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陰性後も肺炎持続
2020年08月18日(火)
一見、風邪に似ているけど
「しつこい」やつも、いる。
新型コロナ感染、重症化で中和抗体が増加
陰性後も肺炎継続か 神戸大が研究
配信
]
神戸大学の研究グループは12日、新型コロナウイルス感染症の重症度が高いほど、ウイルスを攻撃する「中和抗体」が多いと発表した。重症患者は無症状者に比べ、最大200倍以上だった。一方、抗体の力でウイルスを排除した後も、細胞から分泌される「サイトカイン」が過剰放出され、肺炎が長引くことも分かったという。
同大学は、4~6月に兵庫県立加古川医療センター(加古川市)に入院した患者12人の血清を解析した。重症者が10人で、うち7人は人工呼吸が必要な重篤な患者(3人は死亡)。ほかに軽症と無症状の各1人を含め、全員から中和抗体が検出された。 体内でウイルスが増殖し、重症度が高いほど抗体量が多い傾向になることも分かった。同抗体が増えればPCR検査で陰性化するが、肺炎は続くとみられる。再感染はしにくいと予測されるが、今後の調査が必要という。 重症化を防ぐためには、高齢者や基礎疾患のある患者に対して、ウイルスが増殖する早期に中和抗体を含む血漿や、抗ウイルス剤を投与することなどを提唱した。神戸大大学院医学研究科付属感染症センター長の森康子教授は「抗ウイルス剤などの投与は、重症化後にするのではなく、感染初期に始めることが重要ではないか」と述べた。(井川朋宏)
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重症者ほど、「抗体」という名の軍隊が出動する。
しかし軽症者は、自然免疫だけでウイルスをやっつけてしまう。
しかし「消えた!」と思っても、肺や血液に残っていたりする。
だから完全治癒までに時間がかかったり後遺症が残ったりする。
つまり、強いのか弱いのか、全く分かりにくい奴。
こんな「ステルス性」のウイルスは他にないはず。
しかも感染成立後の免疫応答が、人によって全く違う。
免疫応答の多様性こそが、このウイルスの個性である。
コロナは人によっては、大切な免疫系を酷くいじる。
だから後遺症としての自己免疫疾患が知られている。
神経系の合併症が気になる。
HPVワクチン後のハンスを想起させる。
PCR陰性後も肺炎継続するのはそんなことだろうか。
抗体が生じても、炎症は続く。
人によっては、持続感染する。
まるで肝炎ウイルスのようだ。
HIVを想起させる行動もある。
全くの新手、と言っていいだろう。
悪質な詐欺師みたいなウイルスだ。
テニスの錦織圭も感染した。
ほとんど無症状のようだが。
彼に取りついたウイルスは日本型ではないはず。
アメリカ型であろうが、今後どんな経過を辿る?
自然免疫が高い錦織圭さんであっても
アメリカ型にちゃんと対応できるのか。
海外在住の日本人の感染後の経過を詳しく知りたい。
日本国内の経過とまったく同じか、かなり違うのか。
もしも国内の日本人と同様ならば「体質」や「従来型コロナとの
交差免疫」などで説明がつくだろう。
一方、違っていれば、ウイルスの性質が違う事になり、
今後、国際航路などを開く時に、より慎重にすべきだ。
つまり
日本の奇跡の理由が
・日本人側にあるのか
・ウイルス側にあるのか、を推測することができる。
・・・・・
日本の第二波はお盆でピークを越えたような気がする。
とりあえずは、また一旦下降線になるのではないか。
それ以降は、まさに「市中感染」となっていく一方なので
インフルと益々似てきて「季節性」へと移行するのだろう。
しかし、気持ちが悪いウイルスである。
その多様性が市民の恐怖を生んでいる。
・・・・・・
医師は、本当のところ、どう思っているのか?
100人の医師の本音が、今週号の「週刊現代」に載っている。
私の意見も少し載っている。→こちら
・・・・・・
●Long-Haul(長期間)COVID
後遺症
「Long-HaulないしLong-tail COVID」と呼ばれている筋痛性脳脊髄炎・慢性疲労症候群様の後遺症と,感染後・免疫介在性に生じる神経合併症(重症筋無力症,遅発性運動異常症,ギラン・バレー症候群)です.脳神経内科的には極めて多彩な病態を来すため,日常診療の場において,ありふれた疾患でもCOVID-19の可能性を常に考えて診療を行う必要があるように思います.
