このたびURLを下記に変更しました。
お気に入り等に登録されている方は、新URLへの変更をお願いします。
新URL http://blog.drnagao.com

ウイルスも身体の不可避な一部

2020年05月07日(木)

人の身体に沢山のウイルスが住み着いている。
ヘルペス、水疱瘡、B型肝炎、HPVなどなど。
新型コロナも、持続感染をする可能性がある。

2つの応援
クリックお願いします!
   →   人気ブログランキングへ    →   にほんブログ村 病気ブログ 医者・医師へ
 
 

自分は清潔なので、細菌もウイルスもいないと思っている人がいる。

とんでもない。

人間は細菌とウイルスでできている。

そもそも、私達の身体にどれくらいの数の細菌やウイルスが居るのか?

・細菌は、数百兆個で(細胞60兆の10倍以上)
・ウイルスは、細菌の数十倍もいるのだ。


ウイルスは、粘膜や腸に居るだけではない。
遺伝子の中にもチャッカリ潜り込んでいる。

人間の遺伝子の半分はウイルスに由来する。(トランスポゾンの断片)
タンパク質を作る機能がある遺伝子はわずか1.5%、にすぎない。

ゲノム的には人間はウイルスでできている、と言っても過言ではない。
まさに身体の不可避な一部になっている。

悪い事ばかりではなくいいことをするウイルスもいくつかある。
人間の胎盤はウイルスが造っていて、生命の本質を担っている。


ウイルスの歴史は30憶年。
一方、人類の歴史は20万年。

歴史から言うととてつもない大先輩。
一旦収束しても勝つことはできない。


一方、ウイルスは細胞から外に飛び出したもの、という人もいる。
家出した遺伝子の断片が古巣に帰って、そこを占領してしまう奴。


ずっと居座るウイルスで病気を起こすものとして
ヘルペス、水疱瘡、B型肝炎、HPVなどが有名だ。

唾液中のヘルペスウイルスは疲労すると数倍から何十倍に増える。
免疫能との綱引きの中で、こっそりと出番を待っているようだ。

さて、
新型コロナは潜伏期が長く、8割が無症状か軽症、である。
一旦治っても14%はウイルスが再燃すると言われている。

そうしながら、感染する人をずっと探している。
三密で空気に乗って他の人に乗り移る機会を待っている。

結構、手ごわい。
全くの新手である。


【新型コロナ】陰性後に再陽性相次ぐ 退院5日後に呼吸困難も
(ABCテレビ) - Yahoo!ニュース →こちら


治癒後も腸管に住み着いているので1ケ月は便に出る。
そういえば、「下痢」が続く人が多い印象。

私は、ついついB型肝炎をイメージしてしまう。

・大きな急性肝炎で治ってしまう人(免疫獲得)
・小さな肝炎の後、持続感染する人(免疫できず)

あるいは、水疱瘡を思い出す。
ずっと潜んでいて免疫能が低下したら帯状疱疹として顔を出す。

EBウイルスもそうだ。
持続感染する人がいる。


きっと、新型コロナの動向も個人個人の免疫システムによって
相当な多様性、バリエーションがあるような気がしてならない。


すでに1割の人が抗体を持っていると仮定して、
・その人の身体にコロナは全くいないのか?
・持続感染している人はいないのか?
が気になる。

抗体検査で「免疫パスポート」が検討されているが
そんな単純なもので新型コロナの正体はつかめない。


このブログに書いたように「コロナ手帳」のようなものに
経時的に抗体価の推移を追わないといけない人が出てくる。


実は、驚くなかれ、ウイルス粒子同志は「会話」をしている。
わずか6個のアミノ酸からなる「決定分子」が見つかっている。

今、緊急事態宣言の延長を受けて、数が減ったウイルス同志が
「これからどうしようか?」と相談をしあっている最中である。


新型コロナは巧妙に現代社会の盲点を突く

新型コロナとは「共生」するしかない

ウイルスは生命の進化に不可避な一部



・森林伐採と自然破壊と温暖化
・人口増加と都市化
・高齢化
が、今回の新興ウイルスを生み出した。

ならば、世界は変わるしかない。

新型コロナとはどう付き合うべきか。
そろそろ相手の正体が分かってきた。

もししかしたら恩恵を与えてくれるのかもしれない。
私達の進化のために、貢献しているのかもしれない。




PS)
コロナチャンネル

#018  そもそも「免疫」ってなに?
https://youtu.be/6KgJWxraEt0




はしか

はしか(麻疹)ウイルスによる亜急性硬化性全脳炎は、その一例です。

 この疾患は、感染後に麻疹ウイルスが脳に5~10年間潜伏しながら変異することで、発症します。症状としては記憶力の低下や歩行障害が挙げられます。現在は麻疹ワクチンの普及により、発症数は年間5~10例ですが、治療法は確立されておらず、予後が悪い疾患です。

