朝一からコロナの相談で始まった。
みんな岡江さんの死で不安と恐怖に脅えている。
岡江さんの経過を、冷静に振り返ってみたい。
2つの応援
クリックお願いします!
   →   人気ブログランキングへ    →   にほんブログ村 病気ブログ 医者・医師へ
 
 

新型コロナウイルスによる肺炎のため23日に急死した女優の岡江久美子さん(享年63)が、今月6日に容体が急変する前に「コロナかもしれない」と周囲に語っていたことが25日、分かった。

 岡江さんは3日に発熱。その後、都内の自宅で様子を見ていたが発熱とせきが続いていた。関係者によると、「4日時点で(夫で俳優の)大和田獏さんもコロナを疑っていた」という。5日に岡江さんと連絡をとった知人は「岡江さんは“コロナかもしれない。人にうつしてはいけないので外に出ないようにする”と言ってました」と振り返った。

 呼吸困難に陥り、緊急搬送されたのは6日朝。関係者によると、すでに意識が混濁し、入院後すぐに人工呼吸器を装着するほど重症化した。知人は「大和田さんは“ありとあらゆる治療をしてくださった”と感謝されてました。それでも回復は難しかった」と指摘。容体が急変する新型コロナの危険性が改めて浮き彫りとなった。

 岡江さんは自宅待機中だった5日に知人と会話した際に「よくなってきた。部屋でじっとしてるね」とかすれた声で話していたという。別の知人は「岡江さんは乳がんになった時も“元気印だから、このまま公表しないでいる”と話していた。我慢強い性格だし、それで症状が悪化したとしたら悲しすぎます」と肩を落とした。

 スポニチ本紙の取材で、岡江さんが発熱した3日に、かかりつけ医の診察を受けていたことも分かった。がん、糖尿病、心臓病、高血圧など、基礎疾患がある人は37・5度以上の発熱が2日続いてから受診を相談するのが現行の指針。感染症が専門の中原英臣氏(山野美容芸術短大客員教授)は「発症した時点で検査できるマニュアルづくりが速やかに必要だ」と話した。

 検査を受けていない状態で急変を事前に察知することの難しさも指摘する。埼玉県で陽性判定後、自宅待機中に2人が死亡した事例を挙げ「もはや自宅待機で、コロナの急変に個人的に対処するのは不可能」と強調。「とにかくまずは検査。陽性者が滞在するホテルの態勢も整ってきているが、医師が24時間常駐しないと劇症化を救う手立てはない」と早急なシステムの見直しを訴える。岡江さんの死が、改めて医療体制の課題を投げかける形となった。



◇岡江久美子さん新型コロナウイルス感染経過◇  →こちら

・19年末 初期の乳がんの手術を受ける

・20年1~2月 放射線治療を受ける

・4月3日 発熱。診察を受けた医師から4~5日様子を見るよう言われ、自宅待機

・5日夕 自身でコロナ感染を疑う

・6日朝 容体が急変し、都内の大学病院に緊急入院。集中治療室(ICU)で人工呼吸器を装着 PCR検査で陽性

・23日午前5時20分 新型コロナウイルスによる肺炎で死去

・24日午後5時20分 遺骨が自宅に戻る 


-----------------

私の疑問は2つ。

1)4月3日の発熱に対して「4~5日様子を見る」という指示が理解できない。
  誰がどう考えても、「1日か2日か様子を見る」だろう。
  4月3日は金曜日だったので、月曜日まで、という意味だったのか。

2)翌日に自分で「コロナかも」と思った時に電話で相談できる
 「かかりつけ医」が岡江さんたる人になぜ、いなかったのか?

4月4日夕に、すべての鍵がある。
この日は土曜で、すべてが閉まる。

土曜日夜から月曜日朝までは、魔の時間帯だ。


私の携帯電話は鳴りっぱなしになる。
特に土曜と日曜の夜は皆不安になる。

たとえば先週25日(土)の22時に転倒の連絡が入った。
電話で家族と問診しただけで、肩関節の脱臼と分かった。

私は整復できないので、4軒の病院に電話したがすべてダメ。
大病院の整形外科医と直接話したが「忙しい」と断わられた。

諦めて119番して救急隊に探してもらい、無事整復できた。
午前1時にご家族から「無事帰宅しました」と連絡を頂いた。

今日は、張れと固定帯をどうするかで往診して議論した。
家を出るときに、ご家族にえらく感謝され、嬉しかった。

こんな風に、あっちこっちから電話が鳴り、その時々の
最善の方法を探すのが私の「かかりつけ医」としての仕事。

人呼んで「夜回り先生」ないし「週末男」。
もちろん昼間も働いているのだが。

まあ、私の身の上話などどうでもいい。

岡江さんの経過を振り返って、思うことは、
「そうか、魔の土曜日の夜だったのか」だ。

翌日曜日の朝に救急搬送され、そのまま亡くなるまで
口を開くことが無かった。

要は、すべては「魔の土曜日の夜」にあった。

まさに間が悪かった。
運が悪い、に尽きる。

土曜の午前中ならまだなんとかなる場合が多い。
大学病院でも土曜日午前はやっている所もある。

岡江さんのご冥福をお祈り申し上げる。


長尾和宏コロナチャンネル #010 岡江久美子さん  
https://youtu.be/KnGqSVcDJtg
















2つのランキングに参加しています。両方クリックお願い致します。皆様の応援が日々ブログを書く原動力になっています。

お一人、一日一票有効です。

人気ブログランキングへ ← 応援クリックお願い致します!

(ブログランキング)

にほんブログ村 病気ブログ 医者・医師へ ← こちらもぜひ応援クリックお願い致します!

(日本ブログ村)

※本ブログは転載・引用を固くお断りいたします。

この記事へのコメント

先生のパワーにはびっくりします。ユーチュブもブログも毎回更新されて、見た感じは元気いっぱい?❗。いい話なのでみんなにも聞いて欲しいです。半年前に買ったテレビはユーチューブも見れるので大きな画面で観てます。少しコロナが減ってきているので希望がでてきました。

Posted by Iruka at 2020年04月29日 10:57 | 返信

コメントする

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:

このたびURLを下記に変更しました。
お気に入り等に登録されている方は、新URLへの変更をお願いします。
新URL http://blog.drnagao.com


過去の日記一覧

ひとりも、死なせへん

安楽死特区

糖尿病と膵臓がん

病気の9割は歩くだけで治るPART2

男の孤独死

痛い在宅医

歩き方で人生が変わる

薬のやめどき

痛くない死に方

医者通いせずに90歳まで元気で生きる人の7つの習慣

認知症は歩くだけで良くなる

がんは人生を二度生きられる

親の老いを受け入れる

認知症の薬をやめると認知症がよくなる人がいるって本当ですか?

病気の9割は歩くだけで治る!

その医者のかかり方は損です

長尾先生、近藤誠理論のどこが間違っているのですか

家族よ、ボケと闘うな!

ばあちゃん、介護施設を間違えたらもっとボケるで!

抗がん剤 10の「やめどき」

「平穏死」10の条件

胃ろうという選択、しない選択

  • にほんブログ村 病気ブログ 医療・医者へ