●Long-Haul(長期間)COVID と名付けられたCOVID-19の後遺症.
急性期から回復した患者の多くが,後遺症を呈することが明らかになりつつある.これには精神症状,睡眠障害,運動不耐性,自律神経症状(軽度の運動や起立時の頻脈,寝汗,温度調節異常,胃運動障害,便秘・軟便,末梢血管収縮),持続的な微熱,リンパ節腫脹などが含まれる.この病態に関する査読付き論文はまだ報告されていないが,ウェブ上では多くの記事で取り上げられており,「Long-Haul(長期間)COVID」もしくは「Long-tail(長い尾)COVID」と呼ばれている(図3:doi.org/ 10.1126/science.369.6504.614).
例えば26歳の高校教師は,自身の症状を以下のように説明している.「胸が痛くて,頭が痛くなる.体が痛くて心臓がドキドキする.ほとんど動けない極度の疲労状態だ.脳は霧の中で,ペットの犬の名前さえ覚えていない.睡眠と食欲を失う.足がしびれ,耳鳴りがする」
医師による検査では,症状を説明できる異常は見つからない.症状の多くは,筋痛性脳脊髄炎・慢性疲労症候群(ME/CFS)に似ている.ME/CFSの原因は不明だが,ウイルス感染を引き金として発症する可能性が指摘されてきた.Long-Haul COVIDは,ME/CFSの病態生理を研究する絶好の機会となるかもしれない.
Neurology. Aug 11, 2020(doi.org/10.1212/WNL.0000000000010640)
●神経合併症(1)COVID-19感染後に重症筋無力症を発症しうる.
重症筋無力症(MG)は,アセチルコリン受容体(AChR)や神経筋接合部のシナプス後膜の分子に抗体が結合して発症する自己免疫疾患である.COVID-19発症後にMGを発症した3名(64~71歳,男性2名)がイタリアから報告された.発熱の出現後,5~7日以内にAChR抗体陽性の全身型MGを呈した.抗体価は22.8~35.6 pmol/L(正常値0.4pmol/L未満)であった.全例胸腺腫は認めなかった.治療は臭化ピリドスチグミン,プレドニゾン,IVIGに対し,通常のMGに典型的な反応を示した.病態機序として感染後・免疫介在性の障害,すなわちウイルスタンパク質に対する抗体がAChRサブユニットと交差反応した可能性が考えられる.
Ann Intern Med. Aug 10, 2020(doi.org/10.7326/L20-0845)
●神経合併症(2)重症例において遅発性に出現する運動異常症.
フランスからの報告.ICUに入院し,人工呼吸器管理をされたのち,抜管後23±7日後(14~31日)に遅発性運動異常症を呈した5症例の症例集積研究.4名に上肢の姿勢時・動作時の振戦が認められ,そのうち1名(患者2)には不規則な起立性振戦が,1名(患者4;腎不全を合併)には両側上肢に安静時および姿勢時・動作時にjerky/myoclonicな異常運動が認められた.残り1名は右半身優位の動作時振戦であった.電気生理学的検討は患者2と4で行われ,大脳皮質ミオクローヌス(異常な長ループC反射)と皮質下ミオクローヌス(持続時間の長いバースト)が示唆された.病態機序として,(1)ウイルスによる直接的な中枢神経系の障害,または感染後・免疫介在性の障害,(2)(とくに症例4では)代謝性(腎不全),低酸素血症後ミオクローヌスの可能性が考察された.
Eur J Neurol. 2020;10.1111/ene.14474. doi:10.1111/ene.14474
●神経合併症(3)COVID-19関連ギラン・バレー症候群(GBS)のsystematic review.
14編の論文で,合計18名の患者を対照としたsystematic reviewが報告された.全例, COVID-19の症状を認め,咳と発熱が最も多く認められた症状であった.COVID-19を発症してからGBSを発症するまでの期間は-8日(8日前)~24日(平均9日,中央値10日)であった.ほとんどの患者は,電気生理学的に脱髄型を呈する典型的なGBSの臨床像を呈していた.8例(44%)で人工呼吸器を要した.2例(11%)が死亡した.
Eur J Neurol. Aug 5, 2020(doi.org/10.1111/ene.14462)
●神経合併症(4)COVID-19は頭痛のみ呈しうる.
