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集団免疫作戦に勝機はあるか

2020年05月02日(土)

わざと放置して集団免疫を獲得することで収束
を図ろうという国があることは知っておきたい。
その一つのスエーデンでは、分が悪そうである。
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「集団免疫」作戦のスウェーデンに異変、死亡率がアメリカや中国の2倍超に →こちら


<より多くの人をウイルスにさらすことで集団免疫を獲得する、というスウェーデンだけの「人体実験」には国内から反対も出始めている>
 

ロックダウンに頼らない独特の新型コロナウイルス対策で知られるスウェーデンで、感染者が増え続けている。しかも米ジョンズ・ホプキンズ大学の集計によれば、死亡率は4月30日時点で12%超。これは、感染者が1000人を超える国の中で6番目に高い割合で、現在の感染拡大の中心地で死者数も最多のアメリカ(約5.8%)、ウイルスの発生源とされる武漢市がある中国(約5.5%)と比べても2倍以上の高さだ。

新型コロナウイルスの感染拡大を抑える対策としては、北欧諸国も含むヨーロッパの多くの国が全国的な封鎖措置を取り、厳しい移動規制を敷いている。こうしたなか、スウェーデンは全国的な移動規制や外出制限をしないという独自路線を貫いており、ストックホルムの通りの人でもカフェの客入りも一見、普段通りだ。その「緩い」対策は、世界的にも論議を呼んできた。

ドナルド・トランプ米大統領は4月30日朝、公式アカウントにツイートを投稿。この中で「封鎖措置を取らなかったスウェーデンは、その決定の手痛い代償を払っている」と指摘。「同国では30日の時点で、死者数が2462人にのぼっている。近隣のノルウェー(207人)、フィンランド(206人)やデンマーク(443人)よりもずっと多い。アメリカは正しい決断を下したのだ!」と主張した。

<「集団免疫」戦略の効果は>

スウェーデンはこれまでに2万1000人近くが新型コロナウイルスに感染したと報告しており、このうち2500人近くが死亡している。感染者の死亡率はノルウェー(約2.6%)の6倍近く、同じ北欧のフィンランド(約4.2%)やデンマーク(約4.9%)と比べても3倍近くにのぼる。かつて中国以外で最も高かったイランの感染者死亡率(約6.3%)も、スウェーデンの半分ぐらいだ。感染者数を見ても、スウェーデンの感染者数はデンマークの2倍以上、ノルウェーの3倍近くで、フィンランドの4倍以上に達している。

感染者の回復状況も思わしくなさそうだ。スウェーデンは4月に何度か感染者の回復を報告しており、最も多かった25日には一気に455人が回復したと発表しているが、それ以外の報告はない。その一方で、感染拡大が始まった3月上旬から、新たな新規の感染者の数は増え続けており、同国の公衆衛生当局によれば4月29日には新たに681人の感染が確認された。

新型コロナウイルスの感染拡大に対するスウェーデン独自の対策は、ウイルスにさらされる人の数を増やすことで「集団免疫」を形成し、感染拡大の第2波を防ぐという作戦の一環だとされている。

スウェーデン公衆衛生局の疫学者であるアンダース・テグネルは4月下旬にBBCラジオの番組に出演し、「我が国の死者のうち少なくとも半数は、高齢者施設の中で集団感染した人々だ。封鎖をすれば感染拡大を阻止できる、という考え方は理解しがたい」と主張。スウェーデンの方法は「ある意味で功を奏している。私たちの医療システムが崩壊に追い込まれていないことがその証拠だ」と述べた。
 

対策強化を求める声も

テグネルは4月21日、米CNBCの番組にも出演。スウェーデンの首都ストックホルムの住民のうち、最大20%が新型コロナウイルスに感染したことがあると述べ、「ストックホルムの人口の15~20%が既に免疫を獲得していると確信している」と主張。「これは完全な集団免疫ではないが、ウイルスの再増殖を抑制し、感染の(第2波が訪れる)スピードを抑える効果はあるだろう」と述べた。

