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コロナ肺炎で死ぬのは苦しくない
2020年05月10日(日)
コロナ肺炎には、「息苦しい」、というイメージがついている。
コロナ肺炎で亡くなる人は「苦しそう」というイメージがある。
コロナ肺炎で死ぬのと、誤嚥性肺炎で死ぬのとどちらが苦しい?
コロナ肺炎で亡くなる人は「苦しそう」というイメージがある。
コロナ肺炎で死ぬのと、誤嚥性肺炎で死ぬのとどちらが苦しい?
不謹慎な話題かもしれない。
しかしそろそろ触れておいたほうがいいと思うので書く。
コロナ肺炎で死ぬのは苦しいか?
答えは「全く苦しくない」である。
なぜなら人工呼吸器をつける前から麻酔がかかり(深い鎮静)、
死ぬまで麻酔がかかったままなので、一切、意識がないから。
つまり、コロナ肺炎で死ぬのは苦しくない。(全く意識がない)
呼吸器をつけるには管を気管内に挿入する必要がある。
それは苦しいので、まず全例、「鎮静」をかけて行う。
その後は、人工呼吸器をしながら点滴をしながら、
治療薬を治験で使いながら、回復を祈るしかない。
結局、たいてい1~2週間で亡くなっているようだが、その間、
麻酔を切ることは一切ない。切った瞬間から患者が暴れるから。
その間も、看取りも、葬儀も、家族の面会は許されない。
家族が大切な人に会えるのは、骨になってからである。
いや、焼き場では骨を拾わせない、と聞いた。
すると骨壺に入ってからやっと会えるわけだ。
高齢者が入院するのは、まさに「今生」の別れと等しい。
それを知らずに入院して、後悔している家族がおられる。
こうした一連の非情なドラマの始まりは、すべてPCR検査である。
陽性→入院→人工呼吸器、という流れから逃れることはできない。
これが2類の指定感染症である。
PCR検査を受けるということは、この流れを希望することである。
高齢者がコロナにかかり人工呼吸器を付けれたら
生きて退院できる確率(生還率)は、3%である。→こちら
つまり、高齢者がPCR検査を受けること自体、
「生還率3%」の賭けに乗るか乗らないかだ。
以上は、あくまで高齢者(超高齢者?)の話である。
日本では、毎日、役3500人の人が亡くなっている。
そのうち誤嚥性肺炎は約1000名で、コロナ肺炎は今は40名程度。
じゃあ、圧倒的に多い誤嚥性肺炎は、どうなのか?苦しいのか?
高齢者の誤嚥性肺炎に人工呼吸器を装着して生還率はどれくらいか?
日本呼吸器学会の検討は、高齢者は「誤嚥性肺炎に対する生還率」とみていい。
http://journal.kyorin.co.jp/journal/ajrs/detail.php?-DB=jrs&-recid=12035&-action=browse
私達は3時間以上人工呼吸器治療を受けた70歳以上高齢者97例の予後,予後因子を検討した.平均年齢は79±6歳,男性が60%.人工呼吸器から離脱したのは61%,生存退院は37%であった.悪性腫瘍合併11例は全例死亡退院のため,予後は離脱は97例,退院は悪性腫瘍合併を除いた86例につき検討した.70歳から75歳未満は離脱が63%,生存退院は67%,75歳から85歳未満は各々69%,39%,85歳以上は33%,12%と加齢に伴い離脱,生存退院が減少した(各々p=0.026,0.003).
つまり超高齢者の生還率は、12%である。
だから、日本呼吸器学会は、「高齢者の誤嚥性肺炎は緩和医療を施し、
治療しないという選択肢もある」というガイドラインも出していた。
「抗生物質」という武器があるもも関わらず、である。
今、なぜ日本呼吸器学会が高齢者のコロナ肺炎への治療指針や
人工呼吸器の装着に関するガイドラインを出さないのか、出せないのか?
実は、ある高齢医師グループでアンケートを取ったそうだ。
「自分がコロナ肺炎になった時、呼吸器をつけて欲しいか、欲しくないか」
まあリビングウイルのようなものである。
するとほとんどの医師は「つけないで欲しい」と回答したそうだ。
生還率3%を知っているので、そのような選択をしたのであろう。
いずれにせよ、コロナ肺炎のほうが誤嚥性肺炎よりずっと楽である。
誤嚥性肺炎にリビングウイルを書いてもいいが、
コロナ肺炎で書いたらいけない、そうだ。(エライ人)
その理由は、未知の病気だから。
でも、未知だからこそリビングウイルであり、人生会議では?