 身近な疾患では、単純ヘルペスウイルス感染症が挙げられるでしょうか。これは、口や性器の周囲に水疱ができる疾患ですが、症状が治まった後も、ウイルスは神経節に潜伏します。風邪や疲れ、ストレスによって体の抵抗力が低下した時などに潜在していたウイルスが再活性化し、症状が再燃します。

 新型コロナウイルス感染症は、後遺症や遅発性ウイルス感染についての議論はなされていますが、解明には至っていません。ワクチン開発も難渋していますし、全ての人が感染をなるべく避けるべきです。


遅発性ウイルス感染

ウイルス感染後、数年の潜伏期間を経て発症する感染様式。亜急性硬化性全脳炎を起こす変異型麻疹ウイルスや、進行性多巣性白質脳症を起こすJCウイルスが、この感染様式をとる。







2つのランキングに参加しています。両方クリックお願い致します。皆様の応援が日々ブログを書く原動力になっています。

お一人、一日一票有効です。

人気ブログランキングへ ← 応援クリックお願い致します!

(ブログランキング)

にほんブログ村 病気ブログ 医者・医師へ ← こちらもぜひ応援クリックお願い致します!

(日本ブログ村)

※本ブログは転載・引用を固くお断りいたします。

この記事へのコメント

近年の異常気象に加えて、今回の新型コロナも
人間が好き勝手するから、自然がしっぺ返ししたのだと思った。
親の遠距離介護にローカル線で通えば、年を追うごとにソーラーパネルが
沿線の田畑や空き地に徐々に増えて、さらには緑豊かな山々も無残に削られ、
無粋にも黒い薄い板が光っている。それでも出来る電気はクリーンエネルギー。
一昨年、県内のとある産業団地の開発場所を通りかかった。広大に開かれた赤茶けた地面に、
伐採され積み上げられた大量の木々の山が幾つも。見たこともない無残な光景に絶句した。
今では当たり前に買い物に訪れるあの街も、車で遠出するあの道路も、
こうして出来てきたんだなと思う。

世界で「持続可能な社会」と謳い始めたところでのコロナ禍
新型ウイルスの発生源云々はともかく、全世界に拡散のリレーをもたらしたのは人間
ウイルスを知り共生の軌道にのるまでに、人間同士が足を引っ張り合って共倒れしないだろうか

こんな状況下で泰然自若としていられる程、精神鍛えられた人間でないけれど、
迷いながら弱音吐きながらでも、とにかく動こう。じっとしてたら心身弱ってウイルスに乗っ取られる。
食事は黙って食べるのがマナーなら、ついでにしっかり良く噛んでちゃんと飲み込んで、
嚥下と消化に気をつけよう。喉が弱ると誤嚥のもとだし、ストレスで胃腸が弱ると、
いくら栄養バランス考えても身にならないし、腸の免疫力が下がるし。

忙しい方たち、ちゃんとご飯を食べることが出来てるかな
おじいちゃんおばあちゃんたち、しっかり口を動かせているかな

親の終末期に、最期まで生きようとする生命力の強さを目の当たりにしました。
いざという時の人間の底力を信じて、今日も出来ることを出来るだけ。
長文でおじゃましました。
長尾先生、明日もお話をお待ちしております!

Posted by taco at 2020年05月07日 11:39 | 返信

先生、窓越しの「日向ぼっこ」は、やはり免疫力アップには弱いでしょうか?
しないよりは、ましでしょうか?

現代、UVカットの窓硝子が多く仕様されているかと。
利用中だったサ高住の2階は安全性の問題から頭ひとつ出るぐらいしか窓が開きません。
起立状態で、「手のひらを太陽に」はどうにか出来ていたかと…。

おやつや日用品を差し入れ時、ソーシャルディスタンスで職員さんへ預け、直ぐに部屋まで届けて頂けた時は、駐車場から家族利用中の部屋を見上げ、まるでロミオとジュリエット状態でした。(笑)
少しでも、家族の元気そうな顔を見てホットする反面、なんとも言えない罪悪感に襲われてしまいました。

日当たりの良い広い駐車場にベンチはなく、本当にかごの中の鳥。
この時期、ほんの少しの工夫も家族のわがままでしかないようです。思いが伝わらなかったのは本当に残念でした。
訳あってのサ高住利用。
一旦回避。
不安はいっぱい。
でも、進むしかない。少し力を抜いて。

余談が多くなりましたので、この変で失礼致します。
長尾先生、本当に毎日ありがとうございます。

Posted by 轟 瞳 at 2020年05月07日 11:55 | 返信

こんにちは。

昨日の『全国公開在宅テスト』の回答用紙ダウンロードのやり方がわからないです。
問3〜5は難しい(-_-; です。

単純ヘルペス(口の横にできた)ほんまに疲れた時出ます。3月終わり頃出ました。
常に塗り薬持ってるので、おかしいな?って思ったら塗りますが、かさぶたになって見えなくなるまで
3~4週間かかりました。
疲れが尋常じゃないと出没するので、ウィルスが『無理してるで!休みや〜』と警告してくれてると
思うことにします。私がウィルスと会話は出来きないので〜