ルンド大学(スウェーデン)のピーター・ニルソン教授(内科医学・感染学)は4月下旬、本誌に次のように語った。「個人的には、必要であれば(そして地元の政府や議会でそれを可能にする法律が可決されれば)感染者の特に多い地域を封鎖するのもひとつの選択肢だと考えている。だが我々は、まだその段階には達していないと思う。医療部門には大きなストレスがかかっているが、手一杯の状態ではない。まだ余力があり、ストックホルムにある臨時病院もまだ使っていない」

ニルソンはさらに「ストックホルムの状況はまだ改善には向かっていないが、安定が続いている」とも指摘。またスウェーデン当局は、市民にはソーシャル・ディスタンシング(社会的距離の確保)を推奨しており、感染の症状が出たら自宅にとどまるよう勧告していると述べた。

<学者たちは「今すぐ首都封鎖を」>

スウェーデンではソーシャル・ディスタンシングが守られなかった場合(たとえば店の中に一定数を超える客を入れたなど)、当局がレストランに閉鎖を命じる可能性があり、50人以上の集会は禁止されているとニルソンは説明し、さらにこう続けた。「経済を守り、可能な限り店舗閉鎖や従業員の解雇を回避することも重要だ。そうしなければ、ウイルスのパンデミック(世界的な大流行)がもたらす二次的なダメージによって多くの人が死ぬことになるか、医療に必要なリソースが減ってしまう可能性がある」

異例の対策には、国内の一部専門家から批判の声も上がっている。カロリンスカ研究所のセシリア・セーデルベリ・ナウクレル教授(微生物病因)もそのひとりだ。

彼女をはじめとする2300人近い学者たちは3月末、政府宛の公開書簡に署名。医療システムを守るために、もっと厳しい対策を導入するよう求めた。「感染があまりに速いペースで拡大していることが心配だ」と、彼女は今週ラジオ番組の中で語り、感染者の多い地域(イタリアのアルプスやイラン)から帰国した市民が最初にウイルスを国内に持ち込んだ時の、政府の対応が遅すぎたと批判した。

彼女はさらに4月に入ってから、ロイター通信にこう語っている。「今すぐストックホルムを封鎖する以外に選択肢はない。国が完全な混乱状態に陥ることがないように、状況をコントロールすることが必要だ。外出制限をしないという方法は、これまで誰も試していない。それなのになぜ、国民の同意なしに、スウェーデンが初めてその方法を試さなければならないのか」

スウェーデンでは、高校や大学は閉鎖されてオンライン授業になっているが、16歳未満の子どもたちは今も学校に通っている。レストランやバー、カフェやナイトクラブも着席スタイルのサービスは許されており、買い物は普段どおりにできる。

新型コロナウイルスは4月30日時点で世界の少なくとも186カ国・地域に広まっており、感染者は320万人を超えている。感染後に回復した人は99万2500人を上回り、死者数は22万8700人以上にのぼっている。

(翻訳:森美歩)