みんなおかしくなっている。
なんでコロナ肺炎だけが特別なのか?
今日一日、
コロナで亡くなった人は40人で
コロナ以外で亡くなった人は3500人、である。
突然死や医療過誤や交通事故や自殺もある。
死ぬときは、死ぬのが人間である。
なんでコロナだけが特別なの?
もうそろそろ、差別や偏見はやめませんか。
「私たちは、新型肺炎の「看取りのない死」と
「送りのない死」をどこまで想定できているか」
https://news.yahoo.co.jp/byline/katoyoriko/20200408-00172090/
PS
コロナチャンネル。
)#021_ 「寝てない自慢」はもうダサい! 睡眠と免疫の話
https://youtu.be/AGVMPCDzpbQ
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この記事へのコメント
PCR検査を希望するのは「自分の病気をはっきりさせたい患者サイド」「受け入れ先を確保したい医師」「自分の手から離れてほしい医療・介護スタッフ」という思惑が強いでしょうね。
一旦終息したあとに振り返って、結局インフルエンザ並に対応するべきだった、PCR検査なんてせずに全ての医療機関で診察すればよかった、という結論になれば風向きが変わるかもしれません。そうなってほしいです。
Posted by 広島の赤牛 at 2020年05月10日 08:15 | 返信
ユーチューブいつも楽しく見ています。解りやすく話してくださるので、私にも頭に入ります。ありがとうございます!毎日5000以上歩いて、寝るときはサンドイッチマンの睡眠用のユーチューブを聞きながら、笑いながら寝ています。サンドイッチマンお薦めです。たまに電車で聞いて、一人で笑ってます。コロナ太りしそうですがたまに半断食してます。体温が低いんですが、暖かい飲み物を飲んだらいいんでしょうか?いつもありがとうございます
Posted by Iruka at 2020年05月10日 02:25 | 返信
私は高齢者であるがPCR検査を絶対受けたくない。だから、新型コロナに感染しないように自粛しているが、熱とかの症状があれば自宅療養するだけだ。もし、容態が急変して死んでも、それが寿命だと思っている。
日本は医療に頼り過ぎる高齢者が多いように思う。高齢者が人工呼吸器をつけても生還率は低いし、助かっても重度の要介護者になって家族の手を煩わせる可能性がある。
死に方は本人が選ぶべきもので、新型コロナ騒ぎの中、高齢者は自分の死を考え、家族に「自分の死に方の希望」を伝えておくべきだと思う。
Posted by 古希まえ男性 at 2020年05月10日 05:04 | 返信
動画、とても楽しみにしています~
夜、寝る前に拝見するのが日課になりました。
いびきの件では、ひとり大笑いしてしまいました(^^)/
おなかの底から笑ったのはひさびさでした。
これからも、コロナだけでなくぜひ続けてください!!!
Posted by りりー at 2020年05月10日 08:30 | 返信
人生七十古来稀なり。古希まえ男性さま。
古稀になられた山極寿一がおもしろい。
「サルたちは食べるときには分散するのに、人間はむしろ集まって食事をする。」「長い進化を経て築き上げてきた共食という社会力を、私たちは手放すべきではないだろう。ただ、今回はウイルスの感染を防ぐために、人間の共食習慣をいったん解いて、サルのように分散して食べてみるのも一つの方策だと思う。」(読売新聞5.11)
古稀の山極寿一は、「共食という社会力」概念に焦点をあてている。
古希まえ男性さんは、「高齢者の死」概念に焦点をあてておられる。
世界各国で、「人工呼吸器をめぐるトリアージ」が医療者を悩ませ苦しませたと報道された。「年齢」や「障害」でトリアージすべきという意見が大勢だ。
「マスクなし・ソックスなし老人」は、日々外出しまくる。宇宙の気を鼻腔に取り入れ肺気を鼻腔から吐き切る。ウイルスを弱毒化し無毒化する。「社会免疫」をめざす。ウイルスとの共生・共存をめざす。
「ウイルスにとってみれば、宿主を殺してしまうというのは全然得ではない。ウイルスにしてみれば、宿主の体の中で堂々と生きていけたら、他の人に移ることもなく、それが一番幸せなはずなんだ。」(塩田達雄・『情熱大陸』5.50)
鍵山いさおから古希まえ男性への返信 at 2020年05月11日 09:19 | 返信
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