進化の為、恩恵を与えてもらえるなら、コロナウィルスに、『まぁお手柔らかにお願いします』と、思うことにしますね。

Posted by rico at 2020年05月07日 01:03 | 返信

「ウイルスに打ち勝った証としての2021東京オリンピック」。
山中伸弥に言わせれば「ウルトラQ」だそうだ。5.6
専門家会議も政府も、ウイルスとはなにか、ウイルスと生物、ウイルスと動物、ウイルスとヒト、ウイルスとの付き合いかたについてレクチャーはしない。歴史や教訓、対する大まかな戦略も「出口戦略」もない。
「瀬戸際、瀬戸際」に始まり、「ここ1カ月の我慢」そして「出口に進む準備期間」と、バカな上司の進軍ラッパが続く。皇軍のインパール作戦のようだ。

長尾先生のコロナチャンネルで、「免疫」の続編も、おもしろそう。
ヨーガ教師の先輩から聞いたはなしでは、「全身の粘膜はつながっている」。
鼻、口、気道から亀頭、肛門にいたるまで、粘膜で得た情報は即伝導するとか。
真偽のほどは分からないが、鼻腔内の粘膜には興味がある。

30年前から、外出から帰ると手洗い、目洗い、頭髪洗いは習慣になっていた。
とくに「塩湯・鼻うがい」は日に2回はやっている。医院や警察署で実演したことも。
マスクをすれば鼻腔内の湿度は高くなるが、肺に残気が残り大気を十分取り入れられない。初夏に向かって熱中症の心配もある。

だから、マスクはつけない。前方から人が近づいて来たら、おもむろにマスクをつける。
鼻腔に入ってきた細菌、ウイルスは、粘膜で弱毒化、免疫する。あとは全身の粘膜ネットワークに任せる。
免疫力が低下しているときは、唇両端に亀裂ができる。ヘルペスが体外へ逃れようと出てきた合図だそうだ。

ド素人の妄想です。

Posted by 鍵山いさお at 2020年05月07日 06:53 | 返信

先生、コロナチャンネルありがとうございます。とても参考になっています。それから、家族それぞれ歩いています。
太陽にも感謝です。もちろん、心落ち着く雨にも感謝です。

Posted by 歩いています at 2020年05月07日 11:25 | 返信

コロナチャンネル発信、ありがとうございます。
軽快なテンポで解りやすいです。#05 宗教と恰好 で話されていたように、まさに
「よし! 来いっ!!」といった感じの気迫が感じられます。早くから状況を見据えていらしたから
どんと来い! 感が強いです。スポーツで、格闘技でも球技でも、目を凝らして前を、相手を見据えな
ければいけない。逃げては負け、と同じですね。
韓国がコロナ収束宣言して、成功要因が報じられていましたが、①PCR検査を徹底 ②軽症者をケア
③情報公開 の3点だそうです。日本の状況とは違うな...と思いました。長尾先生が仰る、500人中1人がPCR検査でき、残り499人の陰性コロナ患者が野放し、という説明が端的です。韓国は、その499人を
ケアしたということでしょうか。
以前、コロナに罹患したアメリカ在住日本人医師が、経験を発信しておられましたが、その中で、
「コロナと分かっている患者にPCR検査はしない」と看護師が罹患した先生にハッキリと言い、加えて
自宅で安静にする際の注意を伝えていました。その後をフォローすることが大事だと解ります。
そして長尾先生は、先の499人を日々フォローしておられるという話がよく解りました。

追記: 北海道が現在、東京都ピークの時の様相とありますが、報道が少なく、心配です。

Posted by もも at 2020年05月07日 11:45 | 返信

コメントする

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:

このたびURLを下記に変更しました。
お気に入り等に登録されている方は、新URLへの変更をお願いします。
新URL http://blog.drnagao.com


過去の日記一覧

ひとりも、死なせへん

安楽死特区

糖尿病と膵臓がん

病気の9割は歩くだけで治るPART2

男の孤独死

痛い在宅医

歩き方で人生が変わる

薬のやめどき

痛くない死に方

医者通いせずに90歳まで元気で生きる人の7つの習慣

認知症は歩くだけで良くなる

がんは人生を二度生きられる

親の老いを受け入れる

認知症の薬をやめると認知症がよくなる人がいるって本当ですか?

病気の9割は歩くだけで治る!

その医者のかかり方は損です

長尾先生、近藤誠理論のどこが間違っているのですか

家族よ、ボケと闘うな!

ばあちゃん、介護施設を間違えたらもっとボケるで!

抗がん剤 10の「やめどき」

「平穏死」10の条件

胃ろうという選択、しない選択

  • にほんブログ村 病気ブログ 医療・医者へ