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集団免疫作戦は、現時点では分が悪い。

高齢者などが犠牲になってしまうからだ。

だから、「高齢者は施設に完全隔離」したうえで
元気な若者に動き回ってもらい感染を広める案、もある。

現在、10%の人がかかっていると推定すると、
最終的に70%にまで感染が拡大する過程で必ず「臨界点」がある。

すなわち、
「感染蔓延対策」から「集団免疫獲得」への目標の転換点、である。

今は、第一波を抑えることができ、いいだろう。
しかし「その次」のことをもう考えておくべきだ。

現在のような「8割減」をいつまで続けるのかである。
ある時点から「若者は8割増」という時が来るのか、来ないのか。

今、感染は「悪」である。

しかし、いつか、感染が「善」とまではいわないが、
「良し」とされる時が必ず来るのでそれまでの辛抱。


PS)
早く、楽になりたい。

もうかかった、免疫も完璧。
そうなればひと安心なのに。

あと1年後くらいかな、

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この記事へのコメント

スウェーデンは消費税と共働き所得税の高額納税のおかげで医療・福祉が賄われています。
経済・社会活動最優先で税金を払ってもらう。自粛しないので補償は不要。国民のメンタルも維持できる
というメリットは大いにあります。人口1000万人だからできるのでしょうか?
患者が多少増えても医療体制は日本よりもおそらくはるかに充実してるのだと思います。
怖い話をすると、高齢者福祉の削減が目的ではないのか?という穿った見方もできます。
多くの高齢者が長生きすればするほど、長期にわたって医療・福祉の経済的負担は増えるからです。
いずれにしても高齢者と病弱者は犠牲になってもやむなしというサバイバルゲームなのか?
コロナに弱い高齢者をまず保護しないといけない建前があると思いますが、緊急事態宣言が出た後でも
未だに混雑した商店街を闊歩したり、タバコ吸いながらパチンコ通いに勤しむ高齢者も少なくない。
高齢者こそ不要不急の外出を制限すべきで外出許可証システムにすべきではないでしょうか?
高齢者・病弱者以外の健康な人々をいつまでも長期に自粛させるのは無理があると思いますし、何よりも社会・経済の行方が心配になります。

Posted by マッドネス at 2020年05月02日 11:21 | 返信

スウェーデンの取り組みと結果は注目すべきです。この方法で16歳以下の子供がほとんど亡くならないのであれば、高齢者が外出自粛と感染予防につとめるだけで学校の再開も通常通りの社会活動もできます。ろくに予防もしない高齢者を1人でも死なせないために若年者層の自殺者が増えるのであれば全く意味がありません。社会全体の幸福度と高齢者の死亡者数、どちらが大事なんでしょうか。

もちろん新型コロナをインフルエンザ並の対応にすることは必須でしょうけど、これだけ全体像が見えてきたのになぜやらないのか不思議です。バランス感覚ってものは二の次なんでしょうか。

Posted by 広島の赤牛 at 2020年05月02日 06:55 | 返信

2.27突然の「休校要請」に、気仙沼の小6生が抗議の声をあげていた。
「大人が勝手に決めるな!」「子どもの声を聞け!」。そのとおりだ。
5月に入っても、専門家会議や政府の「説明」が小学生諸君を説得できているか。
「ここ1、2週間が瀬戸際」「ここ1カ月が我慢」と追い立てるが、小学生に分かる具体的な「根拠」と「説明」に乏しい。
視野が狭く、「哲学」「戦略」がないのだ。

クロースコンタクトを「濃厚接触」と誤訳した「専門家」が、今「行動変容」とか「新しい生活様式」なるものを押しつけようとしている。
「言葉を正しく使わないことは、それ自体として誤りであるだけでなくて、何らかの害悪を我々の魂に及ぼす」(プラトン)そうだ。

ハンガリーでは非常事態法が成立し、国会は閉鎖された。
イスラエルでも国会閉会が提案されたが、ハラリの呼びかけで阻止された。
日本でも「非常時だ」「戦争だ」「憲法改正だ」という言葉が飛び交う。
法的根拠も疫学的根拠もなく、トップダウンがまかりとおり、「自粛要請」という同調圧力が高まり、自粛パトロールや感染者排撃までなされている。

北米発の「スペイン風邪」は、日本でも終息まで第一波、第二波、第三波があり、三年を要した。
長尾先生が目指される「集団免疫」は、日本で「基本再生産指数」1未満が年内達成されても、来年・再来年、第二波・第三波まで覚悟しなければならない。
「国難」を主張される方がいるが、この地球上で感染拡大を続ける地域がある限り、日本一国第一波だけで終息することはありえない。
「地球儀を俯瞰する外交」を豪語してきた日本は、マスクや人工呼吸器すら海外から調達せざるをえず、今困っている感染爆発地域への医療援助は国境なき医師団まかせだ。
中国、香港、台湾、韓国からのアドバイスや支援を受け入れるべきではないか。