トルコからの報告.頭痛が原因で頭痛外来を受診し,COVID-19と診断された患者を対象とした観察研究である.軽度の症状を有する PCR で診断されたCOVID-19 患者 13 名(女性9名)の頭痛の特徴が報告された.頭痛は全例で経過中の初期症状として出現したが,3名の患者は頭痛のみを呈していた.片頭痛に似た特徴を持つ重度の急激な発症,弱まることにない頭痛に加え,嗅覚・味覚障害や消化器症状(下痢,食欲不振,体重減少)を呈していた.頭痛は70%の患者で3日間持続し,全例で2週間以内に消失した.頭痛はCOVID-19の単独症状となる可能性があり,その他の症状を認めない患者では見逃される可能性がある.片頭痛の既往のない急性発症の持続性の頭痛を呈する症例,および嗅覚・味覚障害や消化器症状を合併する症例では,COVID-19に伴う頭痛を鑑別する必要がある.また考察では,アンギオテンシン系,CGRP,炎症性サイトカイン,三叉神経血管系が頭痛に関与する可能性について議論している.
Headache. Aug 13, 2020(doi.org/10.1111/head.13940)
●神経合併症(5)動脈硬化性病変や危険因子を有する症例では大血管閉塞に注意する.
CPVID-19における脳梗塞と動脈硬化性病変の関連について検討を行ったフランスからの報告. COVID-19患者で,大血管閉塞(large vessel stroke)を呈した6症例(年齢中央値は52歳)について後方視的な解析を行った.全例,高血圧,糖尿病,脂質異常症,BMI>25などの危険因子を有していた.COVID-19の呼吸器症状の出現から,脳卒中発症まで11.5日であった.ベースラインにおいて,全例,CTまたはMR画像で脳内および脳外の血栓を有していた.頸部頸動脈に大きな血栓を認めた症例は,画像検査では,基礎となる軽度の非狭窄性アテローム腫を有していた(図4).血管リスク因子や基礎となる動脈硬化性病変を有する患者において,COVID-19感染した場合,脳梗塞の発症の有無を注意深く確認する必要がある.
Eur J Neurol. August 6, 2020(doi.org/10.1111/ene.14466)
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今日も暑いね・・・
コロナよりも熱中症予防。
頑張ろうね。
PS)
コロナチャンネル #121
芸能人のコロナ感染者続々⁉ ということは、あなたの周りも…。
https://youtu.be/9jRivE9CylU
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この記事へのコメント
後遺症としては労作時息切れ、倦怠感、疲労、階段や坂道が登れない。つまり酸素化できない。
ウイルス間質性肺炎による肺線維症、ウイルス心筋炎による心不全など多岐にわたります。
肺線維症+心不全だと相当な後遺症を残すはずです。
重症化のファクターとしては肥満・糖尿病・喫煙以外にも、ウイルスへの過剰暴露もあると思います。
ウイルスを大量排泄する重症患者への医療対応は健常者にとってもハイリスクだと思います。
PPEで完全防備していても、濃厚接触すれば、大量のウイルスへの過剰暴露環境に長期間いれば、それが感染&重症化リスクになると思います。つまりコロナ治療最前線の医師、看護師などです。武漢の時からPPE完全装着していてもコロナで重症化する医療者は後を絶たないはずですが、その実態はなぜかほとんど報道されませんね。
開業医やそこのスタッフはは基本的に軽症患者を相手にしているので、両者マスク着用で1~2m15分以内の接触であれば、感染リスクは低い、たとえ感染したとしてもウイルス暴露量が少なければ軽症で済むのではないかと思われます。もしそうであれば、マスク・フェイスシールド、手袋、ガウンを着用していれば、インフルと同じように診療すればいいのではないか?と思います。
心配されるのは新型コロナよりはるかに多い発熱患者を量産するインフル流行期。インフルが外来で診れないという事態が起これば、パニック必至でしょう。公衆衛生学的には、発熱インフル患者は受診せずに
ステイホームが正解なのだと思いますが、日本人にこの欧米の常識が受け入れられるかは疑問です。
Posted by マッドネス at 2020年08月18日 10:36 | 返信
いつも興味深く読ませていただいております。
> 海外在住の日本人の感染後の経過を詳しく知りたい。
> 日本国内の経過とまったく同じか、かなり違うのか。
日本国内での外国人の感染の経過はどうなっているのでしょうか?
データがあるのかどうか?
Posted by 蓬田盛弘 at 2020年08月18日 11:10 | 返信
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