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携帯電話でのオンライン診療

2020年05月11日(月)

当院は、2年以上前からオンライン診療に登録しているが、
今回のコロナ禍で本格的にオンライン診療を活用している。
テレビ電話ではなく携帯電話でやっているが、快適である。
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先月の医療タイムスに書いたからではないが、
今回、携帯電話でもよい、と規制緩和された。

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医療タイムス4月号  オンライン診療は携帯電話ではダメなのか?
 
 2年前の診療報酬改定時にオンライン診療の登録をした。しかし縛りがキツすぎて一例も行わなかった。正確には行えなかった。そして今回の新型コロナウイルス感染の拡大に伴い、オンライン診療が初診にも規制緩和されたという。しかし現在のままではやはり限定的な広がりに終わるのではないか?私が考えるオンライン診療の課題と解決策を述べてみたい。

 第一に、リアルタイムの動画は必須なのか?という命題だ。たしかに顔が見えたほうがお互いに安心だ。顔貌などの視診ができるという利点もある。しかし動画を使うためには専門業者に依頼しなければならず煩雑かつ高額である。要はハードルが高い。携帯電話でも動画と劣らない情報を得ることは可能だと思う。息づかいで心不全や肺炎の有無、簡単な問答で認知症の程度は、十分に診断できる。筆者は在宅医療で25年間365日24時間、携帯電話で電話再診を行っているが、画像が必要だと思う頻度は1%以下だ。皮疹の相談の時くらいである。リアルタイムの動画は努力義務ないしサービスと位置づけて、まずは携帯電話での通話でOKとすることで、敷居がかなり低くなるのではないか。

 第二に、なりすまし問題についてである。なりすましが懸念されるというが、それは簡単な質疑応答(問診)で解決するのではないか。向精神薬や抗精神病薬の不正入手を懸念しているのだろうが、「携帯電話ではそれは禁止」でいいだけではないのか。それ以外は、なりすますメリットがあるとは思えない。

 第三に自己負担金の徴収方法である。クレジット決済を前提としているようだが、高齢者はクレジットカードを持っていない人が多い。「代理人が1ケ月以内に振込みないし窓口に持参」を義務づけて、それがなされない場合は「翌月は診療不可」にすればいいだけでは。

 第四に、初診の取り扱いについて。先週末、「初診からオンライン診療が可能に」というニュースが流れたがさすがに初診だけは、動画が圧倒的に望ましい。初診時だけはテレビ電話が可能なスマホを持った家族や知人が付き添って動画で診察すべきであろう。家族や知人はオンライン診療の「診療契約」を口頭で結ぶ際の証人になってもらえる。もちろん、これにより、なりすましは除外できる。

 第五に、在宅医療への応用である。ある意味、これはパンドラの箱であろう。もしも携帯電話での在宅医療が認められたら診療報酬の大半は24時間対応分だけになり、在宅専門クリニックには大打撃であろう。しかし長い目で見ると訪問診療も電話再診に置き換えるほうが在宅医療の裾野を広げることになるのではないか。

 要は、オンライン診療の規則は一言で表現するならば「バランス悪すぎ」である。現場を知らない役人さんが考えているのか。いや、そうではなく特別な力学が働いているのか。特殊な機器やシステム導入を要せずに携帯電話一本で可能にすることで、一気に広がるはずだ。もしも日本医師会の意向を受けて、本気の導入を躊躇しているのであれば言語道断である。コロナ禍の今こそ拡大のチャンスであるのに、その芽を摘んでいる勢力があれば公表すべきである。オンライン診療は市民のためのものだ。今広げないで、いつ広げるのだろう。

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結構、過激な文章であるが、
今は実現しているから凄い。


ただし現在の「緩和」は、コロナ特例であり、
期間限定の緊急措置である。


問題は、ポストコロナ時代のオンライン診療だ。


開業医の9割は、「厚労省にハシゴ外されるぞ」と思っている。

日本医師会も最後まで反対していたようだ。

しかし私は、オンライン診療は患者の需要なので
コロナの後も、もう元には戻らないと思っている。

外来は「3ケ月に1回は対面診療すること」などの
条件が継続される、と考えるのが誰にでも自然だ。


さらに問題は、在宅医療だ。

在宅医にとって、オンライン診療は「不都合な真実」だ。
訪問しなくても「電話でも訪問とみなす」とは、衝撃だ。

コロナ後も、在宅オンライン診療は継続されるかもしれない。
もちろん、診療報酬は大幅減額だろう。

1ケ月に1回は訪問診療して、あとはオンラインでも構わない、
というふうに、在宅もオンライン診療が組み込まれるだだろう。

すると、外来と在宅の境目があまりなくなる。

在宅専門クリニックには大打撃だろう。
外来をしないとやっていけないのでは。

コロナは開業医にとっての憲法である「療養担当規則」の根幹をも揺るがす。

多くの開業医は戦々恐々であろう。
しかし、なるようにしかならない。


人間がいる限り、「医療」が無くなることはない。

不要なものは淘汰され、必要なものだけ残る。

病院も同じだが、自然淘汰の道を辿るだけだ。

厚労省は、内心、大喜びしている。(はず)

コロナは、医療スステムを根幹から変える。

でも、まだ気が付いていない医者もいるようだ。



PS)

訪問看護や介護は、ほぼ不変である。

医療で浮いたお金が、そちらに回るのであろう。






















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この記事へのコメント

「厚労省は内心大喜びしている」私もそう思っていました。
コロナ禍によって開業医(特に高齢開業医)が続々と廃業・引退してもらうのが厚労省の狙いです。
コロナを2類にして、PCR検査の権限を一切与えないのも、すべて開業医を機能不全にするのが目的ではないでしょうか?一般市民に「開業医はかぜすら診療できないのだ。いかに無力な存在であるか」という事実を知らしめて啓蒙するキャンペーンになっている気がします。
厚労省(財務省)としてはできるだけこの状況を長く引っ張りたい所です。
それに気がつかない大半の国民の批判の矛先は厚労省ではなく開業医に向かうでしょう。

Posted by マッドネス at 2020年05月11日 10:41 | 返信

コロナチャンネル#22: 長尾先生、楽しそう!さすが内科医・真骨頂!
バラエティー的健康番組は、贅肉が多すぎて、結論を早く聞きたいけどな..。と思うこと、しばしば。
なので、番組1本分の価値ありますね。人間はストレスを減らし、栄養と歩行と睡眠(快眠)がThe健康!
と、それが基本でいて、それに尽きるんですね。健康な時によく解ります。不健康生活な時は、大抵
「わかっちゃいるけど..。」的な気分で理解が遠いです。
オンライン仕事に切り替えたサラリーマンが「通勤が省けたお陰で、健康生活になり仕事が捗る。」と
言ってましたが、総自粛生活によって、人との接触減効果だけでなく、基本的な健康生活を取り戻した
効果が、感染者減少に影響したかも知れないですね。
オンライン診療:電話診療が発展するといいですね。メリットは大きいのではないでしょうか。
電話は割と相手を的確にキャッチすると思います。PC画面越しよりも、会話がダイレクトだから、
微妙なニュアンスとか、うそっぽいとか、本音とか、人は敏感に捉えるものだと思います。
電話で、いつもの薬を頂けたなら、病院の混雑回避・感染回避で万々歳です。

Posted by もも at 2020年05月11日 03:31 | 返信

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