Posted by 鍵山いさお at 2020年05月02日 07:23 | 返信

ミネソタ大学の有名な感染症研究所によると、Covid-19は感染しても無症状のことが多いので、ロックダウンによって感染を防ごうとしても封じ込めの確認が困難で、従来型のインフルエザのようにはいかないだろうとしています。集団感染を達成するには2年ほど必要だとも指摘しています。

そうであるとするならば、弱者がある程度死ぬことは受け入れるスウェーデン方式に理があります。

日本ではマスゴミが報道しませんが、今のニューヨークでは、遺体を隠した大型冷凍トラックを、街角に勝手に駐車して運転手が姿をくらましたり、遺体を入れた袋を広場に山積みに放置し、腐敗臭が町中に漂っているという問題まで発生しています。

正常心を持ってコロナ騒ぎの実態を観察したら、「米国に学ぼう」という結論にはならないのではないでしょうか。

英文記事
https://thehill.com/policy/healthcare/495623-infectious-disease-research-warns-coronavirus-pandemic-could-last-two-years
原文報告書(8ページ)
https://www.cidrap.umn.edu/sites/default/files/public/downloads/cidrap-covid19-viewpoint-part1.pdf

Posted by 憂国人 at 2020年05月02日 09:38 | 返信

集団免疫獲得まで国民は腹を括る必要がある。自粛解除をして経済活動を徐々に再開すると再び感染拡大が起きるから、死亡者が多くなっても諦めるしかないと腹を括るのだ。死亡者は自分かもしれないし、自分の家族かもしれない。
強い者(免疫獲得者)は生き残る。そうでない高齢者などは死亡する可能性が高い。私は高齢者だから死ぬかもしれないが、「何かあったら死ぬだけよ」思っているから構わない。
集団免疫獲得まで生き延びたい高齢者は自主隔離を続けるか、高齢者施設などで隔離してもらうことだ。

Posted by 古希まえ男性 at 2020年05月03日 10:13 | 返信

「高齢者は死ね!・死ねばいい!」と願うコメンターのみなさん。
相模原事件のテロリストの思想と、根っこで通じているのですね。
マスクなし靴下なし素足草履で毎日外出している高齢者としては見過ごせません。
ただ、コメント欄では圧倒的に多勢に無勢なので、尻尾を巻くほかありません。

「敵を見つけて叩く」風潮が日本社会に蔓延しつつあります。
看護師の園児を卒園式に参加させない。運転手の児童を入学式に参加させない。感染者の家に投石する。バス停で病院職員を乗させない。他県ナンバーの車を傷つける。「たばこ・パチンコ依存高齢者」をおちょくる・・・。

古くは、西の、感染症と「魔女」狩り、東の、関東大震災と「鮮人」殺し。
「不安」が「怖れ」、「怖れ」が「標的」探しへ。街やムラに「自警」パトロール。

「陽性者数」が分かっても、公表「陽性率」は統計不正!
都道府県別「基本再生産指数」「実効再生産指数」を隠す専門家会議。
隠ぺい大国は、社会の内部に「敵」を生み出し、「排除」に向かう!

Posted by 鍵山いさお at 2020年05月03日 11:13 | 返信

「大規模な感染では集団免疫は生じない」…ワクチンができるまでは検査と隔離

数万人が犠牲になっても、抗体を持つのは5%以下
スペインとフランスの研究では、住民の5%しかCOVID-19抗体を得ていないことが示された。この2つの国では約3万人の
犠牲者が出ている。

スペインの研究結果は「大規模な集団感染や高い死亡率が、効果のある集団免疫を生じさせるわけではない」ことを示していると、
ハーバード大学の疫学者であるウィリアム・ハナージ(William Hanage)博士はツイッターで述べた

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200522-00000001-binsider-int

町医者ではなく疫学者の意見です

Posted by たぬき at 2020年05月24日 01:59 | 返信

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