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もしもオンラインが対面より高い診療報酬だったら
2020年07月27日(月)
オンライン診療は患者さんには大人気だけど
お医者さんや医師会には大変な不人気である。
でも、もしも対面診療よりも高かったらどう?
お医者さんや医師会には大変な不人気である。
でも、もしも対面診療よりも高かったらどう?
医療タイムス7月号 もしもオンラインが対面より高い診療報酬だったら 長尾和宏
東京を中心に再び、感染者が増え、受診が怖いという患者さんが増えている。ようやく対面診療に患者さんが戻ってきたなと思いきや雲行きがまた怪しくなってきた。
コロナ禍の最中、「初診からのオンライン診療」が認められた。今年末までの期間限定とはいえ、あり得ないと考えられていた通達があっさりと出た。またたく間に1万軒以上の医療機関が登録した。これを見て「在宅療養支援診療所登録」の創設時を思い出した。「とりあえず届け出ておこう」という診療所が大半であった。あくまで申告制なので届け出をしていないと、乗り遅れるのではないかという焦りもある。未来が見通せないなか、あくまで時限的措置である。しかし来年以降も続くかもという噂を聞いた。しかし日本医師会は初診からのオンライン診療が恒久的になることに反対している。
近未来を見通せば医療のICT化は不可避であろう。誰だって診察室で対面で診療したい。しかし感染症や災害時などオンラインで診療せざるを得ない局面は増えるだろう。また患者側のニーズも大きい。今回の「テレビ付きでなく電話だけでもいい」という通達も大きい。電話しかできない高齢者でも可能だ。これが従来からあった電話再診に処方が付加されたものと理解している。これならば高額なソフトを購入しなくてもどこの医療機関でも可能である。今後、診療所のオンライン診療への本気度が試される。なりすましや向精神薬の問題があるので、様々な制約が設けられるのは当然のことである。
さて、医師会がオンライン診療に反対しているもうひとつの理由は診療報酬が低いからであろう。診療単価の減少は医業経営に直結するので死活問題になる。では、もしも「オンライン診療のほうが対面診療より高かったら」いったいどうなるのだろう?と思ってしまう。当然、患者さんの自己負担も高くなる。しかしそれでも通院の交通費や手間暇を考えてオンライン診療を希望する患者さんはいるだろう。そうなった時に現在オンライン診療に反対している先生はどんな意見を述べるのだろうか。「3回に1回対面診療があればいいじゃないか」、「いや落ち着いていれば年1回でもいいよ」という医師が現れないか。
というのも前述した在宅療養支援診療所に登録した医療機関のなかには「診療報酬が高いから」という先生もおられた。オンライン診療も同様なことになるのだろうか。そうなるとこれは財務省マターになるのか。国は、安かろうだけで行くのか、多少高くても患者利便のため推進するのか、国の本気度も試されてくるはずだ。きっと診療報酬は徐々に上がると予想する。
実は、オンライン診療の本丸は在宅医療ではないかと思っている。コロナ禍のなか朝日新聞が「訪問しない在宅医療」というタイトルで新宿区の診療所を紹介した。この見出しを見て私はハッと思った。オンライン診療は実は在宅医療にも大きな市場があるのでは、と。誰も怖くて口に出さないだろうが、そう考える人が増えるかもしれない。患者さんも「それでいい」、「そのほうがいい」という人もいるだろう。そして、在宅医療の診療報酬が、もしも対面もオンラインも同額ないしそれに近い報酬だったら・・・。第二波の中、そんなことを夢想している。
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別にお金の問題だけではない。
しかし、大切な指標ではある。
医療費が安い=患者は嬉しいが、医療機関は儲からない
医療費が高い=医療機関は儲かるが、患者さんはどうか?
もしも「多少高くても通院しなくてもいいなら歓迎」
という患者さんが増えたら、医師会は何と言うのか。
そんなことを夢想している。
今日も終日、新人女医さんと一緒だった。
つどい場さくらちゃんにも、立ち寄った。
夜はお看取りもあって、またまた大忙しだった。
いい歳なのに、こんな毎日で本当にいいのかな?
PS)
コロナチャンネル#099
日本で死亡者が少ない理由は2つ!
そして死ぬリスクが高いのはこんな人!
https://youtu.be/JedQycNoqSY
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